透き通るような世界観にいちゃいけないタイプのクリーチャーに成ったけど今日も元気に擬態する   作:食卓の英雄

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ロボや兵器へのモチベーションや参考にするべく、先日、アーマードコア6を買いました。
パルス系を買ってないままバルテウスに挑んで、泣く泣く撤退することになりました。またスッラからだよ…。


第47話 ナギサの覚悟 ※▼ではない

 

 黒衣の人物――遊星リアンと名乗った人物は、自身をナギサによってトリニティの裏切り者から守るために雇われた護衛だと名乗った。

 

「……だったら、なんで持ち場を離れ、隙を晒したんだ?それに、こうして私たちに護衛対象が捕まっているのに、その態度ははっきり言って不気味だ」

「……ああ、それか。……そうだな、一言で言うのであれば、俺の受けた依頼は“トリニティの裏切り者”からの警護、だカらだな」

「……私たちが、そうではないと?」

 

 このきな臭い現状において、こうしてナギサを攫っているにも関わらずその判断を下すということは、何か確信がある。それを引き出すためにハナコが一歩踏み込む。

 

「ソうだろう?そも、そちらの事情も知っている。……そちらの白洲アズサ……アリウス分校からの転校生である君からの情報でアリウスの襲撃を知り、こうして桐藤ナギサを守るためにここから連れ出そうとしている。何せ、相手はこちらの情報不足を利用し、正義実現委員会のいない今こそが好機だと見て来ている。……護衛という点で見れば味方だ。違ウカ?」

「……知っているのですか」

「……待って、私が計画の変更を知らされたのは今日だ。それも、先生と補習授業部の仲間にしか話してない。何で、部外者のあなたが知っている?」

 

 アズサとハナコの警戒度合いが更に上がる。それはただの情報収集というには、速度も正確性もあり過ぎる。

 

 いくら味方だと言われても、知らないはずの秘密をこうも当然のようにあけすけにされては、安心もできない。

 

「…ウチの諜報機関は優秀でね。数は勿論、潜入している規模が違う。エデン条約という一大イベントだ。一経営者としてアンテナを張ってみれば、きな臭い案件が出てきた。ならば、こうして関わるのも吝かではない。……まあ、雇われずとも姿を見せない範囲で干渉するつもりはあったが、既に金は受け取ってしまったからな。その分の働きはスる」

「経営者として…。嘘、じゃないな?」

「……(困りました。まるで表情が変わりません。まるで昆虫の様な無機質さ…)」

 

 アズサとハナコは、それなりに悪意や嘘に対してのアンテナは敏感である。しかし、こうも変わらない表情で言われては、どれが正しくてどれが嘘なのかも判別できない。

 

 無表情、ポーカーフェイス、愛想笑い。それらとも異なる異質なまでの顔にこれまでにない妙な緊張が漂う。

 

「そう硬い顔をするな…。といっても、そうはいかないか。まあいい。俺としても、見過ごせんと思っただけだ。……それよりも、そろそろ起きてもいいんじゃないか?」

 

 リアンがそう呼びかける。しかし、起きるという動詞は二人にはそぐわない。この場にいる人物で、その言葉が当てはまるとしたら、ただ一人。

 

 ハナコの背から、気を失っていた筈のナギサがむくりと起き上がった。

 

「ナギサさん!?」

「…近距離で5.56mm弾を丸々一弾倉分当てたから、後一時間は気を失っているはず。それにヘイローが消えるのも確認したのに…」

 

 驚く二人を尻目に、ナギサは二の足で立ち、リアンの元へと歩み寄る。

 

「……オマケはどうだった?」

「……ええ、私の思い違いと、現状に気がつくことが出来ました。……ああ、私は何という……」

「後悔なら後でしてくれ。それも返してくれると助かる。チョッキは持っていてくれ」

「え、ええ。感謝いたします」

 

 そう言って、ナギサが頭の花飾りの下からヘッドセットの様な機械を取り外すと、消えていたはずのヘイローが露わになる。

 

「ヘイローが消えたように見える偽装を…!?」

「別に驚くほどのものじゃない。単純に立方体構造に背後の映像を投影して隠しているだけだ。ミレニアム生なら気づける程度の出来でしかない」

 

