独り立ちを強いられたドラゴン、生き延びるために配信者の前でお腹見せゴロンしたら伝説になったようです。   作:名無しのレイ

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第163話 配信でレベルアップ?

 簡単な配信を終えたエルは、魔術師であるアヴリルを呼んで自らの体のあちこちを調べてもらった。配信を終えて多少力を増した感じはするが、気のせいと言われたらそうかも……。程度の量でしかない。

 ここは自分で判断せずに、高位の魔術師である彼女にきちんと体を調べてもらおう、と思ったのである。

 

「うーん……。確かに以前に比べたら魔力は向上していますね……。恐らく配信から得た正の感情も『信仰』とカテゴライズされるのではないかと。配信を見てくれる人数が多ければ多いほど、正の感情を集めれば集めるほど神竜としての力もアップしていくと思います。」

 

 やったぜ、とエルは心の中で呟いた。他の神殿から信者を奪い取るのではなく、配信を見て楽しんでもらえるだけで信仰が得られるのなら信仰を集めるのは遥かに簡単である。つまり面白い配信を行って視聴者を集めればドンドン信仰が集まってどんどん強くなるという寸法である。

 何だ簡単じゃないか!勝ったなワハハ!!とエルは思わず笑顔になるが、そこにアヴリルの冷徹な言葉が舞い降りる。

 

「まあ、純粋に面白い物を作らないと人は来てくれませんけれどね。人を集められないとあっという間に落ちぶれてしまうのが欠点でしょうか。」

 

 アヴリルの言葉を聞いてですよね~とエルは思わず肩を落とす。

 竜である彼に面白い映像を作れなどというのは、やはり無茶ぶりが過ぎるというものだ。やっぱり、吟遊詩人とか芸術系の人間を集めて力を貸してもらうべきかぁ、と彼は考え込む。

 魔術師であるアヴリルなら映像編集などはできるが、面白いと感じるセンスはまた別物である。

 

『あ~クソ。やってらんねぇ~。面倒くさい事ばっかりだなぁ。』

 

 そういいながら、エルはごろんと寝っ転がってお腹を見せてへそ天状態になりながらぐてーとなる。王都復興であれやこれやあって竜である彼もかなり疲れているのは確かである。そんなへそ天しているエルに対して、アヴリルは無言で魔導カメラを向ける。

 

『……何してるの?』

 

「いえ、竜様の可愛らしい所を取ったらそれなりに受けるのではないかと……。」

 

 つまり、猫の配信のようにエルの動きを取ることでウケを取ろうというのである。

 だけど、猫のような可愛らしい生き物じゃなくて、言ってみれば大きなトカゲが動いているのを可愛らしく思える人間がおるか……?とエルは思う。そうだ!!やっぱり双子だ!双子で釣って我の視聴者媚び媚びポーズで視聴者ゲットや!とエルは血迷ったことを考えていた。

 

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