ダンまち世界に転生するのは間違っているだろうか 作:厨二病の末路
誤字脱字報告いつもありがとうございます。大変助かっております。
それではよろしくお願いします。
ふと、意識を取り戻すと知らない部屋の天井が広がっている。
体は異常に重たいが外傷はなかった。
「あら起きたのね。戦闘の怪我はうちの
そういえばアレンとの戦いを終えてそのまま意識を失ったのか。
というか大事なお客様というなら戦闘を仲裁しろって話なのだが…。言ったところで無駄だろうから何も言わない事にした。
「ありがとうございます。どのくらい眠っていましたか?」
「6時間くらいよ。丸一日くらい寝てるかと思ったけど大した回復力だわ。」
「あいつは?」
「直ぐに目を覚ましたんだけど、アレンったらその足でダンジョンに向かったわ。」
「そうですか…。」
「納得いかないのかしら?」
「うーん…。」
瀕死になって気を衒った不意打ち紛いの一撃。己の全てを賭してもこの様である。もう少しスマートに勝てなかったものかと考えていると、フレイヤが少し困ったような微笑みを浮かべてザックに語りかけた。
「本来であればLv3の貴方がLv5のアレンに勝つなんて事は有り得ないわ。例えそれが1回限りの事だったとしてもこの勝利は誇るべきものよ。事実、他のLv3の冒険者達が束になっても敵わないのよ私の『戦車』は。」
徒党を組んでアレンに襲いかかるLv3など居ないだろうに…。だがこれはこれ以上ない俺に対する賛辞だろう。これ以上自分を下げるのは、アレンを見下すのと同義でありフレイヤ様の神格を貶める行為になる。
「そうですね。あの猫に一泡吹かせられた事を素直に喜ぶことにします。」
「ふふふ。それでいいのよ。」
そう言ってザックは体を起こす。そのまま壁にもたれかけた。
「すみません、思った以上に体がキツいのでお話はこのまま続けてもらっても良いですか?」
「構わないわ。なんなら今日は私と一緒に寝ててもいいのよ?」
「アリーゼ達が心配するので今日中には帰りますよ。」
「あら残念。」
と言いつつも断られるのは分かっていたような反応でどうやらからかわれていたようだ。
「それで話ってなんですか?」
「ええ、貴方私の眷属にならない?」
「……随分唐突な話ですね。理由を伺っても?」
「昨日にも言ったと思うけど貴方がオラリオに来てからずっと見させてもらってたの。とても面白い見た事のない『色』をした子だったから。」
「『色』がどうとかの意味は分かりませんが俺を見てて面白いと胸を踊らせてくれるのは嬉しいですね。」
「特にゴライアス戦で見せた大立ち回り…私もつい興奮してしまったわ。」
妙にウットリしているフレイヤ様。美の女神の名に相応しいほど妖艶に写る。大抵の男はこれでイチコロなんだろうなぁ…。
何にせよ神相手でも俺の『冒険』を楽しんでくれていた事実が嬉しかった。
「それでどうかしらウチに来ない?」
「お誘いは大変光栄ですがお断りします。」
「そう…。それは残念ね。」
「正直そこまで本気で勧誘するつもりじゃなかったですよね?」
「いいえそんなことは無いわよ?ここでYESと応えるのであれば喜んで眷属にしたわ。ただ…」
「ただ?」
「貴方は自由であればこそ輝くと思うの。ウチに入って私好みに育てるのも悪くないけれど、きっと貴方が本当の意味で輝くことはなくなるわ。それは私の望む所じゃないもの。残念だけれどね。」
流石に神様と言ったところだな。俺の本質を見抜いている。
「確かにその通りです。貴女の寵愛を受けられる機会を逃すのは勿体ないとは思いますが、それ以上に叶えたい大願がある。それはこの世で最も勇敢で、最も滑稽で、最も自由な『最高の冒険者』になりたいのです。それはきっと貴方の
「あぁ…素晴らしいわ。本当に…。手元に置いておきたい。けどそうした時点で今私が焦がれている貴方が死んでしまう。本当にもどかしいわ。」
「ええ、ですから私は自由に生きられる所を選びます。」
なんだかフレイヤ様の目が潤んでいて怖いので体にムチを入れて部屋を出る準備をする。
「ふふ、分かったわ。でも冷たいのね?私がこんなに熱視線を送っているのにそそくさ帰ろうとするなんて…。このまま筆おろしして上げてもいいのよ?」
「なんで貴女まで俺が童貞だって知ってるんですか!!?」
「だって
「あいつ…。マジで許さん。」
本当にオラリオ全土に広がってしまうのではないだろうか…。
嫌だ!早く何か手を打たなければ…!
