まほ「アンツィオ高校、西住まほ。短期転校手続きは済ませてきた」   作:ゼブラーの野郎

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アンツィオ高校生活 uno

 ―黒森峰女学園食堂―

 

 

まほ「思うのだが」

 

エリカ「いえ、けっこうです」モグモグ

 

まほ「まだ何も言っていないだろう。聞いてくれ」

 

エリカ「隊長、最近ご自分が周囲からどう見られているかご存じですか?」

 

まほ「西住流後継者、黒森峰の鬼隊長、泥まみれの虎、みほのお姉ちゃん」

 

エリカ「ポンコツまぽりんとあざ笑われているのですよ。威厳のある格好いい隊長のイメージが崩れているのです。二次創作界隈じゃまるっきりネタキャラ扱いが大半なんですよ」

 

まほ「ふふん」

 

エリカ「なんで得意げなんですか!もっとシャンとしてください!」

 

まほ「・・・」シュン

 

エリカ「そんな風に言われている隊長のことですから、またすっとんきょうなことを言いだしてポンコツっぷりを発揮するのは目に見えています。ですからヘタなことはせずに戦車道に勤しんでください」モグモグ

 

まほ「・・・」ショボーン

 

エリカ「・・・」モグモグ

 

まほ「・・・」ショボボーン

 

エリカ「・・・・・・わかりました。なんですか?」

 

まほ「!」パア

 

エリカ(なにもしなくても隊長のカッコイイイメージ崩れるんだものなあ・・・)

 

まほ「我々はもっと見聞を広めるべきだと思うのだ」

 

エリカ「はあ」

 

まほ「特に私は幼いころからやれ西住流だ、やれ後継者だと、西住流以外のものは眼中に置かず、がむしゃらに西住の戦車道を走ってきた」

 

エリカ「へえ」

 

まほ「そこが私の弱点なのではないかという結論に至ったのだ。みほが大洗に行って大きく成長したように、私も外の世界を学べばより強くなれると思う」

 

エリカ「なるほど」

 

 

まほ「というわけで転校しようと思う」

 

 

エリカ「!!?!!?!!?」ガターン

 

まほ「エリカ、食堂で騒ぐな」

 

エリカ「いやです!行かないでください!副隊長に続いて隊長まで黒森峰から去ってしまったら・・・わ、私は・・・私はっ!」

 

まほ「落ちつけ。転校と言っても短期転校だ。留学のようなもので、すぐに戻ってくる」

 

エリカ「っ・・・ほ、本当ですか?」

 

まほ「まほ嘘つかない」

 

エリカ「・・・コホン、なるほど。それはいい考えかもしれませんね」

 

まほ「それで、どこへ転校しようか考えているんだが、何かオススメの学校はないか?」

 

エリカ「そんな飯屋みたいに聞かれても・・・大洗はダメなのですか?」

 

まほ「気が引けるだろう。みほにも迷惑かもしれない」

 

エリカ(あの子なら飛び跳ねて喜びそうだけど)

 

まほ「有力な学校をリストアップした。この中からどこに行こうか選ぼうと思う」ズラ

 

エリカ「失礼ですが、やめておいたほうがいい学校が二つほどあるので除外してよろしいでしょうか?」

 

まほ「ム・・・そうか。ペンで消してくれ」

 

エリカ「まず知波単」キュ

 

まほ「迷いのない筆さばきだな」

 

エリカ「当然です。帰ってきたら突撃脳になっていたーなど冗談になりませんから」

 

まほ「もう一つは?」

 

エリカ「サンダースです」キュ

 

まほ「なぜだ?強豪校だぞ。大いに学ぶものがあると思うが」

 

エリカ「ここは共学です。男子生徒もいるんですよ」

 

まほ「?・・・それが?」

 

エリカ「男と同じ屋根の下に隊長を置くなんてとんでもない!隊長ほどの美人さんならモテモテすぎて大変なことになります!」

 

まほ「照れる」

 

エリカ「隊長は戦車道以外では少しトボけてるところがあるから気をつけないとダメです!男なんて皆パンジャンドラムです!突っ込むことしか考えてないんですよ!」

 

まほ「?」

 

エリカ「とにかく、選ぶなら知波単とサンダース以外のところにしてください」フンス

 

