蒼碧の艦隊 2139   作:短号司令官

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第三話 光:希望への旅路

 

西暦2151年

 

突如として地球にやってきた暗黒星団帝国:デザリアムの侵攻の魔の手から逃れたキリト達。

彼らが向かった先には一体何が待ち受けているのか……

 

 

 

 

 

ハイパースペース

 

船内

ハイパースペースで目的地へと急ぐマローダーの中は先程とは打って変わって平穏そのものであった。

 

レックス「ハンター、みんなの様子は?」

 

ハンター「見ての通り、ぐっすりです」

 

レックス「無理もないか…央都かずっと休み無しだったもんな」

 

視線の先にはキリト達が雑魚寝していたり壁や誰かにもたれかかって眠っていた。

レックス達はそうでもないが、短時間でここまでの行動は彼らでも経験が少ないであろうから尚更だ。

 

ハンター「あとどのくらいですか?」

 

レックス「もうあと1時間程だ。ジャンプを抜けるまでは寝かしといてやろう」

 

ハンター「しかし本当にそこにあるんですか…?」

 

レックス「あるさ、暗号の最後がそう記してあったし。仮に連中に傍受されても簡単には分かるまい」

 

それから程なくしてハイパースペースを抜けるとキリト達は起こされた。

 

キリト「着いたのか…?」

 

眠そうな目を擦りながら言うキリトにレックスが応える。

 

レックス「あぁ一応の目的地にはな、見てみろ」

 

コックピット部の窓から見えたのは霞んだ水色の惑星が見えていた。

 

リズ「あれは…」

 

エコー「海王星だ」

 

ユージオ「海王星?」

 

テク「太陽系の第8惑星で、太陽系の惑星の中では一番外側を公転している。直径は4番目、質量は3番目に大きく、地球の17倍の質量を持ち、太陽系のガス惑星としては最も密度が高い惑星だよ。主成分は氷でできているけど、微量の炭化水素と窒素も含まれていて、天王星と同様にその内部は氷と岩石で構成されている。ガミラス由来のテラフォーミング技術でなんとか人が住める状態にしてあるよ」

 

ご自慢の知識で説明するも、ユージオやアリスなど一部の者にはなんのことかちんぷんかんであった。

 

 

兎も角、海王星地表に降下したマローダーは基地のあるトラッグ泊地へと向かう。

 

テク「間も無く基地に着きます」

 

レッカー「やっとか、ここにくるのも大分久しぶりじゃねぇか?」

 

エコー「最後に来たのは、ガトランティスとの時か」

 

シノン「ガトランティス……?」

 

クロスヘアー「お前達と会う前に戦った相手だ」

 

レックス「俺達は直接戦ってはいないが、馬鹿みたいに強い奴らだったらしい」

 

コーディ「ダークテリトリーでのタカ派の連中なんて可愛いレベルの相手さ」

 

ユージオ「そ……そんなのが…いたんですか……」

 

泊地へと飛んでいると基地から通信を受けた。

 

『クローンフォース99の諸君、ようこそ我が海王星へ。できれば基地への着陸をさせたいところだがこれから指定する座標の場所に向かい、そこへ着陸してほしい』

 

テク「了解」

 

通信を終えてまだ何かあると踏んだ彼らはとりあえず指定座標の場所まで向かうが、そこは泊地から少し離れた場所にポツンとドーム状の発着所があるだけだった。

 

コーディ「何があると思う?」

 

レックス「さぁ、でも提督の考える事だ。恐らくはあれが…」

 

着陸しドームのハッチが閉じて温度の上昇を確認してからようやく船から降りれたのだった。

 

リズ「あ〜長かったぁ〜」

 

ユウキ「本当だよーこんなに長くじっとしてた始めてかも」

 

リーファ「とりあえずは到着?」

 

グレガー「あぁでもここから少し歩くけどな」

 

彼が言うと奥にあるエレベーターの扉が開き、それに乗って地下へと降りる。

地下へは途中の階を経由する事なくそのまま降りて少しして到着した。

そこからさらに長い一本道の通路を進むが、進むにつれて段々と寒くなってくるのが分かってきた。

 

シノン「なんか…寒くなってきたわね……」

 

アリス「まさか外に出るなんてことはないですよね……?」

 

疑問に思いながらも先は進み、目の前に現れた自動ドアが開いた先には驚くべき光景が広がっていた。

 

キリト「あれは……‼︎」

 

ユイ「わぁ……‼︎」

 

