蒼碧の艦隊 2139   作:暁司令官

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第10話 融合 新世界

 

西暦2148年末

 

地球の各地では未だに先の「ガトランティス戦役」での戦勝ムードに沸き立っていた。

現在の地球はまさに活況を呈していた。

戦争からの復興も目覚ましいものもある中、各惑星の開発や各地への探査というのも日々続けられている。

 

特に時間断層を民間にも解放したお陰で経済も連邦時代より遥かに良くなった。

また最近では断層内の調査を行ったことでアメリカ・イギリス本土にも出入り口を繋ぐことを成功させる。

波動砲規制条約を厳守した上で、多彩な艦艇やMSも次々に開発・配備が進められている。

 

 

 

 

東京都 首相官邸

 

大高「今年も暮れるな…」

 

座敷で一人囲碁を打ちながら物思いに耽っていた。

 

大高(我々が想定した事態は今の所良い結果へと向かっている、一先ず人類の目を外へと向ける事は上手くいったようだな)

 

まだまだやらなければならない課題はあるが、「今は今で休もう」という空気が最近の青風会・紺碧会双方では出ている。

 

今年は恒例の沐浴には行けそうになく久々に官邸で新年を迎えることになると考え大高も早めに床につく。

 

 

 

 

 

 

 

そして時刻が午前0時を回ったその瞬間、各地で異変が起きたことに気づいた者はいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

年が明けた2149年

大高は早々にソーンからの緊急連絡を受けて出勤していった。

 

ソーン「閣下、年明け早々に申し訳ありません」

 

大高「構わんよコマンダー、それで状況は?」

 

ソーンからの出迎えも程々に現状を訪ねてきた。

 

ソーン「現在、我が国は各国との通信が途切れてしまっています。閣下が来られる一時間程前まで海王星基地との通信が途絶えてましたが先程回復しました」

 

大高「国内の方は?国民に不安を与える訳にはいかん」

 

ソーン「ニュースで多少話題に上がっている程度で、何処も年明けムードが充満していますので、今の所混乱は見られません」

 

大高「分かった。混乱が広がる前に我々としても詳細を掴まねばならん」

 

そして午前10時、閣僚を集めた緊急対策会議が開かれることになる。

現状把握が急がられる中、会議中朗報が舞い込んで来た。

 

アメリカ・イギリスなどの国々と通信が回復したというのだ。

 

会議はそのまま各国と通信を繋げたまま続けられたが、更なる混乱がやってくるのだった。

 

 

アメリカ合衆国

ホワイトハウス

 

会議中のアイゼンハワーの元にその一報が届いたのは突然であった。

 

「大統領!大統領閣下!」

 

補佐官が突然息を切らしながら入ってきたのを見てただ事ではないと一同は察した。

 

アイゼンハワー「どうしたのだ補佐官?まぁ落ち着け」

 

「はぁ…はぁ、はい」

 

アイゼンハワー「それで?会議の邪魔をする程大変な事柄なのかね?」

 

「えぇ順を追って説明させてもらいます。まず始めに、月面基地のニミッツ太陽系艦隊司令と通信が取れました」

 

アイゼンハワー「ほぉ…それでニミッツ君はなんと?」

 

「それが……地球の地理……いや、地球そのものが大きく変化していると……」

 

アイゼンハワー「………は?」

 

「まずこちらを見ていただいた方が宜しいかと……」

 

補佐官はタブレットを操作してある画像を表示させるとそれをアイゼンハワーに見せる。

そして彼が目にしたそれは到底信じられないものであった。

 

画像の中央には北米大陸が存在するが、東海岸側には大西洋が無くなり本来あるはずの無い未知の大陸と思しきものが出現していた。スライドして次の画像を見ると今度はイギリス本土とこちらも未知の大陸が、そして最後の画像は日本本土、太平洋は恐らく存在するだろうがユーラシア大陸が全く別の大陸に置き換わっていることが分かった。

 