「それでどう?」
「今まで見てたならその答えも分かるでしょう?あとここで筆おろししたなんて言ったらもうアストレアファミリアには帰れないので。」
なんというか後が怖すぎる。ボコボコにされるのだろうか…それとも2人して蹂躙されるなんて未来もあるかもしれない。
そんな未来は嫌なのでやっぱり帰ることとする。
「なら仕方ないわね。オッタル」
「はいフレイヤ様」
「この子を入口まで案内してあげて。」
「かしこまりました。」
そういうと筋骨隆々の
「じゃあザック。貴方の次の『冒険』楽しみに待っているわ。」
「ええ待っていてください。前以上に盛り上げて見せますから。」
そう言ってフレイヤ様に別れを告げ部屋を後にした。
無言で歩くオッタルの後ろを歩いていく。
「…………」
「(この人…今までオラリオで会った冒険者の中で1番強いな。教会で会った謎のお姉さんを除けばだが…)」
正直あのお姉さんの得体がしれなさすぎる。だがそれはこの人にも言える事で、きっと今の俺では逆立ちしても敵わないだろう。
「あの…オッタルさんでしたっけ?」
「……敬称はいらん。」
「じゃあオッタル。貴方のLvっていくつなんだ?」
「Lv6だ。」
「現オラリオ最強の冒険者ってことか?」
「…………」
押し黙ったが否定をしないということは、当たらずとも遠からずという所だろうか。考えているとオッタルは口を開く。
「確かにLvだけで言えばそうだろう。だが俺は先人達の偉業を越えられてはいない。」
「……先人達の偉業か。」
きっとゼウスファミリアとヘラファミリアの事だろう。口ぶりからして当時から冒険者として先人達の行く道を目の当たりにしてきたみたいだ。現最強がここまで言うゼウスとヘラの眷属達は一体どれ程の高みにいたのかは今の自分では推し量ることは出来ない。
「お前には期待している。俺が越える壁となることを。」
「…!」
急に口を開いたと思えばあろう事か今日初めて会ったザックにそんな事を言った。
「アレンとの戦いは見ていた。Lv3という存在でLv5を倒したのだ。こんな光景を俺は見た事がない。お前は英雄に足る傑物だろう。いずれ俺を越えていく…そんな予感すらある。」
「過大評価がすぎると思うけど。それに俺は英雄に興味は…」
「それでもお前は『冒険』をする為に強さを求めるだろう。」
「………」
「ならば俺たちが相見える事もある。その時を待っている。」
「…まぁ、そんな時が来たならこっちからお願いしようかな。」
そう言って会話を終える。現最強からの評価に胸を踊らせた。
どうやら『英雄』には興味は無いが、『強さ』への渇望はあるらしい。
「(まぁ、強さに憧れるなんてのは普通のことだよな…。)」
オッタルに入口まで送ってもらい帰路に就く。辺りは暗くなってきていたので走り出そうとすると見慣れた2人と初めて見る女の子が居た。
「アリーゼとリュー?こんな所で何してんの?」
「ザック無事だったのね!?フレイヤファミリアの入口が壊れてたから気が気じゃなかったわ!」
「お疲れ様ですカールスさん。それがパトロールの帰りにアリーゼが『ザックがフレイヤ様に骨抜きにされてないか心配だわ!』と言って走って行ったので付いて来たのです。」
「それは災難だったな。それでそちらの美少女は?」
「ええ、こちらは…」
「初対面から美少女だなんて照れるね〜。私は品行方正で人懐こくてシャクティお姉ちゃんの妹でリオン達と同じLv3のアーディ・ヴァルマだよ!」
随分と説明口調で自己紹介をしてくれた美少女。
正直言って容姿と声がドストライクだ。というかオラリオに来てからの美女、美少女の遭遇率が高すぎる気がする。
これがオラリオ!流石は世界の中心と言われるだけある。この出会いに感謝しよう!
