Dear my sister編、第三話です。
ココア&リンネsideだったりチノ達sideだったりします。
ジークです。木組みの街のラビットハウスに、俺を始めとした中学生組が集まっています。
「マヤ!なんで宿題やってきてないんだ!!」
「ひ〜!しょうがないじゃん昨日のTVスペシャルのバラエティが〜!」
「私はちゃんとスケジュール守ったよ〜」
「メグ〜!裏切り者〜!!」
…現在大騒ぎです。良くも悪くも喫茶店らしくない騒ぎっぷりだ。まあ、これならココアのいない静けさも気にならないだろうが…
「何だよ〜私ばっかり!あっちで寛いでる男子連中はちゃんと見たの!?」
「ボク7月の間に終わらせちゃったも〜ん」
「私もつい先日片付けました」
「俺ももうじき終わるところだ」
「むっきー!何だよ三人揃って余裕な顔しやがって〜!!」
そうは言ってもマヤならすぐに終わるだろうに。
まあ休みとなれば遊びたくなる気持ちも分からなくはないが…
「あらあら、なんだか賑やかね」
「ぜんぜん喫茶店らしくないけど」
ん。千夜さんとシャロさんがやって来た。
そういえば千夜さんもココアシックだったはずだが…立ち直ったんだろうか。
「いらっしゃいませ千夜さん、シャロさん。
ご注文は…」
「アイスココアでお願い」
…やはり立ち直れていないみたいだ。
ふとシャロさんがカウンターのうさぎのぬいぐるみをちょん、とつっついた。確かアレはリゼさんにプレゼントされたんだったか。
「チノちゃん、この子のこと大事にしてるのね」
「はい、とても大切です。
リゼさんのお手製ですから」
…そうなのか。リゼさんは手先が器用だったがぬいぐるみを手作りできるほどとは…ん、真っ赤になって振り向いたぞ。
「な、なっ…い、いつから気づいて!?」
「ビンゴでした!」
当てずっぽうで言ったのか?この様子を見るにリゼさんも言っていなかったようだな。
別に恥ずかしがるようなことでもないと思うんだが…
「これ手作りなの!すごーい!ちょーよくできてるじゃん!」
「本当ですね。正規品に見劣りしないどころかそれ以上によくできてますよ」
「私にも作り方教えて欲しいな〜」
「この間欲しかったら人数分やるって言ってたよね!?」
「せ、先輩!お金出すので私にも…!」
「私は政宗公みたいなのが欲しいわ。
眼帯がおそろいにできそう♪」
みんな大はしゃぎだ。とはいえこんなに良くできているなら俺もひとつ欲しくなってくるな…
「お、お前ら急におだてて…
そんなので喜ぶと思ってるのか〜!!」
…ものすごく嬉しそうだ。先日の鬼教官っぷりはどこかへ行ってしまったらしい。マヤとメグ、ついでにアスカにも揶揄われている。
「ああもう〜っ!!早く帰ってこいココア〜!!!」
「あ…ココアさんと言えば昨日電話が来ました。
家が山奥で電波が届かなかったみたいです」
「そういえばうちにもリンネから電話が来たとシロウが言っていたな。街の方に降りないと通じないと言っていた」
「そんなに山奥なのかココアの実家!?」
「前に山に行った時に『実家に帰ってきたみたい』って言ってたけど、まさかそこまでとはね〜」
「…それはそうと。電話でリンネが言っていたんが、近々夏祭りがあるんだろう?皆はどうするんだ?」
「夏祭りっていうか花火大会…ん~どっちでもいっか。
私は行こうと思ってるよ!」
「私も〜」
「う〜ん…遊びたいけど客入りが多いからバイトも…」
女性陣は各々考え出してしまった。
うちの方は…シロウは少なくとも自由に遊びに行くなり留守番させるなりする予定とは言っていたが。
「ボクもどうせなら行きたいかな〜シキとジークはどうするの?」
「うーん…私も特に用事もないですし、せっかくなら…」
「…あっ、あの!それなんですが…」
ん?チノ…?
「…よ、よかったら。皆で花火大会、行きませんか…?」
『行こう!』
満場一致の声が上がった。
先程まで悩んでいたシャロさんや千夜さんも『その日は休みにする』と決めたようだ。
「皆ってことは
シロウたちも誘わなくちゃ!」
「皆さんの予定も確認しないといけませんね」
「あ、そうだわ。どうせなら…」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「はい。皆好きな浴衣を選んでね〜♪」
その後、俺たちは甘兎庵にやって来た。
花火大会に来ていく浴衣を選ぶ…とのことだが。
「俺たちも来る必要はあったのか?