まほ「よくわからんがわかった。それじゃあこの中から選ぶぞ」

 

まほ「どーれーにーしーよーおーかーなー、オットー・カーリーウースーどーろーまーみーれー」スッスッスッノッス

 

 ピタッ

 

まほ「よし、ここに決めたぞ」

 

 

 ・

 ・

 ・

 

 

 ―アンツィオ高校―

 

まほ「来た」

 

 

アンチョビ「ようこそアンツィオへ!我々は君を歓迎するぞ!」

 

 \ワー!ワー!/ \ヨウコソー!/ \ヒューヒュー!/

 

まほ「出迎えは感謝するが、すごい歓迎だな」

 

アンチョビ「当然だ!なんせ黒森峰の・・・それも西住流の西住まほがウチに転校してくれるというのだからな!数ある学校の中からアンツィオを選んでくれて感謝する!見る目があるナア!」ハッハッハ

 

まほ(どーれーにーしーょーうーかーなで決めたことは言わないでおこう)

 

まほ「世話になるぞ、安斎」

 

アンチョビ「違う違う!私のことを呼ぶならアンチョビ!もしくはドゥーチェだ!」

 

まほ「む・・・失礼した、ドゥーチェアンチョビ」

 

アンチョビ「そうだ!それでいい!こちらこそよろしくな西住!」アクシュ

 

まほ「ここは黒森峰とは正反対の学校だからな。私の知らぬ世界を見せてくれ」

 

アンチョビ「お安い御用だ!よーし!みんなきけー!西住まほの歓迎会を開催するぞー!」

 

 \オオー!/

 

 

 

カルパッチョ「どうぞ、西住さん」トクトクトク・・・

 

まほ「すまんな。これは?」

 

カルパッチョ「食前酒のスプマンテです。あ、スプマンテ風のジュースです」

 

まほ「今“あ”って言ったか?」

 

カルパッチョ「いえ、あくまでスプマンテ風ジュースですので、アルコールなんか入ってませんよ」ニッコリ

 

まほ「・・・」

 

ペパロニ「はーいはーい。ボンゴレおまちー!アサリの入ったパスタッス!美味いッスよセンパイ!」コト

 

まほ「どれ・・・」ス

 

まほ「!・・・おいしい」

 

ペパロニ「だろぉ~!」

 

アンチョビ「イタリア語で『おいしい』はボーノ!と言うんだ」

 

まほ「そうか。うむ、実にボーノだ」

 

アンチョビ「あー、それじゃあまだまだだな」

 

まほ「?」

 

アンチョビ「イタリア語は口と手で話すんだ。手をグーにして口に当て、言葉と一緒に手を開いてパーっとやるのが正解だぞ。こうやるんだ。ボーノ!」パァー

 

まほ「ふむ・・・なるほど。口と手で話す、か」

 

まほ「こうか?ボーノ」パァー

 

 \オオ~~~!/

 

アンチョビ「上手いぞ西住!美味い表現が上手いぞ!これなら間違いなくアンツィオでもやっていける!」

 

まほ「照れる」

 

 

カルパッチョ「西住さん、アンツィオの制服を用意しました。どうぞ着替えてください」

 

まほ「かわいい制服だな」

 

ペパロニ「いやぁ~それほどでもないッス~」テレテレ

 

アンチョビ「よーし!このお着替えBOXでお着替えタイムだー!」

 

まほ「ちょっと待ってろ」シャ

 

アンチョビ「さあみんな!手拍子てびょうしー!」

 

 \パン♪パン♪パン♪パン♪パン♪パン♪/

 

アンチョビ「なにが出るかな?♪なにが出るかな?♪」

 

カルパッチョ「まほさんですよ」

 

 カーテン<「着替えたぞ」

 

アンチョビ「あーちょっと待ってちょっと待って!まだ出てくるなー。ドラムロール!」

 

 <ドンドコドコドコドコドコドコ・・・・・・

 

 <ジャン!

 

アンチョビ「オープンザプライス!」

 

 カーテン<シャッ!

