ダンまち世界に転生するのは間違っているだろうか 作:厨二病の末路
途中まで書いていたものを保存するのを忘れて3000字ほど吹き飛びました…。筆舌に尽くし難いとはこういう事なのだと初めて理解しました。
あらすじに書きました通り1日1話の確約ができなくなりました。
その代わり1話辺りの量と質…に関してはなんとも言えませんが上げて行くように努力しますので引き続きよろしくお願い致します。
輝夜は、ザック・カールスという男を訝しんでいた。
団長が連れてきた謎の男。聞けば所属不明のLv3と怪しさ満点だった。
あろう事か、ここに居候させ始めると言った。
当然アストレア様は断るだろうと思ったがなぜか許可を出す。
完全に異を唱なえるタイミングを逃した輝夜は内心を隠し了承の答えを出した。
男が客室に行ったことを確認しアリーゼとリューに問い質す。
「正気か?あんな得体の知れない男をファミリアで居候させるなんて」
「輝夜の言う通りだぜ。あんなもん
輝夜に続いてライラもいった。
暗にまともな感性なら有り得ないだろう、と。
「2人の言い分は尤もだわ。だけど彼は大丈夫だと思うの!」
「いや、ならせめて具体的な根拠をくれよ…。」
輝夜はリューに向けて鋭い視線を飛ばす。
「団長も大概だが、リオン。貴様はなぜ止めなかった?」
「アリーゼに押し切られた部分もある。だが、私も彼はそのような事をする人間ではないと判断しました。」
「
「……彼がオラリオに来た理由。『夢』について聞きました。子どものように無邪気な顔で『夢』を語り、その言葉は信念に満ちていたものでした。彼にとっての『夢』は私達にとっての『正義』と同じです。確かな自己を確立しているような人が
「根拠としては弱いんじゃねえか?結局の所、正体不明な部分は変わらねえしな。」
ライラはリューにそう言った。実際にザックと話を交わしたのは挨拶くらいだ。彼の人となりなんてわかるよしもない。
ライラが疑ってかかるのは仕方がないだろう。
「団長、リオン。明日はあの男とダンジョンに行くと言っていたな?私も同行する。少しでも妙な動きをしたら捕縛、抵抗する場合は殺す。問題ないな?」
「ええ。構わないわ。それで少しでも輝夜の疑いが晴れるなら。」
「私も、問題ありません。」
「そういう事だライラ。私があの男を見極める。問題ないな?」
「ああ、構わねえぜ。アリーぜとリオンはともかく、お前が問題ないと判断したら大丈夫だろうしよ。」
「今日は私があいつを見張る。夜の内に変な気を起こさんとも限らんしな。」
「分かったわ。じゃあ今日は解散!明日に備えて休みましょう!」
アリーゼの一言で皆、寝室へと戻ることになった。
輝夜は男の居る客室へと足を向けた。
「(2人はああ言っていたが警戒を怠る訳にはいかんな。)」
客室に聞き耳を立てると、寝息が聞こえてきた。
音を立てぬよう扉を開け男が本当に眠っているか確認する。
この状況で熟睡している。
「(……警戒してるこちらが馬鹿らしくなるな。)」
とは言いつつも警戒態勢を解くつもりはない。何か事が起こらぬか一晩中見張る事にした。
翌朝、特に何もなく男は1番最後にリビングへと現れた。
私がダンジョンに同行する事を伝えると、男は意外そうな顔をした。
こちらの狙いに勘づかれる事はないようおあつらえ向きの理由をあげて納得させる事に成功した。
「おお〜。初めて見たけどすげー構造だよな。階層が進むに比例して広くなっていくなんて。」
バベルの螺旋階段を降っていると、初めて見る物に興奮する子どものような無邪気さで目を輝かせながらそう言った。
「(こんな階段探せばどこかしらにあるだろうに…。こんなただの階段に目を輝かすのだな…。)」
警戒心を解くわけではないが団長の言っていた事に少しだけ理解を示す。
その表情が少しばかり可愛くてからかってみる。
「あらあら、目を輝かせて可愛らしいこと。この童貞様は」
「童貞いうな。そういうの癖になってここぞって場面で口に出すんだからな?俺はオラリオに自分が童貞なんて知られたくないんだけど」
この反応ではやはり嘘ではなく生粋の童貞なのだろう。
団長やリオンと会話をしながら先へ進んで行った。
1階層で早速ゴブリンと男が戦うことになった。
正直ゴブリン程度で実力が分かるとも思わなかったが、重心の移動に技の継ぎ目が分からない程の動きの流麗さ。加えて極東の剣術の一端をかいま見た。
「(少し指南を受けた…か。嘘を言っている感じはしない。だがそれだけであそこまで動きを突き詰める事ができるのか?)」
一体どこで誰に師事していたのかは分からない。だが男が言っている事が事実ならば紛うことなき傑物だろう。
「(Lvは同じだが…。恐らく遅れを取るだろうな。)」
