透き通るような世界観にいちゃいけないタイプのクリーチャーに成ったけど今日も元気に擬態する   作:食卓の英雄

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IF世界の誰かが記したもの。
判明するたびに内容が追加される。


現在判明しているニセキヴォトスオオギタイカマドウマモドキのいちゃいけないタイプの生態

種族名:ニセキヴォトスオオギタイカマドウマモドキ(仮称)

 

現在判明している情報。

 

 全長約2m80cm(兵士級個体) 約4m50cm(女王個体)

 頭部、胸部、腹部と分かれており六本の脚が存在する点は実在する昆虫に近い外見をしているが、それとは決定的に違うもの。

 頭部から胸部の一部は人間に擬態しており、人肌のような成分で構成され、前脚に至っては異様に長い人の腕のような形状をしている。だが、下顎部は完全に擬態できていないらしく、大きく花のように裂けている。

 頭髪に見える箇所は触角であり、危機察知などの役割を担い、一見人間の様な箇所は皮膚の内側に本当の巨大な目が存在している。白目黒目と分けて見えるのはカマキリ等に見られる偽瞳孔。その位置を把握しているらしく、皮の隙間から覗かせているためである。

 

 大まかなシルエットはカマドウマ等に類似しているが、前部から後部にかけて甲虫の特徴が現れており、胸部から腹部にかけては甲殻に覆われておらず、露出した骨髄に肋のように鋭利な脚部が蠢いている。この骨髄は非常に柔軟で多くの関節により構成されており、単純な外見よりも遥かに伸び、また最大1620度回転することが判明している。

 

 中には背中の皮膚を突き破って翅が生えている個体も存在するが、こちらは個体差が大きく、強度、発達具合、飛行練度等にはムラがある。女王個体の特殊な染色体(仮称:染色体γ-α)が関わっているとされているが、あくまで翅のある個体にのみ確認されているというだけであり、具体的にどのような影響を及ぼしているかは不明。

 

 また巨体に見合った怪力も有しており、ほぼ全ての個体が前脚の力のみで装甲車などを破壊可能。バッタ目(直翅目)などによく見られる様に後脚の力は尋常でなく、その勢いに任せた突進は脅威。あまりの筋力に自らの跳躍で肉体の大部分を欠損してしまう程であり、大規模シェルターの防壁ですら時間稼ぎが関の山で、数の暴力に圧倒されてしまう。

 肉体構造からか移動と突進にしか用いられないのが不幸中の幸いだ。仮にあれが直接人体に向けられてしまえば……その結果は想像に難くないだろう。

 

 奴らの攻撃手段は主に前脚による叩きつけや圧迫。突進などの原始的なものが多いが、中でも悲惨なものがある。

 

 捕食、そして托卵だ。

 

 奴らの大きく歪な口は我々の頭部を齧り取ってなお余りあり、如何にヘイローの守りがあるとはいえ、その咬合力により苦痛が長引くだけだ、ということは言わぬが花だろう。

 奴らの中でも最も強力な筋力を誇る部位であり、その密度は後脚すら超えている。形状故脊椎動物のような咬合というよりは破砕機のように取り込みながら粉砕していく過程に近く、口に含む事が可能なサイズのものなら、堅固な金属塊ですら砂糖菓子の様に砕かれてしまう。また女王個体は一際咬合力に長けており、その圧力に耐えた物質は今のところ確認されていない。

 その様な力で圧迫されるばかりか、あの悍ましい口部を最後の光景として眺めながら命を落とすことになる。

 捕食時に確認できるが、下顎部を完全に開ききった際には一部の魚類に見られる咽頭顎や蝶などに見られる口弁が備わっており、それぞれが肉を引き千切り、体液を啜る役割を持っている。

 中でも口弁で体液を啜る際は蚊のように特殊な成分をこちらに流し込み、快楽と依存性により獲物の抵抗を抑制し、獲物を誘導する効果もある。

 

 そして、托卵は最悪だ。奴らの歪な肉腫の集まったような腹部から伸びる産卵管から、兵士級は幼体を、女王個体は卵を産み付ける。

 

