独り立ちを強いられたドラゴン、生き延びるために配信者の前でお腹見せゴロンしたら伝説になったようです。   作:名無しのレイ

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第80話 ダークウェブ

 エルたちが視聴者の支持を集めている中、アヴリルはとあるサイトに潜り込んでその中の魔術映像をかき集めていた。

 それは人類至上派が行った行為を録画した映像を流して、選ばれた者たちだけが見ることのできるいわゆる闇サイト、ダークウェブの一種である。

 本来ならば特定の人間しか入ることのできない特殊な魔術回線に加えて、パスワード方式でないと見れない形式のサイトだ。

 だが、ことそう言った分野で彼女は専門家である。

 特殊な魔術回線を探知し、パスワードを容易く潜り抜けて、彼女はそのサイト内を調べていた。

 

「いやぁ~……。グロ映像、悪趣味映像山盛りてんこ盛りですね……。こんなのを見て喜ぶ貴族とか正気か?と思いますねぇ。」

 

 そこには、人が無残に死んでいく処刑シーン、大笑いしながら喜んで亜人たちの命を奪っていく人間たち、涙を流しながら交わっている親子たちをゲラゲラ笑いながら酒を飲みながら楽しんでいる人間たち、または怪物と人間が交わっているのをニヤニヤしながら見ている人間たち、と耐性のない人間が見たら一瞬で人間嫌いになってしまう映像ばかりだ。

 貴族の一部は、これら悪趣味な映像を”娯楽”として酒の肴として楽しんでいるのである。昔から公開処刑は娯楽として楽しみにされていた。公開処刑の際には、常にお祭り騒ぎであり大勢の市民が集まり処刑を楽しみにされていた。

 だが、それは娯楽が少ない時代の頃の話で、こうして配信という娯楽が大規模になったので下火になった……というわけにはいかなかったようである。

 

「私もあんまり見すぎると正気度が下がりそうですから、ほどほどにっと……。ついでだからこのサイトに閲覧した人間の端末を探る電脳魔術プログラムを仕込んでおきますか。これならこのサイトを見ている貴族も特定できるでしょう。」

 

 しかし、いわゆる正義の執行(冤罪はこの際おいておく)である公開処刑に比べて、このような悪趣味な映像を自ら楽しんでみるなど、やはり趣味が悪いと言わざるを得ない。恐らくだが、これらのサイトを見ることによって「安全」というかけがえのない自分自身の状況を再確認できるのだろう。そして、何よりも「好奇心」と「

 彼女は金髪のツインテールを振ると、その考えを振り払う。

 

「よし、これをいい感じにナーフして映像を継ぎ接ぎしてと……いい感じに「正義感」と「怒り」を煽り立てる映像を作り上げますか。」

 

 公開処刑などと異なり、こういう映像を見て、一般人が見て思う感情は何か。

 それは「怒り」「義憤」である。こんな奴らが側にいたら自分が危険になる。生かしちゃおけない。そういう義憤を利用して、アヴリルやエルたちは一般人をこちらに引き込み、正義は我にあり、と世間に示すのが目的である。

 そのために彼女は手にした魔導装置をいじり、映像作成を始めた。

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