独り立ちを強いられたドラゴン、生き延びるために配信者の前でお腹見せゴロンしたら伝説になったようです。   作:名無しのレイ

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第61話 ティフォーネ、師匠になる。

「さて、それでは次々と片をつけてしまいますか。」

 

 謎の(以下略)女性Tはパチンと指を鳴らすと、他の残りも小型腐敗竜も同様に殲滅させられていく。しかも川や大地を汚染せずに、である。

 強大な力を誇る彼女ならば、これぐらいのやり方などまさに朝飯前程度である。

 なぜ彼女がこちらに力を貸してくれるかは分からないが、それでも面倒な腐敗竜の分身たちを殲滅してくれるのは、やはりありがたいというほかない。

 

《このお姉さん凄いよぉおおお!!》

《何だかよくわからんけど凄い!!》

《頭はおかしいのにめちゃくちゃ強い!何で!?》

 

 それのコメントを見て、ティフォーネは僅かに唇を尖られて抗議を放つ。

 

「失敬な。私のような超絶美少女のどこがおかしいというのですか?人類は、頭を垂れて平服して、私の強さを崇めるべきなのでは?」

 

《そういう所なんだよなぁ……。》

《確かに人間じゃないだろうし人外の強さを誇るのは解るけど、崇めるのはちょっと……。》

《狂人の真似をすれば実際狂人。》

 

 そのコメントを見て、慌ててエルは誤魔化すためにティフォーネに対して話しかける。

 これほど、強力な存在を怒らせるのは得策ではない。コメントを誤魔化すために、話しかけてみる。

 

『ありがたいけど……。何でこちらに力を貸してくれるの?マミィのママ友と言ってもここまで力を貸してくれる理由がある?』

 

「ふむ……。まあノリでちょっとやってしまいましたが……。親友の息子のピンチに力を貸す。それでは不満ですか?貴方にとってメリットはあってもデメリットはないでしょう?」

 

実際「ちょうどいいボスキャラが欲しい」と復活を見過ごしたのは、彼女の提案による物である。

それにより、長老などと言った犠牲者が出ても、彼女は何も思う所はないだろう。

こうやって救ったのも、ある意味マッチポンプであると言われればその通りである。だが、そんな事をエルたちは知るよしもなかった。

骨の髄までの「人でなし。(文字通りの意味で)」こそが彼女である。

 

「まあ?貴方が私のことを何かいい感じで呼んでくれれば?さらに力を貸してあげてもいいですよ?ここは私に媚びを売って力を借りるべきでは?」

 

 嘘である。以前も言っていた通り、”ちょっと強め”に干渉しようとしているのはすでに彼女の中で決定されている。

 これも単純に”若い子にいい感じに呼ばれてぇな~”という彼女の望みに過ぎない。

 チラッ、チラチラッ、とティフォーネの視線に(ウゼェ……)と思いつつも、彼女の力を借りるべくエルは言葉を放つ。

 

『き、綺麗なお姉さん?』

「ん~。言われ慣れていますし、オリジナリティが足りないですね。ボツです。」

 

『ち、超絶美少女?』

「それは私が自分で言ってるでしょう?ボツボツです。」

 

確かに彼女が絶世の美人である事は事実であるが、それらの言葉は別段彼女の精神に響く言葉ではないらしい。

やけになったエルは、思わず適当な呼び名を叫ぶ。

 

『し、師匠ぉおおお!!』

「ふむ……。」

 

 ティフォーネは白魚のような白い指を自分の頬に当てて考え込んでいたが、パチンと指を鳴らして、そのまま指をエルの方へと向ける。

 

「いいですね。なかなか面白い呼ばれ方です。許可しましょう。」

 

 えぇ……とエルは思わず困惑する。綺麗なお姉さん呼ばわりが却下で師匠呼ばわりが気に入るとか彼女の感性マジ分からん……と思わず困惑するのは当然であろう。

 だが、ティフォーネからしたら親友の息子に師匠呼ばわりされるのは十二分に彼女のプライドを満たす物だった。シュオールの怒りを買わずにその息子の師匠ポジションになれるのなら、ティフォーネ的には十分に満足である。

むふーと満足げにする彼女を見ながら、本当に大丈夫かなぁ……と心配になるエルだった。

 

 

 

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