 

まほ「こんな感じだ」アンツィオ~

 

 \オオオオオオ~~~!/

 

アンチョビ「いいっ!めっちゃんこいいぞ西住っ!」

 

カルパッチョ「すごくお似合いです!どこからどう見てもアンツィオの生徒です!」

 

ペパロニ「こいつぁーアンツィオ最強の戦士って感じだぜー!」

 

まほ「照れる」

 

 

 <キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン

 

まほ「あ」

 

 アンツィオ生徒「わー!おひるだー!」ダダダ

 

 アンツィオ生徒「食堂にいそげー!」ダダダ

 

アンチョビ「西住、私達も行くぞ。早くしないとサラミの切れ端しか残ってないかもしれないぞ。さあさ、今日の日替わりメニューはなんでしょね~♪」ルンルン

 

まほ「え、さっき食べたじゃないか」

 

ペパロニ「いやッスねぇまほの姉貴。さっきのは姉貴の歓迎パーティーだったじゃないッスか。今度のはお昼ご飯ッスよ」

 

まほ「えっ」

 

カルパッチョ「早く行きましょうまほさん。ちゃんと食べないと午後の授業についていけませんよ」グイ

 

まほ「あ、ああ」

 

 

 ――食堂

 

 \ワイワイガヤガヤ/

 

まほ「・・・食べすぎた」ゲフ

 

アンチョビ「今日の昼食もボーノだったな」パァー

 

まほ「いつもこれくらい食べているのか?」

 

ペパロニ「なに言ってんスか。まほの姉貴はまだ2食しか食べてないじゃないッスか。ウチらは朝食と朝のおやつも食べてるッスよ」

 

まほ「えっ」

 

アンチョビ「ところで!西住まほのアンツィオネームを考えたんだが、発表します!」

 

まほ「えっ」

 

ペパロニ「ドラムロール!」

 

 <ドンドコドコドコドコドコドコ・・・

 

 <ドン!

 

アンチョビ「まほのマからとってマルゲリータだ!」

 

 \オオオーーー!/

 

カルパッチョ「マルゲリータといえばシンプルなピザですが、イタリアの王妃から名前をとっているのですよ。まほさんにはピッタリですね」

 

ペパロニ「さすがドゥーチェ!なにやらせても右に出るものはいないぜ!」

 

アンチョビ「フフーン、そうだろそうだろ。よーし、みんなこれからは西住まほをマルゲリータと呼べー!」

 

 \ハーイ!/ \マルゲリータノアネキー!/ \ヒューヒュー!/

 

まほ「みんな本当に元気だな」

 

 

 ――・・・・・・

 

アンチョビ「さあ、午後の授業だぞマルゲリータ。午後の最初の授業は歴史だ!」

 

まほ「ほう」

 

アンチョビ「察しがついてるようだな。その通り!もちろんイタリアの歴史を学ぶのだ!」

 

まほ「なるほど」

 

アンチョビ「だがアンタの想像するほど単純なものじゃないぞ。今考えていることの逆が正解だ。しかしそれは大きなミステイク!」

 

まほ「?」

 

ペパロニ「そいじゃあ姐さん、姉貴、また戦車道の時間に会いましょ~」フリフリ

 

カルパッチョ「アリーヴェデルチ~」フリフリ

 

まほ「3年は私とお前だけか」

 

アンチョビ「まあな。来年は私抜きのアンツィオになるわけだが、少し心配だな・・・あいつらはいい子だがすこーしだけおっちょこちょいなトコがあって・・・」

 

まほ「統帥(ドゥーチェ)という立場も大変だな」

 

アンチョビ「マッ、そういう難しいことはおいおい考えるとして、今この時を謳歌しようじゃないか!早く教室に行かないとな!」グイ

 

 

アンチョビ「歴史の授業だ!」

 

まほ「元気だな本当に」

 

アンチョビ「そりゃーそうさ!私はこの授業が大好きなんだ!」

 

教師「はい、それでは今日は1920年台前後のイタリアの歴史をビデオで学んでいこうと思います。はい窓際の席の人はカーテンしめてー」

 

まほ「なにがはじまるんだ?」

 

アンチョビ「ワクワク」

 

教師「イタリアの歴史を学ぶにはコレが一番!これから『紅の豚』をみまーす!」

 

まほ「えっ」

 

アンチョビ「ワーイ!やったー!」

 

