ダンまち世界に転生するのは間違っているだろうか   作:厨二病の末路

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10話目になります。

コメントで頂く指摘や応援、大変感謝してます。
物語を読む事はあっても、執筆するのは初めてですが
こうして反応が頂けるだけでも本当に嬉しいです。

ご指摘頂いた所は胸に落とし込んで糧にできるよう頑張りますので
よろしくお願い致します!

今回は軽めですが、戦闘シーンあります。
自信はないですが精一杯頑張ります!


少年はダンジョンに入る。

翌朝、ベッドで目が覚める。

かなり疲れていたのか知らぬ間に眠りに落ちていたようだった。

身なりを整えリビングへ行く。

 

「おはよう。」

「おはようザック!随分遅い寝起きね!」

「おはようございますカールスさん。」

「童貞にはキツい空間ですものねえ。おちおち眠る事も叶わないでしょう。」

「童貞いうな。ぐっすり眠れたわ。」

 

どうやら本拠(ホーム)に残っているのはアリーゼ、輝夜、リューと

アストレア様と護衛にライラが残っているらしい。

他の皆はパトロールに出ている。

 

「正直、輝夜がついてくるとは思ってなかった。」

「あら?ご不満で?」

「そんなことはねえさ。ただこんな状況で美女3人侍らせてダンジョンに行くなんて悪いと思ってさ。」

「「誰が?誰を侍らせるって?」」

「すみません。調子に乗りました。」

「もうザックったら!朝から超絶最かわ美女だなんてお世辞とはいえ飛ばしすぎよ!私が美しすぎるのがいけないのね!」

「お前は相変わらずだな。」

 

殺気を飛ばす輝夜とリュー、そしていつも通りのアリーゼ。

これが実家のような安心感というのだろうか。居候2日目だけど。

改めて輝夜に言う。

 

「でも本当に良いのか?」

「ああ、構わん。というか自分から同行を決めたのだからな。」

「…?なんで?」

「お前の主武装は刀だろう?私も刀が主な武装になるからな。同じLv3としてお前の腕前を見せてもらいたくてな。」

「なるほどな。でも俺の腕前なんて大した事ないぞ?」

「なに、自分と違う型で戦うと言うならばそれだけで身になるものもあるだろう。」

「輝夜がそういうなら構わないけど…。」

 

そういう事でアリーゼ、輝夜、リューと俺の4人でダンジョンに潜る事になった。

 

「ではアストレア様行ってきます!」

「ええ、皆気をつけて無事に帰ってくるのよ。」

 

アストレア様に見送られながら本拠(ホーム)を出る。

ああ、陽の光に照らされてるアストレア様が神々しい…。思わず手を合わせる。

 

「……何をやっているのですか貴方は。」

「身に余る幸せを噛みしめてただけだよ。」

 

リューの問いかけをはぐらかしてダンジョンに向かうことになった。

 

 

⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎

 

バベルに着き螺旋階段を降っていく。

 

「おお〜。初めて見たけどすげー構造だよな。階層が進むに比例して広くなっていくなんて。」

「あらあら、目を輝かせて可愛らしいこと。この童貞様は」

「童貞いうな。そういうの癖になってここぞって場面で口に出すんだからな?俺はオラリオに自分が童貞なんて知られたくないんだけど。」

「あら。別に良いじゃない!ねえリオン?」

「こ、ここで私に振らないでください!」

「あらあら、このムッツリエルフ様は何を考えていたのやら…。」

「ム、ムッツリエルフ…!?訂正しろ輝夜!私は決してムッツリなどではない!」

 

ただダンジョンの構造に驚いていただけなのにこの疲労感はなんだろう。

2人は喧嘩を始めたし、アリーゼに関しては我関せずというか、見守っているような感じだった。まぁあまり気にしないようにしよう。

 

これから始まる冒険譚の1ページ目に俺は心を躍らせていた。

 

 

そんなこんなで1階層までやってきた。

 

