蒼碧の艦隊 2139   作:暁司令官

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色々あったりして今年最初の投稿となりました。
今年も宜しくお願いします。


第5話 地球へ

 

西暦 2141年

 

地球 日本

首都 東京都 首相官邸

 

部屋の中、無言で向かい合う大高と高野。

二人は先の試験航海での出来事を考えていた。

 

高野「並行世界………パラレルワールドですか……」

 

最初に口を開いたのは高野であった。

 

高野「総理はどう思いますか?」

 

大高「……正直に言って……何とも言えません。しかし、並行世界の存在に関しては否定はしません」

 

高野「ほぉ、と言いますと?」

 

大高「総長は空想科学小説というのをご存知ですか?」

 

高野「はい、確かライトノベル…とかいうジャンルで我が国ではよく創作作品がありますな」

 

大高「その中に、この世界は一つではなく、無数にあるのだという考え方があります。多次元宇宙論の考え方ですがね」

 

高野「あの時、あそこでもしあぁしていたら……なんていうもしもの世界も含まれるのですな?」

 

大高「左様、この考えを使うなら、我々はちょうど読んだ本を読み返したり、一度観た映画を観直すようにこの世界を経験しているのだと思うのです」

 

高野「前世の記憶が残っておれば、これから起こることも似たような前例を記憶の中から探り出し、対策を練ることができる」

 

大高「我々には全てではないが、前世の記憶というのが残っております。普通は"忘却の海"とかいうものを越える時に一切の記憶がけされると言われておりますな、仏教のほうでは……」

 

高野「しかし何故か我々にはその消されるはずの記憶がある、私もそうでした」

 

高野は言葉を続けて、

 

高野「私はずっと昔そのことに気付き、自分以外にも転生した者がいることを知り、私は紺碧会を結成した」

 

大高「私もです。私も密かに同志に呼び掛け、青風会を結成しました…最も、全員がこの世界の記憶を有しているわけではない」

 

高野「真田君のように、違う世界からの者もいる訳ですから、最初は驚きました」

 

大高「彼がそうであったように、先の事件の人達もそういった別次元の宇宙から来たのですな。ところで、その方々は?」

 

高野「現在、富士基地にて我が艦隊とともにおります」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

静岡県 富士日本軍基地

 

日本国内に有る基地の中でも、呉海軍基地に並ぶ広大さを持つこの基地は現在常時臨戦態勢がとられ、隊員らは日々訓練や整備に明け暮れていた。

 

基地内のある格納庫

 

みほ「わぁ!」

 

沙織「すごーい!」

 

見渡す限り、見たことのないMSがハンガーに固定され、整備や稼働しようとしていた。

 

華「これ全部がそうなんですか…?」

 

前原「あぁ、我が軍の保有する主力機達だ」

 

優花里「ジム改に…ジムⅡジムⅢ……ジェガンに、ヘビーガンまで!」

 

みほ「まだ開発されてない機体ばっかり……」

 

みほ達の世界の常識では、アニメ本編に沿ってMSの開発は行われ最新でもジムⅢがようやく完成したばかりなのにも関わらず、この世界ではそれを平然と量産、さらに後継機すらも運用されているのだ。

 

みほ「本当に……異世界なんですね……」

 

前原「まだ信じられんか?」

 

みほ「あはは…はい、インパクトがありすぎて驚かされっぱなしです」

 

優花里「でも自分にとっては夢みたいな世界ですよ!皆さんが使ってる機体だって私たちの世界では開発されてないんですから!」

 

前原「MK–Ⅱや武者か?あれは、実際我々が開発したわけでじゃないんだが…」

 

沙織「えっ…?」

 

華「どういうことですか?」

 

前原「……それは長くなるから、またにしよう」

 

優花里「えー!そんなの気になりますぅ〜‼︎」

 

前原と4人はまたしばらく、機体見学を続けていると一台の軍用車とともに品川がやってきた。

 

前原「先任か、どうした?」

 

品川「司令官、今すぐ第六格納庫へお越しください。Sの最終調整が終わりました」

 

前原「あれがか!」

 

それを聞いて前原は目を見開いて言った。

 

品川「是非司令の目で見ていただきたいとの事で」

 

前原「分かった、すぐに行こう」

 

それを聞いていたみほ達の頭には"S"とは?と疑問符がつく。

考えながらも品川の案内のもと、一同は目的の格納庫へと向かう。

 

第六格納庫

 

格納庫の扉は開かれており、影になって見えなかった内部へ入るとハンガーに一機の大型MSが鎮座していた。

 

前原「おぉ……‼︎」

 

みほ「えっ……⁉︎」

 

優花里「こっ……これは……S(スペリオル)ガンダム !?」

 

そう、"S"とはスペリオルのSだったのだ。しかし何故この機体が?

この機体と前原には何の関係が?

