透き通るような世界観にいちゃいけないタイプのクリーチャーに成ったけど今日も元気に擬態する   作:食卓の英雄

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前話(2024/05/28 投稿)で「ククク…地道に評価も増えてきていますね。このままであれば来月中には1万人を突破は確実か…」
とかほざいた者です。いつの間にかもう6月終わりますね。
え?1万人?何も投稿してないので緩やかにしか増えてないです。

ちゃうねん。

こう、思いつきで匿名でダンまち✕モンハンものを書いたら、そのすぐ後にワイルズのPVが公開されて、そのブーストもあってモンハン熱が入ってしまったんです…。
後、6月自体が色々と忙しくて、一文字も書けずに寝落ちするっていうのが結構あって…。
はい、すみませんでした。
っていうか一ヶ月音沙汰ないのに期間内UAが大体1000くらいいってるのすごい。更新待ちしてたのかな…。すみません。

後、閲覧注意です。今話には透き通る様な世界観で送る学園RPGには相応しくない描写、又、人によっては精神的なショックを与える場面がある可能性があります。ご了承くださいませ。

(2024/07/01 追記)
マジで注意です。私自身、これを書くにあたってかなり悩んで、正直今までとは一線を画すレベルなので、上の閲覧注意で張った予防線を超えてくる可能性がございます。またこの話は幕間であり、最悪の場合読み飛ばして、後に語られる小話などで補完することも案の一つとして提唱致します。


カΦニ道/楽ちゃ/ん

 

 美食研究会の4人+フウカを乗せた給食部の車両は、途中不良に絡まれることやちょっとしたトラブルに遭いながらも、無事昼前には海鮮小屋のある氷海地域前の漁港へと辿り着いた。

 

 RE:flectorの手によって整備され直した漁港は、派手さこそないものの、堅実にその仕事を熟している様子が垣間見えるようになっている。

 

「やっと着きましたわね…!」

「もーお腹ペコペコ!沢山食べるために朝抜いてきたんだから!」

「うふふ、私も普段食べない高級な海鮮ともなると期待が高まりますね☆」

「トッピングってあるのかな?一応チョコソースとマスタード持ってきたけど、欲しいなら言ってね!」

「……お疲れ様くらい言えないの?」 

 

 その様子を見てはしゃぐ美食研究会と、ここまで運転してきた疲れから、はしゃぐ気になれないフウカ。

 

 何はともあれ、ここで一旦終わりである。

 

 伸びをする彼女たちに、極寒の潮風が襲いかかる。事前情報から備えていたコートを着ていても、隙間風が凍えるのだ。普段の制服のままであったら、それこそ食事に集中出来なかったであろう。

 

 食べるなら、最高のシチュエーションで。ハルナの拘りが、功を奏したということになる。

 

 ここで立ち尽くしていても話は進まないので、5人は人を探して歩き始める。

 

 …のだが、如何せん、この港に人が動いている様子は見えない。

 

「人がおりませんね…」

「みんな漁にでちゃって残ってないとか?」

「それでもこちらにも残る人は必要なのでは?それに、私達が調べた時間と合わせたら、漁から帰ってきて休憩中でも可笑しくはないのですが…」

 

 無人の船着き場に寒気を感じ、当てもなくうろつく5人は、店ならば人はいるだろうと、やや早足気味に目当ての海鮮小屋へと向かうことにした。

 

 幸い、このあたりは人工物が倉庫や格納庫、後は従業員用の居住区がある程度で海鮮小屋はすぐに見つかった。塩害を避けるためか、倉庫の裏側に、複数のシャッターを備えていたそれは、一見して大衆食堂の様な木製の看板を携えている。

 

「あれですわね」

 

 ちら、とスマホで時間を確認したハルナ達が近づくも、どうやら様子がおかしい。

 

 綺麗に整えられた玄関に、木組みと磨りガラスの戸は固く閉じられていた。

 

「まだ開いていない…?いえ、ですがとっくに始業時間は過ぎていますし、サイトにも定休日などの情報はありませんね」

「ええぇっ!!?ご飯も抜いてきたのに!!」

「えーっ!?食べられないの!?」

「……ですが、何も書かれていないのなら、それは何かが起こったんじゃないですかね?今までの履歴を見る限りだと、そのあたりの報告は出されていますし…。簡単に諦めるのも、割に合いませんよね」

 

 折角遠路はるばる訪れた店が、何の情報すらなく閉まっていたことに驚きと落胆、そして怒りの色を隠せないジュンコとイズミ。しかし、ハルナとアカリはそれまでの行動との差異から諦めるには早いと判断する。

 

 それに、この状況自体が少しおかしいのだ。いるはずの時間に、誰一人すら見かけない漁港。船は戻ってきている筈なのに、人気(ひとけ)がない。

 

