ジークです。
温泉プールに来ました。
アスカとシキも一緒…なのですが、現在マヤとメグと水掛け合戦に興じています。
「うむ。二人も中学生だ。
友人と戯れたいときとある、そーいうときだってある!
だがなぜ!?私はここに居る!?」
シロウが嘆く。
何故と俺に言われても。
そもそも同伴を求めたのはあっちで皆をまとめているリゼさんだぞ。
文句なら彼女に言ってくれ。
「いくら年長と言っても私も所詮高校生だからな。
成人の同伴があったほうが安心だと思って」
「君は少々私を都合良く扱い過ぎではないかね…
私が妙な勘違いでも起こしたらどうするつもりだ?」
「それを本当にするほど馬鹿なやつじゃないとは理解してるさ。安心しろ」
「………こんなにも安心できない信頼の置かれ方はいつぶりだろうか…」
複雑なようだな。
…チノはなにやら浮かない顔だ。
と思ったら、青山さんが。
「青山さんもよく来るのか?」
「小説のアイディアはどこに転がっているかわかりませんから。それでは〜」
そのまま水の流れに乗ってすぅ~と行ってしまった。
前々から思っていたが、不思議な人だ。
「さて…いざ来たはいいがどうする、チノ?
チェスで勝負でもしてみるか?」
「そうですね。それ以外に特にやることも…」
「ちょおおっと待ったぁ!!
せっかくプールに来たのにそれだけなんてつまんないよ!」
「まあそれも一つの楽しみだとは思いますが…せっかくですから遊びましょう?」
アスカとシキがこちらに…ん?
水鉄砲を持っている。
「シロウに買ってもらったんだー!
ジークの分もあるよ!ほら!」
「こっちもリゼに買ってもらった!
二手に分かれて銃撃戦やろーぜ!」
チームは俺・シロウ・マヤ・メグ。
方やリゼさん・チノ・アスカ・シキという布陣で対決することとなった。
リゼさん、ノリノリだ。
シロウも輝いてるぞ。
「よーしスタートだ!手を抜かずに行くぞ!」
「ふ、負けるつもりはない…!」
「待って〜!これどうやって水入れたら良いの?」
「メグ使い方わかってなかった!」
「先に言え!」
「喰らえー!」
「甘いぞアスカ!闇雲に撃って勝てると思うな!!」
アスカの連射を華麗に躱し、正確に狙撃するシロウ。
そう言えば元弓道部なだけあって狙いは正確だ。
だが…
「ふっ、はっ!
当たらなければどうということはない!」
アスカはお得意の直感で次々と躱していく。
まるで席を読んでいるかのようだ。だが…シロウも何も考えていないわけではない。
「ふふーん。このままなら僕が押し切って勝ちだね!」
「それはどうだろうな?
ところで、足元には気をつけたほうが良いのではないかね?」
「ん?足元…うわっ!?ちょ、あぶあぶあ…!」
いつの間にやらプールサイドまで追い込まれていた。
そんなアスカの頭部に容赦なく一撃ち浴びせ、プールに落とした。
対決はシロウの勝ちだな。
「ああもう、だから何も考えず突っ込むなと言ったのに…!」
「シキみっけ!」
「っ、しまった…!」
「メグ!」
「くらえ〜!」
「うわっ!?は、はさみ撃ち…!?」
シキもマヤメグの阿吽の呼吸コンビネーションで撃沈。
残っているのはチノとリゼさんだな。
さて…ん?
マヤが青山さんを捕まえて何かを話している。
どうしたんだ?
「ジーク、今のうちに水を補充しておけ。
チノくんはともかくリゼは一筋縄ではいかん。私たちで作戦を立てるぞ」
「俺は大して水鉄砲を使っていないが…」
その後。
ティッピーをひと…じち?にとった青山さんをリゼさんが撃破し、その流れでメグとマヤも倒された。
俺とチノも脱落。
そして…勝負はリゼさんとシロウの一騎打ちだ。
「く…流石に射撃ではそちらに分があるか!」
「そうみたいだな!だが容赦してやるつもりはないぞ!」
「知れたこと!」
片手銃型の水鉄砲で確実に攻めるリゼさんと、二挺拳銃式で縦横無尽に攻めるシロウ。
とはいえ、やはり銃の扱いはリゼさんのほうが得意のようで、観戦している身からしても優勢だ。
「ならば…とう!」
「!? プールの中に逃げるつもりか!?
なら出てきたところを狙い撃ちにしてやる…!」
…思わずこちらまで息を呑んでしまうような緊迫した空気。
そのさなかで、水面にチャポンと…
「そこだ!」
リゼさんの凄まじい判断力。その場所を正確に狙い撃つ…が。
そこにシロウの姿はなし。
驚いているリゼさんの足元から、音も立てず水鉄砲の顔が…
「っ、と…!」
「くっ、外したか…!だが隙はやらん!!
ここで終りだ!」
「それは…こっちも同じだ!」
そしてそれからまたしばらく一騎打ちは続いた。
どちらが勝利したのかは、お互いの名誉のためにあえて隠しておこう。
すまない。
「売店で牛乳買ってきました」
「いっしょに飲も〜せんせ〜」
「「「…先生?」」」
俺、リゼさん、シロウの声が重なった。
マヤとアスカが「リゼとシロウのこと先生だって〜!」とからかう。
「リゼさんが体育の先生みたいだったからかなぁ…」
「なら、シロウさんは家庭科の先生ですね。
家でも家事全般を完璧にこなしますし」
リゼさんは満更でもなさそうだな。
…何故青山さんは後ろに隠れているんだ?
帰宅後。
「そういえばチノちゃんマヤちゃんメグちゃんがさ、みんなの頭文字を取ってチマメ隊って呼ばれてたじゃん?
僕らにもそういうのないかな〜」
「私達の名前じゃ語感が悪いでしょう…」
そうか?
どれどれ…ジーク、アスカ、シキ…
…思いつかないな。
強いて言うなら最後でカキクになるが…何か嫌だな。
「ならせめて『オ』から始まる名前がいないかな〜
それなら僕、ジーク、シキでアジシ…」
「「おっとそこまでだ(です)」」
それ以上は別の方向にすまないすることになるからな。
翌日。
マヤに「やってみたいことがあるんだよね」と呼ばれた。
リゼさんへのサプライズだと言っていたが…
「(今日は客として入ってみよう。あいつらちゃんとやってるかな…)」
「「「「「「お帰りなさい!お姉ちゃん!」」」」」」
チマメ隊は赤ランドセル、俺たちは黒ランドセル装備。
妹&弟喫茶だ。
リゼさんは顔を真っ赤にして『1列に並べー!』と叫んでいる。
チノ曰く、割とまんざらでもなさそうだったとのことだ。
この後、せっかくなのでジークたち3人のあだ名も考えたそうですよ。