半分くらいオリジナルを含んだ原作通りです。
「とうちゃーーーーーーっく!!」
「元気ねぇモカさん…で、これから妹さんの居る喫茶店に向かうのよね?」
「うん!あ、でも二人も用事があるんだったらそっち優先してくれていいから!」
「いえ、せっかくなので私達も同行してみてもいいでしょうか?
観光も兼ねて…」
「そうね。アイツのとこに顔出す前に一休みってね。
その喫茶店に…あれ?モカさん?」
「かわいいうさぎさん♪待ってー!!」
「「モカさん!?」」
早速振り回される遠坂姉妹なのであった。
「サプライズでいきなり訪ねたり…変装してこっそり近づいたりしたら面白そうですね」
「確かに!
私びっくりさせるの大好きなんです。この本も最近見つけたんですけどイタズラ心満載で素敵なんですよ」
「あら、それは私が書いた小説ですね」
「むむ、それはいきなりのサプライズですか?
騙されませんよー?」
「あら…?」
「ぜぇ、はぁ…も、モカさん…早すぎ…」
「私も姉さんも、それなりに体力はあるはずなのに…はぁ、はぁ…」
「あ、二人とも!置いてっちゃってごめん…」
そしてその頃ラビットハウス。
今か今かと、ココアちゃんのお姉さんが来るのを待ち続けております。
…うん、というかさ。
「なんで僕までラビットハウスに居るの?」
「ココアが『プレッシャーに押し潰されそうになる』って言うから…」
「都合がつくリンネさんをお呼びしたんです」
どうしてそうなるの。というか、最近チノちゃんもリゼさんも僕のこと雑に扱い始めてないかなぁ。
ココアちゃんはココアちゃんでカチカチに固まってるし…
「それにしても遅いですね…」
「この街に来るの久しぶりだし、結構複雑だから迷ってるのかも!
私探してくる!」
ココアちゃんが勢いよく飛び出していきました。
自分のほうが迷ったりしないかな。
「流石にもう大丈夫だろ。
にしても、最初はココアのほうが道に迷いまくってたのに、頼もしくなったな」
「…そう、ですね」
…数分後。ココアちゃんから『かわいいうさぎ見つけた!』というメールが来るまでは僕もそう思っていました。
「ねぇモカさん…本当にそのカッコで行くつもりなの?」
「うん。変装は完璧、サプライズも大成功間違いなし…!」
「変装…というんでしょうか、それは…」
まあ、本人が良いって言ってるんだから良しとしましょうか。
にしてもラビットハウス…なかなかいいカンジのお店ね。
これならあいつの方も期待できそうなのだわ。
「いらっしゃいま…せ」
やっぱり引かれてるじゃない。
店員らしき女の子、言葉に詰まってるわよ…もう一人のことヒソヒソ話し出してるし…
「ココア特製厚切りトースト…?」
「確かモカさんの妹さんの名前だったわよね…
どんなトーストなのかしら…」
で、それからしばらく。
やって来た特製トーストとコーヒーを楽しむ…あら、なかなか美味しいわね。
さっきあのロングヘアの子がコーヒー淹れてるの見えたけど、なかなか筋が良いんじゃない?
将来が楽しみかも…
「このトーストも美味しいですね」
「………」
「…?モカさん?
どうかしたんですか」
あらほんと。
トーストを口にした途端黙ってプルプル震えてるわ。
「もしかして口の中でもかん「このパン!もちもちが足りない!」わぁ!?」
「も、モカさん!?」
突然大声を出したモカさんがキャリーバッグを開けて中から白い粉を…白い粉!?
「この小麦粉で本当のパンの味を教えてあげる―――――」
「誰!?」
「私です!!」
いやそれで分かるかっての!!
店員さんも怯えてるじゃない…
「―――――――凛、さん。
それに、桜さんも…なんでここに」
「え?」
モカさんが事情を説明してキッチンに飛び込んだ後。
何やら聞き覚えのある声が…
これは…冬木で聞いた声。
「…リンネくん!リンネくんじゃないの!!
なんでここに…え、というか、それもしかして店の制服?」
「え、はい。そうです」
「わぁ…よく似合ってます!
ふふ、すっかり凛々しくなっちゃって…」
本当。
昔なんて私達よりずっと小さかったってのに…アレ。
制服…店の制服?
それを着て、店にいるってことは…つまり。
「あなた、この店で働いてるの!?」
「え、いや違「士郎の店は!?あいつの店の手伝いだって雑誌にも…」いや、えと…」
「ね、姉さん!落ち着いてリンネくんの話を…」
「
相変わらずそそっかしいなぁ」
「それで凛さん…と、桜さんはシロウさんの知り合いなんですね」
「うん。シロウの同級生と後輩でね。
僕たちも子供の頃から面倒見てもらってたりしたんだ」
「…シロウの、同級生…」
にしても…すごい美味しいわねこのパン。
モカさん本職がパン屋とはいえ…こんな美味しいの食べたこと無いわよ。
「ココアからチノちゃんにリゼちゃん、それにリンネくんに他の皆のことも聞いてるよ。
ほら、写真もいっぱい!」
「「「「「ろくなのがない!!」」」」」
「へへ…みんなかわいい」
「「「どこが!?」」」
「…なかなか変わった感性の持ち主よね、モカさん」
「でも、微笑ましいのは本当だと思いますよ」
「チノちゃん中学生でお仕事なんて凄いね〜」
「ホント。私達でもあんな美味しいコーヒー淹れられないわよ?」
「マスターの孫として当然です」
「リゼちゃんもかわいい!」
「わ、私は高3ですけど…」
「私から見たらかわいいの!」
「え、あ、うう…」
あら。真っ赤になっちゃって。
褒められ慣れてないのかしら?
