独り立ちを強いられたドラゴン、生き延びるために配信者の前でお腹見せゴロンしたら伝説になったようです。 作:名無しのレイ
「離れるな!このままいくぞ!もう少しで国境だ!!」
あれからしばらく後、隣国から大量の竜人たちが国境を無理矢理超えて、エルたちの国であるアルビオン共和国へと逃れてきていた。
少数ならばまあ大したことはないが、大量の人間たちが国境を突破していくのは、国境警備隊も問題視するのは当然だ。
アルビオン国からしたら、どこの馬の骨とも分からない竜人たちが大量にやってくるなんて、スパイやテロリストやらが混じっている可能性も十分高くてたまったものではない。しかし、ここで無理矢理押し返す訳にもいかない。
自然と受け入れる形になり、それらは全てエルの元へと送り届けられていた。
『何で!?』
そこで困惑したのは、エルである。何せ隣国から逃げ出してきた竜人をどんどん受け入れる羽目になってしまったのだ。
自分が何もしてないし関係もない人間たちなんて、さっさと押し返すかどうにかしたほうが賢明であることは明らかである。……だが、ボロボロの彼らで縋るような目つきで見られては仕方ない。
『……アヴリル。すまないが皆にスパイやテロリストじゃないか読心魔術をかけてくれ。否定した奴らは叩き返すと伝えておいてくれ。』
「かしこまりました。ですが、王都に彼らをあまり多数置いておくと反感を買う形になりますよ?あまりに厚遇しすぎるのも他の人間からの恨みを買う形になりますし……。」
そのアヴリルの言葉に、エルは頭を抱えながら答える。アヴリルほどの魔術師ならば読心魔術などで彼らがテロリストでないとは判断できる。だが、豊かな暮らしを夢見て他国に寄生してくるのが目的の人間たちとなればまた話は変わってくるし、周りの人間たちも当然そう見てくるのは当然だ。
新しく入ってきた竜人たちと今までの住民たちとの融和は、滅茶苦茶大変だということは想像がつく。
『分かってる……。分かってる……。と、とりあえず開拓村に分散していってもらうか……。竜人なら頑丈だし肉体仕事も務まるだろ……。楽な仕事じゃなくてきつい仕事を田舎村でやらなくちゃいけないとなれば、儲かるや楽だからと言って来るはずではないだろうし、先住民の見る目も変わるはず……。』
エルは短い両手で頭を抱えながらアヴリルの言葉にそう返した。
これからどんどん竜人や亜人たちが流れ込んでくれば、先住民とのぶつかり合いは当然出てくる。それらをどう融和させるのか、その大変さを考えて、エルはさらに頭を抱えた。だが、それでもやらなかればならない、エルは思わずため息をついた。