何が起こっても対応できるように、輝夜は男への警戒心を強めた。
そんな心配とは裏腹に17階層までやってきた。
特段、不審な行動は見られず初見のモンスターも居るだろうに男は無傷でここまでやってきた。
何も起こらぬならそれでいいと、ほんの少し警戒心を緩め軽い会話をしていた時にそれは起こった。
「オオオオオオオオオオオッッ!!」
ゴライアスが産声を上げる。
「(不味い…。最悪のタイミングだ!)」
ここで男が事を起こしたら間違いなく私達は全滅するだろう。
男にとっては都合の良い状況だ。ゴライアスの対処と男の対応はいくら私達でも手に余る。
最悪の状況を考えゴライアスと男を視界に捉えながら戦闘態勢をとる。
すると男は私達に手を制して前へ出る。
「俺の本領をまだ見せてないだろ?ここは俺にやらせてくれねえか?」
「(…!?)」
あろう事か1人で戦うと言い始めた。
その表情は不敵な笑みを浮かべていた。
これからの戦闘に思いを馳せているようなそんな笑み。
なので私は宣言する。
「童貞様の本領見せてくださるのですよね?」
男は一瞬惚けて輝夜を見たが直ぐに表情を元に戻す。
「(疑念が晴れた訳では無い。が、ここは信用しても良いだろう。何よりコイツの本当の実力が見れそうだからな。)」
そうして男とゴライアスの戦闘が始まった。
「【
「(超短文詠唱…!?付与魔法なのか?)」
刹那、男の姿が消える。
今までの比ではない剣速でゴライアスの腕を斬り裂いた。
「(速すぎる…。明らかにLv3の範疇を超えている!)」
単純な敏捷だけならLv4上位に匹敵する程の速さを魔法で体現している。
そんな出鱈目な付与魔法は聞いたことがない。
「(しかもそれだけではない…。)」
ゴライアスが腕を振り回して叩き潰そうとしているが全て外れている。
最早、
確かにザックという男の戦闘技術は優れていた。並のLv3では出来ない体捌き。
だが、それだけだ。ここまでの技術を鑑みてもこれは有り得ない。
「(なんて流麗…。1人で舞を踊っているような優雅さすら感じる。)」
警戒している輝夜にしても、今のザックの動きは神がかりすぎている。
つい目的を忘れて魅入ってしまう。
しばらく時も忘れて見蕩れているとザックが声を張り上げた。
「おいお前ら!」
「「「…!」」」
ついハッとなる輝夜、アリーゼとリオンにしても同じだ。
ザックに視線が集中する。
「ここからザック・カールスの冒険譚!一幕の
「(………ッ!)」
思わず息を呑んだ。力強く透き通った声、舞台に上がった英雄のような口上。どれをとっても目を奪われる程、輝かしがった。
「(団長とリオンが言っていたのはこれの事だったのか。実際目にしないと信じられないのは仕方がない。)」
恐らく、アリーゼとリオンもこの男の一部分を垣間見たのだろう。
今ほどでのものではないだろうが、昨日のやり取りで信用に値する奴だと理解したのだ。
「(確かに…。こいつにとっての『冒険』は私達アストレアファミリアの掲げる『正義』と同義なのだろう。最早コイツを疑う理由もない。ここまでの信念を掲げる様なやつが
我ながらちょろい気もしたが、今のザックには人を惹きつけるカリスマのようなものを感じる。今まさに物語の英雄譚に巻き込まれているような。そんな不思議な感覚に陥った。
「(私達が
微笑みながら言う。
「ザック!お前の『冒険』見させてもらうぞ!」
男はニカッと笑い魔法の詠唱式を唱える。
「【テンポラル
男は私達が視認出来ないようなスピードでゴライアスの体を削ぎ落としていく。
男の動きがブレる。スローモーションの映像でも見ているようだ。
これだけ速く動いても剣はブレず、効率よく体を捌く。
「(綺麗だ…。なんて無駄のない動き…。一体どれ程の研鑽を積めば…。)」
最初の疑念は何処へやら、輝夜はザックの動きに終始目を奪われていた。
そしてゴライアスを斬り刻んだ末に男が言った。
「じゃあなゴライアス。俺の冒険譚の序章を飾るに相応しい
終わってみれば一方的な蹂躙。圧殺といっても過言ではないだろう。
これでLv3。埒外の傑物と言っても過言ではない。
そんな中、輝夜にある感情が芽生えたのであった。
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
遅くなり申し訳ありません。
本当は1万字くらいまで行くつもりでしたが、保存するの忘れて内容が吹っ飛びこの有様です。
これから週2-3本投稿位になると思いますが、ボリュームとクオリティに拘って頑張って行きますので引き続きよろしくお願い致します。
これからの物語の進行にアンケートも実施しておりますので宜しければお願い致します。