なんだかんだここまでたどり着きました。
応援ありがとうございます。
色々あった山遊びから数日。
僕たちはラビットハウスに集合していました。
…ただし、シロウや一部のおサボり気味の面々はお留守番という名の店番のためいません。
「というわけで!この間遊びに行った時の写真をお見せしまーす!」
というココアの宣言とともに、机の上にたくさんの写真が。
木陰の中を散策する写真、魚たちが泳いでいる様子をとった写真、ジークたち中学生組が水遊びをしている写真、シロウのご立派なフィッシング姿…などなど、どれも素晴らしい写真です。
「撮るの上手ね!」
「うん!さすが私の妹!」
ってココアが撮ったんじゃないのかよ!!
あんな自慢げな顔して出してたのに…
「ん…?この素敵なお姉さんは誰かな?」
「ココアでしょ?」
…あ、本当だ。チノちゃん本当に撮るの上手だな…。
普段のココアも勿論可愛いんですけど、この写真だときれいなお姉さんって感じで…
「うそ!?これが私!?ME!!?」
「自分で驚きすぎだろ!!」
自分でも信じられないらしい。
それはそれでどうなの。
「あの…実は最近写真にハマってて。
良かったらみなさんを撮らせてもらえませんか?」
お、珍しいチノちゃんからのお願いが。
僕らでいいなら喜んで撮ってもらいますけど…
「テーマは自然体なのでいつも通りでどうぞ」
「…んん、いざ言われると難しいんだな」
「自然体か…そういえば俺たちは普段接客する側だから、こうして客として過ごすのはなかなか無いな」
あ、確かに。特にジークはよく働くほうだし、こういう場面での自然体って言われてもなかなかできないのかも…
「そういうことなら私は存分にくつろがせてもらうとしよう。
…久しぶりに
「なら私も今日はアスカの事を忘れて休みます」
…
ある意味オンオフの切り替えが上手いんだろうけど…素直に褒められないなぁ、なんだか。
「いい写真が撮れてます。
リンネさんとジークさんも、今日はお客様らしくゆっくりしてください」
「それ店員さんに言われることじゃないと思うんだけど…まあ、せっかくですしお言葉に甘えようかな」
「…うん。そういうことなら俺も」
ジークもコーヒーを飲んでふう、と一息。
なんだかんだラビットハウスのコーヒーを気に入ってるようです。
…それはそうと、ちょこちょこココアが写真の中に写り込んでたみたいで怒られてました。
「それにしても…普通の写真だけじゃなくておもしろ写真みたいなのもあるんだな」
「あー…遠近法ってやつですね」
「それならこういう応用はどうかな!
リンネくん達も集合!」
そして写真を一枚。手前にティッピーを置き、小さい僕たちがそれにくっついたり飛びついたり…という写真が撮れたのでした。
「…私も撮ってください」
「俺も写りそこねた、撮ってくれ」
おおう、チノちゃんもジークも興味あるんですか。
あとその写真をきっかけに面白い写真を撮る方向にシフトチェンジしちゃったし。
そうして色々あり帰宅。
シロウの見張りが効いていたのかタマキ・チサト・アスカの自由奔放組は大人しく仕事をこなしていました、一安心なり。
「っと…そうだリンネ。お前に手紙が一通来ていたぞ」
「手紙?…父さんからかな」
「いや、それがな…ほらこれだ。
自室に戻って開いてみると良い」
「……モカさん?」
「………これは…まじか。」
その後手紙を読み終わり、添えられていた写真を見て。
色々と繋がった、というか、点が線になった、というか。
まあ、何にせよ、すごいことになったなぁ、とその時。
プルルルルルル、と携帯が鳴った。
宛名は…ココアだ。噂をすればなんとやらというやつなのか。
「もしもし」
『あ、もしもし…えへへ、よかった起きてた』
「うん、まあ…で、どうかした?」
『え、えっと…どうかしたってほどでもないけど…ちょっと話したいなぁって』
「…そういうことなら喜んで」
恋人からそんな事を言ってもらえるなんて彼氏冥利に尽きるってもんだ。…にしても、ちょっと鼻声っぽい?
「ココア、風邪とか引いてない?ちょっと鼻声っぽいよ」
『あれ?本当に?
…さっきのかな』
「さっき?」
『えっと…ちょっとチノちゃんと喧嘩しちゃったっていうかね』
「えっ」
『そんな深刻なことじゃないんだよ!
ただ…その。えへへ、嬉し泣き…かな』
「…まあ、深くは聞かないでおくよ」
『あっ、それとね!お姉ちゃんってば私に内緒でチノちゃんと文通しようとしてたんだよ!
