独り立ちを強いられたドラゴン、生き延びるために配信者の前でお腹見せゴロンしたら伝説になったようです。   作:名無しのレイ

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第144話 賞金と猟犬。

 そして、それからしばらく後、人類至上派の首脳部の拠点地に乗り込んだ辺境伯家はそのがらん、とした部屋内部に驚いた。

 残った兵士たちの情報から総合すると、戦いの前まではきちんと存在していたのだから、戦いの最中に逃げ出したのは確実らしい。

 それを見て、他の元人類至上派の兵士たちも愕然とする。まさか自分たちが戦っている間に逃げ出すなんて、人類こそが最も優れた種だの大言壮語は一体何だったのか、という顔になってしまうのは不思議ではない。

 それに対して、ルーシアは自らの兵士たちに叱咤をかける。

 

「慌てるな!!奴らは愚かにも金銀財宝などを抱えて逃げている!!遠くには逃げられまい!!追跡を行え!!捕えた者には報酬を与えよう!元人類至上派の兵士も情報をもたらした者は恩赦を与える!!」

 

 そのルーシアの言葉に対して、兵士たちは歓声を上げた。

 いうなれば、もはや人類至上派の上層部は賞金首そのものである。彼らを狩れば大金と尊敬の目で見られ、正義を行ったと賞賛されるのだ。猟犬と変貌した兵士たちは我先にと首脳部の追跡に入った。

 そう、本当に賢いならかさばらない軽い宝石などを手元に隠して落ち延びる、あるいは市内に隠れるべきだったのだ。

 この大混乱の中に顔を汚してボロ服を着て、市内に紛れこまれてしまっては文字通り藁の中に落ちた針を探し出す羽目になってしまい、探し出すのは非常に困難になる。

 だが、彼らは愚かにも重い金銀財宝を抱えてえっちらおっちらと逃げ出したのだ。

 さらに、野党や山賊に襲われないために、護衛の兵士も引き連れて、である。

 そんな事をすれば当然足は非常に遅くなるし、非常に目立つ。まさに捕まえてください、と言っているに等しい。そんな事を考えているルーシアを他所に、報酬目当ての兵士たちは情報を集めるために四方八方に散らばっていった。

 

「イヤッホオオオ!!報酬を貰うのは俺だ!!」

 

「馬鹿野郎!貰うのは俺だ!!クズどもを捕えて金を貰えて皆から賞賛の目で見られる!こんなボーナスステージ逃す手があるかよ!!」

 

「うぉおおお!!どこだ!どこにいやがる!探せ!報酬も名誉もそこにある!!全てを手に入れるのは俺だ!!」

 

そう叫びながら目をギラギラと輝かせながら飛び出していく兵士たち。足の遅い首脳部たちがこの猟犬たちから逃げられるとは思えないが、きちんと見つけ出してきちんと処刑を行わなければ厄介なことになる。

万が一にでも逃げられないように、ルーシア自身もその追跡へと入っていった。

 

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