この作品のサブタイはこんな感じだった…ハズ。
まあ原作だとフリマじゃなくて古物市なんやけどな
「
「うん。ま〜いわゆるフリーマーケットみたいなもんかな?
それに並ぶ陶器類をお安く手に入れるチャンスらしくってさ〜」
「私たちシャロちゃんのお手伝い。」
「男手二人に力持ちな
リンネです。
店の営業時間も終わり、シロウたちが何やら穏やかじゃない会話をしています。
「せっかくだからうちからも何か売ったらいい。
「ふむ、そうしてみるか」
「えっ」
珍しいですねシロウ。
あなたはそういうのあんまやらないタイプかと思って…いやそんなことはないか、うん。
「なに、これも倉庫掃除の一環だよ。
うちには誰かさんが買い漁っては置きっぱなしにする玩具やらよくわからない雑貨が、文字通り売るほど余っているのでね」
「ふふん。」
それ多分胸張るところじゃないですよチサトさん。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
そして翌日。
多くの人が行き交う
売れ行きは…まあそれなりってことで。
「あっ!
お隣さんはっけーん!」
「ココア!」
すっかり聞き馴染んだ声の先には、案の定彼女の姿が。
この流れだと…。
「ココアはお宝探しに来た感じかな?」
「半分正解!
ほんとはチノちゃんリゼちゃんと一緒に販売側だったんだけど、余裕ができたからちょっと見て回ってるんだ〜。
その様子だとリンネくんたちも今日はお休み?」
「いや、店はシロウたちがやってるよ。
アスカとシキは案の定おサボりのツケと見張り番で…」
「あ~……」
さすがのココアも苦笑い。
納得してもらっても嬉しいもんじゃないけど、こればっかりは普段の行動の結果なので仕方なかろう。
「リンネ、せっかくだからココアと回ってきたらどうだ?
もうだいぶ売れてしまったし、これなら俺一人でも何とかなりそうだ」
「え? いいの?」
「いやいや、さすがに私の都合でリンネくんを連れ回すわけには…」
「そうか…勿体ないな、せっかくリンネと買い物デートを楽しめる絶好の機会だというのに…」
「よし行こっかリンネくん!!」
「こ、ココアさん……。
もうちょっと言葉に踊らされない特訓とかしたほうがいいと思うんだ…」
というか、ジークは一人で大丈夫なのでしょうか。
やっぱり兄弟分としては心配なわけで…。
「大丈夫だリンネ。これは、証明なんだ。
俺一人でも店番ができるというな」
「さ、さいですか…」
まあ、そこまでやる気なら任せるとしましょう…。
うおお、ココアの引っ張る力がつよい、ベリーストロングマイガール――!
・ ・ ・ ・ ・ ・
そういう訳で、ココアと共に
玩具からインテリア、更にはアンティークまで多種多様に揃っている出店の数々。
普段からこの街は様々な店があるけれど、今日は更に割増で様々さまと言ったところか。
「どれも感性に突き刺さるものばかり…!
これは一日居ても飽きないよ!」
「楽しそうだね…」
まあ、確かにこれだけの物者が揃っていると壮観だし、見ているだけでも楽しいのはその通りだ。
…そう言えばタマキたちはシャロちゃんの手伝いに来てるんだっけ?
もしかしてばったり…なんて考えすぎか。
「あれ!千夜ちゃんにタマキくん!
二人ともずいぶん満喫してるね!」
「ココアちゃん!?それにリンネくんも…」
「やほ〜お二人さん、これはあたしらのじゃなくって…」
「千〜夜〜ああ!! また掘り出し物よ〜!!」
「シャロちゃん!?」
…今日一の笑顔を見た。
それにしても、言の葉というのは口に出さねば実現しないはずなのだが…。
「うぇっ!? こ、ココアにリンネ!?
うう、取り乱して気づけなかったわ……」
「うちのお嬢様ったらこの時期になると張り切っちゃうから…」
「………もしかしてそれ、全部陶器類?」
「いや、一応千夜たちの方は自分の買い物もある。が…」
「こっちはほとんど陶器類。」
あ、セントとチサトも来た。
二人とも両手に抱えるほどの量の箱や袋を持ってます。
ちょっと買いすぎでは。
「今日は素敵な陶器との出会いの日なんだもの。
情けない姿も出し惜しみもできないわ」
「お嬢様の余裕を感じるよ!」
「出し惜しみはしたほうがいいんじゃないかな」
「ふぅ…とはいえさすがに重くなってきたわ…ちょっと休憩していいかしら」
「あたしがちょっと持とうか?
