独り立ちを強いられたドラゴン、生き延びるために配信者の前でお腹見せゴロンしたら伝説になったようです。   作:名無しのレイ

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第75話 襲撃拉致後。

『ハァアアアア!?ユリアが拉致されたぁあああ!?どういうことなの!?』

 

 腐敗竜を滅ぼし、意気揚々と帰ってきたエルを出迎えたのは、アヴリルやアヤの土下座、そして、ユリアが拉致されたという衝撃的な情報だった。

 可能性は考えていたが、まさか本気で襲撃してきたとは。そしてこうならないためにアヤやアヴリルに警護を頼んでいたのに!!とエルはついかっと頭に血が上ってしまうが、彼女たちも必死になって守っていたのだろう。

 彼女たちが手を抜いて仕事を行わないというのは、短い付き合いながらも分かる。

 深くため息をついて怒りを押し殺しながらも、エルは彼女たちから詳しい事情を聴くことにした。

 

『……なるほど。向こうは転移魔術なんて使ってユリアを拉致したのか。確かにそこまでは予期できなかったか……。』

 

「はい、申し訳ありませんです……。ですが、転移されたという事はユリアさんは生きている可能性が極めて強いということ。向こうはユリアさんに重要な価値を見出しているということです。」

 

 怒りはあるがそれよりも、これから先の対策を練らなくてはならない。だが救いはある。拉致したということは少なくともすぐに命を奪われないということだ。

 単に命を奪うだけなら、こんな面倒なことはするまい。その場でさくっとやればいいだけだ。

 

「はい、それに双子である私はユリア姉さんとの不可思議な共感能力があります。テレパシーで意思疎通できるほどではありませんが……。それによれば姉さんは確かに生きています。この感じからすると、洗脳なども受けていないらしいです。少なくとも、今のところは無事なのかと。」

 

 双子、特に一卵性双生児には、お互いに魔術ともいえない不可思議なシンパシーを感じることがある。双子の片方が悲しみを覚えた時に、何故か悲しみを感じるなど不可思議な現象は時折確認されることがある。レイアはそれを利用してユリアの生存を確認したのだろう。ちらり、とエルはティフォーネを横目で見るが、彼女ですらあっさりと首を左右に振る。

 

「私でも超遠距離の転移魔術は使えますが……。その子がどこにいるか確認できなければ転移をすることはできません。目視がいいのですが、少なくとも正確な位置が掴めなくては……。」

 

 ティフォーネの論理は確かにその通りだ。転移魔術は使えてもその転移する人間を実際に確認しなければ転移は行えない。双子のシンパシーでも正確な位置を掴むなど到底不可能である。ヒュドラが転移を可能にしたのも、襲撃者たちの目を遠隔カメラとしてユリアを捉えていたからこそできた芸当だ。ティフォーネやアヴリルでも無理となれば、もうこの世界では誰がやっても無理となる。

 と、なれば正攻法で行うしかない。つまり、人類至上派に戦いを仕掛けて、あるいは彼女の居場所を吐かせて彼女を取り戻すという方法しかない。

 そして、事ここに至っては、隠していた情報を吐くしかないか……。とレイアは配信のスイッチが切ってあることを確認して覚悟を決めて口を開く。

 

「皆さん。話したいことがあります。実は……。

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