透き通るような世界観にいちゃいけないタイプのクリーチャーに成ったけど今日も元気に擬態する 作:食卓の英雄
あと、原作に突入したりキャラと絡ませたくてもわかんないんです。予想以上にこの作品が好評で常にこっち書いててブルアカストーリーまだ読めてないんですよね…。夏休みも終わるし、少し次回の投稿が遅れるかもですちょっとストーリー読ませて下さい。出来れば最終編とか一部イベントストーリーとかくらいまで(土下座)
いやあ…謎の多脚戦車は強敵でしたね。
遭遇から暫く、俺の目の前にはスクラップ寸前といった様子の謎の戦車が崩れ落ちていた。
まだヘイローは点いているが砲塔はひしゃげ、足も破損。所々からプスプスと煙を上げるこれにもう戦闘能力はないだろう。
こう軽く言ってはいるけど、確かに強敵だった。俺が戦った中ではネルの次くらいに。*1
まずは最初見せた二門の機関砲とミサイルだ。機関砲をこちらへ掃射して、ミサイルポッドから大量のミサイルを発射してくる。こちらは最初っから動き回って狙いを定めさせず、ミサイルの方はウェスカー式*2で他のミサイルに誘爆させることで回避。
銃は持ってないけど、相手が機械だから、万が一にもということを考えて手加減する必要はない。
あと構造上真下に潜り込まれたら攻撃手段が無いのもやりやすい一因だった。俺の擬態で役立っているのは人型ならではの体の動かし方と小柄*3さ。それを活かして足で蹴り斬った道路標識を槍投げみたいに機関砲に通した隙をついて足元に滑り込んで、そこから登ってしまえば武装も簡単に破壊できた。
武装も他のオートマタやロボに比べると遥かに高性能だし硬かったけど、一度張り付いて脚の力と合わせて発射機関を引き千切って無力化。振り解こうと暴れる戦車くんだけど、そう簡単に離すわけがない。ただの人間が張り付いていたのならそれも出来たんだろうけど、この体虫と同じ様に僅かな凹凸があればバランスも取れるんだよね。指の力でへこませれば余計に。
そのままミサイルポッドに移動して、擬態が解けない程度の渾身の踵落とし。結構深くまで刺さり、内部のミサイルごと爆破。連鎖して爆発したそれがポッドそのものを破壊していく。
これで無力化出来たかと思って一旦降りると、何とその戦車くんは背部からワイヤーを射出して高速で戦場を離脱し始めた。
破損させた武装の中からもオーパーツ、しかも完全な状態のものも見つかった。やっぱり使っているパーツからして上位のものらしい。
すると今度はどこにいたのかと思う程の小型ロボを引き連れて、ガリガリと地面を削りながら着地した戦車が戻ってくる。
たださっきと違うのが、機体上部が一基の大型砲に換装されており、スタイルの違う戦闘方法を取ってきた。
正直弱かった。………いや、別に貶めているわけじゃなくて、チャージに時間かかる単発だから…その、平面移動する普通の生徒ならともかく、俺にとってはあまりにも避けやすくて…。何ならわざと当たったところで、あの時の爆発より弱い*4。しかも時間かかる分を稼ぐために引き連れてきた小型ロボは俺にとっては逆に足場になったので、砲台内部に向けて全力の水平蹴り。
千切れて捻れた砲塔。一門しかない砲台がやられたとなれば、再び戦車はワイヤーを射出して離脱していく。
それは既に見た。
そして辿り着いたのが仄暗い工場の地下にひっそりと佇む整備基地。自立稼働しているらしいロボットアームが様々な装備の整備を行い、装備の修繕や付け替えをここで行っているらしい。
