まほ「アンツィオ高校、西住まほ。短期転校手続きは済ませてきた」   作:ゼブラーの野郎

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アンツィオ高校生活 due

 ――学生寮

 

 ガチャ

 

アンチョビ「さあどうぞどうぞ!ここが私のウチだ!」

 

まほ「お邪魔します」

 

アンチョビ「いや〜私も久々に一緒に寝る相手がきてくれてうれしいぞ!・・・あ、先週もお泊まり会やったっけな」

 

まほ「仲が良いんだな、アンツィオの生徒達は」

 

アンチョビ「まーな!戦車道はみんなでやるものだ。仲がいいほど連携も上手くいくに決まってる!」

 

まほ「そこが弱点にならなければいいがな」フッ

 

アンチョビ「さあさあ!せっかくウチに来てくれたんだ。やることは決まっているよな!」

 

まほ「ウィッグの手入れか」

 

アンチョビ「これは地毛だ!私達がやるべきことは一つ!お料理講座だ!」バーン

 

まほ「えっ」

 

アンチョビ「真実のペパロニが言っていた・・・マルゲリータ!お前の手は戦車に染まっている!アンツィオの生徒たるもの、お料理上手でなければならない!お嫁さんに行く時のためにも!」

 

まほ「・・・実は、私は料理の方は・・・」

 

アンチョビ「からっきしか!」

 

まほ「実家にいた頃に家族にカレーを振る舞おうと思ったんだが、その日は結局乾パンが晩ご飯になった」

 

アンチョビ「それはいかんな!ぃよーし!今日は私が手取り足取り指導してやる!ささっ!エプロン着て!手ェー洗って!」

 

まほ「・・・一つ聞きたい。作った料理はどうするんだ?」

 

アンチョビ「食べるに決まってるだろ。そのための料理だ」

 

まほ「・・・」オナカポンポン

 

 

アンチョビ「おおっ!似合う似合う!エプロン姿がサマになってるなー!」

 

まほ「ハートのエプロンとは・・・」

 

アンチョビ「うんうん!これならいつお嫁に行っても大丈夫だな!だがそのためには料理ができんと!それじゃあ今日はカレーを作ろう!」

 

まほ「カレー」

 

アンチョビ「簡単だぞ。具材を切ってお湯温めてルーと具材を入れるだけだからな!」

 

まほ「省略しすぎていないか」

 

アンチョビ「まあまあ、なせばなるさ!やるならやらねば!気分は上々!手も洗ったし、まずはジャガイモの皮をむいていこっか」ス

 

まほ「それくらいならできそうだ」

 

アンチョビ「指を切らないように気をつけるんだぞ」

 

まほ「いざ」ズェアァッ

 

アンチョビ「まてぇーーーい!」

 

まほ「え」

 

アンチョビ「なぜ包丁を両手で持つんだ!構える必要があるか!」

 

まほ「あっ・・・言われるまで気づかなかった」

 

アンチョビ「・・・ヘヘッ・・・こいつぁ期待できそうだぜ・・・」ゴクリ

 

 

まほ「ゆくぞ」グググググ・・・

 

アンチョビ「ちょっと待て!なぜ皮むきで包丁を逆手に持つんだ!見てらんないからピューラー使え!」

 

 ~~~

 

まほ「とやー」ズダァン!

 

アンチョビ「おぉい!具材を切るのに包丁を頭の上まで振り上げるんじゃない!抑える手は猫さんの手だろ!」

 

 ~~~

 

 ボォォォォォ!

 

アンチョビ「だー!鍋の火が燃えすぎだ!最大火力でそのまま放置するんじゃない!」

 

まほ「西住流は手抜きはしないッ!!!」クワ!