 ならば何か原因があると探るのが自然。まあ、単純に諦めきれないという思いもあるにはあるが、それはそれとして、その原因さえはっきりしたら食べられるかもしれない。そうと決まれば散策する他なかった。

 

 フウカとしても、態々ここまで運転しておいて、何もなしでは帰れない。せめて普段食べない高級魚介と自分にないバリエーションの料理を食べていかなければ骨折り損のくたびれ儲けというものだ。

 

 そうと決まれば、4人と1人は人工物を目当てに歩き出す。

 倉庫内は氷で保存された魚や魚介類が多くあり、イズミがそれらを見てよだれを垂らすものの、今は後にして歩き出す。

 

 念の為、誰かいないかと声をかけてみるも、トタンの掘っ立て小屋に反響して返ってくるのみだ。

 

 一つずつ確認して、誰一人として姿を見せないことに、いよいよもって連絡忘れで休業している可能性が沸沸と浮かび上がって来た所で、ジュンコが耳をそばだてる。

 

「ジュンコさん?何かありましたか?」

「……待って。何か聞こえる。……これ!人の声だ!」

「まあ」

 

 しょんぼりとしていたジュンコの目に活気が戻る。人がいるのなら事情を聞くことが出来る。

 そう思い、機材や倉庫などを迂回して、その発信源へと辿り着く。

 やや漁港から離れていたから気づくのに遅れたが、白いテントの様なものがある。テントの前には大勢の人達が溢れかえっており、ここに集中していたことが伺える。

 

「……テントの前に集まってるわね」

「あの黒い人が門番か何かですかね?」

 

 大勢の少女が屯し、きょろきょろと視線を彷徨わせる。特に一部の少女に至っては、頻りに中の様子を確認しようとして、黒い人影によって防がれていた。

 しかし、その様子は熱狂というものではなく、少なくとも彼女たちの想像する、楽しいイベントとはかけ離れている様だった。

 

「……何かあったのかな?」

「フウカさん、見覚えは?」

「……いや、現場の人は流石に知らないわよ。でも、あの黒い人が着けてる装備に書かれてるのはRE:flectorの社章でしょ」

 

 言われてみれば、確かにチラシにも記されているものと一致する。ただ、それが分かったところで、何が起きているかの推測はてんでつかない。

 

 このままでは埒が明かない。そう考えたハルナ達は素直に尋ねることにした。

 

「失礼、ちょっとよろしいですか?本日は海鮮小屋の―――」

「は?悪いが今それどころじゃないんだ。部外者なら悪いが帰ってくれ」

 

 意を決して、優雅に声をかけたハルナに対して、にべもない返事で切り上げる彼女。軽く手を払い除けられ、ハルナは笑顔のまま停止する。

 

「………」

「うふふ、駄目みたいですね」

「何か感じ悪いわね」

 

 柔らかな微笑を携えたハルナは、けれどその粗雑な対応…特に食事関係を疎かにされたことへと静かに怒りを滲ませ、不届き者に向かって銃器を取り出した。

 

 そこで、ようやく姿を確認したのだろう。悪い意味で有名な姿を目にして目を白黒させる。

 

「って、美食研究会……!!?や、やめろ!!?撃つな、今は絶対に駄目だ!!?」

「おいやめろ!銃を下げろ!?」

「クソッ!!とにかく今だけは!後で話は聞くから、ここで戦おうなんて馬鹿な考えはよせ!!」

 

 声を上げた船員の声によって集まっていた他の面子も一斉に視線を美食研究会へと向ける。

 だが、既に武器を手にしているハルナに対して、この集団は武器を構えることなく、慌てて制止を呼びかけた。

 彼女たちとて、武器を手にしていない訳では無い。けれど、みなが一様に交戦の意思を見せない、というのは珍しい。加えて、その必死な懇願にも近い命令には、ただの横柄な態度とは異なることを如実に表していた。

 

「……何やら事情がお有りの様ですね☆」

「す、すごい必死…。これじゃ私達が悪者みたいじゃない…」

「わ、わ!ちょっと待ってぇ!」

「フウカさん、これは…?」

「ちょ、ちょっと落ち着いてください。あの、ここで何かあったんですか?」

 

 今までの例を見ないほどの気迫に、やや押される美食研究会。その鬼気迫る様子にただならぬ事情でもあるのかと、フウカが思わず尋ねる。

 

 フウカが疑問を投げると、美食研究会ではないフウカの姿に一瞬首を傾げ、前に伸ばした手を降ろしながら一人のスケバン風の漁師服の人物が、黒い人影が取り囲んでいるテントを指さした。

 