要するに、
壁やコンテナの中にはそれぞれこの戦車専用の兵装が格納されており、抜けがあるのは「Type.V」と今回収された「Type.C」。他にも開いているコンテナに名が刻まれているのは「Type.E」「Type.G」「Type.M」「Type.L」「Type.D」等々。
具体的な数を数えた訳じゃないけど、この数と規模からして、AからZまでの26パターンの兵装があると予測できる。
これは中々厄介だ。
俺やネル達*5ならともかく、ブラックマーケットの普通の生徒じゃ一機だけでも手に余るだろう。
正式な鎮圧組織であるトリニティの正義実現委員会やゲヘナの風紀委員会ならきっと容易に対処できるんだろうけど*6。
そんな訳で、うん。
換装する前に襲うよね。オーパーツが使われている部分はなるべく避けて機体を攻撃。最初に撤退用のワイヤー射出口を詰まらせ、装甲板の張ってある四脚は、まず跳ね回り撹乱。注意を奪われている隙に内側へと潜り込み、脆い関節部を蹴り折った。
流石にヤバいと感じとったのか激しく暴れるも、この狭い空間で武装もない戦車が満足な活動を出来るとはとても言えず、そのまま残りの足を砕いていった。
そうして、出来上がったのがこれです(冒頭に戻る)。
さて、まだ完全に停止したわけじゃないけど、自爆でもしない限りは完全に無力化出来た。
材料はどこかからか補充しているのか、放っておいたら時間はかかるだろうが装備も復旧することだろう。多分。それに、ヘイローのついた戦車など珍しすぎて破壊する気は全く起きない。安全が保証されてさえいれば持ち帰りたいくらいだ。換装と四脚はロマンだよ。
だから、ここは退いてあげることにした。
もしかしたら何か貴重なものの可能性もあるしね。まあ、それとこれとは別でして…。折角ここまで来たんだから、色々と漁ってみよう。
残されている換装を見て、それぞれからオーパーツを抜き取る。機械部品や武器の整備に使えそうな代物も大量にあるし、宝の山に近いだろう。ロボットアームが作動するのを確認して、それぞれの武装を観察したりこの施設をまじまじと見て回る。
……秘密基地みたいで格好いい。
そして、完全なオーパーツも大量に集まった。中には劣化したり長い使用のせいで摩耗したり破損したものもあるので、恐らくはもっと大量に使われていたんだろう。
それに、整備工場なのだからあると思っていたが、各種兵装の役割やコード。設計図に機構が記された古いレポートが残されていた。
かなりボロボロな上管理などされていなかったからか、一部のページは紛失してしまっているが、それでも完全に残っている物も多い。特に、機体の設計図が残っているのが奇跡だ。使われている技術は今のキヴォトスの最先端に比べれば劣るが、それでも総合的な出力や性能は決して劣っていないどころか、殆どの代物を凌駕するだろう。
………誰もいない廃墟で朽ちゆく技術にするには惜しい。多分現代版にチューニングすれば更なる性能向上も可能だろう。
丸ごと頂いても…バレない。うん。現にヘイローのある戦車なんていたら話題になってるし、見つかる心配もない。
さっとコートに資料を忍ばせ、終いとばかりによってきた小型ロボを資料のあった棚に蹴り飛ばし爆散。ヨシ、これで資料が消されたという状況は作った。例え見つかってもピンポイントで俺だとはバレない。
……というわけで、復旧作業が始まる前に撤収。
