独り立ちを強いられたドラゴン、生き延びるために配信者の前でお腹見せゴロンしたら伝説になったようです。   作:名無しのレイ

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第87話 辺境伯ルーシアと竜との同盟(ヤラセ)

ズシンズシン、と足音を立てながら数十体の使役竜が辺境伯領へと向けて歩みを進めていた。そして、その上空でも数十体の純白のワイバーンが飛行しながら同様に向かっていた。

 すわ、大迷宮からの怪物が沸いてきたのか!?と辺境伯領の人々は驚いたが、それはティフォーネの手で彼女たちの使役竜たちが動いているのである。

 そして、その先頭に立っているのは、巨大化して彼らを率いる(振りをしている)エルである。

「絶対に手出し無用」との言葉を受けて、辺境伯の軍は彼らに手出しすることなく、辺境伯領の街のすぐそばにまでやってくる。

 そして、そんな彼らを待ち受けているのは、軍を率いていて馬に乗って、スケイルメイルを纏った辺境伯ルーシアだった。

 馬に乗った彼女は、大声でエルに対して問いかける。

 

「竜殿よ!何故我らの領土へと踏み込んだのか!その理由をお聞かせ願おう!!」

 

『うむ、我はとある人物を救いに行くために人類至上派へと戦いを挑もうと思う。

 だが、お主たちはどうする気だ?貴様らもあの薄汚いろくでなしどもの味方になるつもりか!!?』

 

 それを聞いた辺境伯ルーシアは、黄金そのもので出来たような繊細な金の髪をたなびかせながら、ひらりと華麗に馬から降りてエルに対して両手を捧げる。

 

「竜様よ!汝の怒りはよく分かる!我らも同じ人類ながら人類至上派への怒りは抑えきれぬ!あの者たちは、我ら人類においても有害な存在!!我らも竜殿と共に戦う事をお許し願いたい!!人と竜!お互い手を取って戦いましょう!!」

 

 それに対して、エルもうむ、と頷いて自らの指を差し出す。

 

「うむ、承知した。貴殿のような存在が力を貸していただければありがたい。

 人と竜、共に手を携えて戦おうではないか。」

 

 それに対して、辺境伯ルーシアはエルの指を握手して、ここに竜と人の共同戦線は構築される事になった―――。

 そして、それを魔導カメラで撮っていたアヴリルは二人に対して声を上げる。

 

「はいカーット!!いい感じに取れてますね~!これをバンバン流して竜様と辺境伯との同盟を前面に出していきましょう。他の貴族たちも、竜たちが力を貸してくれるとなれば考え方も変えていくでしょう。」

 

 そう、これは彼女たちが考えたヤラセの展開である。

 彼らの中では、すでにエルと辺境伯ルーシアは同盟を結んでいるが、外部に対してはアピールしていなかったので、ティフォーネから使役竜を獲得したのをきっかけにヤラセの映像を作って同盟を結ぼう、としたのである。

 使役竜を持っている竜が辺境伯ルーシアと手を結んで人類至上派と戦うというシチュエーションは他の貴族たちに対しても圧力を与えるはずである。

実際、辺境伯と同盟を結んでいる貴族たちもエルたちを恐れを抱いた眼で見ている。

 

(ありがとうマミィ!師匠!!また戦力をおねだりするかもしれんけどよろしくな!!)

 

 

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