まほ「・・・歴史の授業でアニメ映画か」

 

 ~~~

 

アンチョビ「いや~、面白かったな!」

 

まほ「ああ、確かに面白かった」

 

アンチョビ「『紅の豚』って子供のころはなんとなーく面白いなって思ってたが、高校生になったくらいからまた別の面白さがわかるようになるよな」

 

まほ「うむ、作品が持つ“味”がわかるようになるな」

 

アンチョビ「何度見てもイイものはイイものだな!毎回歴史の授業で見てるけど、見る度に発見があるよ」

 

まほ「えっ、毎回」

 

 

ペパロニ「姐さ~ん!」タタタ

 

アンチョビ「あっ、コラ!廊下を走るなっていつも言ってるだろうペパロニ!転んだりぶつかったりしたら大変だぞ!」

 

ペパロニ「それどころじゃないッスよ姐さん!大変ッス!」

 

アンチョビ「な、なにごとだ!まさか聖グ口リアーナが道場破りにでも来たのか!」

 

ペパロニ「3丁目のチーズ店でモッツァレラチーズの特売やってるって情報が入ったッス!早く仕入れないとすぐに売り切れちゃいますよ~!」

 

アンチョビ「な”ん”だっでぇ”!?すぐに買い出しに向かってくれ!タンケッテ使っていいから!次の授業が始まるまでに間に合うように!だが急いでも慌てるな!信号は黄色になれば止まれ!交差点には特に気をつけて!」

 

ペパロニ「了解ッス!」タタタ

 

アンチョビ「あコラー!廊下は走るなと言っとるだろうがー!」

 

まほ「・・・アンツィオは賑やかだな・・・黒森峰とはまるで違う」

 

 

アンチョビ「次の授業は道徳だ!」

 

まほ「道徳・・・高校でか」

 

教師「はいはーい、今日は道徳の心を育てる映画をみまーす。窓際の席の人はカーテンしめてー」

 

まほ「えっ、また映画」

 

アンツィオ「いいだろいいだろ。これがアンツィオの教育だ」

 

まほ「小学校でもこんなにビデオばかりの授業はないぞ」

 

教師「今日の題材はイタリアが舞台の映画『ニューシネマパラダイス』でーす!」

 

アンチョビ「わーい!やったー!」

 

まほ「見たことないな」

 

教師「いいですかーみなさん、『ニューシネマパラダイスを好きという奴は通ぶってるだけ』という意見も世の中にはありますが騙されてはいけません」

 

教師「何かを良い、と思う心は人それぞれです。この映画を好きではないという人も、この映画が好きだという人も、なに一つ間違ってはいません。好きなものは好きとハッキリ言いましょう」

 

教師「我がアンツィオ高校の生徒の皆さんには、自分の心に正直にいてほしいのです。そのためのビデオ授業です!」

 

まほ「なるほど。いいことを言うな」

 

アンチョビ「そうだろそうだろー。アンツィオは自由な校風だからな。みんな自分の意見をハッキリと持っているんだぞ!」

 

 ~~~

 

まほ「・・・・・・いい映画だった・・・」グスン

 

アンチョビ「/////」カァ~ッ

 

まほ「?・・・アンチョビ、なぜ顔を赤らめているんだ?」

 

アンチョビ「ぁぇっ!?///い、いや・・・だって最後の・・・///」カァ~ッ

 

まほ「全私が泣いた」ポロポロ

 

アンチョビ「う~///・・・私達にはまだあーいうのは早いぞ///」

 

まほ「ともあれこれで今日の授業は全部終わりだな。一時間授業で二時間の映画を見るというのもどういう仕組みかわからんが」

 

アンチョビ「気にするな!所詮SSだからな!」

 

まほ「この後は?」

 

アンチョビ「フフフ・・・お待ちかねの戦車道だ!今日もがんばって練習するぞー!もうみんな集まってる頃だから我々もいくぞマルゲリータ!」

 

まほ「了解、ドゥーチェ」

 

アンチョビ「おお・・・西住まほにドゥーチェと呼ばれるなんて!でへへ、なんだか照れるなァ~」

 

まほ「ドゥーチェ、ドゥーチェ」

 

アンチョビ「ハッハッハ!よせよせ!そんなにヨイショするんじゃない!」

 

