こいドキ ~財団の選択~   作:相武博士

12 / 14




報告と空戦

「機動部隊を1つ失ったのは大きな痛手だった……」

 

執務室で頭を抱えるのは、特別除外サイト-81██の夢月サイト管理官だ。先の地霊殿調査で、正体不明の敵に機動部隊が全滅させられた事を嘆いている。

 

「管理官。機動部隊い-7"自警団"の航空部隊が対象空域に到達、円盤と交戦を開始しました。また、円盤を放出した物体は、命蓮寺と呼ばれる勢力の聖輦船という船と判明しました」

 

電話越しに司令部の職員が報告してきた。

 

「分かった。速やかに聖輦船とやらを撃墜し、人里の住人の保護をしてくれ。」

「あ、ちょっと待ってください……地上部隊が現地の人物と接触しました」

「何者だ?」

「報告によると、霧雨魔理沙、アリス・マーガトロイドという2人組だそうです。どうしますか?」

 

夢月管理官は少し考える。

 

「……その2人組は何故地上部隊と接触した?」

「地上部隊が円盤の猛攻にギリギリ耐えている所をその2人が援軍に入ったようです。報告の限り聖輦船を止めに行くと」

「……」

 

夢月管理官は眉間にしわを寄せた後、職員にこう言った。

 

「人里に機動部隊を送ったのは住人の保護のためだ。妖怪などは簡単に死にはしないからいいが、人里の人間は全滅してしまう」

 

1呼吸を置き、最後に言った。

 

「Eクラス職員として雇い、機動部隊と共に行動させろ。人里をこれ以上奴らに好き勝手させるな」

 

 

 

 

 

 

「こちらエアフォースワン、対象空域に入った。武装使用の許可を求む」

「こちら司令部、許可はおりている。存分にやってくれ」

 

戦闘機の編隊が人里の上空に入り、聖輦船に向かっている。眼下では、地上部隊の車列が見える。

 

「レーダー反応。射程距離に入った、攻撃に入る。FOX3」

「「「「「FOX3」」」」」

 

彼らは空対艦ミサイルを発射した。ミサイルの航跡が煙となって現れ、グングン聖輦船に近づくのが分かる。

 

「よし、よし、当たってくれ。あぁ」

 

あと少しで当たりそうになるも、円盤がミサイルに体当たりし、母船への攻撃を防いだ。

 

「もう1回だ。FOX3」

「「「「「FOX3」」」」」

 

再度発射するが、やはり円盤に阻まれ命中しなかった。

 

「こちらエアフォースワン。空対艦ミサイルを使用したが、円盤に阻まれ有効打にはならなかった。もう少し接近する」

「司令部了解」

 

編隊が近づこうとそのまま聖輦船に向かって進むと、母船を守ろうと無数の円盤が接近して来た。

 

「レーダー反応。2時の方向、敵機です」

「9時の方向、こちらも敵機です」

「散開だ。敵はトロい、機動力で相手を翻弄しろ」

 

円盤は彼らの操縦する戦闘機より幾分か遅く、後ろにつかれても十分引き離せた。だが、敵も甘くはなかった。最初の数分は空対空ミサイルや機関砲で円盤を破壊できていたが、次第に相手が戦闘機の行く方向を先読みして体当たりしてきたり、円盤が縦横に並び壁のようになって戦闘機の邪魔をしたりと苦戦するようなった。

 

「奴ら、学んでやがる」

「簡単にはやらせてくれないみたいだな」

 

そして、ついに1台の戦闘機が被弾してしまう。

 

「こちらエアフォーススリー、左翼とエンジンに被弾した。墜落する。ベイルアウト」

 

地面に激突し、爆発炎上する機体を横目に、パイロットは緊急脱出した。が、1台の円盤がパイロットの近くまできて、アームで串刺しにしてしまった。

 

「畜生、こちらエアフォースワン、1人が被弾し緊急脱出したが円盤に串刺しにされた。」

「剣崎、仇はとってやる」

 

1台の戦闘機がさっきパイロットを串刺した円盤に、空対空ミサイルを放つ

 

「爆散しな、クソUFO」

 

円盤は回避しきれず、ミサイルが命中し、爆散する。

 

「よし、このまま母船を破壊するぞ」

 

円盤を聖輦船の近くから引き離しため、手薄になっている今。全ての機体が聖輦船を捉え、ミサイルを放とうとした。

 

「こちらエアフォースシックス。右翼に被弾、操縦が効きません」

「何だと!」

 

突如シックスの機体の右翼に穴が空き、回転しながら墜落していく。

 

「エアフォースツー。こっちはエンジンをやられた。何なんだ一体」

「こちらエアフォースファイブ。レーダーに微細な反応。何かがき」

 

ファイブからの通信が途絶した。

 

「レーダーに反応?」

 

円盤はまだこちらに着いていないし、聖輦船から何か発射された様子もない。そう考えていたら、前にでかい人型の雲がいた。

 

「は?」

 

その手にはファイブの機体があり、操縦席は潰れていた。

 

「新手か」

 

残った2機は、それに空対空ミサイルを発射し、回避した。発射されたミサイルは雲を通るようにそれをを貫通した。

 

「やはり効果は無いか。こちらエアフォースワン。さっき3機やられて、残り2機となった。新手も来た。離脱許可を」

「こちら司令部。離脱を許可する」

 

2機は離脱のため、基地がある方へ方向転換した。向かってくる円盤は回避した。だがレーダーに後ろから追ってくる小さい反応があった。

 

「なんだ?」

 

これがファイブの言ってた反応か、と思っていると、直ぐに真後ろに追いつかれていた。

 

「何!フォー、俺の後ろになんか居るか?居たら攻撃しろ」

「居ます。人型実態でしょうか。しかし攻撃となると相打ちの危険が」

「いいから、やってくれ」

 

ツーの機体がワンの機体の後ろに着くと、ワンの機体の上に乗っている人型実態がトライデントのようなもので機体を破壊しようとしていた。すかさず機関砲を撃つと、その実体は避けて、後方へ逃げてしまった。

 

「よし、このまま対象空域を離れるぞ」

「了解」

 

すると、司令部から通信が来た。

 

「こちら司令部、君たちをレーダーで捉えた。あと、君たちのおかげで人里を攻撃する円盤の数が減り、地上部隊の活動が容易になった。それで撃墜された4人の内2人は生きて救出された。また、あの船は現地の奇跡論使用者が何とかするみたいだ」

 

2つの機体は真っ赤な夕陽を受けて飛んでいた。

 

 




ベイルアウト…緊急脱出すること。

FOX3…アクティブレーダー誘導ミサイルの発射を意味する。これはミサイルに搭載されたレーダーで標的を捉えるので、一度ロックオンされると逃れることが難しいミサイル。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。