 

アンチョビ「うーんこのポンコツまぽりん!」

 

 ~~~

 

まほ「少しエキサイトしてしまった。すまん」フー

 

アンチョビ「不器用なのかなんなのか・・・しかしまあなんとか完成したな!」ジャーン

 

まほ「・・・焦げているな」

 

アンチョビ「具材も大きさがバラバラだな」

 

まほ「・・・」ショボン

 

アンチョビ「なにを落ち込んでるんだ」

 

まほ「・・・やはり私には料理など・・・」

 

 アンチョビ<パクッ

 

まほ「エリカが言っていたように、私はポンコツまぽりんと笑われるのがお似合いだな・・・」

 

アンチョビ「ン!案外イケるぞこれ」

 

まほ「・・・フ・・・気を使わなくていい。まずいのに無理しておいしいと言ってごまかすのが相場・・・」

 

アンチョビ「いや、本当だぞ。まあめちゃくちゃうまいという訳ではないが、マズくはないぞ」

 

まほ「・・・本当に?」

 

アンチョビ「ドゥーチェ嘘つかない」

 

まほ「・・・どれ」パク

 

まほ「・・・・・・本当だ。まずくない」

 

アンチョビ「だろー!よかったな!今の腕前がコレってことは、明日からは上達する一方だ!ノビシロがあるぞ!未来は明るいっ!ハッハッハ!」

 

まほ「・・・ふふ・・・ありがとう」

 

 

まほ「結局二人でたいらげてしまった・・・」ケプ

 

アンチョビ「さあ!お布団を敷いたぞ!一日の疲れをゆっくりぐっすり取るんだ!」

 

まほ「何度も言うが本当に元気だな。今日一日でどれだけ語尾に『!』を付けてるんだ」

 

アンチョビ「あ、寝る前に少しだけいいか?」

 

まほ「なんだ?」

 

アンチョビ「戦車道の作戦と練習メニューを一緒に考案してくれないかな。せっかくだからさ」

 

まほ「ああ、いいぞ。私で役に立てるのならな」

 

アンチョビ「やった!よーしそれじゃ布団に入って枕元で電気着けて作戦会議だー!そっちにもっと寄って寄って」モゾモゾ

 

まほ「二人で布団に入るのは少しきついぞ」グイグイ

 

アンチョビ「かたいこと言うなよマルゲリーター。アンツィオの仲間なんだからさー」グイグイ

 

まほ「ぐむ、ぎゅうぎゅうするな。せめてウィッグを外してくれ」

 

アンチョビ「自前だ!」

 

 

まほ「こうしていると子供の頃にみほと一緒に寝ていたのを思い出すよ」

 

アンチョビ「おー、私も昔は弟と一緒に寝てたんだが、小学校高学年くらいから弟が嫌がってな~」

 

まほ「みほも自然とフェードアウトしていったな。なぜなんだろう」

 

アンチョビ「なぜなんだろうな~」

 

まほ「地元は愛知だったか?」

 

アンチョビ「おっ、知っているのかマルゲリータ」

 

まほ「スカウトされてアンツィオに来たという話は聞いたことがある。腕のある戦車乗りだったそうじゃないか」

 

アンチョビ「その通り!アンツィオの戦車道を立て直したドゥーチェとは私のことだー!」バーン

 

まほ「ここに来た当初は名古屋弁でぶいぶい言わせていたんだろうな」

 

アンチョビ「あのなぁ、私は名古屋出身じゃないぞ。愛知と言えば名古屋と思われがちだがな」

 

まほ「真実のペパロニに手を入れる時、めっちゃんこおそぎゃーと言っていたが、あれは方言じゃないのか」

 

アンチョビ「あ、あれはノリと言うか勢いというか・・・名古屋出じゃないのに名古屋弁って使っていいのかな」

 

まほ「聞いてみたい」

 

アンチョビ「・・・う~・・・」

 

まほ「ワクワク」

 

アンチョビ「・・・・・・そ、そろそろ寝るだぎゃー」

 

まほ「かわいい」

 

アンチョビ「う、うるさい!めっちゃんこ恥ずかしいんだぞこちとら!」

 

まほ「もっともっと」

 

アンチョビ「い、いや・・・名古屋弁といっても種類がたくさんあって・・・」

 

