ダンまち世界に転生するのは間違っているだろうか   作:厨二病の末路

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13話目です。
いつも読んで頂きありがとうございます。

ロキファミリアsideから「ザックをホームに招いて大丈夫か?」という話を書こうと思いましたが、アストレアファミリアがザックを受け容れてる時点でそこそこの信用を築けているはずなので割愛します。

では、よろしくお願いします。




少年は少女と手合わせをする

「んん……。」

 

朝日が窓に差し込み、ふと目が覚める。今日は気持ちのいい晴天のようだ。

 

「(約束までまだまだ時間あるし、2度寝しようかな。)」

 

そんな事を考えて寝返りをうとうとしたが()()()()()()

体の向きごと変えてみる。すると何故か全裸の輝夜が寝ていた。

 

「……?…………っ!?」

「んぅ……。」

 

輝夜「んぅ…。」とか言うんだな。普段とは違うギャップで少し…

じゃなくて!!何だこの状況は!

え?いつの間に入ってきてたのこいつ?てか俺なんで気づかないの!?

 

「おい、起きろ。」

「うぅん…。」

「なんでお前ここに居るんだよ。てかなんで全裸なんだお前は。」

「んん…。だって朝勃ちした勢いで襲ってくるかもしれないだろ…。」

 

寝惚けてんのか本気なのか分からない。いや、この感じは本気だな。

意識が段々と覚醒してきたのか輝夜はイタズラ顔でザックに言う。

 

「私の体が見たいのならいくらでもみせてやるぞ?ん?」

「や、やめろ。自分の事を大切にしろって言ったばっかだろ。」

 

そう言ってベッドから離れようとした瞬間に背中から抱きつかれる。

背中にふにふにした2つの感触がする。

 

「お、おい輝夜!背中に柔らかいのが当たってるって!」

「ふふ。当ててるのだこの童貞。そら、振りほどきたいならこっちを向け。」

「お前昨日アストレア様にしこたま怒られただろ!懲りろよ!」

「その程度で私が屈するとでも?いい加減観念して…」

「ザック!助けに来たわよ!」

「「!?」」

 

助けが来た事に一瞬喜んだが、むしろ追い討ちの火種にしかならなそうな女。アリーゼ・ローヴェルその人がパジャマで現れた。が、直ぐに服を脱ぎ捨てる。

 

「さぁ。見るなら私の裸体を見なさい!」

 

そんな事を言って正面から抱き着いてくる。もう色々と限界で半泣きになる。

「あ、団長卑怯だぞ。」

「なんでアリーゼなの…。リュー、ライラ…、助けてぇ。」

「フフン!2人はパトロールで出払ってるわ!私達の時間を邪魔するものは誰もいないわよ!」

「何だか楽しそうね?私も混ぜてもらおうかしら?」

「あら、構わないわよ!今更囲う人が1人や2人増えた所…で…。」

「ア、アストレアさまぁ…。助けてぇ。」

「ごめんねザック。…貴女達、昨日の罰じゃ足りなかったみたいね?」

 

アストレア様に救出してもらい部屋を退出する。

アリーぜと輝夜はうんと酷い目にあえばいいと思う。

少し早いが、逃げるように本拠(ホーム)を出ることにした。

 

 


 

 

「(予定までまだ時間がある…。どうしようか?)」

 

まぁダンジョンに行くには時間がないから必然的に辺りを散策する事になるんだけど…。

ふと思う。7年後にベルたちが暮らしているホームはどこにあるのか。

 

「確か廃教会だったような…。暇つぶしに探してみようか。」

 

興味本位で探してみる事にした。

 

 

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

 

「見つけた…。記憶違いでなければここで間違いない。」

 

ロキファミリア方面に歩きながら道行く人にしらみ潰しで話を聞いて回って辿り着いた。

 

「なんか…。こんなボロボロだったっけ?」

 

窓は割れてるし、入口の扉も外れかけてる。最早建物としての体裁を保てていない。中はどうなんだろうか?恐る恐る入ってみることにした。

 

「お邪魔しまーす。ってうわ、中も結構荒れてんな。」

 

7年後の方がよっぽど綺麗…だったような気がする。

だけど、正面の割れた窓から差し込む日の光が暖かくて気持ちがいい。

そういえば輝夜に2度寝を阻止されたからか少し眠いし寝ることにしよう。

 

そう決めて壊れていないチャーチチェアに腰をかけて眠ろうとすると…

不意に声をかけられた。

 