 つまるところ、そういうことである。

 

 リアンは万が一のため、とヘイローが消えたように見せる偽装と、服の下に特製の防弾チョッキを忍ばせていたのである。

 その建前(理由)は「ナギサが襲われた際に、完全に仕留められると救出、逃走にも困難するため、仮に逃げられない状況ならばある程度で装置を起動させ、気絶したフリをして機を伺え」というもの。

 

 リアンの尤もな理由のある口車に乗せられたナギサはそれを承諾し、今に至る。

 

「…ハナコさんに、アズサさん。先ほどの話は聞かせていただきました。……私の疑心で不当な扱いを受けたにも関わらず、当の皆さんは私を助けに危険を承知で来てくれました。今は時間が推しておりますので、後日、補習授業部の皆さんと先生には必ず謝罪とお礼を申し上げます」

「………」

「そ、それで…。その話が本当だとすると、お二人は勿論、ヒフミさんも…」

「ええ、私たちもヒフミちゃんも、ナギサさんの探すトリニティの裏切り者ではありませんし、ヒフミちゃんによる伝言、というのも嘘です」

 

 何だか少し思うところのありそうなハナコは、けれど素直に頭を下げるナギサに対して溜飲を下げたように真相を明かした。すると、あからさまにホッとしたように胸をなで下ろしていた。

 

「で、でしたら何故あのようなことを?」

「…あぁ、あれはヒフミちゃんの頑張りの分、勝手な仕返しと言いますか……ちょっとくらいショックを受けてもらおうかと。……その様子を見るに、思ったよりも効いたみたいですね」

「……俺としては、そのくらい甘んじて受け入れろ、と言いたいところだが、心身ともに弱っている人物だからな。そのくらいにしておけ」

 

 今も移動自体はしているが、前に歩み出たリアンはナギサへと問いかける。

 

「…桐藤ナギサ。どうしたい?」

「どう、とは具体的に?」

「選択肢は二つだけ…俺に任せて、このまま隠れるか。それとも補習授業部と共に立ち会うか。今、ここで決断しろ」

「隠れるのなら、近くに来ている俺の部下と共に、俺の用意した隠れ家に行ってもらうことになる。この場合、身の安全は俺の命にかけて保証しよう」

「………」

「もしも、この一連の真実を、君が追っている裏切り者と、思惑を、見届けたいのなら先生側に行くといい。ただし、こちらは安全性は保証できない。敵は多く、こちらは寡兵。むしろ標的である君を積極的に狙ってくることになる。……もしも負けてしまえばヘイローが壊れてもおかしくはない」

 

 リアンの言葉は真に迫ったものだ。ただ純粋に身を案じ、そして必ずやり通す。守るという言葉も、死ぬという言葉もいずれも真実を語っているだけだ。

 

「…真実を。散々踊らされた私が今さら言えるものではありませんが……、彼女たちを巻き込んでしまった者として、()()()()()()()()として、見届ける義務があります」

「……障害を全て乗り越えて掴んだ真実は、君の望むものではない可能性が高い。………分かってイるんだろう?冷静になり、襲撃者が見えてきた今、集めた情報から不自然なものが浮き上がってきている筈だ」

 

「…モウ一度言うぞ。()()()()()()()()としてで、本当にいいんだな?」

 

 確信を持ってそう尋ねてくる。その様子にハナコとアズサは二人には何かが見えているのだと察することが出来た。

 問われたナギサは、ほんの一瞬瞠目し、顔を伏せると、こう付け加えた。

 

「………ティーパーティーの公人として、というのは間違いありません。何より、この件を裁定できる者が今は私しかいませんから」

(……やはり)

「ですから、公人として。そして、桐藤ナギサ個人として、見届けさせていただきます」

 

 その顔は迷いと覚悟、そのどちらもが混在しているものだったが、リアンは軽く指を鳴らした。

 

「……まあ、いイじゃないか。迷いながら生きるのが人だ。迷え、悩め、間違え。全て生きている証だ。死ぬ前に全部経験してみるのもいいかもしレないぞ?……よし、というわけで浦和ハナコ、君が彼女を連れて行ってやってくれ。足手まといかも知れんが、直ぐに部下を護衛に向かわせる」