 まず、兵士級は既に孵化した幼体を直接肉体に送り込み、栄養を得た幼体は急成長。この際殆どの者は膨張に耐えられず上半身を残して他は破壊されてしまう。

 この場合の幼体は繁殖能力、大きさ以外はほぼ成体と変わりなく、亜成体とも呼べる状況である。この際脳を捕食しており、人間としての擬態を意識し、また擬態元に近しい存在を狙う傾向を見せる。これは擬態の精度を確認する一種の本能の様なものであり、壁の隙間や曲がり角から不自然な角度で首が覗き他の部位を見せていなければ殆どの確率でこの亜成体である可能性が高い。

 最大の見分け方はヘイローであり、生徒ではない奴らには存在しておらず、ヘイローのない顔が覗いていた場合、自身はその個体に狙われていることを心に留めたほうが良いだろう。

 

 また殆どの場合は仕留めた獲物に対して行われる可能性が高いが、稀に死体だと勘違いした個体や我慢の利かない個体によって生きたまま幼体が産み付けられる場合があり、その様な場合は生きたまま体の内側を食い破られることになってしまう。

 

 次に、女王個体の産卵は突き刺された卵管から卵がいくつも植え付けられ、一定時間が経過すると卵が孵り肉体を細かな幼体が食い尽くしていく。

 この際強烈な吐き気と体調不良、高熱などの症状が発症する。もし植え付けられた場合は患部を取り除く以外には避ける手段が現状存在しない。一応、一部の神秘が濃い生徒は植え付けられても内部で卵を殺害することも可能。

 

 孵化した幼体は獲物の肉体を喰らい尽くし、幼体となって肉体を飛び出す。この幼体の一部を格納した兵士級が次の被害を生む場合もある。

 

 次に特筆すべき事項は耐久力と再生力だ。

 

 奴らは虫の特徴を有しているが、同じ様に柔軟かつ強力な甲殻を持っている。硬さと柔軟性の合わさった甲殻は傷がつきづらく、突破は困難。とはいえ衝撃などは通っているため全くの効果なし、という訳では無い。因みに顔の一部はこの甲殻で保護されており、人体に銃弾を食らっても欠損がないのはこのためである。

 兵士級であれば至近距離からマシンガンをワンマガジンも頭部に撃ち込めば動きを阻害する程度の効果は得られる。ただし、女王個体は特に頑丈で、並の攻撃では怯みすらしない。

 

 そして再生力。甲殻を突破して肉体を破壊、あるいは擬態を行っていない個体への制圧を行った勢力が確認。小銃などの口径の弾丸は疎か、肉体の一部が破損、あるいは欠損しても再生した。

 再生力にも個体差があり、指、脚、下半身、胸部、など再生可能な部位も多いが、中でも強力な個体は半身を失って尚栄養が十分にあれば再生してしまう。また、最も再生能力の低い類であっても小口径の銃弾程度ならば短時間で再生してしまう。

 よって、対処法はエネルギーを使い果たすまで波状攻撃を続けるか、一度に大量の攻撃を浴びせ続けることである。

 どちらも強引な手段であり、個体ごとの再生力の差から事故が発生しやすいので万全の注意が必要。

 

追記:どうやら極低温では再生力が一時的に低下するらしく、その間に高火力で肉体の大半を死滅させるか集中して銃撃を浴びせることで比較的容易に処理が可能だ。

 

追記:どうやら女王個体の再生力はずば抜けて高いらしい。上半身は疎か下半身の半分をも同時に失っていて生存していると誰が思うのか。生命力も並大抵ではない。現在行方を追っているが、成果は芳しくない。このまま力を使い果たして再生する間もなく野垂れ死んでいてくれと、切に願う。

 

 またドス黒い青の血液を口にしてしまうと多幸感に加え、幻覚幻聴に襲われてしまう。殆どの場合口から摂取しなければ問題はないが、肉体を欠損した場合などは近寄るのは避けたい。また、一度に多くの血液が外部へ溢れ出ると蒸発して同様の成分が空気中に拡散するため注意が必要。閉所での連戦を避けたほうが良いのはこのためだ。

対策委員会編が終わったら幕間を書こうと思います。選ばれなかったものは作中や前書き、後書きでサラッと乗せます。因みに全部を選ぶと本編が遅れますがちゃんと読めます

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