「貴様、ここで何をやっている?」

「っ!?」

 

声を掛けられるまで一切気配に気が付かなかった。振り返ると顔を隠した灰色の髪の女が立っている。ザックは平静を装い淡々と返事をする。

 

「この辺を散策しててな。偶然ここの教会に目が惹かれてお邪魔したんだ。気持ちのいい光が差し込んでたから少し眠らせてもらおうと思ったんだけど、すまん。あんたがここの持ち主だったか?」

「………ふむ。まぁいい。どうやら貴様はあの塵芥どもの仲間ではないらしい。」

 

こちらの質問には答えてもらえないようだ。かなりの傍若無人ぷりだ。それならばとザックも構わず続ける。

 

「ここは良い場所だな。外も中も荒れ放題で手入れのての字も見受けられないが何故か自然と落ち着く。オラリオに来てからは静かに過ごせるような所も無かったから。」

「………」

「それで、あんたはここの持ち主なのか?不法侵入にでもなるんだろうか…。」

「別に構わん。休みたいならば休んでいくといい。貴様の音色は不思議と心地よい。ただ雑音を奏でるなよ。そんな事をすれば即刻叩き出す。」

「……?わかった。」

 

彼女の言っている音色とかの意味は分からないが、取り敢えず滞在は許可されたらしい。

 

「(この人、怖いんだけど声はとても澄んでいて綺麗だな…。)」

 

なんて事を考えながら眠気に身を任せ少し眠りについた。

 

 

 

 

1時間程経ってザックは目を覚ました。今からロキファミリアに向かえばちょうど良い時間になるだろう。

女性は斜め後ろの椅子に座っていたので声をかけて教会を出ることにした。

 

「すまん、邪魔したな。また良ければお邪魔してもいいか?」

「構わん。が、他の者にこの場所を触れ回るなよ?そんな事をすれば…」

「なるほど。あんたと俺の秘密の場所…という事だな。」

「捻り潰されたいか?」

「冗談だよ!…コホン、ではありがとう。声の綺麗なお姉さん。顔が見れなくて残念だ。」

「…ふん。」

 

そう言って廃教会を出る。

 

「(あの女めちゃくちゃ手練だな。どこのファミリア所属なんだろうか?まぁ、変に詮索してボコボコにされるのも嫌だしあまり考えないようにしよう。)」

 

そう心に決めてザックはロキファミリアへと向かった。

 

 


 

「でっかいな…。」

 

流石、現二大派閥のロキファミリアの本拠(ホーム)だ。他のファミリアのホームがどんなものかは知らないが、ここに勝るような大きさのホームはないのではないかと思うほど立派な建物だった。

 

「ザック!」

「お…。ようアイズ。あとリヴェリアさんもこんにちは。」

「ああ。こんにちはカールス。」

「ザックで構わないですよ。僕もリヴェリアさんと呼ばせてもらいますし。」

「そうか?ならば、こちらも呼び捨てで構わない。出来ればタメ口も無いと嬉しい。あまり仰々しく構えられるのは苦手なんだ。」

「分かりまし…いや、分かった。よろしくリヴェリア。」

「ああ、こちらこそよろしくザック。それとすまない、今日の模擬戦なんだが…。」

「ねえ…。早く行こうよ。」

 

 

リヴェリアが何か言いかけていたが、逸るアイズに手を引かれ早速訓練場に向かった。

 

 

 

 

訓練場に着くと、金色の髪をした小人族(パルゥム)と貫禄のある髭を持ったドワーフの男が待っていた。

 

「やぁ。よく来たね。」

「お主がゴライアスを単独で討伐した若造か!」

「えっと…?」

 

リヴェリアの方を向くと申し訳なさそうに口を開いた。

 

「すまない。このことについて先程話そうとしたのだが、アイズに手を引かれて行ってしまったので言いそびれてしまってな。昨日、アイズと君が今日模擬戦をする事を伝えると2人とも見に行くと言って聞かなくてな。」

 

リヴェリアはやれやれと言った様子で目頭を押さえ眉を顰める。

 

「ははは…。リヴェリアから話を聞いて是非君と会ってみたいと思ったんだ。もし嫌だと言うならここから立ち退くつもりだが…」

「いえ、構わないですよ。少し驚いただけですから。別に見られて困るようなものでもないですし。何ならもっと人を呼んでも良いですよ?」

「話に聞いていた通り豪胆な男じゃのう!気に入ったわい!」

 