「……ハナコ、多分だけど、突入してきた。直ぐに離れたほうがいい」

 

 アリウス生徒の侵入を悟ったアズサが諭す。これにはもう腹を括ったのか、ハナコとナギサが共にこの校舎から離れようとする。

 

「白洲アズサ、君はどうする?」

「私はここで足止めしながら削る。備えは随分前からしてきたから、どれほどの相手だったとしてもかなり時間は稼げる筈」

「そうか、では俺も付き合おう。誘導場所も把握している」

「……それは嬉しいけど、いいの?」

「貰った金額分は働くと言っただろう。1人あたり……そうだな。1万としておこう」

「……成程」

 

 そうして各々が持ち場につこうと別れたタイミングで、リアンは振り返った。

 

「……ああ、ちょっと待った。これを持っていけ」

 

 そう言って、渡したのは二つほどのボストンバッグ。中身は弾薬箱だ。標準的な5.56mm弾やスプリングフィールド弾の他に、見覚えのある手榴弾や囮など。

 

 一言で言えば、補習授業部のメンバーが普段から扱っている物資だった。

 

「これは…」

「補習授業部への補給品だ。…何せ敵は秘密裏に大隊単位を動かしている。焼け石に水かもしれないが、弾薬はいるだろう?」

「…わかりました。では私はこちらを。ナギサさんも一つお願いします」

 

 補給物質を手に、駆け出していく二人を見送りながら、アズサとリアンが各々の武器を手に取る。

 

「………大隊単位ともなると、アリウスの大半になる。私ですら、数は知らないのに、何故?」

「…言っただろう。諜報機関は優秀だ、と」

「そうか。…何円かかってるか知らないけど、よろしく頼む」

 

 リアンは言葉を打ち切り、廊下の先を睨みつけ、姿勢を低く落としたまま右膝に右腕を置いた。

 

「さて、どう戦う?」

「…私はゲリラ戦で時間を稼ごうと思っていたけど」

「準備しているのなら、その通りにしてくれるといい。俺も仕事柄、ゲリラ戦やトラップを使った戦闘はある程度心得がある。それに、相手も俺のような関係ない護衛よりも、裏切り者である君を狙うはずだ。……この関係は、ちょうどいい」

「…つまり?」

「君が人参、俺が鞭だ。通信機を渡す。誘導して挟むぞ」

「了解」

 

 手短に作戦会議を済ませると、アズサは自分で罠を仕掛けた場所へと急ぎ。リアンは必ず敵の現れるセーフハウスへと戻る。

 

「……しかし、中々準備がいいな。この騒動も、襲撃も、真の黒幕は名も影も現していない。……思った以上に力を割いているらしいな」

 

 

 

―――…

 

 

 

「セーフハウスを発見!ターゲットは見当たりません!」

「……先客があったか。あの情報が本当だったとはな。周辺を捜索しろ!できるだけ静かに!」

 

 バンッ!と勢いよくナギサのセーフハウスの扉が開け放たれ、皆一様にガスマスクを着けた物々しい集団が侵入してくる。

 

「合流する筈の「スパイ」はどこだ?!あいつを早く探せ!」

 

 既にもぬけの殻となったセーフハウスに突入した襲撃者達、アリウス生徒はターゲットの不在にも動じず、冷静に指示を出す。そして現状を把握するため、最も情報を持っている筈のスパイ。白洲アズサを探せと通信機越しに命令するが、帰ってきたのは部下の悲鳴だった。

 

『こちらチームⅣ、奇襲に遭遇!』

「何っ!?」

『「スパイ」です!「スパイ」が裏切りました!』

『うわあぁぁっ!?』

「「スパイ」が裏切っただと!?な、何が起きてるんだ!!」

 

 その情報に狼狽える指揮官だったが、直ぐにアズサから肯定の意が告げられる。

 

『裏切り、それ以上でも、それ以下でもない』

「!?」

『目標は私が先に貰った』

「な、何故だ!どうしてそんなことを…!」

『早く終わらせて、試験を受けなきゃいけないから』

「……え?」

 

 その答えはまるで想定していなかったのか、ガスマスク越しでも呆けた顔をしているのがありありと分かる。

 