アスナ「こ……これって……⁉︎」

 

キリト達の視線の先には、削り出された氷の港に浮かぶ一隻の黒鉄の艦であった。

 

レックス「やっぱり、ここにあったか…」

 

ティーゼ「これをご存知なんですか…⁈」

 

コーディ「あぁ俺達の上官が乗る艦だからな」

 

キリト達がそれに見入っている最中、制服を見に纏った一人の人物が近付いてきた。

 

「よく来たな諸君」

 

レックス「提督」

 

一同を出迎えたのは『大石蔵良』その人であった。

 

レックス「ようやく来れましたよ」

 

大石「はっはははwあぁ待ちくたびれていたよ、君がいつくるのかと首を長くしてな」

 

レックス「お元気そうで何よりです」

 

大石「うん、桐ヶ谷君も来ているようだな」

 

レックス「はい、おいキリト」

 

彼を呼ぶと同時に大石も静かに歩み寄って行った。

 

キリト「大石さん…!」

 

大石「久しぶりだな、桐ヶ谷君。相変わらず元気そうだな」

 

キリト「はい、お陰さまで」

 

それを聞いていた大石だが彼の顔を見てあることに気づいた。

 

大石「……桐ヶ谷君…」

 

キリト「はい?」

 

大石「君…歳は?」

 

キリト「え?…えっと、今年で19ですけど…?」

 

大石「その割には……歳を喰ってないように見えるが?」

 

キリト「そ……そーですかねー……?」

 

まさか神聖術で肉体年齢を固定しているなんて言える訳がない。

とりあえず誤魔化しが効く年齢でよかったとキリトは内心思っていた。

 

大石「そうか…まぁ歳の取り方は人それぞれだからな。ところで…」

 

そう言いながら視線を横に流して二人の様子を見ているアスナ達に目をやりつつキリトに話しかける。

 

大石「あれは君のお仲間かな?」

 

キリト「あ、はい」

 

大石「そうか」

 

それを聞いて笑みを浮かべると彼女らの方にも少しずつ近づく。

 

リーファ「こ……こっちに来た……」

 

緊張するアスナ達の目の前で立ち止まると軽く自己紹介を始めた。

 

大石「お初お目にかかるよ諸君。俺は旭日艦隊司令長官の大石蔵良という者だ。俺と彼もキャプテン達と同じくらいの付き合いだ。こんな見ず知らずの場所に連れて来られて少々大変かもしれんが、宜しく頼む」

 

そう言い終えると笑みを浮かべて敬礼する。

 

アスナ「こ…こちらこそ、よろしく…お願いします…!」

 

立ち振る舞いから相当な身分の人物だと察したのかいつの間にか自然と背筋が伸びていた。

 

大石「緊張せんでも良い、少し肩の力を抜きたまえ」

 

アリス「は……はい」

 

シリカ「リ…リズさん、司令長官って……」

 

リズ「えぇ……相当偉い人よ……そんな人がなんでキリトと…⁉︎」

 

リーファ「レックスさん達といいあの人といい……」

 

ユウキ「凄いな…キリト……」

 

シノン「アイツに聞くことがまた一つ増えたわね……」

 

ユージオ「キリトには……人を惹きつける才能みたいなのが、あるのかな…?」

 

そんな彼らのやり取りを見つつ大石はレックスに手招きをした。

 

レックス「なんでしょう?」

 

大石「キャップ。君に聞きたいが、彼らはそういうつもりで連れてきているのか?」

 

キリト達に聞こえないような小声で大石が尋ねる。

 

レックス「……と言いますと…?」

 

大石「日本武尊に乗せるつもりで……だ」

 

レックス「⁉︎……いえ、まさかそんな…」

 

大石「違うのか?」

 

レックス「何を言ってるんです…!アイツらは安全の為に連れて来たんです!」

 

それを聞いていたコーディも歩みよって来た。

 

コーディ「提督、乗せるとは……何処かに向かうつもりで?」

 

大石「うむ、実は総長から密命が下ってな。詳しくはまだ言えんが敵本星を特定しこれを叩くよう言われてな」

 

コーディ「⁉︎」

 

レックス「それなら尚更…!」

 

大石「まぁだがキャップ、考えてみろ。あの桐ヶ谷君がそう言ってすんなりと受け入れくれると思うか?」

 

それを言われてレックスも考えた、あのキリトのことだ「力づくでも着いて行く」とか言って着いてくることは全然想像ができる。

しかし彼らは軍属でもなければ財界人でもない、ただの若者だ。

 