まほ「一般的にイメージする名古屋弁でいいから」

 

アンチョビ「・・・もうこんな時間だがや。ちゃっちゃと寝るきゃー」

 

まほ「うーむ、いいおもちゃを見つけたぞ」

 

アンチョビ「ドゥーチェで遊ぶなー!」

 

まほ「よし、ジャンケンしようジャンケン」

 

アンチョビ「唐突!」

 

まほ「負けた方が明日一日、地元の方言で喋るというのはどうだ」

 

アンチョビ「な、なんだとぉー!?」

 

まほ「アンツィオのドゥーチェたるもの敵前逃亡などしないな?」

 

アンチョビ「ぬ・・・ぬぬぬ!いいだろう!だがマルゲリータ!お前が負けたらお前が九州弁で過ごすんだぞ!西住流は逃げんばいって言えよ!カレー大好きっちゃって!」

 

まほ「それちょっと偏見入ってないか」

 

アンチョビ「よーしその勝負乗った!ドゥーチェ負けない!いくぞマルゲリータ!」

 

まほ「勝負だアンチョビ。ジャ~ンケ~ン――」

 

 

 ―朝

 

アンチョビ「今日も朝ご飯がうみゃーな」モグモグ

 

 

まほ「プッ・・・フフ」

 

アンチョビ「笑うな!おみゃーが言ったんだで。いんじゃんで勝負しよーがって」

 

まほ「いや・・・本場の人が聞いたら『全然違う』と言いそうなくらいステレオな名古屋弁だな」

 

アンチョビ「チェッ!ほんじゃちゃっと学校行こみゃぁー。けったましんに乗ってくんだがや」

 

まほ「自転車か。マントを着けたまま乗るのか?」

 

アンチョビ「当然だぎゃ!ドゥーチェだもんね!」

 

まほ「マントひらひらさせて自転車乗っている姿はなかなか面白いな」

 

アンチョビ「ほなら行こみゃー。2ケツだで2ケツ!」

 

まほ「ぷぷ・・・すまん、やっぱり笑ってしまう」

 

アンチョビ「ちくしょー!いつか仕返ししてやるだがや!」

 

 

 \ワイワイガヤガヤ・・・/

 

まほ「朝登校して一番にやることと言えば、戦車道の朝連だな」

 

カルパッチョ「ぜんい~ん、きをつけっ」

 

 \ビシッ/

 

ペパロニ「ドゥーチェの登場だー!」

 

 ムチ ビッシィ!

 

アンチョビ「みんなそろっとるけ!」

 

 \!?/

 

アンチョビ「おみゃーら今日も今日とて朝はようから御苦労だぎゃ!」

 

 \ドヨドヨ・・・/ \ザワザワ・・・/

 

カルパッチョ「ドゥ、ドゥーチェ、どうしたんですか?お腹いたいんですか?」

 

ペパロニ「やっべー・・・ドゥーチェがすごすぎて何言ってっか全然わかんねー・・・」

 

まほ「フフ・・・フフフ」クスクスプー

 

アンチョビ「笑わないでちょ!」

 

まほ「皆、動揺することはない。ドゥーチェは異国語も話すことができる。アンツィオの統帥たるもの当然のスキルだ」

 

 \オオ~~~/

 

ペパロニ「いこくご!?ってコトは外国の言葉じゃないッスか!」

 

アンチョビ「愛知は日本の都市だがや!」

 

カルパッチョ「難しい言葉も話せるなんてさすがドゥーチェです」

 

 \スッゲー!/ \サスガー!/

 

アンチョビ「そ、そうきゃ?でら照れるがや」デヘヘ

 

 アンツィオ生徒A「ドゥーチェがいれば外国人に道を尋ねられても大丈夫だ!」

 

 アンツィオ生徒B「これからのぐろーばるな時代にこみっとしてる!それでこそドゥーチェ!」

 

 \ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!/

 

アンチョビ「ぃよーしおみゃーら!ちゃっと朝連をおっぱじめるきゃー!」

 

 \オオオオオーーー!/

 

 

カルパッチョ「プリントくばりまーす。後ろの子までちゃんといった~?」

 

 <ハーイ

    <1枚余りましたー

              こっちの列1枚足りませーん>

 