「月面基地によりますと地軸そのものは変化していないものの、この通り未知の大陸が多数出現、その上地球自体の面積というのも目測で3倍程度大きくなっていると」

 

アイゼンハワー「面積が3倍だと…⁉︎」

 

それを聞いた彼は再び画像を食い入るようにしばらく眺めた後こう言い放った。

 

アイゼンハワー「……分かった、このことは私から各国の首脳陣に話しておく。君は引き続き月面基地との交信を頼む。何か追加の情報があったら遠慮なく持ってきたまえ」

 

「はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月面沖 

 

戦艦オハイオ

艦橋

 

ニミッツ「しかし……信じられるか、参謀?」

 

彼は座席の横に立つ参謀に語りかける。

 

「信じられません……これは、俗に言う"異世界転移"というものなのでしょうか?」

 

ニミッツ「それは違うだろう…私もそういう系に詳しいわけではないが、もしそうなら我々は全く別の宇宙へとやってきたことになる。だがどうだ?ガルマン帝国によると総統府との連絡も取れたそうじゃないか」

 

「つまり……ここは我々の宇宙…と?」

 

ニミッツ「それに火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星、そして十一番惑星の基地も存在が確認された」

 

「では……異世界の方からやって来た…ということですか?」

 

ニミッツ「今はなんとも言えんが、それが妥当だろう。さしずめ異世界融合……とでも言うか?」

 

彼は軍帽を被り直すと眼前に映る巨大化した地球に目をやる。

 

ニミッツ(我々は……地球連合、いや人類はどうなるというのだ……?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして2149年 1月20日

各国政府は正式に国民に事の詳細を報告、それぞれの大陸に対し調査艦隊を編成・派遣する事が決定され「国家の有無やその場所の地質・生態系の調査」が行われる。

 

 

 

 

 

 

広島県 呉宇宙海軍基地

 

日本武尊 長官室

 

大石「…というわけで、調査艦隊の選別に伴い我々が選ばれた」

 

大石は一通りの説明を共に派遣されるレックス・コーディ両名にしていた。

 

大石「何か質問は?」

 

レックス「自分としては特に」

 

大石「コマンダー、君は?」

 

コーディ「そうですな…内容に異議はありませんが、なぜ我々を?他にも専門的な学者や科学者らを派遣しては?」

 

大石「確かに、君のいうことももっともだ。だがな現在地球圏は人類総手で外宇宙の探索に乗り出していてな、米国や英国のように我が国は人材に恵まれているわけではないからな」

 

コーディ「なるほど…」

 

大石「それと、改装を終えた本艦の処女航海にもいいと思ってな」

 

レックス「貴方のことだろうと思ってましたよ、提督」

 

大石「はははw分かるかキャップ」

 

レックス「流石に」

 

大石「はははw結構、出発は明後日〇六〇〇だそれまでに準備を頼む」

 

「「サーイエッサー!」」

 

大石「あぁそうだ、キャップ。君は少し残ってくれ」

 

二人が退室しようとするとレックスだけ突然呼び止められた。

 

レックス「なんでしょう?」

 

大石「実は前々から言おうと思っていたんだが、機会がなくてな」

 

そう言いながら引き出しから一つの辞令を取り出し彼に手渡す。

渡された辞令をレックスは目で追って読んだ。

そしてある一文を見て一瞬彼は目を疑った。

 

“ "キャプテン・レックス 戦時特例により貴官を大佐(キャプテン)から少将(コマンダー)へと昇格することをここに記す"

 

レックス「自分を……コマンダーに……⁉︎」

 

大石「あぁそうだ。不満か?」

 

レックス「あいえ、その…お気持ちは嬉しいのですが…自分は……なんていうか、"コマンダー"という柄では……」

 

大石「君ならそう言うと思ったよキャップ。だが安心しろ、それは形と書類上での話だ。だから君自身は今までとやることはなんら変わらない」

 

レックス「はぁ……」

 

大石「軍の連中が昇進させんのも何か…というらしいからな」

 

レックス「……分かりました。そういう理由ならお引き受けします」

 