大石「それにだ、いい経験だと俺は思っている」

 

レックス「……?」

 

大石「遅かれ早かれ、いずれ彼らもまた異星人と交流をすることになるし我々の跡に地球を担っていく次の世代の人間なんだ」

 

コーディ「ですが、乗せる理由はありません」

 

大石「だがここに留めておく理由も無い、違うか?」

 

「「……」」

 

どこからどう言おうと大石に言いくるめられそうな気しかしないため二人は折れた。

 

レックス「分かりました…」

 

大石「結構」

 

それを聞いた大石はキリト達の方を向いて言った。

 

大石「諸君、少し耳を貸してもらいたい」

 

キリト「なんですか?」

 

大石「現在、地球は…君達の故郷は敵の手によって占領を受けているな。だがそれは同時に我々全人類の危険も示している。俺の上官は我々に対し、敵の本陣を特定しそこを叩いて大将首を取ってこいと言って来た……どうだ?一緒に来る気は無いか?」

 

シノン「それって……」

 

大石「あぁアレ…いや、日本武尊に乗るかどうかというものだ」

 

彼は日本武尊を横目に見ながら言う。

それを聞いて一同は驚愕の表情を浮かべて乗り気な様子を見せるが大石は続ける。

 

大石「但しだ…俺の艦に乗る以上、俺に命を預けてもらうぞ。いいな?」

 

少々強めな口調で言う彼にキリト達も真剣な表情で頷く。

 

大石「結構、これから艦内を案内しよう。来たまえ」

 

彼に連れられて一同は日本武尊へと乗艦する。

 

キリトは既に一度乗艦したことがあるためそうでは無いがアスナ達、特にユージオやアリス達は非常に驚いていた。

道中、富森艦長や原参謀とも会い彼らも一緒に着いて行く。

 

 

 

 

機関部

 

富森「ここ"は機関部"と言いまして、人間でいうところの心臓に当たる部分です」

 

自動ドアの先にでは設置された足場で計器類を操作したり、フライホイールの整備に明け暮れる整備班がいた。

 

大石「島津機関長、調子はどうか?」

 

「おぉ!これは長官殿!」

 

大石が声をかけたのは徳川機関長と同年くらいの年老いた機関科所属の男性で名前を『島津幸助』という。

 

島津「調子は良好!御命令とあらばいつでも始動できますぞい!」

 

大石「それは頼もしい。これから長い航海に出ることになる、今のうちにたっぷり念入りにお願いします」

 

島津「任してください!」

 

 

 

 

 

 

 

その足で一同は機関部の下にある艦載機用格納庫へと向かう。

 

 

格納庫

 

ヤマトと同型のシリンダー状の格納庫を有しているがその広さはヤマトの第三格納庫に当たる部分までにも及んでいた。

その理由は簡単である艦載機が従来の『コスモタイガーⅡ』ではなく新型の『コスモタイガーⅢ』だからだ。

 

「おぉ?これは長官殿」

 

機体の整備を行なっていたパイロットから声をかけられる。

 

大石「やぁ坂井少尉に西沢中尉か」

 

愛機の手入れをしていたのは日本武尊航空隊所属の『坂井五郎』と『西沢弘吉』であった。

 

西沢「おやおや長官?見慣れないかわい子ちゃん達を連れて、ナンパですか?」

 

坂井「どうしたんですか、この若い衆?」

 

大石「まぁちょいとある理由があってだな、突然だが本艦に乗ることになったよ」

 

リーファ「ははは……どうも〜…」

 

西沢「なるほどねぇ…ところで用向きは?」

 

大石「あぁ戦隊長は居るか?」

 

坂井「えぇ居ますよ、コックピットでひっくり返ってますよ」

 

彼が差した機のコックピットからは足が見えており、よじ登って内部でヘルメットを被って寝てるパイロットを起こす。

 

「んが…?」

 

大石「おはよう、赤松戦隊長」

 

「お…大石司令…⁉︎」

 

驚きの余りそのままコックピットから転げ落ちたのは日本武尊航空隊隊長の『赤松貞昭』だ。

 

赤松「司令…来るなら言ってくださいよ…」

 

大石「はははwすまんな、今度来る時は君が昼寝時じゃない時に来るよ」

 

赤松「いえ、ふんぞり返って寝てた自分にも責任はあります。寝る時は休憩室か自室にしておきます!」

 

大石「分かった。ところでどうかね?新型の性能は?」

 

