斉藤「レックス…恐竜か…?」
レックスと名乗って男は辺りを見渡して斉藤に問いかける。
レックス「ここは何処なんだ…?」
斉藤「何処って…第十一番惑星だけど…?」
レックス「11…?聞いた事ないな…今はいつだ?」
永倉「現在は2142年です」
その一言を聞いたレックスは疑問を抱いた。
レックス「年…?BBYじゃなくて…?」
永倉「BBY…?何の事を言ってるの…?」
レックス「銀河共和国のサイクルのことだ、アンタら共和国の人間じゃないのか…?」
"銀河共和国"その単語を聞いて一同の頭には疑問符が浮かぶ何せそんな国家は聞いたことがないのだ。
斉藤「あー…いやそもそもの銀河共和国なんて聞いたこともないぜ」
レックス「な…なんだって…⁉︎いや……待てそもそもなんで俺は生きてるんだ……?」
「「はぁ?」」
それからしばらく、レックスからの話を聞いたり周辺の機器を調査した結果、この遺跡が出来たのが遥か推定でも十数万年前という事が分かりレックスの言う"銀河共和国"もおそらくその時代に存在した国家だと推測された。
また彼に現在の時代や歴史等についても説明をして理解を求めた。
レックス「なんてことだ……それじゃあ共和国はもう無いのか……」
永倉「その……ショックなのは分かりますけど…」
レックス「……いやいいんだ。元々俺は一度死んだ身です。それにここにいる兄弟達も…」
そう言うと彼は同じように目覚めたクローントルーパーらを見渡した。
斉藤「その、死んだってのはどういうことなんだ…?」
斉藤に聞かれたレックスが答える。
レックス「あぁ、俺たちは戦ったら寿命やなんたりってので一度は死んだ筈なんだそれなのに…何故か若い頃の姿でこうして生きている」
斉藤が感嘆の声を漏らしたとき。
「それについては説明がつきますよ、キャプテン」
声の方に顔を向けるとレックスと似た装甲服を身につけ、眼鏡をかけて片手にデバイスのようなものを操作しているトルーパーがいた。
レックス「テク…!」
テク「お久しぶりです、キャプテン」
テクと呼ばれたクローンは単調な挨拶を交わすがレックスからすればどうということはないようだ。
レックス「お前がいるということは…」
「キャプテン‼︎」
そこへやってきたのは斉藤より一回り大きな巨漢の男と三人連れ立っていた。
レックス「お前たちもか…!レッカー・クロスヘアー・エコー、それにハンター」
レッカー「あぁ!やっぱりあんただっははは!」
クロスヘアー「…どうも」
エコー「また会いましたね」
ハンター「元気そうで、キャプテン」
言葉を交わすと2人は腕を組んで再会を喜ぶ。
レックス「あぁ…お前達もいたのか」
クロスヘアー「えぇ気付けばここに」
レッカー「いきなり氷漬けにされてたからびっくりしたぜ‼︎」
ハンター「聞きましたよ、どうも遥か未来にいるようで…?」
レックス「…そうだ、テクさっき言ってたあれはどういうことなんだ?」
テク「はい。キャプテン、貴方は我々の脳内に埋め込まれていた行動抑制チップを覚えてますか?」
レックス「あぁそれがどうした?」
ハンター「実はテクが言うにはもう一つ隠されたプログラムが仕込まれていたと」
レックス「なんだって…⁉︎」
テク「それによると、どうもカミーノ人が仕組んだようです。プログラムには肉体の死後、そのクローンの記憶と意識をチップを介して今ある我々の肉体に転送するようにプログラムされていたようです」
レックス「理由は分かった。だが何故そんな事を?」
「共和国の再建だ」
そこへさらなる同志が現れた。
レックス「コーディ…ウォルフ…」
コーディ「カミーノ人の中にもどうやら議長の思惑に気づいた奴が居たようだ」
ウォルフ「だが、ファイヴスのような口封じを恐れて上に伝えられなかった」
レックス「そうか…そして再び共和国を再建させるときの為に俺たちのさらなる複製体を作ってたわけか…」
コーディ「そうだ。だが遂に誰もここを見つけられず時が経ったわけだ」
レックス「そして……彼らと」
レックスは視線を斉藤らに向けながら言った。
それから間も無くして日本からの直接通信で、レックスらに会いたいと大高自らが調査隊に連絡が行きそれに応じたレックスが地球へと向かった。
地球
日本国 首都 東京都
レックス「ここが地球か……まるでナブーみたいだ」
ヘルメットの中からでも分かるが初めて来る惑星にかつての主人の愛人の故郷を重ねる。
そのまま彼は、首相官邸へと向かう。
首相官邸
応接室に入ると、待ち構えていた大高が出迎える。
失礼のないようレックスもヘルメットを取り外し脇に抱える。
大高「どうもはじめまして。首相の大高弥三郎です」
レックス「元銀河共和国所属のキャプテン・レックスです。こちらこそ首相閣下」
挨拶と握手を交わす両者。
大高「お話はある程度伺っております。どうぞ」
大高に促されて席に着くレックス。
大高「話は伺っておりますが、貴官はクローンだと?」
レックス「はい、そうです」
大高「驚きました。まさか太古の宇宙でそのような技術が確立されていたとは」
レックス「自分達は戦う為に生まれてきたようなものです。ですが、今ではその忠誠を誓う主人や国家はありません……」
大高「……キャプテン、そこで私からの頼みなのですが…」
レックス「なんでしょう…?」
大高「…どうか、我々にお力を貸して頂けないでしょうか?」
レックス「……」
レックスに特に驚く様子はない。
大高「無理にとは言いません、貴方方とて人間です。人権を尊重しなければなりません」
レックス「…構いませんよ閣下」
大高「宜しいのですか…⁉︎」
レックス「閣下、自分達は兵士です。例え時代や国家が違っても我々が戦う目的はただ一つ……"平和の為"です」
レックスは立ち上がり胸に手を当ててそう言い放つ。
大高「…分かりました。ですが私と一つだけ約束をお願いします」
レックス「なんでしょう…?」
大高「必ず生きて帰ってくる事……それだけです」
レックス「……イエッサー…‼︎」
レックスは大高に向かって敬礼をする。
後日、十一番惑星より地球へとやってきたクローントルーパーは惑星に残されていた装備と共に再編された日本軍の一員となった。