「目標地点に着いた」
セーフハウスの前には、エージェント杉林の要請によって急行した機動部隊い-3"村端の老人"と救護班が居た。
「準備出来ました」
「突入するぞ」
付近の警戒をしていた隊員の1人が何かを発見する。
「おい、上だ!なんだありゃあ」
隊員たちの頭上には、3つの円盤が浮遊していた。
「アレは」
「UFOか?」
「何かアーム伸ばしてきたぞ!気を付けろ!」
機動部隊の隊員の1人が叫んだ瞬間。無数のアームがこちらに迫ってきた。
「よく見たら人が刺さってるぞ!」
少し遠くの円盤には、伸ばしたアームに人が刺さっていた。
「クソッ、撃て!応射だ!」
「駄目です。ライフルじゃ効き目がないです」
そうこうしているうちに、四人の隊員が刺された。
「うわぁ」
「ぎゃあぁぁ」
「畜生、セーフハウスの中に入れ!」
隊長の言葉と共に、刺されなかった隊員たちはセーフハウスに避難していく。
「エージェントいました」
「分かった。救護班、処置をお願いする」
救護班は、エージェント杉林の近くに座る。
「これが見えますか?」
隊員が声をかけるが、仰向けに倒れているエージェント杉林は応じない。瞳孔を見ると。光に反応はしている様だ。
「生きてはいますが、気絶しているようです」
「それは良かった。しっかし奴ら、わらわらと出できやがる」
機動部隊隊長が窓の隙間から外の様子を伺う。外では円盤の襲撃から逃げまどう人達が次々とアームの犠牲となっていた。
「こちら"村端の老人"、1名が重症、2名が軽傷、4名が突然発生した円盤にさらわれた。至急応援を頼む」
「こちら司令部、機動部隊い-7"自警団"の地上部隊がそちらに向かってる。それまで耐えてくれ」
「こちら"村端の老人"了解した」
隊長は、発見した気絶状態のエージェント杉林に目をやる。
「隊長さん。彼は如何せん火傷が酷い、早く設備の整った施設で治療しなければ危ないぞ」
救護班長の言葉に、機動部隊隊長が唸る。
「しかし、外は円盤が人を刺さんと睨んでいる。装備もなっていないで外に出るのは自殺行為だ」
せめて装甲車があれば、そう思ったが無い物ねだりしてもしょうがない。
「取り敢えず円盤に見つかりにくい裏路地からサイトを目指す」
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「3時の方向!向かって来ます!」
「撃てっ、撃ちまくれ!」
人里近くまで到達した機動部隊い-7"自警団"の地上部隊は、相次ぐ円盤の襲撃の対応に追われていた。地上部隊は装甲車両で構成されていて円盤のアームには強いが、横転させられる危険もあった。
「隊長!あそこ!」
「なんだ!」
銃弾アームが飛び交う中、装甲車から頭を出した部隊長は、人里の上に浮かぶ、如何にも円盤の本拠地らしき空飛ぶ船を見た。
「こちら"自警団"地上部隊。円盤の母船を発見した。対象は人里のど真ん中で優雅に飛んでやがる」
「こちら司令部、レーダーにより確認済みだ。もう航空部隊を出している」
「了解」
通信後、円盤の襲撃が起こった。無数の円盤が地上部隊を襲う。
「宇宙戦争でもおっぱじめたいのか?アイツらは」
「いいから黙って迎撃しろ」
「6時の方向!敵機です!」
対空車両が、向かってくる円盤に向かって射撃を行うが、なかなか落ちない。
「ミサイルだ!対空ミサイルを使え!」
対空ミサイルが搭載された車両がミサイルを発射すると、円盤に直撃し大きな爆発が起こった。
「ふぅ、危なかったな」
「一息つくには、まだ早いと思うぞ」
隊員が上を見ると、さっきより数が増えた円盤が、この地上部隊を狙わんとしていた。
「不味いな」
円盤が一斉に地上部隊に向かって突撃してきた。地上部隊は応射するが、一行に数は減らない。
「クソッタレがぁ、早く爆散しやがれぇ」
「こちら"自警団"地上部隊、予想より酷い攻撃を受けうわっ」
先頭車両がアームにひっくり返され、後続車両がそれに衝突した。
「どうした"自警団"」
「今さっき先頭車両を含めた2両が無力化された。よって移動が困難だ。航空支援を求む」
「こちら司令部、航空支援は全て円盤の迎撃に回っていて、そちらには回せない」
「何だと」
「繰り返す。全ての機体は出払っていてそっちにはまわせない」
「クソッ」
通信後、車両が揺れた。
「うおっ」
「アームが」
車列の周りには円盤が無数に低空飛行していて、その中の幾つかの円盤はミサイルや銃弾を回避し、車両にアームを伸ばして横転させようとしている。
「奴ら、我々を取り出そうとしてるな」
アームが防弾ガラスを突き刺さす。カリカリと音がする。
「ミサイル残弾残り少ないです」
「銃弾も足りません」
他の車両から通信が入る。防弾ガラスが割れそうになる。
「ここまでか……」
隊長が呟いた瞬間、外に明るくなった。
「何だ」
「光?」
隊長含め隊員が外を見ると、その光の正体、黄色いビームが円盤を蹴散らしていた。
「アレを見てみろ」
隊員の1人が、如何にも魔法を使いそうな、箒に立って飛んでいる人物を指して言った。