赤松「えぇコイツは文句の言いようがありませんよ。整備性・運動性・武装…何をとってもコスモⅡとは比べもんになりませんよ。まぁ強いて言うならデカすぎるってことですかね?」

 

大石「結構、使いこなしてもらわねば本艦の守りは任せられんからな。時期に熾烈な航海に出ることになる、そのときは頼むぞ」

 

赤松「はっ、お任せください‼︎」

 

 

その後、食堂や大浴場などの一通りの艦内の案内を終えてその日は終わった。

 

 

 

 

 

それから三日後

 

基地に設置されていた防空用レーダーが複数の反応を確認、また海中より敵の三脚戦車が多数上陸し向かって来ているとの報告を受けた。

 

 

日本武尊 艦橋

 

大石「……」

 

大石は受け取った報告を見て慎重な趣きを見せていた。

 

原「長官…」

 

大石「参謀長、基地防衛隊は?」

 

原「現在、防空用コスモタイガーⅡ及び震電Ⅱが発進中。MS隊は少々かかりますが、防衛用の新型ターボ・レーザー砲が何処まで耐えられるかです」

 

大石「頼らざるを得まいか……」

 

格納型ターボ・レーザー砲塔は緑色の光弾を連続して撃ち続けており、何体かは倒せても敵は数にものを言わせて進撃しており、強力なビーム砲で砲塔を撃ち抜かれて次々に爆散していく。

 

しかし粘りを見せていた甲斐もあってか、防衛MS隊のヘビーガン・Gキャノンが到着する。

 

当初は敵の大きさに圧倒されるが、それでも怯まずに突貫。

敵の攻撃を巧みなスラスター捌きで回避しライフルで牽制し足元へ飛び込むと関節部をビームサーベルで叩き切って次々と横転させる。

 

他にも小柄な多脚戦車がいたが、そいつらはもれなくGキャノンより4連マシンキャノンで蜂の巣にされていった。

 

だが敵はそれだけに止まらなかった。複数方向から侵攻して来たこともあり、幾つかの防衛線は突破され基地にも攻撃が開始された。

また敵の護衛艦クラスの艦艇も多数が襲来し戦況はこちらが押され始めていた。

 

『ちくしょおデザリアムの野郎ここまで来やがったのか‼︎』

 

『隊長、情報によるとワシントンも奴らに攻撃を受けたと聞いてますが、本当ですか⁉︎』

 

『諸君、残念だがそれは事実のようだ』

 

そう話しいたのは訓練でこの地へと訪れていたアメリカ海兵師団であった。

 

『だったら…あのクソ野郎共に我が合衆国に土足で入ったことを後悔させてやりましょうぜ‼︎』

 

『そのイキだ、全機攻撃開始‼︎』

 

『日本軍に遅れをとるなぁ‼︎』

 

総数24機の陸ガンS型が戦線に加わる。

180mmカノン砲や六連ミサイルランチャー、360mm低反動バズーカなどの実弾系の火器を駆使して巻き返しを図る。

さらに遅れて6機のガンキャノン重装型も加わる。

 

 

 

その間に日本武尊は発進準備を着々と進めていた。

 

地表で起きてる戦闘の振動が地下にも伝わり瓦礫や破片が降り注ぐ中艦内では

 

 

艦橋

 

富森「長官、機関部より通達。各員配置完了、準備を進めております」

 

大石「結構」

 

「長官!たった今施設から通信が入りました!」

 

大石「何事か?」

 

「はい。それが、敵の攻撃で電気系統の一部が損傷し地下メインゲートが開けないと…!」

 

それを聞いて艦橋内ではどよめきが広がるが大石はいたって冷静だ。

 

大石「問題ない、西郷技術長」

 

大石は技師長の『西郷隆也』に声をかける。

 

大石「確かここの船台は昇降機能がついていたな?」

 

西郷「はい、日本武尊を回収する際に使用したものですが」

 

大石「それを使って地表へは出られるか?」

 

西郷「そうですね……問題ない……と断言できます」

 

大石「分かった!」

 

大石は座席から立って無線で艦内に通信を入れる。

 

大石『総員、その場で聞け!本艦はこれより敵デザリアム本星探査の為出港する。これより熾烈な航海が我々を待ち受けているやもしれん、だが俺は諸君らを信頼している。この航海を……我々が背負う使命を……無事に果たしてくれると俺は信じる。間も無く発進するが、発進後はすぐに戦闘のなる可能性がある。各員気を引き締めてかかれぇ‼︎』

 

 

