独り立ちを強いられたドラゴン、生き延びるために配信者の前でお腹見せゴロンしたら伝説になったようです。   作:名無しのレイ

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第83話 銃兵部隊

「うおおおお!作れ!!武器防具をどんどん作れぇええ!!」

 

 腐敗竜との戦いを終えた開拓街ガリアは、さらに猛烈な勢いで、武器防具の作成に追われていた。

 これは、近くに金鉱山だけでなく、鉄鉱山も見つかった上に、戦争が間近であるという事から、軍需工場として最適と判断されたからであった。

 さらに、腐敗竜監視の任務から解き放たれたドワーフたちは、その得意の鍛冶技術を使い、大量の武器防具の作成を行っていた。

 腐敗竜監視の役目を終えて、やるべき事がなくなった彼らには、大量の武具を作り出すという役目はまさに最適な任務であり、イキイキとしながら鍛冶仕事を行っていた。

 

『こんちわ~。様子はどう?』

 

 パタパタと小型化したエルは、ドワーフたちが働いている工場へと飛んでくる。

 その猛烈な熱気に包まれた工場は、まさに生き物のように大量の武器や防具、盾などを次々と産み出していた。

 

「おう!竜様か!見ての通りさ!皆必要とされて生き生きとしていやがる。初めは中々村に馴染めなかったが、今じゃすっかり村人たちの見る目も変わってきたしな。」

 

 それはそうだろう。こんなに猛烈な勢いで働いて仕事熱心な彼らを見れば村人たちも考え方を変えるというものだ。

 猛烈な熱気と無数の金槌の音で、隣の人の声も聞こえないほどである。

 とりあえず、彼らは他の場所へと移動して、エルの頼まれた物が積まれている所へと案内される。

 それは、大量の火縄銃だった。エルは辺境伯に頼んで火縄銃の現物を持ってきてもらい、それをドワーフたちに見せて、大量の火縄銃の量産化を行っていたのである。

 

『うん、ありがとう。後は大迷宮から大量のバットクアノ……硝石を掘り出す作業を行ってるから、それから大量の黒色火薬を作り出す。こうすれば大量の銃兵が作り出せるはずだ。早速辺境伯に頼んで銃兵の訓練をしてもらおう。』

 

 銃兵は、通常の兵士を生み出すより遥かに簡単に市民を兵士に変える事ができる。

 引き金を引くだけで極めて簡単に人の命を奪う事ができるのだ。

 重装甲の騎士たちの命を、銃弾は容易く奪い取る事ができる。今の戦力が劣る彼らにとって、まさに銃は最適の兵器と言えた。

 

「なるほど……。こんな面倒な物より、剣や斧の方が遥かに大量に作り出せると思っていたが、そういう理屈なら納得がいく。」

 

『うん、村……というか街の人たちも望む人たちは兵士にしたい。志願する人たちは、銃を持たせて銃兵として仕立てたいなぁ。』

 

 それは、辺境伯配下としてではなく、エルの手持ちの戦力としてである。

 あの戦いをリアルタイムで見ている街の人びとは、エルに対してこの街の守護竜だとかなりの信頼を寄せている。

 それはもう一つの開拓街でも同様だ。この戦争準備は、エルの手持ちの戦力を増やすちょうどいい理由でもある。

 辺境伯配下の戦力と、エル直轄の戦力とでは、大きく異なる。エル直轄の戦力が強くなれば、事実上同盟を結んでいる辺境伯も、こちらにさらに譲歩してくれるだろう。

 そのため、辺境伯の支援を利用しながら、エルは手持ちの戦力の銃兵部隊を作り上げようとしているのだ。

 言うなれば、ロシアの銃兵、ストレリツィに似たような感じだろう。

これが上手くいけば辺境伯直々の軍事訓練のノウハウを吸収したエルに従う部隊が作り出されるはずである。

そうなればいいなぁと、エルはむふふ、と打算的な夢を心に秘めていた。

 

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