カルパッチョ「余ったところはそっちの列にあげてあげてー」

 

 <ハーイ

 

ペパロニ「これなんの紙ッスか?」

 

アンチョビ「聞いておどろけ!きんのうマルゲリータと一緒にかんげーた新しい練習メニューだがや!」

 

 \オオ~!/

 

アンチョビ「早速今朝からやってくきゃ。朝練は基礎体力の向上が目的だがや。筋トレと運動を中心的にするきゃー」

 

ペパロニ「マルゲリータのアネキ!見てて見てて!とうっ!」クルリンパ!

 

まほ「おっ、バク宙か。すごいな」

 

ペパロニ「へっへーん!カルロヴェローチェに乗ってるとひっくり返されることが多いんで、これくらいできるようになったッス!」

 

 アンツィオ生徒C「私らもできますよ!とりゃー!」クルリンパ!

 

 アンツィオ生徒D「えいやー!」クルリンパ!

 

まほ「みんなすごいな。アンツィオの者達は運動神経も優れているのか」

 

カルパッチョ「私も見ててください。えいっ」ゴワ! バキバキバキ・・・

 

まほ「・・・素手のパンチで木をへし折った・・・」

 

カルパッチョ「いえーい。ぴーすぴーす」ニッコリ

 

ペパロニ「つぎ、ドゥーチェの番ッスよ!」

 

アンチョビ「え”っ、ドゥーチェそういうの得意じゃない・・・」

 

ペパロニ「あソーレッ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!」

 

 \ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!/

 

アンチョビ「ぅぃよぉーし!やってやるみゃー!この階段の上から見事に空中連続回転ジャンプするきゃー!」

 

 \オオーーー!/

 

アンチョビ「にゃんぱらり!」クルクルクルー! チャクチ!

 

アンチョビ「お、おおーーー!で、できた!うまくできたぞ!やったー!」

 

 \ワーーー!/

 

まほ「・・・朝練がいつの間にかアクロバット大会に・・・・・・まあ、いいか。みんな楽しそうだしな」

 

 

 ――・・・・・・

 

アンチョビ「さあ!朝練も終わったし朝食だぎゃー!」

 

まほ「これは?」

 

カルパッチョ「今日の朝ご飯はフォカッチャのサンドイッチです」

 

まほ「ふぉかっちゃ」

 

ペパロニ「チーズと肉を挟んだだけッスけどウマイッスよ!」

 

まほ「ふぉかっちゃおいしい」ングング

 

アンツィオ生徒E「マルゲリータの姉貴、姉貴は黒森峰の隊長なんですよね?」

 

まほ「ああ。もうすぐ引退だがな」

 

アンツィオ生徒E「やっぱ黒森峰っておいしいドイツ料理とか食べるんですか!?ハンバーグとかソーセージとか!」

 

まほ「ああ、挽肉の塊や芋の羊の直腸詰めならよく食べている」

 

アンチョビ「言い方ァ!」

 

アンツィオ生徒F「ジャーマンポテトもスか!?も、もしかしてビールなんかも!?」

 

まほ「よく勘違いされるが、ジャーマンポテトは実はドイツにはないんだ。似た料理ならあるんだがな。それと、もちろんビールも飲むぞ。ノンアルコールだがな」

 

ペパロニ「いいな~、絶品ドイツ料理食べたいな~」

 

まほ「ちなみにだが、黒森峰ではアンツィオと違って食事はお昼に一度しかない」

 

ペパロニ「ペ!?マジッスか!?」

 

 \ウッソー・・・/ \オヒルダケ?・・・/ \ザワザワ・・・/

 

カルパッチョ「じゃあお腹がすいたら校内に出てる屋台で食べ物を買うんですね?」

 

まほ「いや、文化祭などでもない限り食べ物を売る店は露店していない」

 

 \エエ~~~!?/ \マジデ!?/ \シンジラレヘン・・・アタイ、シンジラレヘン!/

 

ペパロニ「なんなんスかそれ・・・信じらんねーッスよ!冗談じゃあねーッ!フザッけんな!そんなの一体何のために学校行ってるのかわかんねー!」

 