そう言ってくれると思った、という顔の小人族(パルゥム)と「ガハハハッ!」とドワーフは気持ち良く笑った。

 

「改めまして、ザック・カールスといいます。所属は明かせませんが今はアストレアファミリアにお世話になってます。親しみを込めてザックと呼んで頂けると嬉しいです。」

 

「僕はフィン・ディムナだ。ロキファミリアで団長をさせてもらっている。こっちはガレス・ランドロック。僕らにも敬語はなしで大丈夫だ。」

「よろしくのう!」

「ああ、こちらこそよろしく。」

「…ねえもういいでしょ?ザック早く戦おうよ…。」

「ああ、待たせてごめんな。」

 

アイズが袖を引っ張って少し膨れている。年相応で可愛らしい。

…もっとも膨れている内容が「早く戦いたい」という理由なのは物騒この上ないが。

 

「模擬戦のルールは?」

「安全を考慮して木刀での立ち合いとする。魔法の使用もなしとしよう。」

「分かった。」

「……真剣がよかった。」

「馬鹿者。良いわけがあるか。」

「(この子は俺の命を刈り取るつもりなのだろうか…?)」

 

木刀を手に持ち一定の距離を取り合図を待つ。

 

「それでははじめっ!」

 

始まりの声と共にアイズが突っ込んでくる。

 

「(はやいな…!)」

 

ただ応じれない速さではない。後は動きが単純だ。

正面から来る突きを利用して少し自分の体を横に反らし木刀の柄でアイズの木刀を持つ手を突く。

 

「……ッ!」

「正面から突っ込んでくるとは…。もしかして嘗められてる?」

 

今の一撃で利き手に力が入らなくなったのか逆手で剣を持つ。

が、明らかに精彩を欠いている。力任せに振るっているようにしか見えない。

スキルの使用は禁止されていないので【天眼】を発動する。ズルだとは思うがこうするのがアイズにとって1番効果的だろう。

剣を振り回すアイズに近づくが一撃も貰うことはない。そのまま逆手を押さえて脚を引っ掛けて転ばせる。

アイズはコケたままこちらを見上げる。

 

「流石に嘗めすぎだ。俺の力量を確かめる為にやったなら分かるけどあの動きは癖になってるな?モンスター相手ならステータスにモノを言わせて通用するだろうが冒険者相手だと格下には勝てても同じLvの奴には勝てないぞ?」

「…っ!もう1回!」

「よし、やろうか。」

 

模擬戦というより指導に似たような感じになった。

 

 

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

「…ふむ。思っていた以上に強いね。」

「ああ。ここまで簡単にアイズをあしらうとは思ってもみなかった。」

「ここまでやるようなら噂の1つや2つ出てきても良さそうなもんじゃがのう。」

 

フィン、リヴェリア、ガレスは3人とも感心したように各々感想を述べる。

フィン、ガレスは話に聞いていたザックの体の使い方に舌を巻くように魅入っている。

リヴェリアはザックの戦う姿を見ていた為彼ら程ではなかったが、対人戦でここまでやるものかと思いながら2人の立ち合いを見ていた。

 

「『柔よく剛を制す』という言葉があるが、正に彼は柔の極致を極めているように見える。」

「ああ。アイズには悪いがあやつの体の動きは見ていて面白い」

「アイズに足りない部分だな。しかし魔法無しとはいえ、まともに一撃も与えられないか…。」

 

先程からアイズは一撃も体に打ち込めていない。躱し、いなされた木刀の勢いを利用されて転ばされている。

ザックに至っても最初の一撃以外全て受けに徹している。

 

「(今のオラリオに彼ほどの実力者が居るのは喜ばしい。何とかして取り入れないだろうか…。)」

 

そんな事を考えているとリヴェリアと、ガレスが察したように言う。

 

「フィン。そういうのは直接伝えた方が良い。」

「ワシもそう思うぞ。あの手の者は小細工を弄するより正面からぶつかった方が良いじゃろう。」

「……やれやれ。2人にはお見通しか。」

「長い付き合いだからな(じゃからのう)」

 

フィンは少し苦笑いをしてザックとアイズの模擬戦に視線を戻した。

 

 

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

 

かれこれ2時間ほど打ち合い少し休憩することとなった。アイズは「まだまだ行ける!」とか言ってたけど俺の体力が持たないし、アイズの動きも悪くなってきていた。変な癖がつくとダメだからと言うと渋々了承した。