これを聞いた乗組員らは信念を新たに、覚悟を決めて持ち場へと急ぐ。

またこれを聞いていたのはキリト達も…

 

ロニエ「はっしん…って一体…?」

 

キリト「この船が出るってことさ」

 

ユージオ「でもその後すぐ戦闘になるって言ってたよね…?」

 

シノン「敵が直ぐそこまで来ているということね」

 

アリス「ならば、私達も大石殿の元へ行きましょう!」

 

キリト「おいおい、行くって何をしにだよ?」

 

アリス「分かりません……ですがキリト、貴方もここでじっとしているつもりはないのでしょう?」

 

キリト「まぁ……そうだな」

 

アスナ「じゃあ行きましょう、キリトくん!」

 

一同がそう言って艦橋へ向かおうとした直後、船台が上昇を開始すると同時に発進の最終段階へと入り始めていた。

 

 

艦橋

 

富森「補機動力接続!」

 

島津『補機動力接続、スイッチオン!』

 

補機始動と同時に点火、賄われたエネルギーは主機へと回される。

 

富森「続けて主機、第一第二フライホイール始動10秒前」

 

島津『了!第一フライホイール点火!』

 

島津が合図すると同時にフライホイールが回り出し、続けて第二フライホイールも回転し出力を上げていく。

 

島津『いい音だ。艦長、今日もウチのエンジンは元気に吠えてますよ!』

 

富森「分かった、そのまま頼むぞ。機関長、孫のように大切にな」

 

島津『はっはははw了解‼︎』

 

通話を終えて大石の方を見てアイコンタクトをとる。

するとドアの開く音がすると同時にキリト一行が入って来た。

 

原「君達!」

 

リーファ「御免なさい、でもなんかみんなじっとしてられなくて…」

 

大石「構わん、寧ろそこにいろ。いいタイミングで来たな」

 

不適な笑みを浮かべて眼前の光景に目をやる。

 

原「ガントリーロック解除!」

 

船体を支えていたロックが徐々に解除されていきいよいよその時が来た。

 

大石「日本武尊、発進ッ‼︎」

 

富森「抜錨、日本武尊発進‼︎」

 

航海長が操縦桿を引くとメインスラスターが勢いよく炎を噴き上げる。

 

そして頑丈な装甲で分厚い氷をモノともせず容易にブチ破り日本武尊はその姿を地表へと現す。

 

キリト「すげぇ……」

 

アスナ「これが……!」

 

感嘆の声を上げるキリト達を他所に日本は氷片を落としながら全身する。

 

だが間も無くしてレーダーが敵を捕捉する。

 

「長官、本艦の右舷45度に敵艦を確認」

 

大石「数は?」

 

「4隻、艦種はヒアデス級護衛艦と思われます」

 

原「長官」

 

大石「分かってる。主砲一番・二番・三番・四番、全門射撃用意!」

 

富森「主砲一番から四番、発射準備!」

 

「主砲旋回。右舷45度、仰角2.5」

 

四基の主砲は旋回を終え照準を整えようとするが敵もタダでは撃たせてはくれない。流石に攻撃を加えてきた。

赤色の重核子アルファ砲の火線が横を掠めたり逸れたりとする。

 

大石「桐ヶ谷君、よく見ておけ。これが…我々の戦いだ」

 

キリト「…!」

 

「主砲全門、照準合致しました!いつでもいけます!」

 

丁度良く発射態勢ぎ整った。

 

富森「長官!いつでもどうぞ‼︎」

 

大石「一撃で沈めるぞ、主砲全門ってぇぇぇい‼︎」

 

「発射ぁ‼︎」

 

四基の51cm三連装ショックカノン砲から放たれた水色の陽電子衝撃波ビームは一直線に全弾が敵艦へと命中、4隻とも貫通し墜落と同時に大爆発を起こして沈んだ。

 

富森「全弾命中、敵護衛艦大破・轟沈した模様」

 

自分達の知る戦闘とはまるでかけ離れた戦いを目にしたキリト達は言葉を失っていた。

 

アリス「これが………大石殿達の……戦い……」

 

自分達整合騎士達が束になっても敵わない、そう本能的に感じたと同時に味方でよかったとアリスは思った。

 

大石「この程度で驚かれては困るよ、諸君。本当の戦いはこれからまだまだ続くぞ」

 

「「……」」

 

自分達は今途轍も無い旅に出ようとしてるということを、そう言われた彼らは改めて察し気を引き締めていくのだった。

 

 

 

 

 

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