まほ「勉強しに行ってるんだが」

 

カルパッチョ「ドゥーチェ、聞きました?黒森峰では食事は一度だけなんですって」

 

アンチョビ「めっちゃんこおそぎゃー・・・(とてもおそろしい)」

 

カルパッチョ「もし、ウチも食事を一度に制限したら黒森峰のように強くなれるとしたらどうします?」

 

アンチョビ「!?そったらた~けたこと(アホな事)いかんわ!アンツィオのおいしい料理が食べられなくなるなんてとろくせゃぁ(バカバカしい)!そんなこったすっくらいにゃら強くにゃる必要にゃんかにゃーが!」

 

まほ「ちょっとなに言ってるかわかんない」

 

アンチョビ「よそはよそ!ウチはウチだ!我々は他校のマネごとなんかしなーい!」

 

ペパロニ「さすがッス姐さん!それでこそアンツィオのドゥーチェッス!ヨッ!お山の大将!」

 

 \ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!/

 

まほ「ふふ・・・それでいい。自分の戦車道を進むのが一番だ」

 

アンチョビ「おっ!わかってくれるかマルゲリータ!やっぱおみゃーはどえりゃー(とても)いいやつだがや!」

 

まほ「アンチョビ、もう名古屋弁はいい。十分堪能させてもらった。普通に話しやすいようにしてくれ。頭が混乱してくる」

 

アンチョビ「そうきゃ?いんじゃんで負けたのは私だから一日これで通そうかと思っちょったが」

 

まほ「お前はお前らしくいてくれ。その方がいい」

 

アンチョビ「そうか!よーしみんな!朝食もそこそこにして授業の準備をしろー!もう10分もすれば1時間目だぞー!」

 

 \オオーーー!/

 

まほ「今日の授業は一体何の映画を見るんだろうな」

 

アンチョビ「おいおいマルゲリータ。アンツィオの授業はぜーんぶ映画見るだけだと思ってるのか?」

 

まほ「違うのか?」

 

アンチョビ「ちぐぁーう!今日は、なななんと!週に3日の調理実習の日だ!」

 

まほ「えっ」

 

 

 ーー・・・・・・

 

 ワイワイガヤガヤ コトコト グツグツ

 

アンチョビ「甘くて苦くて目が回りそうです~♪」トントントン

 

まほ「むむむ・・・」グググ・・・

 

アンチョビ「あー力むんじゃない。必要以上に力を入れることはないぞ。肩の力を抜いて、ゆっくり包丁を引くんだ。ほら」スッ

 

まほ「すまん・・・自分の料理の準備もあるのに」

 

アンチョビ「気にしない気にしない。マルゲリータ、スジがいいぞ。将来はきっと料亭の女主人だな」

 

まほ「からかうな。ペペロンチーノを作るのにこれだけ時間をかける女だぞ」

 

アンチョビ「まあ今はそうかもしれんが、そのうち上手くなるさ。戦車だって最初から上手というわけじゃなかったんだろ?」

 

まほ「ああ。子供の頃から乗っていた分、人より触れている時間が長いだけだ」

 

アンチョビ「さすが西住流だ。幼い頃からがんばってたんだな」

 

まほ「全ては勝利のため。何においても勝つことを至上とした戦車道だ。毎日何時間も練習したよ」

 

アンチョビ「楽しかったか?」

 

まほ「わはは、と笑う意味での楽しいとは違う。練習は厳しかったし、上手くいかなくて涙したこともあった。だが・・・楽しかった、と言える。全力で毎日を走り抜けるような、そういう感覚だった」

 

まほ「つらく厳しい毎日だったが、生きている手ごたえがあった。今でこそ思えるが、私は西住の人間でよかったと声を大にして言えるよ」

 

アンチョビ「そうか!それはなによりだ!戦車道でもなんでもそうだが、楽しいのが一番だからな!」

 

まほ「ふふ・・・お前に言われると説得力があるな」

 

アンチョビ「お前にとって、料理も楽しいと思えるようになればいいな!そうすりゃおのずと腕も上がるってもんだ!」

 

