火を付けろ燃え残った全てに守り通せ透き通ったこの世界を 作:プリン製造工場
「……ここまでか」
荒廃し大地にその鉄の巨人は膝を付いていた、酷く損傷しており両腕は吹き飛び全身からは火花や黒煙が吹き出しており戦闘等出来る状態ではないのは誰の目でも明らかだ。
「夢…破れたりか……傭兵らしい結末と言うべきか」
鉄の巨人…機体名 カヒライスの頭部は目の前をホバリングするソレを見据える、ここ惑星ルビコン3を封鎖している惑星封鎖機構が保有する重武装ヘリが瀕死の渡り鳥をゆっくりとホバリングしながら見下ろす。
「だが…タダでは死なん…!!」
カヒライスそしてそのパイロット…傭兵ランク圏内の彼『レイヴン』はヘリを睨み付けながら、満身創痍の機体に火を付け突撃した。
「あれだあの残骸にアクセスしろ」
一機のACが残骸に接近する、滑らかに着地したその機体は雇い主『ハンドラー・ウォルター』の指示通り機体にアクセスする、残骸のアクセスが終わってもACの搭乗者…機能以外死んでいるACのパーツであるウォルターの子飼い『621』はAC越しにジッとその残骸を見つめていた。
「……あぁこれがお前達の成れの果てとも言うべき姿だ」
そんな彼にハンドラー・ウォルターは声を掛ける、使い捨て同然の旧型強化人間に気を使うのは彼だけだった、かつて送り出した『617』『618』『619』『620』達を失った時も彼は酷く悲しんだ…だからこそ彼は621に語り掛ける。
「だがお前は違う…お前は他とは違う様な気がするからな……長話をしてしまったな、さぁ仕事の続きをしよう621」
彼女は驚愕した…厳密には今日で1番の驚愕を
このキヴォトスに先生として着任してすぐに、生徒達と『シャーレ』のオフィスを取り返したが、そこにワカモと言う生徒に襲われ何とか追い返した直後…ビルを破壊しながら近くに身に覚えのある機動兵器が降ってきた。
「先生…!先生大丈夫ですか!?」
土煙が立ち込め大量の瓦礫が散乱する中、ユウカは急いで先生の元へ駆け付けた、そのすぐ後ろにチナツ、ハスミ、スズキも駆け付ける。
「ん…ユウカちゃん私は何とか大丈夫だよ」
「…異常はないようです、しかしコレは一体…『MT』とは違う様な」
チナツは先生を診断し異常が無い事を確認した後、件の巨人を一瞥する。
MTとはキヴォトスや先生がいた『外の世界』では主流の作業機械であり、同然の様に戦闘用に転用されキヴォトスの各学園や犯罪組織によって運用されている。
「ハスミちゃん…援護してACのコックピットを開ける」
「先生!?それについて知っているんですか?と言うより危険です!あぁもう!!」
鎮座するソレによじ登る先生に悪態を吐きながらハスミは狙撃銃を構える、コックピットまで辿り着き汗の様に流れる汗を拭きながら何とかコックピットを開ける。
其処には無骨なパイロットスーツを着た小さな少女が寝ていてその頭部に浮かぶ歯車の様なヘイローが点滅していた。