ほれこっちこっち」
いやいやタマキ、君も十二分に多く持ってるじゃありませんか…そんな状態で無理に渡そうとしたら危な
ツルッ
「あ」
「あ」
「「あ」」
「「あ」」
「――――ロイヤルラビットのティーカップゥぅ!!」
「ダイビングヘッドスライディング!!?」
「必死!!」
その後は千夜ちゃんたちも加わって
途中で騒がしく叩き売りをしているのを発見しました。
「かっこいい…! 私もできるかな!?」
「たたき売りの基本と言ったらやっぱりハリセンよね」
「ううっ、マイハリセン持ってくればよかった〜」
「「「マイハリセン…?」」」
僕、セント、シャロちゃんの声が重なった。
タマキとチサトはうんうんと頷いてるけど…まさか持っていらっしゃるのか、マイハリセン。
「ええ!?リンネくんたち持ってないの!?」
「私たちの相方なら持っていてもらわないと…!!」
「持つかっ!!」
「持ってたとして何に使うんだ」
「それこそこういう時のたたき売りくらいかな…」
「あ、そろそろチノちゃんたちのところに戻ったほうがいいかな?」
「ん…そうだね、僕も一応ジークの様子を見に行こうかな」
そういう訳で皆で一旦ラビットハウス組のほうに向かう事に。
ココア曰く『二人ともいい笑顔』とのことでしたが。
「どんよりしてるぅ!?」
「空気が重い…」
落ち込んでいるチノちゃん(とティッピー)と、気まずそうなリゼさんのお姿がそこにはありました。
なんでもチノちゃんのお母さんの雑貨だけ売れ残ってしまっているとのことで。
「これは…アピール力が足りないのね。
高二組は各自ハリセンを用意して! 私たちのたたき売りを見せてあげましょう!」
「おーーっ!!」
「「お〜。」」
「えっ僕らも!?」
「そういう流れらしいな」
というか、いつの間にか僕らの分のハリセンまで用意されてるし。
こうして高校二年生たちによる、チノちゃんマザーの雑貨たたき売りが始まったのでした。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ジークです。
「…む、あれは」
何やら騒がしい声と人溜まりが見え聞こえした。
近寄ってみれば…見覚え聞き覚えのある姿と声が。
「この表情がいいでしょ?
職人のこだわりを感じるわ」
「この独特な佇まいがミニチュアとして生えるんですよ〜
玄関先にお一つ、いかがです?」
「100?それじゃあ今日の夕食もやし炒めだわ!
200?よし売った!」
「この小ぶりさがちょっとした夜更かしにピッタリ。
枕元は照らしたいけどわざわざ明かりをつけるのは…そんな時にオススメ。」
「2体セットじゃなきゃ必殺技が撃てないよー!」
……これは、何だろうか。
商品はなかなかの勢いで捌かれているようだが…。
「あ、ジーク」
「ん…? リンネにセントじゃないか。
それにチノにリゼ…さんも。 これは一体?」
「あー実はね…」
少年事情説明中………。
「なるほど、それでたたき売りか。
…リンネたちはいいのか?」
「僕らもやってはみたんだけど、ココアたちみたいに気の利いた売り文句が思い浮かばなくてね…」
「こうして出来る連中に任せているという訳だ。
とはいえあの勢いならもうじき完売だろうし、撤収準備でも進めておくか…」
「皆大変だ!
この子がお母さんとはぐれたらしい!」
「「「!?」」」
リゼさんが迷子を連れてきてしまった。
とはいえこれだけの人だ、そういうこともあるのか…。
「私は母親を探してくる!その子の面倒を見てやってくれ!」
「わ、分かりました…。
ねえ君、大丈夫?」
「心配しなくてもいいぞ。
あのお姉さんがすぐにお母さんを見つけてきてくれるから、な?」
「う…うん……」
おお、女の子が泣き止んだ。
やはり圧倒的顔面偏差値から繰り出されるスマイルは全てを解決するのであろうか―――――!?
なんだ、突然背中に悪寒が―――!?
「「……………」」
「ココアちゃん!?シャロちゃん!?
手が止まってるわよ!?」
「あらら。二人とも、しっとファイアーかな。」
「あんな小さい子にもメラメラしちゃうのはどうかと思うけどね〜」
………まあ、それだけ愛の深さを感じるということに。
とにかく、この状況が非常にデンジャーであるのは確かだろう。
「り、リンネ、セント。
この子は俺とチノに任せて二人もお母さんを探してきてくれるか」
「え? でも…」
「いいから任せてくれ!
さもないと後々面倒…いや、それより大変なことに…!」
「う、ううん…まあそう言うなら」
リンネとセントが人混みに向かって駆けていく。
さて、俺とチノが残ってしまったわけだが…。
む、女の子が雑貨を見ている。
「君。 …何か、この中で気になるものはあるか?」
「う、うーん…」
「あっ!そ、そうだ…これ見てください!」
チノが雑貨のひとつ…頭がカタカタと動くうさぎの人形を見せた。
「……あはは!変なの!」
「ふふっ、そうですね。
…これ、よかったら差し上げます」
「いいの!?」
「はい、どうぞ」
女の子は見事に泣き止んだ。
その後リゼさんたちが母親を見つけ、女の子は無事に帰ることができたのであった。
「喜んでもらえてよかったな」
「はい…」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「ただいま〜」
「お帰り。
様子を見るに、どうやら楽しめたようだが…」
「うん。うちの品物もみんな売れたよ。
あ、これ売上のまとめ…」
「……ほう? これなら、来年以降の参加も検討の余地あり…かもしれんな」
シロウがニヤリ、と笑みを浮かべた。
「うーん…でもそんなに売れるものあるかな?」
「そうだな、今回もチサトの古物がたまっていたから参加したわけだし…そうそう狙えるものだろうか」
「ふん…その心配は無用だ。 何故なら…」
「はい、これアスカとシキにもおみやげ。
それとこれとこれと…あとこれも」
「わーなにこれ?
どうやって使えばいいのか全然わかんないや!あっははは!」
「笑い事じゃないでしょう!?」
「「………」」
「な? オレの言いたいこと、分かるだろ?」
「そうだね」「そうだな」
こうして、衛宮家の倉庫にはひとつ、またひとつと雑貨の山がつくられていくのであった……。
『筆が乗った』と書いて『長くなっちゃった』と読む。
多分次回以降も長めになりそう。