まほ「ああ、そうだな」フフ

 

 

アンチョビ「パスタを茹でる時に使うお湯には塩をほんのチョビーっとだけ加えるんだ」

 

まほ「こうか」チョビー

 

 

アンチョビ「オリーブオイルはなるべく高い位置から落とすんだぞ。パフォーマンスも大事だ」

 

まほ「こうだな」モコミチィー

 

 

アンチョビ「お好みの量で胡椒を入れるんだ。アンチョビを入れるのもアリだ!」

 

まほ「こうするんだな」グイ

 

アンチョビ「わー!私を持ち上げようとするなー!」

 

まほ「冗談だ」

 

アンチョビ「お前がやると冗談に聞こえないぞ!」

 

 

アンチョビ「完成だー!」ジャーン

 

まほ「昨日のカレーよりもずっと完成度が高い。お前のおかげだ。ありがとうアンチョビ」

 

アンチョビ「いやいや、私は少しだけ手伝っただけだ。これはマルゲリータ自身が頑張ったからだぞ。さあ、冷めないうちに食べよう!」

 

 

 ――・・・・・・

 

アンチョビ「さあ!今日一日の授業も終わったぞ!」

 

まほ「午後の授業は『ローマの休日』を見るだけだったな。イタリア脳に洗脳されていくようだ」

 

アンチョビ「これから戦車道の練習だが、マルゲリータ、あの話をするんだな?」

 

まほ「ああ、今の内に話しておかないとな」

 

アンチョビ「そうか。それじゃあこれを着てくれ」

 

まほ「これは・・・真っ赤なマントか」

 

アンチョビ「きっと似合うぞ!ドゥーチェはこっちの黒マントで、マルゲリータは真紅のマントだ!かっこいいに決まってる!上級生らしくビシっとキマるぞー!」

 

まほ「どれ」バサァ

 

アンチョビ「オオッ・・・!かっこいい!強そうだ!まさにラスボスって感じ!よーし!皆の前でお披露目だー!」

 

 

カルパッチョ「ぜんいーん、きをつけっ」ビシッ

 

 ザッ

 

アンチョビ「みんな揃ってるな!今日は皆に大事なおしらせがある!」バサァ

 

 \ナンダロー?/ \マタテンコウセイカナ?/ \ドヨドヨ・・・/

 

 <ザッ

 

まほ「・・・」バサァ!

 

 \オオ~~~!/ \カックイ~~~!/ \ツヨソ~~~!/

 

ペパロニ「最高ッスよ姉貴!カッコイイッス!ウルトラ兄弟みたいッス!」

 

アンチョビ「皆も知っての通り、マルゲリータは黒森峰からアンツィオに短期転校してきた生徒だ。つまり、短い間しかアンツィオにはいられない。黒森峰に戻る日が近いそうだ」

 

 \エエ~~~!?/

 

 アンツィオ生徒A「せっかく仲良くなれたのに~」

 

 アンツィオ生徒B「もっとマルゲリータの姉貴と一緒にいたいです!」

 

アンチョビ「気持はわかるが無茶を言うな。マルゲリータにはマルゲリータの人生があるんだからな。さ、自分の口から皆に話すといい」

 

まほ「みんな、余所者である私を温かく迎え入れてくれてありがとう。感謝している」

 

まほ「アンツィオに来て色んな事を学ばせてもらった。黒森峰には無いものがたくさんあって、本当に素晴らしい経験となった」

 

まほ「ここで学んだことを黒森峰に持ち帰り、アンツィオの素晴らしさを伝えたいと思う」

 

カルパッチョ「・・・マルゲリータさん」

 

ペパロニ「・・・姉貴、いつまでこっちにいるんスか!?姉貴が帰っちゃうまでに盛大なお別れパーティを開催するッス!」

 

まほ「明日だ」

 

アンチョビ「な”ん”だっでぇ!?明日ァ!?」

 

まほ「!」ビクッ

 

アンチョビ「あ、明日帰るのか!?ら、来週くらいと思ってたのに・・・いくらなんでも早すぎないか!?あ、明日のいつ頃出発するんだ?・・・」

 

まほ「正午には迎えが来る手筈だ」

 

アンチョビ「ん”な”ん”だ”っで”ぇ”!?”正”午”!?”」

 