探索にも時間がかかり、気づけば空も茜色に染まっている。分かってたけど夕日との相性も最高だ。
ずっしりと重みを感じる袋を持ち、懐の資料も慎重に保管して、俺はこの廃墟を駆け始めた。
あ、帰路のロボからも素材は引っこ抜いておいた。こんなもんいくらあっても困りませんからね。
――――……
特に何事もなく*7事務所に無事帰り着いたので、種類を品質ごとに分けていくつかの市場に分けて契約を結ぶ。
一遍に同じ種類を売っては価値が下がるからね。オーパーツマニアのサイトにも顔を出しておくけど、やっぱり今のオーパーツ不足な現状、マニア同士での取引が行われているので、需要のある完全なオーパーツはこっちに回す。
品質の低いものは纏めてネットに。市場価格より若干高価になるが、今の相場よりは幾分か低い。目敏いマニアは収集のために早めに買ってしまうだろう。……ほら、予想通りにもう売れた。
他の物品も価値を勝手に跳ね上げてくれるだろうから、中々愉快。取らぬ狸の皮算用と思うかもしれないが、世間の流れと需要供給、あとはオーパーツを独占して買っている企業なら、多少高くても引っ掛かってくれる。
……どんなに安く買い叩かれたとして、俺としては定価の半分も稼げれば大成功だ。何せ元手ゼロな上大して苦労した訳でもないからな。確かに数を稼ぐには時間がかかるが、それでも並の仕事より遥かに稼げる。
一応まだ手元にオーパーツは残している。その大半があの四脚戦車の武装。ちょっと多すぎて今の価値を崩しかねないから現物保管だ。
さて、後は待つだけだが……。別に寝る必要もない*8し、地下でも掘るか。
何故かって? そんなもの簡単だ。ロマンだよ。オークションの護衛で見た仕掛けや今日見かけた格納庫が火を点けた。
もちろん、そんな感情だけで言っている訳じゃない。これにはしっかりメリットもある。
まず、
そして、狭いとどうなるか。俺の趣味が出来ない。絵を描くには手狭だし、これから集めたいと思っている武器のコレクトと改造にもスペースを食う。何なら資材とかもたくさん持っておきたいのでどの道広い空間は欲しかった。
加えて、俺の体質。元の姿に戻る際に態々外に出ていたら露見するリスクも莫大だ。地下で済ませられるのならその方がいい。後は俺の肉体の研究を誰にでも見られる場所に置いておくわけにもいかない。中にはちょっとした実験なんかもする予定だから、万が一を考えても地下を増設するのは悪くない。
つまり、実利と浪漫が一致している。
そのために…ここ周辺の立地や建物、構造なんかを仕入れて、計画的に地下を造る準備も済ませた。
一人の力で地下など掘れるのかと思うだろうが、そこは化け物スペック。この程度の軟さの地面程度問題なく掘り進められる。掘った地面は……まあ、今度トラックで何処かに廃棄しに行こう。
まずそもそも、地下一階へすら結構深めにしよう。いつ爆撃や銃撃戦で地盤が緩んだり破壊されないとは限らないんだ。ならもういっそのこと100mくらい掘り進めてみよう。調圧水槽なんかで地下50mは露呈するだろうから、もっと深くだ。
崩落は問題なし。視界も酸素も俺には関係ない。効率は悪いが、前脚、中脚、顎を総動員すれば、一晩で出来なくもない。
下準備の掘る段階だとクソでかいヘビみたいなのが通路みたいに這い回ってくれれば道として整備するだけでいいんだけど、そんなグレイブディガー*9みたいに都合のいい生物なんて居るはずもないか。
よーし、折角だし浪漫剥き出しにして整備するぞー!
