終末のアルテル   作:スグリ@あれこれ書いたりする人

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ユズ、オペレーターになる


 この世紀末な異世界にやって来てから、数日経ったある日の朝。

 

「あのさ、アルテル?」

「ん……?」

「いつまで私、こうしていればいいのかな」

 

 私は今、ベッドの上から動けなくなっています。

 

「ユズのおしり。もちもち、やわらかくて、あたたかいです」

「あぁ、うん。そうだね。でもお尻を枕にされたら動けないからね?」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 いきなりうつ伏せになってくださいって言われたから言うとおりにしたら、何故かお尻を枕にされた。

 

 アルテルはそれからずっと私のお尻を枕にしたまま、すりすり頬ずりしたり太ももを揉んだりして。私の身体のぷにぷに触感をお楽しみだ。

 

「動かなくて、いいです。私の、ぷにぷにです」

 

 まあご機嫌なのはいいけどさ。一応宿の部屋着は着てるから直じゃないけど、それでもお尻は恥ずかしい。

 

「でもね、アルテル。アルテルも何かすることないの?」

 

 あ、離れてくれた。やっぱお仕事とかあったのかな。そう思った矢先……。

 

「いたぁっ!?」

 

 突然お尻にアルテルの平手が振り下ろされ、バチン! と大きな音が鳴った。

 

「行きましょう」

「なんでお尻叩いたの!?」

 

 なんで!? アルテル、なんでお尻叩いたの!? しかもめちゃくちゃ痛いし、多分ちょっと赤くなってると思う。お尻出したら綺麗なもみじがあったりしそう。

 

 アルテルの顔を見ると、満足そうににやついている。怒らせたわけじゃないみたいでよかった。なんで叩かれたのかはわからないけど。

 

「ユズ。ギルド、行きます」

「ギルド!?」

 

 ギルド。そう聞いて私は思わず飛び起きた。

 

 だってギルドだよ。まさに異世界って感じ! ここから冒険が始まるのかなぁ、なんて期待しながら私は飛び起きて部屋着からアルテルに買ってもらった服に着替える。

 

 そしてアルテルも着替え終わると、私たちは早速宿のお部屋に鍵をかけてギルドへと向かった。

 

 

 

 

 

「ここが、ハンターギルドです」

「異世界って感じ……!」

 

 アルテルの後について、やってきたのは如何にも酒場って感じの建物。いいね、雰囲気ある!

 

 慣れた様子で入っていくアルテルを追って、私も早速ギルドの中へと突入する。

 

「ようアルテル。どうした、仕事か?」

「野暮用、です」

 

 おお、流石アルテル。慣れてる感じ。周りを見渡すと見るからに荒くれ者って人ばかりなのに、物怖じする様子が全くない。私はちょっと怖いかも。

 

「ていうか誰だよその女」

「私の、です」

「おいお前、アルテルの女なのか!?」

「えっと……はい?」

 

 なんか私に飛び火した!

 

 アルテルの女って、なんかこう引っかかる気がするけど他に説明のしようがないし、ここは頷くことに。

 

「なあ、アルテルとはどうやって知り合ったんだ?」

「危ないところを、助けてもらって……」

「気をつけろよ。あいつはああ見えてかなりの女好きのスケベだ。変な事されないように気をつけな」

「あはは……気をつけます」

 

 ありがとう、モヒカンのお兄さん。手遅れです。

 

 おっぱいは揉むしお尻を枕にしながら太もも揉むし、そうなんじゃないかって思ってたけどやっぱりアルテルは他の人も認めるおスケベさんらしい。ヒャッハーな人にまで言われるのはお姉さんどうかと思います。

 

 でも可愛いから許しちゃう。

 

「とにかくアルテルに女ができた祝いだ。飲むぞお前ら!」

「おい、酒持ってこい酒!」

「なんだかすごいことに……!」

 

 ハンターギルドだから、ハンターなのかな? ハンターの人たちが、アルテルに彼女ができたと思って盛り上がってしまった。お酒を飲みたいだけにも見えるけど。

 

 筋肉ムキムキで見た目は怖い人たちばかりだけど、みんないい人そうで安心かな。

 

「お前、名前は?」

「ユズです!」

 

 びっくりした。急に名前聞かれたから変な声出ちゃった。

 

 すると、名前を聞いてきたおじさんがお酒の入ったジョッキを差し出してきた。

 

「ユズか。お前も飲むか?」

「い、いえ! 未成年なので!」

 

 それはだめだ。私はまだ未成年。お酒は飲んじゃだめなのです。この人たちには申し訳ないけど、お酒はちょっとお断り。

 

「なんだ、ガキが酒飲んじゃまずいのか?」

「そういえば戦争前はそんなルールがあったらしいな」

「そんな事知ってんのかユズ。随分賢いじゃねえか」

 

 賢いなんて初めて言われたかもしれない。

 

 それはそうと、この世界には子供がお酒を飲んじゃダメってルールはないらしい。だったら、アルテルはお酒を飲んだりするのかな?

 

「アルテルは飲まないの?」

「美味しくないので、飲みません」

 

 あら、可愛い。やっぱりアルテルもこういうところはお子様なんだね。

 

「ちげえねえ。ここの酒は不味いからな!」

「飲めるだけありがたく思え!」

「工業アルコール溶かして飲んでくたばるバカもいる事だしな。飲めて酔えて死なない、酒はこれで充分よ!」

 

 と思いきや本当にまずいらしい。だったら飲まなきゃいいのにと思うけど、それでも飲んじゃうのがお酒なんだなぁ。アルコールって怖い。

 

「それで、用件です」

「そうだったな。なんの用だ、アルテル」

 

 あ、アルテルが受付に行った。用事を済ませてくるみたい。

 

「TOSを、買いたいです。私の機体に、使える物を」

「TOSをか。オペレーターでも雇うのか?」

「ユズに、してもらいます」

「わかった。待っていろ」

 

 なんか私の名前が出てきたような。てぃーおーえすってなんだろう。

 

 こっそり見ていると、受付の人がめちゃくちゃ分厚い箱みたいなノートパソコンって感じの機械を持ってきた。

 

「EUのライセンス生産品だ。スペックはアメリカの純製には劣るが、エイブラムスⅢとの互換性もある」

「ステルスドローンとセットで、足りますか」

 

 札束!? アルテルが札束を出した!

 

 受付の人は札束をパラパラと数えると、何枚か抜き取ってから残りを金庫の中に仕舞った。

 

「いいだろう。釣りだ」

「ドローンは、ガレージに送っておいてください」

 

 抜き取ったお釣りと箱みたいなノートパソコンを受け取ると、アルテルはこっちに向かってくる。

 

 めちゃくちゃ高い買い物してたよアルテル。てぃーおーえすが何かは知らないけど、めちゃくちゃ高いの買ってたよ!?

 

「お待たせしました、ユズ」

「何買ったの?」

 

 札束で一体何を買ったのか。きっとすごい物なんだろうなぁと思っていると、なんとアルテルはそれを私に手渡してきた。

 

「これ、プレゼントです」

「えっ!?」

 

 アルテルさん、これ……。札束で買ってたこれ、私のなんですか……?

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