「今日の戦闘は基本的にザックに任せるわ。様子を見て行けそうなら18階層まで行きましょう。ダンジョンと地上のモンスターの勝手は違うから意識して気をつけるように!」

「ああ、分かった。」

「上層だけなので今回は私がヒーラーを務めます。」

「では私はザックが取りこぼしたモンスターを始末しよう。」

「じゃあ行くわよ!」

 

アリーゼの指揮で歩を進める。

 

早速壁からゴブリンが4体這い出てくる。

地上で出会ったものとサイズが段違い…。とはいえLv3だ。

『目』は使わず刀を抜刀して下段に構え、ゴブリン達に接敵する。

一体目の位置が悪いので逆袈裟斬りの要領でゴブリンを斬る。

次いで2体目のゴブリンを袈裟斬りで倒し残った2体をそのまま横に凪いで始末した。

 

戦闘が終わって後ろを見ると輝夜が少し驚いた表情をしていた。

「ザック、お前は極東の剣術を使うのだな。」

「?ああ、昔少しだけ教えて貰って心得があってな。」

「少しか…。脚さばきに重心の移動、それに加えて技の継ぎ目に隙がない。恐らく体の使い方は私よりも上だ。」

「それは買い被りすぎだろ…。だが強いて言うなら人の教えを落とし込んで自分流にアレンジするのが得意なだけだ。」

「ふむ…。そういうことにしておこう。」

 

もちろんザックに剣術の心得などはない。前世の知識を元に毎日のように反復練習とモンスターの狩りを行い続けた結果だ。

発展アビリティの【技巧】のおかげだろう。

1度見たものは自身の技巧に合わせて大抵コピーできるようになった。

 

「じゃあ、次にいきましょうか!」

「分かった。」

 

アリーゼの合図で一行は進み始めた。

 

 

⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎

 

 

その後なんの問題もないまま17階層までサクサクと進む事が出来た。

そのまま白い壁の空間に歩いて出る。

 

「思ってる以上に順調に来れたわね!」

「ええ。出てくるモンスターのタイミングも上手いことバラけていた。」

「まぁ、そのせいでこの童貞様、身につけた剣技のみでここまでモンスターを捌いていたので、本領を見る事叶いませんでしたね〜。」

「事ある事に童貞、童貞いいやがって…。てか他にも見る機会なんていくらでもあるだろ…。」

 

俺の実力が確認できて気が抜けたのか軽い会話をしながら進んでいく。

 

そんな状態を迷宮(ダンジョン)が見計らっていたかのようにそれは唐突に起こった。

壁がヒビ割れ迷宮の孤王(モンスターレックス)が産声をあげる。

 

オオオオオオオオオオオオオッッ!!

 

「「「!?」」」

ザックを除く3人は驚く。ザックは「ベルが戦ってた奴の弱いバージョンか?」なんて事を呑気に考えていた。

 

「なんでゴライアスが!?前回の討伐報告からまだ2週間たってないわよね!?」

「ええ。前回はロキファミリアが討伐してまだ1週間しか経っていません。」

「今まで上手くいってたのが嘘のようだな。本当にこのクソ迷宮(ダンジョン)は人の嫌がる事をするのが得意らしい。」

 

3人は戦闘態勢をとる。そこにザックが待ったをかけた。

「俺の本領をまだみせてないだろ?ここは俺にやらせてくれねえか?」

「…!?カールスさん、貴方はこの怪物(モンスター)の事を甘く見すぎている!ゴライアスの推定Lvは4。私達が束でかからなければいけない相手です!」

「甘く見てるつもりはないよ。んー、そうだな。なら一撃攻撃が体に『掠り』でもしたら直ぐに加勢してくれて構わない。」

「だから…!」

「良いわリオン!ここはザックに任せてみましょう!」

「アリーゼですが…!」

「少しは落ち着かんかこの未熟者。あいつは『掠り』でもしたらと言ったんだ。よっぽど攻撃を貰うことはないと思っているんだろう。それに…」

「童貞様の本領見せてくださるのですよね?」

 

