独り立ちを強いられたドラゴン、生き延びるために配信者の前でお腹見せゴロンしたら伝説になったようです。   作:名無しのレイ

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第97話 兵站と補給

 

 

 さて、軍を動かす際に最も重要なものは何か。

 

 それは何と言っても補給、兵站である。

 

 軍を維持するためには、兵士たちの食糧、馬などの草や穀物など膨大な量の食糧が必要になる。さらにそれに加えて、武器や防具、衣服などの莫大な量の物資が必要になる。

 

 これら全ての荷物を持って行進するのは、流石に非現実的である。

 

 ならばどうするか?その簡単な答えは、現地調達、すなわち略奪である。

 

 現地の食糧などを略奪して進軍していく。当然現地人の事など全く気にかけるはずもない。

 

 中世では極めて普通の事である。

 

 

 

 だが、辺境伯ルーシアはこれを最後の手段と考えていた。あくまでもこの戦いは、悪鬼外道の人類至上派からこの国を奪回するための戦いである、というイメージ、大義名分は大事にしたい。

 

 特にこの世界では、配信がかなり普及しており、辺境伯軍が守るべきこの国の民から略奪しているのが中継されれば、「どっちも同じクズでしかない」という意識が蔓延してしまう。

 

 それは出来るだけ避けたいと言うのが、彼女の考えだ。

 

 

 

 理想的としては、ローマの物流システムである。食料供給の作戦を作る後方基地である「策源地」

 

 策源地から集められた物資を集積する「経営基地 」、供給ラインの最終拠点である「戦術基地」 

 

 だが、ローマと違って大量動員が出来ない以上、このような物を簡単に作る事はできない。

 

 ならばどうするか?答えはこうである。

 

 

 

「キュオオオオン!」

 

 

 

 戦闘用ではない純白の無数のワイバーンたち。本来はティフォーネに支える使役竜ではあるが、そのワイバーンたちが抱えているのは、無数の樽や木製のコンテナである。

 

 つまり、ワイバーンによる空中補給部隊を構築して大量の物資搬送を行っているのだ。

 

 それだけではなく、陸上の物資運搬のための大量の地竜たちも後部に荷馬車を牽引し、あるいは上部分に荷物を乗せながら、土煙を上げながら進軍していく。

 

 その速度は辺境伯軍の速度すらも上回っていた。

 

 これらワイバーンたちが先回りして、アヤ率いる冒険者たちが指定の地域で物資を受け取り、先んじて補給基地を作成しておく。

 

 そして、空を飛行できるワイバーンたちは、そこにピストン空輸を行って物資や食糧を供給していくという形である。

 

 その進軍速度は、並の軍を遥かに上回り、かのローマ軍に匹敵するほどだ。

 

 

 

(まさか大量のワイバーンを使った空輸がこれほどとはな。これが上手くいけば戦略自体が大きく変化する。まあ、竜様の力を借りての事だが……。)

 

 

 

 ルーシアはまさに神速と言える進撃速度に彼女自身驚いていた。

 

 まさか他の中立派の貴族たちもこれほど彼女たちが高速で自分たちに進撃してくるとは思いもよるまい。

 

 ならばただ進むのみだ。彼女は心の中でそう呟いていた。

 

 

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