大石「あぁ頼むぞ」

 

 

 

 

後日

 

ユーラシア大陸の存在した場所に出現した未知の大陸に対して日本武尊を旗艦とする調査艦隊が派遣された。

 

日本調査艦隊

 

旗艦:日本武尊

 

戦闘空母:尊氏

 

駆逐艦

第七〇駆逐戦隊:怒風・雷風・陣風・剣風

第七三駆逐戦隊:銅月・紅月・紺月・碧月・玄月

 

輸送艦

アクラメーター級アサルトシップ二隻

 

 

 

日本武尊は先の戦役以降大規模な改装工事が施された。外観上特に変更はないように思えるが艦底部に第四砲塔を増設し、第三艦橋にも四基のパルスレーザー砲が設置された。

 

しかし機関部には途轍もない改装が施された。

当初は新型の『スーパーチャージャー』を搭載する予定が、急遽完成したばかりのスーパーチャージャーの上位互換に当たる『ハイパーチャージャー』を搭載することが決定。

 

本装備の威力は凄まじく、機関部への波動エネルギーのみならず、反波動格子の充填・蓄積を任意で可能に。さらに波動砲チャージの時間が最大30秒にまで短縮。

また発射後のエネルギー再充填までに要する時間というのも1分程度にまで短縮。

 

ワープ距離も未知数ながらも、大マゼラン星雲から1.5倍の距離を一回のワープで行けると言われている。

 

レーダーやソナーというのも軒並み強化が入れられている為、これだけで敷島50隻分の戦力に相当すると言われる。

 

 

 

 

日本武尊 艦橋

 

大石「それにしても…こいつも大分変わった…」

 

富森「確かに、性能面で言えば健御雷や春藍より頭一つ飛び抜けていると言っても過言ではありませんからな」

 

大石「全くだ」

 

 

 

 

アクラメーター級 格納庫

 

ジェシー「なあファイヴス。お前は俺達の向かう大陸にどんな物がいると思う?」

 

ジェシーの質問に対してファイヴスは少し考える素振りを見せて応える。

 

ファイヴス「そうだな…まぁ異世界からやって来たと仮定するなら御伽話に出てくるようなモンスターやエルフみたいなのがいてもおかしくはないんじゃないか?」

 

キックス「自分としてはドラゴンを見てみたいですな」

 

ハードケース「その前にゴブリンかなんかに食われちまうかもしれねぇぞキックス?」

 

キックス「やめろよハードケース⁉︎」

 

ヘヴィー「心配すんなキックス、いざとなったら俺達がとっちめてやるよ」

 

ファイヴス「はははw確かに。でももしかしたらよ、魔法なんかもあったらするじゃねぇか?」

 

ジェシー「それはそうだな…」

 

ハードケース「魔法ってあれか?スカイウォーカー将軍やらよく使ってたフォースみたいなあれか?」

 

テク「あり得るね、実際そういう異世界系の小説なんかじゃあよくある話だよ」

 

ハンター「そんな連中が居たとして、大丈夫なのか?」

 

レッカー「心配いりませんぜ!なんでもケチョンケチョンに捻り潰してやろうじゃねぇかなぁ!」

 

ハードケース「おぅよ!」

 

エコー「それは相手が挑んで来たらの場合だ。あくまでも」

 

クロスヘアー「…やられる前にやるってのも一つの方法だ」

 

一同が盛り上がる中レックスが姿を現した。

 

ハンター「キャプテン」

 

レックス「様子はどうだ?ハンター」

 

ハンター「皆ビビってるような様子はありません。寧ろ楽しみにしてます」

 

レックス「色々と心配になることはあるが、大丈夫だろう。皆の実力は分かっている」

 

ハンター「もし戦闘になったら…?」

 

レックス「そのときはそのときだ。総長からも"できるだけ接触は避けるように"って言われたからな」

 

ハンター「向こうから来られたら別ですね」

 

レックス「あぁ、そうだな」

 

 

 

 

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