まほ「言ってなかったか」

 

アンチョビ「う”わ”ぁー!そんなに急だなんて聞いてないー!まだ心の準備がー!」スガリスガリ

 

ペパロニ「姉貴~!行かないでください~!」ダキッ

 

カルパッチョ「もう一ヶ月、いや一週間、いや一年くらいアンツィオにいてください!」ダキッ

 

 アンツィオ生徒C「ウチらもっと姉貴といたいです~!」ワーン

 

 アンツィオ生徒D「さみしすぎます~!」ワーン

 

まほ「気持はありがたい・・・私もさみしい。だが、会えなくなるわけではない。またアンツィオに遊びに来させてもらうよ。今度は黒森峰の仲間も連れてな」

 

アンチョビ「グスン・・・本当か?また一緒にパスタ作れるか?」

 

まほ「マルゲリータ嘘つかない」

 

アンチョビ「・・・グスッ・・・・・・よーし!お前ら!めそめそするのはここまでだ!ほら、ハンケチで涙をぬぐえ!」

 

 \グスン・・・/ \ウウ・・・/ \ビィー/

 

アンチョビ「今夜はマルゲリータの送別会だ!アンツィオの生徒らしく、最後は笑ってバイバイするぞ!」

 

 \オオオオオーーー!/

 

アンチョビ「ありったけの食材を用意しろー!明日の分だろうと明後日の分だろうと構うもんかー!盛大にパーっとやるぞー!」

 

 

 ――・・・・・・

 

 

 \ワイワイガヤガヤ/ \テンヤワンヤテンヤワンヤ/ \ドヤドヤザワザワ/

 

アンチョビ「それじゃあ皆、グラスとお皿を持ったなー?せーのっ!」

 

 \イタダキマーーーッス!/

 

まほ「これはおいしそうだ」

 

カルパッチョ「ナポリタン、カルボナーラ、アラビアータ、ボロネーゼ、ペスカトーレと色々ありますよー」

 

ペパロニ「マルゲリータの姉貴のために本気出したッス!遠慮せずに食べてください!」

 

まほ「では・・・」ス

 

ペパロニ「どうッスかどうッスか!?」ドキドキ

 

まほ「ボーノ」パァー

 

 \オオオ~~~!/

 

ペパロニ「やりぃ~!」

 

アンチョビ「すっかりイタリア語がうまくなったな!忘れるな!イタリア語は口と手で話すんだぞ!」

 

まほ「アンツィオの者が黒森峰に来た時は、ドイツ語を指導できるようにがんばるよ」

 

ペパロニ「黒森峰に遊びに行っていいんスか!?」

 

アンチョビ「遊びじゃなく勉強に行くと言え!タテマエだけでも!」

 

まほ「勿論だ。歓迎するぞ。皆で来るといい。アンツィオほどの物は出せんだろうが、ドイツ料理でもてなすぞ」

 

 \オオ~~~!/

 

ペパロニ「やったー!本場の羊のハラワタ肉詰めが食えるー!」

 

アンチョビ「言い方ア!」

 

 

カルパッチョ「あ、このカルボナーラはマルゲリータさんが作ったんですか?」

 

まほ「ああ。皆が準備してくれている間にドゥーチェに手伝ってもらってな」

 

ペパロニ「食べてもいいッスか!?食べてもいいッスか!?」

 

 アンツィオ生徒E「アタイもアタイも!」

 

 アンツィオ生徒F「私も食べたい!」

 

まほ「私の作ったものでよければ食べてみてくれ」

 

ペパロニ「うっしゃー!本気で食うぜー!」ズビズバー

 

アンツィオ生徒E「実食!」ズゾゾゾ

 

アンツィオ生徒F「ペロッ、これはカルボナーラ!」モグモグ

 

まほ「どうだ?」

 

ペパロニ「うん!そこそこうまいッス!まずくないッス!」

 

アンツィオ生徒E「ほんとだ!まずくない!」

 

アンツィオ生徒F「それなりにおいしい!」

 

アンチョビ「お前ら自分の気持ちに正直すぎだ!」

 

まほ「ふふ・・・まだまだ勉強中だ。がんばるよ」

 

カルパッチョ「はい、どうぞ。ブドウ酒風ジュースのおかわりです」

 

まほ「ありがとう。こんなに豪勢な食事ができるとは、ここに来る前は思いもしなかった」

 