 

沙織「そんなに凄いの?これ」

 

沙織の質問に優花里は興奮気味で答える。

 

優花里「凄いも何も……この機体はアナハイム・エレクトロニクス社がエゥーゴとの共同開発プロジェクト『Ζ計画』において、究極のガンダムを目指して開発した試作モビルスーツで準サイコミュ兵器「インコム」を搭載した第4世代MS相当の機体です……!」

 

沙織「究極のって何それ⁉︎」

 

華「でも…相当ってどういうことなんですか?」

 

優花里「第4世代機の定義の一つである「固定武装としてのジェネレーター直結型のメガ粒子砲の搭載」は、本機の場合、内蔵式ではなくオプション武装のビーム・スマートガンとして実装されています。このため、本機は厳密には第4世代の定義に満たないことになるんですが、機能スペック的にはその他の第4世代機と比較して遜色ないものを持っています!」

 

前原「なるほど、それが君らの世界での捉え方か」

 

品川「こいつは司令官が予備として保有する機体で、三菱などその他多くの企業の連携、協力のもとこいつは完成した日本出身です」

 

それを現すように肩にはエゥーゴの紋章ではなく海軍のものが描かれていた。

 

 

【挿絵表示】

 

 

みほ「日本製MS……」

 

前原「こいつには乗れるのか?」

 

品川「はい、いつでも」

 

前原「そうか……それじゃ…」

 

そのとき、基地内に異常事態を知らせる警報が鳴り響く。

 

沙織「なっ何⁉︎」

 

突然の事態に慌てる一同、そこへ前原の無線に大石からの連絡が入る。

 

前原「長官、何事ですか?」

 

大石『あぁどうやら、敵が直接降下を仕掛けてきたようだ』

 

前原「何ですと⁉︎」

 

天を見上げれば確かに隕石を思わせるものが空に見えた。

 

大石『今朝衛生軌道上に上がった無人艦隊と第二十三水雷戦隊が補足して輸送艦は撃破したようだが、降下部隊は降ろしてしまったようだ』

 

前原「この事は総理や総長には?」

 

大石『すでに高杉長官を通じて伝えられた』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

首相官邸

 

高野「……うむ……そうか……分かった」

 

電話を切ると高野は向き直る。

 

高野「総理、敵の降下部隊です」

 

大高「やはり来ましたか……数は?」

 

高野「降下用ポッドが凡そ十基、いずれもMS用です」

 

大高「やはり敵は首都の直接制圧を狙ってきましたか……高野さん、降下完了を許す前に迎撃することは可能でしょうか?」

 

高野はしばらく無言で考え言った。

 

高野「可能です」

 

再び電話を手にすると何処かへ連絡をする。

 

高野「私だ……そうだ、震電Ⅱ型を発進だ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

富士山麓 旧ウルトラ警備隊基地

 

「震電Ⅱ型を直ちに発進させろ!」

 

高野からの直接の連絡を受けた司令が隊員に命令を出し、パイロットは格納庫へ走り、オペレーターはそれぞれ配置に着く。

 

格納庫のゲートが開き、台座に乗せられた4機の震電Ⅱがアナウンス射出口へと移動する。

 

『Forth gate open、Forth gate open』

 

射出口へと続く最後のゲートが開き、台座が止まる。

そのままエレベーターで上に上がると同時に、山肌が割れて射出口へと変貌を遂げる。

 

一機がカタパルトに固定され、仰角が上がる。

 

「Standby ok!」

 

『All right Let's go!』

 

ロケットブースター点火と同時にカタパルトから射出された機体は彼方天空へと飛び立つ。

 

 

 

また、そう遠く離れてない別所……

 

 

 

 

旧TAC基地 

富士山麓の牧場

 

牧草地が割れて現れる滑走路が現れ、山の斜面が開いたかと思うと中から震電Ⅱ型が出てくる。

滑走路に設置されたカタパルトに機体を固定、熱防壁が上がりスロットルを上昇させ勢いとともに次々と発信する。

 

 

 

 

 

 

富士日本軍基地

 

格納庫のゲートが開いて出てきたのはリゼルC型・ディフェンサー装備であった。

 

まほ「リゼルなんかでどうするんですか?」

 

不思議そうに見ていたまほの問いかけに大石が答える。

 

大石「まぁ見てれば分かる」

 

飛行形態でディフェンサーを装備し、かなり重量があるように思われるが実際はマイクロハニカム技術を採用している為(全ての日本軍MSにも)機体重量は史実機の半分程度で済んでいる。

 

機体がそれぞれの位置に着くと地面と一体化していたカタパルトが上昇し仰角が45度の地点で止まる。

 

『ロケットブースター点火3秒後に射出する』

 

『警報!』

 

警報が鳴り響いて数秒後、ブースターが点火、その3秒後に全機が飛び立つ。

 

川崎「果たして、うまくやってくれるだろうか……」

 

高杉「信じるしかあるまい」

 

坂本「震電Ⅱ型も付いているそうですから、彼らを信じましょう」

 

発進を見届けていた高杉達の期待を背負い、迎撃隊はそれぞれ天高く飛翔する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

迎撃隊はそれぞれ、レーダー・センサー、目視で周囲を探索し遂にHLV16基を確認する。

震電の隊長機が機翼を振って合図、轟音を響かせながら編隊は機首をHLVへ向ける。

だが次の瞬間、HLVのハッチが開いたかと思えば敵MSが現れたではないか。

胸部に何やらブースターのようなものをつけてる、おそらくバリュートだろう…そう読んだ隊長機は降りられる前に叩かんとさらにスピードを上げる接近する。

 

敵はようやく気付いたのかMMP-80マシンガンを撃ってくる。

敵機は改良型のF2型だ。

曳光弾、滝の如しだ。しかし怯むわけにはいかない、操縦桿の発射スイッチを押す。

発射されたミサイルの内1発は敵機へ、もう1発は内部へと入り込み炸裂、HLVは空中爆発を起こし四散する。

 

他のHLVも味方機やリゼルがミサイルやメガ・ビーム・ランチャーを駆使して次々に堕とす、中には降下を開始する者もいたがMS形態で迎撃される。

 

それからしばらくして、本土降下を狙ったHLVはリゼル4機、震電Ⅱ型8機によって見事迎撃されるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

真・紺碧の艦隊 第5話 地球へ 〜終〜




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