「お、おう、まずは聞いてくれ。実は―――」

 

 理性的な尋ねに、冷静さを取り戻した一人が、その疑問に答えようと口を開いたその瞬間、注目の的であったテントの内部から一人の人物が姿を現した。

 

「どうした?外が騒がしいが…」

 

 テントの幕をめくり、暖簾をくぐるかのように覗くのは、特徴的なマスクと、光を映さない瞳。やや癖っ毛の白い短髪。そして何より女性にしてはかなり珍しい2mを超える長身。

 

「オ、オーナー!」

「客か?」

 

 彼女たちの所属する大元であるRE:flector、その元締である遊星リアンその人である。

 その反応に、ハルナ達もその人物が誰かを理解した。ハルナは下調べから、フウカは直接顔を合わせ契約を履行したために。

 

 わざわざ、元締であるオーナーがこのような場所にテントを立てて、何をしているのだろう。そのような疑問と共に視線を向けるも、そこには予想外の光景が広がっていた。

 

「ひっ」

「そ、その姿は…!?」

「………」

「ちょ、ちょっと何よ…!?」

「うわあ!!?血塗れ!?」

 

 多かれ少なかれ、彼女たちの表情が崩れる。

 それも当然だ。何せ体をのぞかせるリアンの服には赤黒い血液が付着し、その指や服にも生々しく、粘り気のあるそれが覆っていたからだ。

 

 その猟奇的な外見もさることながら、光を浴びててらてらと光る血液に塗れて尚、表情一つ動かすことなく対応する様子には、自分たちの常識がおかしいのかと疑問を抱いてしまうほど。

 

 最初は見間違いか何かかとも思ったが、テントが開かれたことにより、血液特有の鉄臭い香りと消毒液のツンとした匂いが広がり、それが潮風と混ざって独特の悪臭となって鼻を刺す。

 更に隙間から伺える内部も、地面に血が垂れ、様々な医療器具と同じ箇所に、ガーゼに包まれた肉片の様なものが安置されている。

 

 パッと見の印象は、さながら猟奇的なスプラッター映画のワンシーンかの様。

 

 ただでさえ華の女子高生にはキツい場面を、五感全てが現実だと訴えかける。

 

 気圧された美食研究会達に構わず、その場に集った面々が声をあげる。

 

「オーナー!船長は、船長はどうなったんですか!?」

「無事なんだよね!?」

「死、死んだりなんてしてないよな…?」

 

 興奮した様子で、縋り付くように尋ねる彼女たちの言葉に、置いてけぼりの美食研究会*1達も何となくの概要を掴む。

 

「死ぬ、とは穏やかではありませんわね」

「ひえぇ……。前に見たバイトで時給が高かったのって……」

「あのテントで、手術してたってこと?」

 

 中の惨状も、そう思えば納得出来る。

 潮風の多く、数少ない施設も魚や海の雑菌などに溢れ、かといってこの周辺に医療施設はない。僅かに見えた血痕と医療器具の様子から、そう激しく動かす訳もいかず、やむなく現場で仮設の野外病院を作って施術を行ったのだろう。

 

 だからこそ、銃撃や爆撃を必死で止めていたのだろう。その人物が、どれほど慕われていたかが伺える。

 

 その追求に、リアンは彼女達を安心させるために言葉を紡いだ。

 

「…安心しろ。既に峠は過ぎタ。命の危険はもう無い。本人の意識も既に戻ッている」

「っ……!!!」

「良かったぁ〜〜!!!」

「無事、ってことでいいの!?」

 

 ただし、手放しで喜ぶ彼女達を前にして、リアンはそれきり少し黙る。そして、徐ろにその中の一人、今回被害にあったカニ道楽ちゃんから集団の指揮と統率を任せられていた一人に目を向けると、優しく頭へ手を当てる。

 

「……忌避せず、冷静に千切れた部位を回収させたのは君だろう。……偉かッたな。危険な状況下で、回収してくれたお陰で足は完全に接合できた。…程ナくして快復に向かうだろう」

 

 その言葉に、その少女と周囲が安心からか声を漏らし、実物を見ていない美食研究会はその凄惨な状況を想像して青褪める。

 

 しかし、喜んでばかりもいられない。沸き立つ周囲の外野に反して、当の集団……同じ船に乗っていた船員たちはその言葉に引っ掛かりを覚えた。

 

()()……ですか?」

 

 震える声で発せられたその声は、再び場を緊張へと誘う。

 表情の変わらないリアンの顔が、更に強張ったかの様に錯覚する暗い雰囲気。言葉の意味を理解してしまった人員は目に大粒の涙を浮かべている。

 

 そして、瞳を閉じてリアンが腰を折る。

 