写真のこともお姉ちゃんの入れ知恵だったみたいで…』
「えっ、チノちゃんにも送られてきてたの?」
『…チノちゃん
あっやべ。間違いなく今のは失言だった。
『…リンネくん?』
「はい」
『お姉ちゃんから送られてきた手紙、今ここで音読して?』
「え?音読って、その。
モカさんの手紙を読んできかせろってこと?」
『そうだよ?ほら、早く』
…ダメだ、すっかりお怒りモードだ。
こうなったらもう素直に従うしかココアのご機嫌を直す方法はない。言う通りにしましょう。
「んん…じゃあ読みますよ。えっと…
『リンネくんへ。突然のお手紙失礼します。
ココアの姉のモカです、覚えてるかな?実は前にココアから写真を送ってもらったときにもしかしたらって思ったことがあって、直接あった時にやっぱり!って思ったんだけど…当のリンネくんもココアも気づいてなかったので、今ここで明かしちゃいます!
実はね、二人は子供の頃に一回出会ってるんだよ!サプラーイズ!』」
『………えっ?』
やっぱりココアもビックリしてる。
そりゃあそうでしょう、僕だってびっくりですもの。
と、続き続き。
「ん、と…『小さい頃にね、ココアが泣いてる男の子を連れてきたことがあったの。その子は親とはぐれて迷子になって泣いてて…それをココアが見つけてきたんだって。
そのたった一度だけど、二人はとっても仲良しだったんだよ?あの時のココアとリンネくんは、本当に兄弟みたいだったんだから!
しかも…リンネくんってば、ココアのこと好きになっちゃったみたいで、「僕が大きくなったら結婚してくれる?」なんて聞いてたんだよ!』」
…あ、なんか恥ずかしい。
いやまあ、結果的にその相手とお付き合いする事になったわけですが、まさか『結婚してくれる?』なんて。
そういえばココアちゃんと初めて会ったとき懐かしい感じがしたけど、そういうことか…と。
『…え、えっと…それで、続きは…』
この状況から聞くんですか。
なかなか凄いなココア…
「『それでその時のココアったら、なんて言ったと思う?
「無理だよ〜だってリンネくん男の子なのに私よりちっちゃいんだもん」だって!
その時のリンネくんよっぽど悔しかったのか、「これから大きくなるもん!」って必死に言ってたんだよ?
でもあの時のリンネくん本当にココアよりもちっちゃくって、まさかあんなに大きくなってるなんてお姉ちゃんビックリしちゃったな!』……っふぅー…」
一旦深呼吸。恥ずかしさやら顔の熱さやらでどうにかなりそうなのを必死に整える。
ココアもココアで妙に気恥ずかしいのか黙っちゃってるし。
「『それで、色々話しちゃったけど。とにかく言いたいのは…これからも、ココアと仲良くしてあげてね!
あと、その時撮った写真も付けておきます!ココアにも見せてあげてね!
モカより!』
…以上ですよ、ココアさん」
『……さん付け、禁止って言った…』
必死に絞り出されたであろうセリフはそれでした。
まあ、そうなっても仕方ないか。
「…えっと、その、ココア」
『は、はい…』
「…その。これからも、よろしくお願いします」
『…うん』
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
それから数日後。
ココアの実家に手紙が届きました。
「おおー!どれもいい写真だ〜♪
お母さんも見てみて!」
「ふふっ…元気そうでお母さんも安心だわ」
「………この娘は誰?」
「あなたの妹よ♪」
さすがにモカさんもびっくりです。
すぐに見抜けるあたり、さすがお母さんと言ったところでしょうか?
「あ、こっちはココアからだ!早くまた会いたいな〜
ふふっ、やっぱり写真はオモシロなのばっかりだぁ」
…その後ろで、こっそりとお母さんも手紙を読んでいます。
内容は、モカさんに送られたものとはちょっと違うようです。
『お母さんへ。お元気ですか?
私はお友達と毎日楽しく過ごせています!それと、これはお姉ちゃん達には内緒にしてほしいんだけど。
リンネくんとお付き合いすることになりました。
本人も挨拶しに行きたいと言っているので、多分近いうちに行くつもりです!その時にお姉ちゃんにはサプライズしたいから秘密にしててね!
ココアより』
「…ふふっ♪」
「えーーーっ!!?」
「あら、モカ…?どうかしたの?」
「………『追伸。私に内緒でチノちゃんと文通しようとしたり、リンネくんに恥ずかしい昔の話をバラしたりしたので、罰として一か月お姉ちゃんとは文通しません!』………
そんなつもり無いのにー!!ココアー!!」
「あらあら…」
これにて4巻分は終わり!アニメ2期分までも来た!
まだまだ続きますので応援よろしくお願いいたします!!