こういうのはチノたちが着て楽しむんだろう?」
「あら、勿論男の子用の浴衣や甚平も用意してあるわよ?
せっかくの花火大会だもの、みんなで楽しまないとね♪
まさか『自分たちは私服で』なんて無粋なことは言わないわよね?ジークくん?」
…俺たちに選択権はないらしい。
とはいえわざわざ貸してもらえるというのならその気持を無下にするわけにもいかないか。
そして男性陣が各々の浴衣や甚平に袖を通し…
「みんなよく似合ってるわ!」
「そうだろうか…」
何故かミニファッションショーが始まった。
俺たちも周りから見る分に問題のない着こなしだったらしく、女性陣からそれなりに賞賛を受けた。
「お兄ちゃんもシャロちゃんも似合ってる。
金髪に着物も、なかなか乙なもの。」
「あら、チサトちゃんもよく似合ってるわよ?
肌も髪もが白いから着物の柄がよく映えてるわ♪」
「千夜ちゃんも流石だね〜絵に描いたような大和撫子ってやつ?」
「タマキさんのは…ここのじゃありませんね。
もしかして実家から持ってきたんですか?」
「ん〜?これ?ちょっと前に送られてきたんだよね。
花火大会の話したら母さんが張り切ったらしくてさ〜」
「じゃっじゃーん!!どうどう、ボク似合ってるでしょ?」
「…すっげー。アスカ、本当に女の子に見えるよ…」
「びっくりだよ~…」
「あまり騒ぎすぎて明日着れなくなるようなことにはするなよ。
…にしても、昔着たはずのものが全くもって着られないとはな…」
「シロウは高校生の時からかなり成長したからな…」
「……この色は…」
「チノ?どうかしたのか?」
「あ、ジークさん。その…この色の浴衣はココアさんに似合いそうだなって…」
「ふむ…そうだな。ならリンネは…うん、こっちの浴衣が似合いそうだ」
「……二人とも、花火大会までに帰ってくるんでしょうか」
「どうだろうか…リンネはそのあたりは話していなかったからな。
ココアはどう言ってたんだ?」
「状況次第だとは言っていましたが…」
「…信じて待ってみるしかないな。
どうせなら、ココアとリンネも一緒がいい」
「………そう、ですね」
「ジーク〜何やってんの〜?」
「そろそろ帰りますよ。ジークも着替えてください」
「む、すまない二人とも。今行く」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「ふぁ〜。今日も大変だったよ~…」
「相変わらずお客さんの数が凄いね…これがほぼ毎日って大変だなぁ…」
リンネです。
あいも変わらずココアの実家のお手伝いです。
大量のお客さんにも少しだけ慣れてきた…と思いたい。僕もまだまだだと思い知ったのでした。
「二人ともお疲れ様。
リンネくんもずっと手伝ってくれてありがとう♪」
「いやいや、わざわざ泊めてもらってご飯も用意してもらってるのに何もしないわけにはいかないですから…」
「ふふ、真面目なんだから。そういえば明日は花火大会があるんでしょう?
2人はどうするつもりなの?」
「うーん…お店まだまだ忙しそうだし、お母さんも手怪我してるし、このまま帰るわけには…」
「ん?私のケガはウソよ?」
「「えっ!?」」
マジですけ?…いや、冷静に考えたらそんな素振りあの時まで無かったような…しかもよくよく考えたらその直前までお母さんと一緒だったじゃんね僕。
「ふふっ、ごめんね。
ココアとリンネくんがモカと仲良くしてるところをみたくてつい♪」
「お母さん!もう!!」
「まあ、何事もないならそれに越したことはないですけど…」
「…でもね、ココア。私はこうやって一緒に過ごしてくれるのも嬉しいけど…あなたのお土産話を聞くのも同じぐらい嬉しいし楽しみにしてるのよ?」
「お母さん…」
「ココア、リンネくん。
2人はどうしたい?」
「……お母さん!リンネくん!あのね、私は…!」
結局ほとんどチノちゃん側の話になっちゃいました。
申し訳ありません…