スーパーエスパー桐壺の光源氏計画!   作:かりん2022

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呪術師は呪霊を倒していれば良い

「あんなのおべっか使いじゃんか! 非術師だし!!」

「局長は違うよ」

 

 どっちもね。

 

 秘密だけど、心を読めるし、未来だって見れるし、私よりも強い。

 六眼すらも欺くのだから、局長は本当に凄い。

 

 けれど、局長がエスパーでなくても、私は局長を慕ったと思う。

 

 利用しようとするおべっかと、局長の思いやりは違うのだ。

 けれど、それは説明するのも難しいし、そのうち悟もわかってくれるだろう。

 

「傑、ゼッテー騙されてる! 俺が化けの皮はいでやる!」

「やれるもんならやってみなよ。あの人、術師への愛だけは本物だから」

「なら俺も対象じゃん。きしょっ」

「そうだよ、悟なんて特級だから尚更だね。……ムカつくな。私もすぐに特級術師になって見せるから」

「嫉妬してんの?」

 

 私はムカっとして呪霊を出して悟と喧嘩した。

 

 また、先生に怒られてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 私は局長の言うことを多少聞くので、局長が補助監督の補助としてくる事も増えた。

 

 その任務の時だった。

 

「もっと早く来てくれれば……!」

「この、化け物……!」

 

「うちの子に何を言うー!!」

 

 局長が依頼主をぶっ飛ばそうとしたので慌てて止めた。

 

「局長ー!? ダメですってば、局長!!」

「うちの可愛い子供に、子供に!! 断じて許さん!! 日本の宝だぞ、うちの子達は!!!」

 

 そうして強制連行されていく局長を呆然と見守り、悟は笑った。

 

「何あれ。ダサっ」

「あれが局長だよ。呪霊から非術師を守るのは私達(術師)の仕事。非術師とかいろんな物から私達を守るのは、局長(非術師)の仕事ってね」

「守れてねーじゃん。連行されちゃったし」

「今はね。局長、将来は秘密の条項を消すつもりなんだって。それで、私をもっと向いてる仕事……災害救助とか、そういう仕事に従事させるつもりなんだ。私、そう言うの自信あるしね」

「いつになるんだよ」

「百年後くらいかな?」

「生きてんのかよ」

 

 私が死ぬのは十年後だ。だけど。

 

「頑張るよ。頑張る」

 

 頑張って、悟と長生きするんだ。

 

 

 それから、悟から局長への風当たりは柔らかくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 半年後。そろそろ、ギアを入れるべき時だ。女の子が目の前で死ぬ予知の時まであと半年。

 

「局長。私は、目の前で女の子を殺させるつもりはありません」

「ならば強くなるしかない。覚悟はいいかね、傑」

「はい」

 

 私は強力な呪霊を祓う仕事を片っ端から受けた。

 そして、局長との戦闘訓練をした。

 

「手加減は無しですよ、局長」

「そんな余裕はないよ、傑」

 

 局長が宙に浮く。巨体を軽々と浮かすサイコキノ。

 局長はとっても強いエスパーなのだ。

 

 そして、手を突きつけた途端、不可視の力があっという間に私を押さえつけた。

 

「傑!」

「もう一度お願いします!」

 

 動け。局長の捉えきれない速度で動け。翻弄しろ。

 未来を見られても問題のないように追い詰めろ。

 

 呪霊を活用しろ! 見えなくとも吹っ飛ばしてくるぞ、局長は!

 

 呪力で強化できる分、局長より早く動けなくてどうする!!!!

 

 私は毎日、ボロボロになった。

 

 悟も硝子もかなり心配させてしまった。

 特に、局長と戦った時は残穢がないので、非術師にやられたのではないかと心配されたのだ。いや、非術師ではあるんだけどね?

 

 そして、来るべき時が来て私は呆然とした。

 

「天内 理子の……抹消……!?」

「そうだ!!」

 

 どうやら、救うべき女の子は、死す運命にあるらしい。

 それでは、私は何のために今まで訓練してきたというのか。

 殺されなくても、結局同化させられてしまうのでは、意味が。

 

 とにかく、私は局長のプレコグも活用して、警戒した。

 

 

 そして現在、私は甚爾に踏まれている。

 

 理子ちゃんと黒井さんは呪霊で守らせているけど、悟も倒れているし、このままだと全員トドメを刺されてしまう。

 絶望した時、思い浮かんだのは局長の顔だった。

 

「局長……っ ごめんなさ」

「傑ー! その汚い足をうちの子から下ろせ!」

 

 その瞬間、甚爾は飛び退いた。

 局長が開発した透明になれるスーツ、スケイルアーマーを着て銃を装備した局長がいた。

 

「局長!? 何故ここに!」

「やっとテレパシーが届いた! 結界内だと感度が下がるらしくてな、すまん! 呪力がないならこっちのもの! 非術師の相手は非術師!! 下がっていなさい、傑!!」

 

 私はほっとして、そんな自分が情けなくて涙が出た。

 呪霊で身を守り、下がる。

 

 局長はマシンガンで攻撃していく。

 

「ちっ 当たるかよ!」

 

 上に飛ぶ甚爾。

 

「サイコキノ、フルパワー!!」

「なんだと!??」

 

 局長、手加減できないなんて嘘じゃないか。

 

「オラオラオラオラオラオラ!!!」

 

 テレポートで翻弄し、銃火器とサイコキノで甚爾を牽制する局長。

 

「呪力じゃねぇな!? なんだそれ!!」

「私は!!! バベル局長!!! 呪術師は! 日本の宝は私が守る!!!」

「意味わかんねぇよ」

「守られなかったかつての子供よ! 私は術師の未来を繋いで行くつもりだ。未来を、この日本国の宝を私に預けてみないか。きっと私は守って見せよう」

「……さっき非術師って言ったじゃねぇか。ああ。そうだ。俺は、非術師なんぞには負けらんねぇ……!!!」

 

 甚爾が振るった呪具を、局長のバリアが防ぐ。

 

「出鱈目かよ、特級呪具だぞ……!」

 

 しかし、バリアに少しずつ亀裂ができていく。

 

「「うおおおおおおおおおおおおおお!!!」」

 

 そして、局長のサイコキノが暴走した。

 

 復帰した悟が、慌てて私達を庇い、大爆発が起こった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「傑! 大丈夫か!!」

「ああ、私は大丈夫! 局長は……!!」

「傑、知ってたな!? なんだよあれ、なんだよあれ!!」

 

 問い詰めてくる悟。

 

 なんとかふらつきながら起き上がった甚爾は、無事だった私達を見て姿を消した。

 

 局長は、クレーターの中にいた。

 

「局長!」

「傑、近づくな! ガハッ」

「傑!」

 

 クレーターの中では圧力が暴走しているようだった。

 

「サイコキノの暴走、だ。私も未熟だな。ぐっ」

「局長!!」

 

 局長が気絶するのと同時に、サイコキノの圧力も消える。

 

「説明しろ、傑」

 

 局長が気絶したあと、悟は私に問う。嘘は絶対に許さないと言う顔で。

 私は観念して、悟に全てを話したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁー!? 傑がアイドル系カリスマなんちゃって教祖な特級呪詛師になって百鬼夜行するー!? 絶対嘘じゃん!!! 騙されてるって!!」

「本当なんだ。一応将来に備えて説法の勉強をしてるけど」

「努力する方向性間違えてんだろ」

「まあ、あの人の予知は本物だよ。株とかみんな当てているしね」

「何それ秘匿死刑じゃね? 呪術を勝手に使ってるし」

「呪術じゃないからセーフだよ」

 

 多分。

 

 

 

 

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