「…リオンこの人自己紹介したら思い切り手を広げて天を仰ぎ見てるんだけど本当に大丈夫?」
「偶に奇行に走るようですが基本的に人畜無害です。アリーゼと輝夜が迫っても指一つ出さないヘタレっぷりですから。」
「おい。俺より貞操観念が化石レベルの癖にヘタレとか言うな。このおぼこエルフが。」
「なっ、貴方に言われたくありません!」
「ふーん。前に
「ふんッッ!」
「あぶね!?」
暴露をしようとしたら木刀で殴りかかってきた。このエルフ…少々お転婆がすぎるのではないだろうか。
「…ふふっ、あははははは!」
アーディが笑いだしたので自然と言い争いは終わる。
「確かにアリーゼとリオンに聞いていた通りの人みたいだね!」
「そうでしょう。ザックはとっても愉快で面白いのよ!」
「どんな説明をされたか分からんが…。自己紹介が遅れてすまない。ザック・カールスだ。アーディ達と同じLv3で夢は『世界最高の冒険者』!よろしくな。」
「こちらこそよろしくねザック!」
可憐な笑みで挨拶をしてくれる。正直すごく癒された。
「カールスさん顔が乱れています。もしアーディに変な事したら…」
「しねぇし、乱れてもねえ!…よな?」
「いや、乱れてたよ?」
「ええ。乱れてたわ!変なことをするなら私にしなさい!」
「場が変な空気になるから君は黙ろうか。」
「所でザック。なんでフレイヤファミリアの入口が壊れているの?」
ええい!この女相変わらずマシンガントークがすぎるぞ!
「ちょっとクソ猫とやり合ってな。それでこの有様だ。」
「「「!?」」」
「まぁ、勝ったんだけどな!あっはっは!」
「【
「やり合って…」
「勝った!?さすが私の
「誰が夫だ。ていうかその褒め方はどっちかっていうと母親ポジだろ。」
あれは勝ったというには泥臭い勝利だが女の子3人の手前、見栄を張ってしまった。アリーゼはなぜか普通に信じてくれているみたいだが、2人は驚いた表情をしている。
それもそうだろう、冒険者のLvの差とはそれこそ隔絶されたものだ。ありとあらゆる条件を揃ったとしてもLvの差を覆すのは難しい。それがLv3のザックとLv5後半の能力を持ったアレンが対峙したならば、勝つのはアレンと考えるのが普通だ。
その通説を覆しザックはアレンに勝ったというのだ。驚かない方が無理がある。
「…まぁ、ゴライアス戦での貴方を鑑みれば万に一つでも可能性があった…のでしょうか。」
「そうだな。あいつも俺の手の内全て知ってた訳じゃないし今回は勝ったが2度目はないだろう。」
「意外だな〜。リオンもそこまで彼の事を認めてるんだね。」
「ええ、戦闘面においては恐らくLv3ではオラリオの中で誰よりも強いと思います。」
「私の
「そうやって外堀埋めてくのやめてくんないかな!?」
そうやって4人で話ながら帰路に就くのであった。
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アーディと別れて
「…寝る前にステータス更新しとくか。」
最後に更新したのが2週間前。今日初めて【
スキルの効果でステータスの早熟効果があった。更新しておいた方がいいだろう。何より今日みたいな瀕死の戦闘ばかりしていると早死に待ったなしだ。こまめにステータスは更新するにこしたことはない。
そうしてステータスを自動で更新して頭に内容が浮かび驚愕した。