アンチョビ「客人は盛大にもてなすのが流儀だからな。どうだ?短期転校と言わずに正式にアンツィオに転校するというテもあるぞ?」ホッペスリスリ

 

カルパッチョ「ドゥーチェ、無茶なこと言うとマルゲリータさんが困っちゃいますよ」

 

まほ「うーん、どうしようかなー」

 

アンチョビ「おっ!?おおっ!?脈アリか!?みんなー!押せばイケるぞこれー!」

 

 \オオーーー!/

 

アンチョビ「もっと盛り上げてアンツィオの楽しさを堪能してもらうぞー!」

 

 \オオオーーー!/

 

カルパッチョ「音楽のボリュームあげますねー」

 

 <♪~♪~ ♪~

 

アンチョビ「みんなで飲んで食べて騒げー!」

 

ペパロニ「姉貴!姉貴!真実のペパロニに再挑戦してくださいッス!」アンガー

 

まほ「うむ、前より料理の腕は上達したから大丈夫のはずだ。いくぞ。とりゃー」バッ

 

ペパロニ「ガブリンチョ!」ハムゥー

 

まほ「おわー」

 

アンチョビ「いってるいってるぅー!」

 

 

 <~♪ ♪~ ♪~

 

アンチョビ「あ~のころの~♪ぼく~らは~まだ~♪」

 

カルパッチョ「あすのちず~♪さえ~もた~ずに~♪」

 

ペパロニ「フフーフフーフー♪フフー↑フー↑フー↑フー↑フーフフー♪」

 

アンチョビ「踊れおどれー!歌を唄いながら踊ろー!」

 

 <♪~♪~♪

 

まほ「そのーひとーつひとつがー ほらー ぼくらのいーまをつーくってるー」

 

アンチョビ「マルゲリータあんまりお歌が上手じゃないな!」

 

まほ「!」ガーン

 

ペパロニ「ドゥーチェも自分に正直すぎッス!」

 

カルパッチョ「今度は歌の練習もしないといけませんね」

 

まほ「ふふ・・・ははははは」

 

アンチョビ「わははははは!夜はまだ長い!一晩中唄って踊って騒ぐぞー!」

 

 \オオオオオーーー!/

 

 

 

 

アンチョビ「すぅ・・・すぅ・・・」

 

カルパッチョ「んぅ・・・」

 

ペパロニ「くかー・・・」

 

 アンツィオ生徒達『Zzz・・・Zzz・・・』

 

 

まほ「・・・むにゃ・・・」

 

まほ「・・・・・・ん・・・」

 

まほ「・・・・・・!」

 

 

 ガバッ!

 

 

まほ「しまった!寝過ごした!」

 

 

 ~FINE~

 

 

 

 

 ~おまけ~

 

エリカ「隊長がアンツィオから戻って一週間」

 

エリカ「アンツィオで学んだことを実践すると張りきっている隊長は、隊員達と一緒に歌ったり踊ったり、料理を作ったり、学園艦の大浴場に連なって行ったり、以前とは変わった」

 

エリカ「皆との距離感が近くなって士気は高まっているし、隊長も楽しそうだからいいんだけど・・・練習の前に食事、練習の後に食事、何か良いことがあると食事・・・」

 

エリカ「アンツィオ流を取り入れたことで食べる量が劇的に増加した結果――」

 

 カシン・・・

 

エリカ「体重8キロも増えたじゃない!」バシーン

 

エリカ「戦車道はカロリー消費するのに8キロも!」バシーン

 

エリカ「しかも隊長は0,5キロしか増えてないらしいし!」バシーン

 

エリカ「冗談じゃないわよ!どうなってんのよ!なにやってんのよ私ぃ!」バシーン

 

みほ「あはは・・・それでサンドバッグ叩いて汗流してるんだ。黒森峰も大変みたいだね」

 

エリカ「笑ってんじゃないわよ!アンタのとこのポンコツお姉ちゃんのせいよ!あの頃のカッコイイ隊長を返しなさいよ!」バシーン

 

みほ「はい、小学生の頃のお姉ちゃんの写真」ス

 

エリカ「ありがとうございます!!!」

 

 ~おわり~

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