独り立ちを強いられたドラゴン、生き延びるために配信者の前でお腹見せゴロンしたら伝説になったようです。 作:名無しのレイ
―――場所はエルたちの国ではなく、そこからすぐ隣の国に移る。
上手く過激派の人類至上派を切り捨てられたこの国ではあるが、そこでもやはり問題は起こっていた。
「亜人の権利を上げろー!!我々は「人間」だー!!」
「そうだそうだ!!亜人だなんて言うんじゃない!!権利を「人類」と同じにしろー!!」
それはいわゆる亜人たちの意識である。今まで自分たちは虐げられていても当然だった。力がないのだから黙って従うしかない。そう思い込んでいたのだ。
だが、エルたちの活躍を見て、主に竜人たちが中心となってデモ活動を行っていた。
この国では、比較的穏健な人類至上派が主権を握っていたが、それでも人類が権力の中枢部に存在しており、他種族をきちんと「区別」を行っていた。
だが、エルたちの竜の活躍は配信を通して様々な場所でも見ることができており、それはこの国の竜人たちにも強い影響を与えていた。
元々、竜の血を引いており、肉体的に極めて強靭で知性も高い竜人たちが人間の下につき、厳しい肉体労働をついているのに対して疑問を抱く人々も多かった。
それに対して、エルたちの行った事は実に衝撃的だったのである。だが、それを大人しく認めるほど、彼らも甘くなかった。
「憲兵だ!憲兵が来たぞー!!」
「クソッ!!どこまでも俺たちを虐げるつもりか!!」
それも当然である。ここで少しでも認めてしまえば、他の亜人たちの権利も上げなくてはならない。まさに蟻の一穴となりかねないのである。
そして、それを鎮圧するために、人類至上派たちはさらに強い力を使って押さえつけにかかるというまさに悪循環だった。何とか逃げ切った竜人たちは、廃棄された場所に集って会議を開いていた。
「クソ……。やはり上の奴らは踏ん反り返って俺たちの権利なんて認めない気満々だ。そもそも、俺たちの存在を差別する俺たちがこの国にいる必要はあるのか……?」
「そもそも、あのアルビオン共和国は我々の神とも言えるティフォーネ様たちも強く関与しているだろう?ならば、こんな国にいるよりも、エル様のいる国に行った方がよりいい生活ができるのでは……?」
「そうだ、その通りだ!こんな国にいるよりも、あちらに行った方がマシだ!!他の亜人たちが流れ込んでいくよりも、早く行って立場を確立させよう!!竜人である俺たちならば、竜様も無碍には扱わないはずだ!!」
そう叫んだ竜人たちはさっそく他の竜人たちとのグループを作り上げ、この国から脱出するための準備を整えていった。