 

「おつかれ、ザック。」

「ああ、ありがとうフィン。」

「ところで聞きたいことがあるんだけどいいかい?」

「構わないよ。」

「ありがとう。では君のLvを教えてくれるかな?」

 

そういえば、聞かれてないから言ってなかったな。あんま言いふらさない方が良いんだろうけどここで模擬戦をしている以上今更だ。

そう思い素直にLvを伝える。

 

「Lv3だよ。」

「……!」

「ん?何かおかしな事言った?」

「…いやすまない。少し驚いただけだ。」

 

「(()()()()()L()v()3()()Lvと噛み合わなさすぎる。)」

「ちなみに歳はいくつ?」

「?14だけど…。」

「そうか…教えてくれてありがとう。」

 

14歳…。ファミリア内だとラウルと同じ歳。にわかに信じ難い。纏っている雰囲気も戦闘の技能も冒険者として完成されている。

この歳でLv3だと言う事を加味するとまだまだ伸び代があるし、次世代の英雄として台頭するのも想像に難くない。

 

「(可能であれば囲っておきたい。戦いの技能だけでも後進の育成に一役買える力が彼にはある。)」

 

「……?どうしたフィン?」

「!ああすまない。少しボーッとしていただけだ。」

「そうか?何だからしくない感じだな。」

「(今いきなり申し出るのは少し早いな。もう少し彼と関係を築いてから声をかけてみよう。)」

 

「…ザック。続き…しよ?」

「えーっ。もう疲れたよ。」

「まだ1本も取れてない…!」

「今日の感じだとしばらくは取れないよ。」

「〜〜〜ッ!」

 

プクーっと頬を膨らませる。この子もベルに負けず可愛い。さすがメインヒロインだ。

 

「…リヴェリア!」

「なんだ?」

「…真剣と魔法有りで戦わせて。」

「駄目だと言ったはずだ。ザックは客人だぞ。怪我でもさせたら…」

「別に俺なら大丈夫だよ。アイズが納得できるならそれで。」

「しかしだな…。」

「良いじゃないかリヴェリア。彼がこう言ってるんだ。イザとなれば僕とガレスが割って入る。万が一にも大事にならないようにするよ。」

「そういう事じゃ。ワシもザックの本領を見てみたい。」

「はぁ…、分かった。ただ危険だと私が感じた時点で止める。2人ともそれでいいな?」

「うん。わかった。」

「俺もそれで大丈夫だ。」

 

距離を取りアイズはサーベルを抜きザックは帯刀しながら居合の構えをとる。

 

「(やった事は無いが一撃で決着をつけるならこれが良いだろう…。)」

 

「さぁ。何時でもいいぞ。」

「…分かった。【目覚めよ(テンペスト)】」

 

アイズが詠唱すると彼女を纏うように風が立ちこめる。

ザックは【天眼】で魔法を斬るイメージを見た。

 

「────────あぁ。綺麗な風だな。」

「…え?」

「ただの魔法だっていうのに生きているように見える。」

「!?」

 

驚いたのは誰だったのかは分からない。それくらい彼女の風に魅入ってしまっていた。

魔法そのものを眼でみた時に、彼女の体を優しく包む何かの姿を垣間見た。それが一体何なのかは分からなかったがザックはそれを美しいと思った。

 

「…ありがとう。嬉しい。」

「いや、良いんだ。それより止めて悪かったな。何時でもいいぞ。」

「うん…。行くよ…!」

 

すると最初の手合わせと同じように正面から突っ込んできた。

 

「(嘗めてるわけじゃなさそうだ。最初の意趣返しのつもりか…?だが…!)」

 

風を斬る道筋は見えている。後はそこに剣をいれるだけ。

刀の鍔と鞘を左手で力の限り押さえ込みその抗力を放つように右手で剣を抜刀する。まさに神速の一撃。本来ならことが終わるに過分すぎる一撃だった。

 

だがそれは、アイズが風を纏っていなければの話だ。

放たれた斬撃は彼女の風を突破することなく弾かれる。

 

「っ!?」

「やああああっ!」

 

刀が浮かされ体勢が乱れた隙をアイズは躊躇なく狙う。ザックは寸での所を鞘で受けた。だが風の勢いで壁際に吹き飛ばされる。

すると、アイズは攻め手を緩め立ち止まる。

 

アイズは知っている。ザックがまだ手を抜いていることを。

手を抜いているというと語弊があるかもしれないがゴライアス戦で見せた魔法を彼は使わずに立ち合っている。

 