「……すまない。左腕と左目は無理だった。……切断面が粗く、失った部位と海水に触れた部分から腐敗が進ンでいた。……俺が到着した時には、既に切除しなければ命が危うい段階だった。目も同様だ。……中心まで傷口が広がり、完全に失明している」

「――――っ…!」

「ひゅっ……」

「ウソ、だろ……」

 

 更に告げられる衝撃の事実。

 話から察するに、左腕、左足、左目を同時に負傷し、そのうち足以外は最早手の施しようがないらしい。

 

 美食研究会はテロリストだ。己達のポリシーで店を爆破し、時に悪徳業者と、時に風紀委員会達と戦ってきた。だが、だがそれでも、このような事態に出くわしたことはなかった。

 

「……ど、どうしましょう」

「流石にこの中でご飯のことなんか言えないよう…」

「……ですね。私達部外者がいても邪魔になるだけでは?」

「そ、そうよね。私も残念だけど…こんな中で話すほど落ちぶれてないって…」

「……一体、何があったっていうのよ」

 

 重い空気に、耐えきれなくなった美食研究会達がヒソヒソと顔を寄せ合って相談する。その方針とは、流石に大人しく身を引こうというもの。

 そんな中、群衆の中からの声がハルナ達の耳に届く。

 

「やっぱり、カニ漁船のルートにやばいのがいるのか…?」

「だよね…。あんなの、自然に出来るものじゃないし、怪物がいるんだよ…」

 

 その言葉が、ハルナの耳朶を叩く。そして同時に、誰がやられたのかを理解した様だった。

 

 今は、全ての船が港に帰港しており、メンバーも全てここに集まっている。被害を受けたのは船長であり、その船はカニ漁船。……そして、RE:flectorの中で、カニ漁船の船長と来て、この場にいない顔。

 

 ハルナはその人物に心当たりがある。それもそうだ。何せ少し前に、あまりにも素晴らしい蟹を提供し、その調理方法なども発信している彼女に対して、手紙を一つ寄越したばかりなのだから。

 

「いえ、まさか…」

 

 ハルナは顔をテントへと向ける。

 施術は終わったからか、幕は開けられ、その安否と現状を確認するため、船員が中に入っている。

 

 そして見えた。

 

 血の滲んだ包帯が左目を覆い、あるべき筈の腕が根元からない、ベッドに横になっている見覚えのある人物の姿が、そこにはあった。

 

 その瞬間、ハルナの中にあった微かな恐怖と遠慮は鳴りを潜め、後ろから見守るリアンへと声をかけた。

 

「……すみません。部外者ではありますが、これを見せられて、知らないフリはできませんわ。……一体、何があったのです?」

 

 そこには、ただ一人の美食を探求する者としての誇りと、彼女の向けるカニへの情熱の一端を知るが故の義憤に燃えていたのだった。

 

*1
わざわざ分けて書くの面倒くさいからフウカも含めて美食研究会でいいのでは…?





タイトルはフレ/ンダから連想しました。

はい、実はこれは確定事項でした。カニ道楽ちゃんがただのモブならそこで終わってたのですが、何か人気になってこうして幕間の中心人物の一人になったので。
つまりお前たちのミスでした(連邦生徒会長)



一応足はくっついたので、キヴォトス人、それもそこそこ強めの彼女ならツルギやネル程とはいかなくとも現実では考えられない速度で快復することが可能です。

ただ、斬り裂かれて失明した左目と根元から切除した左腕は二度と元には戻りません。悲しいね。カニなら腕がなくなっても生えたのに…。

左足は太ももの半ばあたり、腕は付け根に近い二の腕を切断され、左目は斜め方向に顎から深い傷が目まで到達している感じです。更木剣八みたいな長さで、傷口がもう少し広め。

元々の予定だとカニ道楽ちゃん(右利き)の右腕、右足、右目全部奪おうと思ったんですが、流石にやりすぎかなと思ったので自重しました。
あと神秘やらテクストやらキヴォトスの超技術とかの希望を摘むためにあえて言います。彼女の失った手足が生える、あるいは復元されることはありません。
では

(2024/07/01追記)上記の表記はあくまでネタの意味合いが強く、踊るサボテンの雰囲気や連邦生徒会長の「私のミスでした」を改変したコピペを元としたギャグであり、読者諸君へ責任転嫁、あるいは擦り付け、不快な思いを味あわせて愉悦してやろう等といった意図は一切ございません。
不快な気分にさせてしまった場合は申し訳ありません
作者「……責任は、私が負うからね」

先生の台詞にゲーム本編のように「“”」はいる?

  • 先生と一目で分かるからあった方がいい
  • 別にゲームテキストでもないのでなくていい
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