『ちなみにもう正義実現委員会に報告は届いてる。逃げるなら今のうち』

 

 そう言い残すと、部下のものだった通信機からのメッセージは途絶えた。

 

「……」

「……退却しますか?」

 

 正義実現委員会に知られている。わざわざ警備の少ない時を選んで直行した襲撃部隊なのだから、この言葉に狼狽えるかと思いきや、指揮官は冷静に却下する。

 

「いや、ブラフだ。情報が正しければ、正義実現委員会は絶対に動かないはず」

 

 確信を持ってそう判断した指揮官は、騙された怒りか、それとも言葉上のやり取りから、()()()()の裏に気づいていないのだろうと逆にほくそ笑んだ。

 

 が、そこで彼女たちの背後でカチャリ。とティーカップの音が鳴る。

 

「っ誰だ!」

 

 その音に、誰もが敏感に反応した。即座に戦闘態勢に移り変わり、手持ちの武器を向ける。

 

「……風か?」

 

 しかし、ライトで照らされたそこには、ただテーブルの上に放置された茶器があるだけ。

 歩いた衝撃か、はたまた風か。何かしらで動いてしまったのかと警戒を解きかけた所で、その紅茶が湯気を立ち昇らせていることに気がついた。

 

「……まだ熱い。周囲を警戒しろ!」

「「「はっ!」」」

 

 テーブルの下には誰もおらず、しかして温度からしてつい先ほど淹れられたばかりなのは明白。

 まだこの部屋に何者かが残っている可能性があると判断した指揮官は、テーブルを中心に円形状に陣取る。

 

 ……緊張。興奮。

 

 先ほど大声で指示を出した直後ということもあり、この静寂にも焦燥を覚えながら、努めて冷静に指揮官としての役割を果たそうとしていた。

 

 観察の目は止めず、即座に指示が出せるように腕をあけて。

 

 そんな緊張の糸が張り詰められたこのセーフハウス内に、どうも似つかわしくない音が響いた。

 

 ―――ぽちゃり、かちゃんっ。

 

 それは、全員の背後から聞こえてきた。

 

「―――上だっ!!!」

 

 一瞬。張り詰めた緊張の分だけ素早く反応した彼女達の銃口は、一斉に天井へと集まった。

 

「……何も、いない?」

「どういうことだ…?」

 

 しかし、様子のおかしいことに、そこに何がいるわけでもない。そのことに、流石に困惑した表情を浮かべるアリウス生。

 

「何か、天井のゴミでも落ちてきたんじゃないか?」

 

 そんな偶然が今起こるのだろうか。

 しかし、確かにティーカップからは紅茶が溢れており、今の一瞬で誰の目にも映らないなどということは不可能なため、そういうこともあるものか、と無理やりに納得させる。

 

 何よりも、今は作戦行動中。そう気を引き締めて、こればかりにかかずらってもいられない。

 

 そう決めた指揮官は、最早この屋根裏部屋には用なしと判断して指示を出した。

 

「…引き続き、ターゲットを捜索。及び裏切った「スパイ」を捕縛して、場所を吐かせろ」

「了解!」

 

 拍子抜けしたかのように、淡々と告げる指揮官は、先頭を部下に任せて、己は最後にもう一度確かめる様に部屋を見回すと、振り返って後に続いた。

 

 

―――瞬間、背後から伸びた腕が指揮官の首裏を掴み上げ、とてつもない力で体ごと屋根裏部屋へと引きずり込んだ。 

 

「うわああぁあぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!??」

 




私のパニックホラーの参考はバイオハザード、エイリアン、プレデターくらいです。

はい、というわけで実はナギちゃん気絶してませんでした。建前で納得させて、その間に真意を聞かせるつもりでした。まあ追加料金のオマケで真実が知りたいって言ってたし…。

追記:ケテルってだいぶBAWS製四脚MTじゃない?見た目や行動もさることながら、デカグラマトンの預言者の一機でありながら、他の預言者と比べれば明確に格が下そうなのもね。AC程じゃないけど、一部の上位層以外からはかなりの脅威として扱われてる点とか。

先生の台詞にゲーム本編のように「“”」はいる?

  • 先生と一目で分かるからあった方がいい
  • 別にゲームテキストでもないのでなくていい
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