「…ザック。魔法使って。」

「そのつもりだよ。じゃなきゃアイズの風は突破出来なさそうだ。」

 

そう言ってザックも詠唱を唱えた。

 

「【迸れ(アクセラ) 2速(ダブル)】」

 

白い闘気のような物を身に纏う。

 

「じゃあ、行くぞ。」

「…うん!」

 

そう言ってこちらから接近する。

アイズの風を斬ることを諦め、剣を弾き飛ばす事に意識をシフトする。

 

「っ!?」

「(こっちの動きに慣れる前に仕留める!)」

 

そのまま斜め下から斬り上げて剣を浮かせようとした。

 

「(重たっ!?2速(ダブル)でもこれかよ!だが…!)」

 

風を纏った剣は少ししか浮かなかった。が今の速さならこの少しの隙で充分事足りる。刀を手放しアイズの懐に入る。

驚いたアイズはそのまま攻撃が来ると思い瞼を閉じた。

 

「ふぎゅっ!」

「はい、俺の勝ち。」

 

アイズの鼻を摘んで模擬戦は終了となった。

 

 

 

「流石に疲れた……。」

「…ザック。ありがとう。」

「こちらこそ、ありがとうな。良い経験になった。」

 

そう言って近くに来たアイズを撫でる。満更でも無さそうだ。

 

「ザック、今日はありがとう。ファミリアを代表して礼を言うよ。」

「いや、本当に俺もいい勉強になった。嘆かわしいけど今のこの時代、人と戦わないといけないしそういった意味でも今日の手合わせは実りのある時間だった。」

「……ふむ。なぁザック。もし君さえ良ければだが都合のいい時にアイズに手解きしてやってくれないか?」

 

フィンが突然そんなことを言ってきた。

 

「無論タダでとは言わない。可能な限り君が望む事は叶えよう。」

「別にタダでも良いけど…まぁファミリアの体裁とかあるもんな。」

「まぁ、そうだね。察してくれると嬉しいよ。」

「ならフィンやガレスと模擬戦をするってのはどうだろう?勿論手の空いている時で構わないぞ。」

「そんな事でいいのかい?こちらからしても願ったり叶ったりな状況だけど。」

「格上との戦闘は実際に見える数字よりも大事な技術を養う事が出来る…と、俺は思ってるからな。2人が相手してくれるなら俺としても嬉しいよ。」

「そういう事ならワシは全然構わんぞ。先程の戦いを見て滾ってきたわい!」

「そうだね、僕も同意見だ。じゃあそれで構わないかな?」

「ああ、よろしく。」

 

そんな話をしてるとアイズが目を輝かせる。

 

「また戦ってくれるの…!?」

「たたか…いや、稽古ね。アイズの剣技の指導をするよ。まぁ稽古終わりに1本くらいなら立ち合いはしようか。」

 

そう言うとアイズは喜んで浮かれていた。俺としては嬉しいが戦闘狂(バトルジャンキー)極めてて不安になる。

 

「リヴェリア…。ちゃんとアイズの手綱握っておいてね。」

「ふっ。ああ約束しよう。しかしあそこまで嬉しそうなアイズを見たのは初めてだ。」

 

そんな事を言われるとやっぱり心配になるが、彼らに任せておけば万が一も起こらぬだろう。

この後、詳細を詰めてから帰ることにした。

 

 

 


 

 

ロキファミリアを後にし帰路に着く。日も落ちかけていたので急いでアストレアファミリアに帰ることにした。

 

「(そういや、あいつら今日はどんな罰を受けてるんだろ…。)」

 

そんな事を考えながら「星屑の庭」に着くと外で律儀に正座をしながらアリーゼと輝夜が待っていた。

 

「あっ。おかえりなさいザック!もう昼からずっとこの状態なの!アストレア様の事宥めてきてくれないかしら!?」

「元はと言えばあんな状態の私たちを前にして手を出さんお前が悪い。普通、挿入とまでは言わずとも胸ぐらい揉むだろうこの童貞め。」

「…………」

「ちょっとザック!?無視しないで!!!」

 

全然懲りていないようだったので無言で部屋に戻ることにした。

 

 




ここまで読んで頂きありがとうございます。

アクセラの白い闘気のイメージは春姫のウチデノコヅチの白いバージョンと認識して頂けると幸いです。

今後もよろしくお願いします。
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