まほ「ドゥーチェッ、ドゥーチェッ、ドゥーチェッ」ドンドコドンドコ♪

 

アンチョビ「ぅわーっはっはっは!今日は機嫌がいいからドゥーチェがんばっちゃうぞー!」

 

 

 ――・・・・・・

 

アンチョビ「みんな揃ってるなー!」バッ

 

 \ハーイ!/

 

アンチョビ「これからマルゲリータが転校してきて初の戦車道の練習だー!」

 

 \イエーイ!/

 

アンチョビ「アンツィオのノリと勢いの戦車道を十分に堪能してもらおうじゃないかー!」

 

 \オオー!/

 

まほ「士気は非常に高いな。ある意味、黒森峰以上かもしれん」

 

アンチョビ「ぃよーし!まずは練習の前の食事だー!窯に火を入れろ、手に器材をー!」

 

まほ「えっ」

 

 \ヒャッホーウ!/

 

ペパロニ「今日は特売のモッツァレラチーズを使ったマルゲリータピザを作るぞー!」

 

 \ウッシャアアーーー!/

 

まほ「・・・また食べるのか?」

 

 

ペパロニ「じょうずに焼けました~」ゴド

 

 \オオ~~~!/

 

まほ「美味しそうだな。これが本物のマルゲリータピザか」

 

カルパッチョ「トマト、バジリコ、そしてモッツァレラチーズの三種類しか使ってないけど、と~っても美味しいんですよ。世界一のピザに選ばれたこともあるんですから」

 

アンチョビ「見事にイタリア国旗の色だ!これは何枚でもイケるな!」

 

カルパッチョ「はい、マルゲリータさん。あ~んしてください」

 

まほ「えっ、そ、それは少し恥ずかしい・・・」

 

カルパッチョ「あ~~~ん」ズイィ

 

まほ「っ・・・・・・あ、あー」パクン

 

まほ「!・・・美味しい。シンプルだがそれ故の美味だ。実にボーノ」パァー

 

 \オオオオオ~~~!/

 

アンチョビ「そうかそうか!そりゃよかった!ぃよーし皆も食べろ食べろー!ボリボリ食べてビシバシ練習するぞー!」

 

 \ワーーーイ!/

 

 

まほ「・・・(結局たくさん食べてしまった・・・)」

 

アンチョビ「さあ者ども!腹もいっぱいになったところで戦車の練習だー!各員戦車に乗りこめー!」

 

 \オオーーー!/

 

 \ワーーー/ \ドタバタドタバタ/

 

アンチョビ「マルゲリータの乗る戦車はまだ割り当ててないから、とりあえず今日は私と一緒にP-40に乗ってウチの戦車道の雰囲気を感じとってくれ。まだ初日だからな」

 

まほ「わかった」

 

アンチョビ「ぃよーーーし!今日も張り切っていくぞー!目指せ来年こそベスト4・・・じゃなかった優勝だぁーーー!」

 