「ふふ。確かにかわいいですね!
私もなでなでしちゃいます」
「うぇ!?ちょっ…!」
「なら、私も撫でさせてもらうのだわ。
ほーらよしよし♪」
「ちょっ、と…う、うぁ…」
「すごい…リゼさんがあんなタジタジに…」
「私もあんなの見たことありません…」
「う、うわぁあぁあ!!?」
「あ、逃げ…なんで僕の後ろに隠れるんですか」
「い、いざとなったら何とかできそうなのがお前しか居ない…」
その後。
モカさんはチノちゃんをもふもふし始めたのでした。
「チノちゃんって本当にもふもふなんだね〜」
「まるでお母さんのような安らぎ…」
何だか見ていて微笑まし…あ。
モカさん今度はこっちに来た。狙いはリゼさんだな。
「リゼちゃんも隠れてないでおいで〜♪」
「ち、近寄るな!リンネもちゃんと守れ!」
「ええ…そんな警戒しなくても…」
「ふーん…じゃあリンネくんも纏めてもふっちゃおうかな!」
「え。」
それは、その。
色々と…うん。
「なんで私を前に出すんだぁ!!」
「僕の男としてのプライドがこうするしか無いって」
「何を言ってるんだやめうわああああああああああああああああああああああああああああ」
「にしても凛さんも桜さんもどうしてこの街に?」
「仕事に空きができたのよ。
雑誌にも載ってたし、せっかくだからシロウのことからかってやろうかと思ってね♪」
「久しぶりに先輩や皆さんの顔も見たかったので。
元気そうで良かった!」
にしても…凛さんも桜さんも高校を卒業してから会ってなかったけど、美人になっちゃって…
大人の女性の魅力?というのだろうか。
モカさんもお姉さんらしい印象だけど、この二人はそれ以上に…!?
「!?」
「?どうしたのよリンネくん」
「いや、何だか寒気が…」
「? 風邪でしょうか…」
「いや、そういうのじゃ…ん?」
ラビットハウスの扉がカランカラン、とベルを鳴らして開き…って、あの変装さっき見たぞ。
「ココアちゃんじゃん…」
「おかえりー」
「あ うさぎ可愛かったです」
「あれ!?」
「ココア…ココア!?
その変装は…ダサい!」
((さっきまで同じような変装してたのに…))
「ふふ。久しぶり!
元気そうで良かった♪」
「お…おねえちゃーん!」
モカさんに抱きつくココアちゃん。
普段はお姉ちゃんになろうと頑張ってるけど、やっぱり身内の前だと…
「みっ皆の前で恥ずかしいよ!
ここではしっかり者の姉で通ってるんだから!」
あれ?
その後は、ココアちゃんが自慢のラテアートをモカさんに披露したり、モカさんが数日街に滞在するためにラビットハウスに泊まることをサプライズ報告したり。
色々あったのでした。
「サプライズねぇ…私達からしたら、リンネくんがこんなに成長してるのがよっぽどビックリだったわよ」
「そうですか…?」
「そうですよ。昔はこんなにちっちゃくて可愛かったのになぁ…」
…ん?桜さん?
そのバックから取り出したのは一体何ですか?
「ウソ!これリンネくん!?
ちっちゃい!かわいい!!」
「すごい…かわいいですね」
「これがあんなになるとは…」
「………リンサン?サクラサン?
アレ、モシカシテ」
「「リンネくんの小さい頃の写真よ(です)♪」」
「今すぐ返して!!」
「はいストップ!!桜はそっちを抑えて!」
「はーい!」
「ちょっと!離してくださいよ!!」
「良いじゃない減るもんじゃあるまいし。
お嬢さんたち〜カバンにアルバムも入ってるわよ〜」
「ちょっとおおおおおお!!
やめて!本当にやめてください!!」
「大人しくしなさいったら!
ええい…モカさ〜ん!リンネを今なら好きなだけもふもふ出来るわよ〜」
「ほんと!よーしもふっちゃうぞ〜!」
「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
「…遠坂と桜の声が聞こえたと思って様子を見に来たが…
――――――――うん。アレはどうしようもない。
リンネ…すまないがお前には犠牲になってもらうとしよう…」
「というわけで久しぶりにリンネくんに会えて楽しかったわ。
ま、遅くなっちゃったし士郎のとこに行くのは明日になっちゃったけど」
「それは結構だが、いい加減にうちをホテル替わりに使うのはやめてもらいたいものだな」
「良いじゃない。どうせ部屋は空いてるんだし。
あ、それとお父さまが愚痴こぼしてたわよ。
『君のところの娘は少々人使いが荒すぎる』って」
「フ…時臣氏でもあの娘には手を焼くか」