【異変の少し前】
私の名前は中田勝敏、警視庁の警察官である。が、公安部特事課という特殊な所に所属しているため、国内の特別な地域、この幻想郷で治安維持をしている。(というも名目で監視しているだけなのだが)まぁ、自然豊かで、住人も良い人が多くて、いい所だと思うが。
「何だか紅魔館方面が騒がしいなぁ」
ある用事で湖近くまで来ていた私は、紅魔館の方から聞こえる音(こころなしか爆発音も聞こえたような気がする)に気が付いた。
「誰かが紅魔館でトラブル起こしてんのか?」
正直ここに来てから数年が経ったが、前任のように異変とか言うやつに巻き込まれることも無く。まぁ、人外の奴らもいるが(と言うかほぼ人外)何とかやっている。
「しっかし紅魔館か……」
前に行ってみたらメイドに時門前払いされたからな。門番が寝てたからそのメイドに怒られてたけど。だけど、主人の名前だけは教えてくれたから良かった。
「兎に角行ってみるか」
市民の味方の警察官だからな。行ってみないと始末書も書けないし。
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「ん?」
紅魔館に行ってみると、やはりトラブルが起きていたようだ。紅魔館の門近くにいる人物が2人おり、紅魔館の中庭では2人の人物が睨み合っていた。そして、片方が奇跡論を使い、本を広げてバリアのようにし、片方は右手と一体型になっている筒から何かエネルギー弾を飛ばそうとしている。デカイなこれ。
「あ、ヤバい」
そう思った瞬間、閃光と爆風が目の前を包んだ。自分の身体が少し浮いたことが分かった。ふわったとした感覚と共に、全身が地面に叩きつけられる。
「イタタタ」
そのまま倒されて少しの間意識が飛んだが、事の成り行きを見るために起きた。すると、そこにはでっかい鬼がいた。(ツノがあるから咄嗟に鬼だと思ったが、それは合っていたようだ)先に争っていた2人を仲裁している。
「あれは博麗の巫女か?」
紅魔館へ入っていく人物は、よく人里で耳にする博麗の巫女、博麗霊夢だった。この幻想郷で起きる数々の異変を解決してきたという。
「門前にいた2人がいないな……」
ここで門の前にいた2人が消えていることに気づいたので、慌てて追いかけた。
「こっちか?どこ行った?」
2人が行ったであろう道を自転車で駆け抜ける。そして、私は1人立っている奴を見つけた。
「人か?もうちょい近づいてみるか」
門の前にいた1人、さっきのピンク髪だ。何を見てるんだ?
「そこで何してるんです?」
そう聞くと、ビクッと驚いた様に相手が動き、こう言った。
「いえ……別に何も、地底に帰ろうとしていただけです」
地底……か、そういや此処には下に地獄も有るんだったな。書類で見た事がある。とすると、彼女は人間じゃないな。
「君さっき紅魔館に居たでしょ。名前は?あそこで何があったのか説明してくれる?」
そう聞くと、自身の説明をし始めた。
「私は悟り妖怪の、古明地さとりです。紅魔館へは私の妹が迷惑をかけたので謝りに行ってました」
おいおい、謝りに行っただけであんな爆発起きるわけないでしょ。と思ったが、此処では一般常識は通用しないし、突っ込んでも意味は無い。しかし、これだけは言いたかった。
「君、何かそこで余計な事言ったでしょ」
そう言うと、数秒開いてから。
「……はい」
と古明地さとりが言った。やっぱりな。
「じゃあ、もう1人居たでしょ。彼女はどこへ?」
と、私はもう1つの疑問を言おうとしたが、
「あぁ、お燐は先に帰りました」
と、心を読まれた様に、先に言われてしまった。
「ご協力ありがとうごさいました」
そう言って、駐在所に帰ろうして、あ、ケンカになった詳しい経緯について聞いてないや。
「すみません。あと一つだけ聞きた……いない」
振り返ったが遅し、古明地さとりの姿は無かった。
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「なんじゃこりゃあぁぁぁぁぁ」
人里に帰ってみたら、上にでかい船があり、UFOが人をかっさらっていっている。
「うわわわ」
こっちにも来たので、慌てて避ける。兎に角、まずは駐在所に帰って本部に応援を要請しなくては。そのため、自転車に乗っていく。
「はぁはぁ、誰だ!」
息切れしながら駐在所に行ったら、見知らぬ武装集団が居た。話を聞いてみると、財団の機動部隊みたいだ。
「私が隊長の林です。サイトに戻る為、少しここで休憩させて貰ってました。すみません」
「いや、こんな状況だから仕方ないよ。あんなUFOがワラワラ飛んでたら、普通に帰れないからね」
そんな話をした後、機動部隊は出ていった。ひとまずは本部に連絡を……
「うわっ、次は何だ?」
ドンガラガッシャーンと、何件か家が倒壊したような音がした。外に出てみると、住人たちが集まっている。
「けーねせんせい死なないで」
子供が泣いている。理由を聞いてみると上白沢慧音は、おかしくなった藤原妹紅を止めようとして、重症を負ってしまったらしい。また、藤原妹紅は瓦礫の上で倒れていると、教えてくれた。
「暴行罪及び殺人未遂で逮捕する」
気を失っているのか、死んでいるのか分からない藤原妹紅に手錠を掛ける。そして、駐在所の奥までかついで、寝かせる。
「ふぅ」
ふと、空を見上げる。
「空が、赤いな」
もう夕暮れ時か、空は怪しく紅く染まっていた。