 \ウオオオオオーーー!/

 

 ~~~

 

アンチョビ「ぃよーーーし!今日の練習はここまでーーー!」

 

 \オツカレッシタァーーー!/

 

ペパロニ「いやぁ~今日もやり切ったッスねェ~」

 

カルパッチョ「どうでしたマルゲリータさん。アンツィオの戦車道は」

 

まほ「ああ、良かった。正直に言うともう少し生ぬるい練習かと思っていたが、想像以上に良かった。すまん」

 

カルパッチョ「いえいえ、謝らないでください」

 

アンチョビ「ふっふっふーん!そうだろそうだろ。アンツィオは弱くない・・・じゃなかった強いんだからな!天下の黒森峰の隊長でも舌を巻くのは当然だ!」

 

 アンツィオ生徒A「アレ?今日の練習っていつもよりハードだったよね?」

 

 アンツィオ生徒B「うんうん。強化期間のフルメニューよりも多かった」

 

アンチョビ「コラ!ナイショ話するならボリュームを下げろ!」

 

ペパロニ「そうだぞ!ドゥーチェがカッコつけて見栄張ったのが台無しじゃないか!」

 

アンチョビ「補足するな!」

 

まほ「フフ・・・いや、練習内容は本当に良かったぞ」

 

アンチョビ「チェッ・・・カッコつかないなぁ・・・まあいい!それじゃあ皆!一日の〆といくか!」

 

 \オオーーー!/

 

まほ「!・・・まさかまた食べるんじゃ・・・」

 

カルパッチョ「いいえ、残念ながら違います。これからみんなで――」

 

 

 ――・・・・・・

 

 カポ~ン

 

アンチョビ「風呂だ!テルマエだ!大浴場だ!」

 

ペパロニ「あああぁぁぁ~~~・・・きくぅぅ~~~」ノボー

 

まほ「ずいぶん大きな浴場だな。アンツィオにこんな立派な風呂場があるとは」

 

アンチョビ「ふふーん。イタリアといえば古代ローマ。古代ローマといえばテルマエ!テルマエと言えば風呂だからな!古代ローマ人は風呂好きだったと阿部寛も言ってるぞ」

 

カルパッチョ「私達バリバリ日本人ですけどね」

 

まほ「戦車道履修者が全員一度に入れるほど大きな浴場はうらやましいな。ウチは大体シャワーだけだし・・・」

 

ペパロニ「えっ、じゃあこうやって身体を伸ばしたり」ノビー

 

ペパロニ「こうやって泳いだり」バシャバシャ

 

ペパロニ「こうやって友達とふざけたりできないんスか?」コショコショ

 

アンチョビ「どぅおあっ!やめろペパロニ!こしょばすな!」バシャア

 

まほ「ああ。そういうのは・・・ないな」

 

カルパッチョ「黒森峰はウチと違ってビシっとしてますからね」

 

ペパロニ「はぇ~・・・みんなでワイワイ楽しめないなんてなんだかもったいないッスね」

 

まほ「・・・かもな」

 

アンチョビ「まあまあ。ヨソはヨソ、ウチはウチだ」

 

アンツィオ生徒「ペパロニ姉さん!マルゲリータの姉貴にアレやんないんスか?アレ!」

 

ペパロニ「おっ!久々にやるかー!」

 

まほ「なんだなんだ」

 

アンチョビ「ふっふっふー、アンツィオでは戦車道の新入りに行われる歓迎の儀式がある・・・それは!」

 

まほ「それは・・・」

 

アンチョビ「真実のペパロニだー!」バーン!

 

まほ「しんじつのペパロニ」バーン

 

カルパッチョ「ドゥ、ドゥーチェ!あれをやるのはちょっと・・・」

 

アンチョビ「心配するなカルパッチョ!ここはテルマエ!風呂だ!衛生面は問題ない!」

 

まほ「一体どういうものなんだ。その、しんじつのペパロニとやらは」

 

アンチョビ「アンツィオの生徒に求められるスキル・・・それは料理の腕前!これを見てみろ!」バッ

 

ペパロニ「あー」アンガー

 

まほ「!?」

 

アンチョビ「この大口上げたペパロニの口に手をいれるのだ!料理の上手なものはなんともないが、料理の下手な者はペパロニに噛まれるのだ!」バーン

 

まほ「!?!?」

 

カルパッチョ「料理の下手な人は手に食材や調味料を余分についちゃってるから、そのわずかな味気に反応してペパロニの口が閉じるんです」

 

まほ「どういう理屈」

 

アンチョビ「料理が上手い者は手に余計な調味料が着いていないからな。わかったかな?」

 

まほ「わからん」

 

アンチョビ「お手本を見せてやろう。まずはドゥーチェが真実のペパロニに挑むぞー!」

 

 \オオー!/ \イケー!ドゥーチェー!/

 

ペパロニ「あー」アンガー

 