妖艶な笑みでこちらを見る輝夜。つい見とれそうになるが…。

 

「童貞…。まぁいいや。こいつを倒せば大手を振って居候させてもらえそうだしな、安いもんだ。」

 

そう言って1歩2歩とゴライアスへと向け歩き始める。【天眼】を使用する。

こちらに気付いたゴライアスは腕を振るう。そこで初めて《魔法》詠唱する。

 

 

「【迸れ(アクセラ) 2速(ダブル)】」

ゴライアスの腕が空を切り、同時に振り落とした腕から血飛沫があがる。

だが傷は浅かった。

 

『ゴライアスを殺す』という目的での【天眼】使用。

今までのモンスターなら「線」で浮き上がっていたがコイツは「点」でしか捉えられない。ならばその「点」の部分まで切り裂けば問題はないのだろうが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「点の位置が首の真ん中とか胸の間って…【眼】が無くても分かるじゃんよ」

 

腕を振り回してくる。その全てを最小の動きで躱し続ける。

これも【天眼】の恩恵だ。目的に沿った最適解の体の運びを意識を傾けずとも行える。

 

そうして振り回してくる腕の勢いを利用して傷を増やしていくが、中々、線が見えてこない。大抵、目的の生物が弱ると線が段々と浮かび上がって来るもんだが…。迷宮の孤王(モンスターレックス)の名は伊達じゃないらしい。

 

攻撃を受ける事は無い。だが致命傷へは至らない。このまま続けばジリ貧だ。精神力(マインド)が尽きてそのまま殺されるだろう。

 

後ろを見ると3人とも驚きの表情をしている。軽く笑みがこぼれる。

女の前で大見得切ったんだ。「やっぱ無理でした。」はねえよな!

 

ゴライアスがなりふり構わず暴れ回る。

「帰りの余力を考えて30秒が限界だな…。」

ポツリと零す。後ろの3人に声を掛ける。

 

「おいお前ら!」

「「「…!」」」

「ここからザック・カールスの冒険譚!一幕の終幕(フィナーレ)だ!刮目して見ろよ!」

 

少し驚いた顔をしてから笑って少女達は答える。

「ええ!特等席で楽しませてもらうわ!」

「カールスさん。貴方を信じます!」

「ザック!お前の『冒険』見させてもらうぞ!」

 

3人とも微笑むように顔を向ける。それに合わせるようにニカッと笑みを返す。

 

「さあ迷宮の孤王(モンスターレックス)ゴライアス!俺の物語の糧となれ!」

 

改めて死地へと飛び込み詠唱する。

「【テンポラル 迸れ(アクセラ) 3速(トリプル)】」

刹那、ゴライアスの片腕が吹き飛んだ。

 

 

片腕が落ちる。ゴライアスは異常事態に狂ったように暴れ回る。

しかし、避ける。避ける。避ける。

【天眼】は死地に置いても一筋の「安全地帯(セーフティポイント)」に体を起き続ける。そして斬り続ける。

脚の腱を。腹を。腕を。

 

そうして弱りきったゴライアスに「線」が生まれる。

 

「じゃあなゴライアス。俺の冒険譚の序章を飾るに相応しい怪物(モンスター)だったぜ。」

 

最後に一言残し、首を両断した。

持ってザック・カールスの冒険譚の一幕と相成った。

 

 

⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎

 

3人が後ろで見守る更にもう少し後ろで戦いを観戦するものがいた。

 

「あの人…。すごい。1人でゴライアス倒しちゃった。」

「…ああそうだな。」

金髪の少女と緑髪のハイエルフも1人の男の【冒険】を目の当たりにしていたのであった。




ここまで読んで頂きありがとうございました。
本当は分けて書くつもりでしたが、調子が良かったので繋げてしまえ!
と思いまとめました。

戦闘シーン難しかったですが、ザックの感情が乗る分楽しく書けました。

楽しんでいただければ幸いです。
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