喫茶『衛宮さんち』   作:山崎五郎

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だと思ってますが皆さんはどうでしょう。それはそれとして4巻分は終わりだと言ったな、アレは嘘だ(2回目)
もう少しだけお付き合いくださいませ。




宝探しは男の子の永遠の憧れ

 

「シスト?」

 

『うん!リンネくんたちもどうかなって!』

 

ジークです。リンネがココアと電話で何やら話をしています。

シスト…とはなんだろうか。聞き覚えのない単語だが…

 

「この街でちょっとした伝統になっている宝探しのゲームらしい。誰かが地図と宝物を隠して、それを見つけたら新しく自分たちで中身を一つ入れて交換する…そしてそれを繰り返すものらしい」

 

「…シロウ、詳しいんだな」

 

「なに、これもお客から聞いた話というやつだよ。

せっかくだ、お前たちも行ってくると良い」

 

「いや、でもなぁ…僕は近頃休みがちだし…」

 

「…行ってみてもいいだろうか」

 

リンネとシロウが驚いた顔を。

そんなに驚かれることを言ったのか、俺は。

 

「いや、ジークが楽しみな顔をしているのはなかなか見ないもんだからさ」

 

「むしろ年頃の少年らしくて良いのではないかね?

楽しんでくると良い」

 

…そういうものだろうか。まあ、許しをもらえたので遠慮なく遊びに行くとしよう。

と、用意をしていたら噂を聞きつけたアスカやそれに連れられたシキも加わることとなった。

 

 

 

 

こうして俺たち3人も合流。

ココアとチマメ隊の3人と宝探しに出発だ。

 

「この街だとそんなに人気のゲームなんだね」

 

「うん。私たちが初めてやったのは中学の入学式のときなんだけどね〜」

 

入学式、か。俺たちは二年の時に転学して来たからその時のことは知らないんだったな。

その年にチノ、マヤ、メグは出会ったわけか…

 

「ただその時のマヤさんとメグさんはしばらく私が兵器になりたいと勘違いしてました」

 

「兵器…?」

 

「あー。マヤちゃんバリスタって矢を打ち込むアレだと思ってたんでしょ?」

 

「なるほど。チノさんが自己紹介の時にバリスタの話をしたから…」

 

「ふむふむ…それで、その時の地図はそんなに難しいやつだったの?」

 

「えっとね〜」

 

 

「マヤちゃんがすぐ寄り道して」

「メグさんが違う遊びを提案して」

「チノがもう疲れたって言って」

 

 

…言ってることがバラバラだな。

まあ何にせよ苦労したのは確かなようだ。

 

「でも今回は大丈夫!お姉ちゃんがついてるからね!」

 

「でもココアさんって方向音痴でしたよね」

 

 

 

そして地図に描かれていた3つの絵をチェック。

これがシストを攻略するためのヒントになるらしいが…

 

「この絵…3つを組み合わせて…?

王冠と、うさぎ、そしてお店…」

 

「組み合わせる…か。形からして…この街の看板になるのか?」

 

「あっ…わかりました!これ、有名な帽子屋さんの看板で」

「甘兎庵であんみつを食べろってことだね!」

 

…王冠とうさぎであんこを連想したらしい。

この地図の位置的には甘兎はかすりもしていないんだが…

 

「すごいココア!常人じゃその発想はできないよ!」

「さすがだよ〜」

「よっ!頭の冴えるお姉ちゃんだね!」

 

マヤメグアスカはココアを持て囃している。また楽しむならこういうノリもありなのか…チノが燃えている!?

 

「ココアさんがいかに甘い考えか証明してみせます…!」

 

「悔しかったんですね」

 

「シキ、言ってやるな…」

 

 

「この秘密の抜け道を使おう!近道なんだ〜」

 

「昔の宝探しで見つけたの」

 

「なんだか探検してる感が出てきたね!」

 

「初めてのときは葉っぱで塞がれてて…」

 

『あれ、近道なのに通れないじゃん…よし!』

『ここでチノちゃんの出番だね!』

 

「それでチノが『これがバリスタの力!』って葉っぱを吹っ飛ばして…」

 

「ねつぞう!捏造です!!」

 

 

それからも宝探しは続く。

メグがうっかり宝物にする予定のボタンを置いてしまったり、アスカがふらりと立ち寄った本屋から動かなくなったり、露店のドーナツを購入して一休みしたり。

色々あって、目当ての看板の店までたどり着いた。

チノの推理が見事に当たっていたな。

 

「宝箱植木の陰に隠れてたよ〜!」

 

早速中身を確認…空だな。

…あ、側面に新しい地図が!

 

 

 

そしてさらに進むが…これは。

 

 

「宝箱はこの先なのか?」

 

「ちっちゃい穴だね〜子どもしか通れそうにないよ?」

 

「他の入口がないか探してみましょうか」

 

 

そうして他に向かえそうな場所がないか探すが…ダメだな。

それこそ小さな兎や子どもでなければ進めそうにもな、い…チマメ隊が3人とも通ってしまった。

 

「この先は選ばれし子どもたちだけが通れる道…私はここで追手を食い止めるよ!」

 

「追手とは?」

 

「ボクたち選ばれし子どもたちじゃなかったか〜」

 

「チノたちは宝を探してくれ。

ココアのことは俺たちに任せて」

 

 

 

 

「……退屈ですね」

 

「結構時間かかるのかな〜?」

 

「それほど広くはなさそうだったが…」

 

やはり俺たちもどうにか追いかけるべきだったか。

…と思ったら話し声が聞こえてきた。無事に宝物を見つけたらしい。俺たちも見つけたかった…

 

「でもさ〜今日なんだかんだ楽しかったよね。

ほら、ボクら3人ってなかなかこうやって一緒に遊ぶことなかったじゃん?」

 

「…確かに、言われてみれば」

 

実家に俺が引き取られて。それからしばらくしてシキがやって来て、そしてアスカが預けられて…家族として過ごすことはあれど、3人だけで遊ぶ機会はなかなか無かった。

 

「さっきココアちゃんも言ってたけどさ。

今日の楽しかった思い出はきっと宝箱のお宝と同じぐらい大事な記念になると思うんだよね。

これからもそんな思い出(たからもの)を増やしていけたら良いなって思ってさ!」

 

「「「………」」」

 

「…あれ?みんな?どうかしたの?」

 

「アスカはたまに凄く良いことを言うから反応に困るな」

 

「普段からこれぐらいしっかりしてくれるとありがたいんですけどね」

 

「ひどおっ!!それじゃボクがまるで普段はいい子じゃないみたいじゃんか〜〜!!」

 

 

 

「…マヤさんまだ戻らないんですか?」

 

「まーまーもうちょっと様子見で!」

 

「友情の再確認だね〜♪」

 

 

 

 

…その後。

 

「というわけでリンネ、俺たちが作ったシストの地図だ」

 

「いや『というわけで』って…」

 

「結局ボクたちも宝箱まではたどり着けなかったからさ〜」

 

「私たちでまた違う宝の地図を作ったわけです」

 

「ふーん。ま、こないだ行けなかったしあたしらも楽しんでみようじゃない?

可愛い弟分たちがせっかく用意してくれたんだから」

 

「ん、私もタマキに同意。

お兄ちゃん、リンネ、行こ。」

 

「いや、まだ閉店作業が…っていうか、これ代わりの中身用意しないといけないんだろ!」

 

こうして、年上組もまた1夏の小さな冒険?へと出発したのであった。

 





はい。これで今度こそ4巻&アニメ2期分の話が終わりました…はずです。
次回からは5巻&皆さんお楽しみであろうあの話に入っていきます。
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