アンチョビ「ふふ・・・いくら料理上手なドゥーチェとはいえ、久々の真実のペパロニは少しキンチョーするな・・・」ドキドキ

 

カルパッチョ「ドゥーチェ、がんばってください!」

 

アンチョビ「ああ!いくぞ!」グッ

 

 アンチョビ「うおおおおーーー!」グアー

 

  アンチョビ「めっちゃんこおそぎゃー!(とてもおそろしいー)」バッ!

 

カルパッチョ「いった!」

 

ペパロニ「ガブリンチョ!」ハムゥー

 

アンチョビ「ぎにゅわあああああああ!」アムアム

 

まほ「おお・・・」

 

カルパッチョ「うわー!噛まれてますよドゥーチェ!」

 

アンチョビ「か、噛まれてない!ドゥーチェは料理お上手なんだ!噛まれるわけが・・・」

 

ペパロニ「あんぐあんぐ」ハムハム

 

アンチョビ「あががががががが」

 

まほ「いってるいってるぅー」

 

アンチョビ「は、離せペパロニ!なぜだ!なぜ噛んだんだ!?わ、私は料理上手じゃないのか?・・・」グスン

 

ペパロニ「いやぁ~、姐さんっていっつも料理してるから、すっかり手に味が染みついちゃってて・・・つい」

 

アンチョビ「ついじゃない!どっちにしろ噛まれるんじゃないか!」

 

カルパッチョ「ペパロニのさじ加減ですね」

 

まほ「歯を立てていたらケガをしていたかもしれん」

 

アンチョビ「ぐすんっ!そいじゃあ次はマルゲリータの番だ!」

 

まほ「えっ、今のやりとりを見てもやれと」

 

ペパロニ「あーん」アンガー

 

アンチョビ「さあ!ペパロニへの一歩を踏み出すんだ!」

 

カルパッチョ「心配ないですよ。甘噛みですから」

 

まほ「いや・・・」

 

 アンツィオ生徒「そーれっ!姉貴!姉貴!」 アンツィオ生徒「アネキ!アネキ!アネキ!」

 

 \アネキ!アネキ!アネキ!アネキ!アネキ!/

 

まほ「むむ・・・」

 

まほ「よし、わかった」

 

アンチョビ「おおっ!マルゲリータがいくぞ!」

 

 \オオ~!/

 

まほ「いくぞ・・・」グッ

 

 まほ「えいやー」バッ

 

ペパロニ「ガブリンチョ!」ハムゥー

 

まほ「うおあー」

 

アンチョビ「いってるいってるぅー!」

 

ペパロニ「っ!?・・・っぷえっ!えほッ!えほッ!」

 

カルパッチョ「どうしたのペパロニ。むせた?」

 

ペパロニ「うぇぇ~・・・まっずぅ~・・・」ベー

 

まほ「!」ガーン

 

アンチョビ「お、おい!それはいくらなんでも失礼だぞ!」

 

ペパロニ「いや・・・だって鉄の味とオイルの味がまざっててすっげーマズいんスよ。激マズッス。食えたもんじゃないッス」

 

まほ「!」ガガーン

 

アンチョビ「い、言いすぎだぞ!マルゲリータのおててはちゃんとおいしいハズだ!もっかいちゃんと食べてみろ!しっかり味わえ!舌の上で転がして味を堪能するんだ!」

 

カルパッチョ「ドゥーチェそれは誰も得しないやつです」

 

アンチョビ「マルゲリータ、気にするな。ペパロニが言ってることはお前がいつも戦車道がんばってるって証拠だからな」ポンポン

 

まほ「・・・ほんと?」

 

アンチョビ「ほんとほんと」

 

ペパロニ「そーっスよマルゲリータの姉貴!姉貴の西住ハンドはまるで人間のそれとは思えないほど硬くて苦くてまさに鉄の女って感じッス!ターミネーターも真っ青ッスわ!」

 

カルパッチョ「ペパそれ全然フォローになってない」

 

まほ「ふふふ、そこまで褒められるとさすがにテレてしまうな」ハナノシタ コスリコスリ

 

カルパッチョ「あ、嬉しいんですねそれ」

 

アンチョビ「さあ!エンもタケナワといったところだがそろそろ上がるぞ!明日も学校があるんだがらな!」

 

まほ「あ、しまった。宿を取るのを忘れていた」

 

アンチョビ「なにをゆっとるんだマルゲリータ!短期転校してきた分際でホテルにでも泊まるつもりだったのか!」

 

まほ「そうでもしないと寝床がないだろう。野営するにも道具を持ってきてないし」

 

アンチョビ「このドゥーチェがアンツィオに来てくれたお客にそんなことさせると思っとるのかーっ!そんなことは断じてゆるさん!」

 

まほ「だったらどうするんだ?」

 

アンチョビ「ウチに来い!二人でお泊まり会だ!」

 

まほ「えっ」

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