ステータス
ザック・カールス
Lv3
力 : B766
耐久 : B794
器用 : S925
敏捷 : S978
魔力 : A883
技巧I
剣士I
《魔法》
【テンポラル】
・時間魔法
・自身の時間を加速、対象の時間を範囲減速、遡行する。
・詠唱式 【
・加速、減速、遡行範囲はLvに依存する。
・遡行は相手の巻き戻った時間に起きた出来事の影響を受ける。
【 】
【 】
《スキル》
【天眼】
・任意発動。
・発動時、目的に合わせその場の最適解を点と線で捉える。
・魔眼無効。
【
・任意発動。
・ステータス自動更新。
【
・瀕死時に発動。
・瀕死戦闘時にステータスが大幅に早熟する。
・全ステータス超高域化。
・一時的に発展アビリティ【魔導】【精癒】【魔防】の発現
・自身を含めた世界の動きを緩慢化する。
【
・格上の敵との戦闘時に発動。
・【魔力】のステータス高域化。
・戦闘時に観客が多ければ多い程ステータス高域化。
・戦闘を見ている者を鼓舞し奮い立たせる。
「なんだこれ…。流石にやばくねえか?」
確かに密度の濃い時間を過ごした自覚はある。2週間ほとんど毎日アイズを指導し、フィンやガレスと手合わせしていたし今日はアレンに死にかけながら勝ちをもぎ取った。だと言えど…だ。
流石にザックとてこの伸び幅が異常なのは分かる。
「しかも…《ランクアップ可能》とか頭に浮かんでるんだが。」
確かに偉業には事欠かないだろう。階層主の単独撃破に格上の冒険者に勝利した。
「まぁ…。驚いてても仕方ないしランクアップしておくか。お、習得可能の発展アビリティは【精癒】か…。」
確かリヴェリアが【精癒】はレアアビリティで
「じゃあ、これで決まりだな。」
そういって改めてステータスの更新を行った。
ステータス
ザック・カールス
Lv4
力 : I0
耐久 : I0
器用 : I0
敏捷 : I0
魔力 : I0
技巧F
剣士H
精癒I
《魔法》
【テンポラル】
・時間魔法
・自身の時間を加速、対象の時間を範囲減速、遡行する。
・詠唱式 【
・加速、減速、遡行範囲はLvに依存する。
・遡行は相手の巻き戻った時間に起きた出来事の影響を受ける。
【 】
【 】
《スキル》
【天眼】
・任意発動。
・発動時、目的に合わせその場の最適解を点と線で捉える。
・魔眼無効。
【
・任意発動。
・ステータス自動更新。
【
・瀕死時に発動。
・瀕死戦闘時にステータスが大幅に早熟する。
・全ステータス超高域化。
・一時的に発展アビリティ【魔導】【魔防】の発現
・自身を含めた世界の動きを緩慢化する。
【
・格上の敵との戦闘時に発動。
・【魔力】のステータス高域化。
・戦闘時に観客が多ければ多い程ステータス高域化。
・戦闘を見ている者を鼓舞し奮い立たせる。
この日、人知れずランクアップし祝福されることも無く男は深い眠りに落ちるのであった。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
読者さんの指摘で発展アビリティの件修正致しました。
申し訳ありません。
アンケート沢山の解答ありがとうございます。
希望の方が9割ほど占めてましたので、次回輝夜とのデート回になります!
不安しかありませんがイチャコラ出来るように頑張ります!
次回もよろしくお願いします!