バベルルートです。
呪専ルート続きを楽しみにしてくれていた方、すみません。呪専ルートはルートで考えます。
天啓
『皆本ぉ! チルドレンは国の宝だ! 心配をしろ、心配をぉ!』
私、桐壺 帝三は目を覚ました。
長い、長い夢を見ていた。
そうだ、私は死んだのだ。
これが転生というものか……。
似て非なる世界。この世界にエスパーはいない。
なんとも不思議な心持ちだ。
さて、何をしていたのだったか。
そうだ、いきなり子供に避けて、と言われて、回避行動をとったものの、見えない何かにぶつかったのだった。超能力だろうか?
私に避けろと言った目の前の幼子は、何かを飲み込まんとする動作をしていた。
「君」
少年に声を掛けて触れた瞬間、少年の心が流れ込んできた。
悍ましい化け物が私を襲っていたのを倒して、飲み込んで配下としていたのだ。
それにしても凄まじい不味さである。私は必死で無表情を装った。
「助けてくれてありがとう」
「もしかして、お兄ちゃんも見えるの!?」
「見える、とは?」
「お化け!」
「君は霊能者なのかな?」
「そうだよ」
「それは凄い! 残念ながら、私に霊感はないよ。それでも、君が命を救ってくれた事はわかる。ただ、君はいつもこんな事を? 危ないんじゃないか?」
「学校にもいるけど、いつもはもっと小さいうちに僕が祓ってるんだ。成長すると人を襲うからね」
「そうなのか……」
なんていうか、正義のヒーローみたいな子だな。
「それは誰かの命令で? 報酬は?」
少年は首を振った。
私は、天啓を得た。この出会いはきっと偶然ではない。
以前、私はエスパーの保護をしていた。今度は、霊能者の保護をせよという事なのだろう。
「それはいけない。君は日本の宝だ!! しかし、決して無理はしてはいけないよ。時に撤退する事も勇気だ。それと、君がその活動をするなら、私はそれをサポートしよう」
「日本の宝?」
「そうだよ! その力は人を助けるためにあるんだ! 神様からの素晴らしい贈り物なんだよ」
どうやら、私は超能力に目覚めたらしい。
まずは、しっかりと自分の能力を知り、超能力を活用して資金稼ぎをしよう。
何、この世界ではエスパーはいないのだ。規制する法律はない。
私は少年の住所を聞き、菓子折りを持って少年の両親にご挨拶に行った。
しっかりとした感謝は必要だ。何せ、命の恩人なのだから。
その晩、私は夢を見た。
檻に閉じ込められた子供を見て、驚愕に震える大人になった傑。
『貴方たちは、何をしているんですか』
『こいつらは異変の原因なんだ、化け物だ!!』
『猿どもが!!!』
そして、見えない何かに殺されていく人々。やったのはおそらく傑君だ。
いけない、傑くん。それはやってはいけないことだ。
『百鬼夜行を開催する!』
妙な名前の学校の前で宣言する傑くん。
次に見えたのは、路地裏で座る傑くん。
『私はあの場所では笑えなかった』
『最期くらい呪いの言葉を吐けよ』
少年にとどめを刺される傑くん。
場面はまた変わり、大勢の人が閉じ込められた中、傑くんにとどめをさした少年が映る。そして、少年の周囲で死んでいく人々。
これもまた、見えない何かの仕業だろう。まさか、傑くん?
やはり、傑くんだ。いや。傑くんは脳みそを見せる。
おそらく、別人の脳みそを。
そして、箱に閉じ込められる少年。
やはり、今日の運命は天啓だった。
皆本のような優秀な青年がいてくれれば良かったとは思うが、弱音を吐いてはいられない。未来を変えるのだ。皆本がやったように、未来を覆して、傑くんを、引いては日本を救うのだ。
既に組織があるらしいな。まずはそこから探りを入れてみるか。
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