衛宮ジーク、現在ラビットハウスの厨房に居る。
アスカとシキも一緒だ。
チノの提案でマヤ、メグの中学生組とともに、スコーン作りに挑戦するとのこと。
「で、肝心の作り方は?」
「知りません。
これだけいれば知ってる人いますよね」
「知りませんよ。」
「お母さんと食べたことはあるけど作り方は知らないなぁ…」
「すまない…」
「実は別のものなんじゃないの?
ストーンとかスポーンとかの聞き間違えとか」
「きっとスッポンだよ。
あれおいしいよね〜」
…食べたことあるのか、メグ。
で、チノは結局スッポンのことだと思って聞きに行ってしまった。
「そういえばココアへのサプライズだと言っていたが…本人はどこに?」
「ティッピーとリンネと一緒にデートに行ったってさ」
…なん………だと………!?
「見てみてリンネくん!夕焼けがきれいだよ〜」
「うん…綺麗だ…」
「私…お姉ちゃんとしてチノちゃんのお手本になる生き方出来てるのかな…リゼちゃんとも仲良くなれたけど…まだ変な子だって思われてないかなぁ」
「うーん…どうでしょう…」
「本当…年頃の女の子の接し方は難しいです…」
誰!?
一方その頃ラビットハウス。
メグがココアの制服を借りて嬉しそうだ。
マヤはマヤでリゼ…さんに制服の交換をせがんでいる。
「母が作ったバータイムの女性用制服ならあります」
「ようこそマヤのバーハウスへ!
いいネタ入ってるよ♪」
切り替えが早いな。
「良いな〜マヤちゃんもメグちゃんも。
ボクも可愛い制服きたい!」
「もうありませんよ」
「ちぇー」
アスカが悪態をついた。
確かに見た目こそ女性らしいが、制服まで合わせるのか?
「肩幅は男らしいままなので多分似合いませんよ」
「むぅ!!なにさ、シキだって人のこと言えない見た目してるくせに!!」
「今私の話は関係ないでしょう!?」
…また喧嘩が始まってしまった。
放っておいて作り始めるとしよう。
「私達が作ったのおいしく出来たらお店のメニューにできるかな?」
「ラビットハウスで正式に働くための試験みたいだね~」
試験…か。
「つまり将来的にはマヤとメグも
「そうかも!そしたらボクたちライバルかな?
ラビットハウスの三姉妹vs衛宮さんちの三兄弟!みたいな!」
「ココアさんがすっ飛んできそうですね」
ココアか…そういえば、このスコーン作りもココアへのサプライズだったか。
話によるとホームシック、らしい。
「ココアちゃん喜んでくれると良いね〜」
「わざわざココアさんのために私達も呼ぶなんて、やる気じゃないですか」
「いっ、一緒に暮らしている身としてこのぐらいはと…」
「素っ気なそうに見えてアネキ思いじゃん!」
「うんうん!ツンデレ、ってやつかな?」
「いっ、いいえ!これはいつか
「なら、今回の試験官はリゼ…さんか?」
「はい。うちで料理に詳しいのはリゼさんなので」
それで言ったらチノのお父さんのほうが…まあいいか。
とにかくスコーン作り開始だ!
スコーン作りから数分後、アスカが冷蔵庫から生クリームをとりだして…ペットボトルに入れた?
そして勢いよく振り始めた。
「アスカ何してんの?」
「クロテッドクリーム…っぽいのを作ってるんだ〜
もっとたくさん振らないといけないけど…流石に疲れるね…」
「じゃあ今度は私が振るよ!交代こうたーい!」
「私もやる〜!」
「力仕事なら私も手伝いますよ」
「では私も!」
皆で交代しながら、スコーン作りと並行してクロテッドクリーム『風』のものを作った。
一方ココアとリンネ、それとティッピー。
現在、ココアちゃんと知り合いだという小説家の青山さんとお話中です。
うさぎになったバリスタ…だっけ。
僕も読んだけどなかなか面白かったなぁ。
「昔お世話になった喫茶点のマスターが経営不振だった時に
“いっそうさぎになりてぇ”とグチってたのを参考にしたんです。
映画化されるほど売れるようになれたと報告したいんですが、多忙で間が空いてしまい…」
そりゃ、それだけ売れっ子作家になればね。
にしても、経営不振の喫茶店のマスターか………
近親者に二人ほど居るぞ。
まさか将来二人もうさぎになったりしないだろうな…
「でもうさぎになりたいなんておちゃめな人だね〜」
「そうだね。
きっとそういうところがちょっとした人気だったりしたのかも」
「いえ、正直お客自体あまり来ていなかったような…」
ええ〜………。
その後も、デートという名の何かは続く。
アクセサリー屋でティッピーを着飾って(?)、公園でゆったりして…ココアさん、ティッピーを枕にするのはやめてさしあげて。
その後は、甘兎庵で新作のスイーツを試食したりしました。
…いつの間にかタマキも一緒に試食してました。
何やってんだお前。
「意外と簡単だったね!」
「ココアちゃんみたいに上手く焼けないよ〜…」
「言ってることと出来具合が逆に見えます」
たしかにそうだな。
さて、こちらは…
「どうどう?完璧でしょ?」
「なかなか思うように行かず…」
こちらはこちらでリアクション通りの出来だ。
だが、悲観するほど酷いというわけでもないぞ。
「そういえばジークはどうだったの?」
「確かに、手際は良かったですが…」
「いや〜意外とボロボロだったりするんじゃないの?見せろ〜!」
「み、見せろ〜!」
…そんなにせがまれても、俺のスコーンは…
「「「「……………」」」」
「…すまない…リアクションしづらい普通の出来ですまない…」
「普通に作れるならそれに越したことはありませんよ」
その後、みんなの作ったスコーンをリゼ教官…げふんげふん。
リゼさんに試食してもらうことに。
「メグは…紅茶を混ぜたのか。初めてなのにうまいな。
アスカはクリーム入りか。美味しい…!
シキはくるみ入り…うん、食感がいいじゃないか。味も申し分無し!
マヤは…うっ!?
何だこの味は…!?地雷スコーン!?」
地雷…?
たしかに形は悪かったが、味もそんなにひどいのか?
「名前つけてもらえていいな〜。
たくさんスパイス入れてたもんね」
「マズすぎて笑えるよね!」
「…マヤ。
食べ物を粗末にするのは、良くない」
「…ゴメンナサイ」
分かればよろしい。
その日は最後にココアへメッセージカードを残して帰宅することにした。
…後日、うっかりマヤの地雷スコーンを始めに食べてしまい、スコーンがジャムまみれになったとのことだ。
あと、リンネが大量のジャムをお裾分けしてもらい、我が家の朝食はしばしの間ジャムを塗ったトーストが定番になった。
この後、衛宮さんちで改めてスコーンを作り、皆で簡単な茶会をしたとかなんとか。