因みにその日は100m掘り終えたかと思ったら横道を勢いそのままに作り上げ、深夜テンションか何かで興奮していたのか壁や天井を這い回っていたら夜が明けた。
交渉の通知が来て大慌てで事務所に戻ったのは言うまでもない。
―――…
ふう、お目汚し失礼。
今しがた値下げ交渉を受けていい塩梅で納得させたのは誰か。そう、俺です。
いや、さっきはどうかしていた。軽く言いはしたけどまさか本当に100m掘れるとは思わなかったからね。あまつさえそこから通路を拡張させられるとは…。
この体のスペックは凄まじい。気分的には某サンドボックスゲーみたいな感覚で無心で掘ることが出来た。
ただね、やっぱり思ったのが効率悪い。いくら掘削が出来るからって、俺一人では手が足りないし資材の積み込みも難しい。だから、せめてある程度形になる様に高給の依頼としてブラックマーケットの子達に回すことにした。
丁度金もアホみたいに稼げた。特にとあるオークションで出してた完全なヴォルフスエック鋼10個は額がどんどん跳ね上がっていったらしい。どうやら便利屋ろくきゅう…?とやらとカイザー本社が競い合って相場の10倍以上の価格で売買されたとのこと。結果はカイザーの勝ちだったらしいが、あのカイザーコーポレーションと最後まで競り合えるほどの財力を持っているらしい。便利屋…覚えておこう。
加えて他でも需要があったのか概ね倍額近くで売れた。
出した数が数なので、俺の通帳には…うん、9桁くらい刻まれている。
………ふぅ〜、副業で稼ぎ過ぎちゃった…。いや、確かに需要あるかなって思ったし、オーパーツ集めは稼げるって思ってたけどさ。それ一般人基準だったわ。
移動と危険性から一般人が普通は近づかない場所でも俺だったらそのまま来れたし、誰も来ないから余ってた。
少ない砂金を集めて金に変えている人と目の前に大規模な鉱脈と万全の設備が整っている人では、そりゃ稼ぎが違うだろうと。
……まだ結構残ってるんだけどな…。
ま、まあ、いい。地下に万全の施設を整えるためにも馬鹿にならない金が必要だし、多分これでも足りないくらいだろう。特にあの戦車を再現するには同じ様なオーパーツが必要だから、この程度は端金だと考えるんだ。
とはいえ、流石に多いので、これは地下施設と高いコストのかかる代物に使うことにして、生活分は仕事ので賄おう。うん。これならいざとなったときの貯金にも出来るし、無駄遣いはできない。うん。
……と、いうわけで、俺直々にブラックマーケットに行き生活難の生徒たちに声をかけてバイトを募集した。選考対象は本当に生活に困っていそうな相手や、一度俺に突っかかってきて格の差を教えてあげた生徒たち。変に反発されたりバラされたりしても迷惑だから、仕方ないね。
その代わり待遇はちゃんと納得してもらえたようで良かった。時給3200円で1日6時間休憩あり。午前午後の部に分けてそれぞれ9:00〜15:00に50人。15:00〜21:00に50人の体制でやっていく。事故などによる保証はこちらが全負担、一部道具以外は基本各員支給。
一応ここで目にしたことは決して外部で口にしないことは契約に取り入れさせて貰ったが、特に重要なことだったので念押ししたら涙目になってしまった。解せぬ。
ちゃんと作業場所と内容は地図にして明記しているし、構造上成り立つ寸法に仕上げているので、こちらも遵守。さもなくば崩落して地面に埋められると言っておいた。まあ、こちらはミスってもいいようにかなり余裕を持った設計になっているけど、ビビらせてしまったのかやはり涙目になってしまった。解せぬ。
そんな訳で、比較的ホワイトな地下施設増設計画が始まったのだった。
……え、今何してるかって? そりゃ明日から来るんだから昼飯と夜飯各50人前の食材調達だけど。
こんなとこにまで費用は使ってられない。俺が作ったほうが安上がりだからね。
ごめんねケテル君。所詮やつはデカグラマトン最弱。最初のセフィラ故の低スペ。デカグラマトンの面汚しよ。(手のひらクルー)
お前もここで働かないか?(AKZ殿)
遊星画集、今日の1枚
『道化』
虫けらの群れを踏み潰して得意げになっている紳士服の男性と、虫かごの外から小さな虫を入れている巨大なカマキリの絵。白熱電球によって虫かごは遍く照らされるが、カマキリは机の上に乗せたその小さな箱庭をじっと観察している。
背後の本棚やカレンダーなども緻密に書かれ、影の濃淡がはっきりと分かれている。
得意げに他者を見下す者はその快楽と己の力に酔いしれ、それが何者かによって用意された舞台であることを認識できないということを、油絵特有の力強いタッチで描かれている
対策委員会編が終わったら幕間を書こうと思います。選ばれなかったものは作中や前書き、後書きでサラッと乗せます。因みに全部を選ぶと本編が遅れますがちゃんと読めます
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ツルギとのデート回
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カニー・クッターと近所のヌシ
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全部!