ダンまち世界に転生するのは間違っているだろうか 作:厨二病の末路
コメントや評価、大変励みになっております。
文章をつらつらと書いていると、見返したら意味不明な文章になっている事が多々あります。とても悲しいです。
それでは、よろしくお願いします。
魔石工場の襲撃翌日。
非番をもらったザックは朝からダンジョンに潜っていた。目的は新しく生まれるゴライアス討伐だ。
下層に出向こうかと考えたりもしたが、1人となると
今回のゴライアス討伐に関しては18階層、通称『
が、当のボールスはそう思っていないらしく年下のザックに旦那呼びをしてゴマをすり始める始末だった。まぁ、1人で討伐させてもらえるなら呼び方なんてどうでも良い事だ。
金策が目的では無いので、モンスター達と戦うことなくサクサクと17階層に向けて降りていく。全く遭遇しない訳では無いが、上層から中層にかけてのモンスターなら相手が認識する前にことが終わるので支障はない。
あっという間に17階層に着き、目的地の「嘆きの大壁」に向かう。どうやら頃合だったらしくゴライアスがその産声をあげている。
「オオオオオオオオオオオオッッ!!」
「お前、毎回その産声でしか出てこれんのか?」
ザックは訳の分からないツッコミをゴライアスに言う。当然理解される訳もなく、こちらに気付いたゴライアスは
「偉業にはならないだろうが、俺の良質な
詠唱と同時に瞬く間にゴライアスは蹂躙されるのであった。
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「………?」
戦闘終了後にザックは妙な違和感を身体に覚えた。
「(
その違和感の元に辿り着けない。ただ漠然と身体の中に異常が起きている…気がするというだけ。
「考えても答えはでねえか」
1人で考え続けると沼に嵌ってしまう事は分かりきっている。痛みなどもある訳では無いので足早に18階層へ降りる事にした。
そうして、到着間際に新たな違和感があった。これは自身の事ではなく『
「……!」
嫌な予感を察知して急いで18階層へ向かう。
「ぎゃああああああああああ!?」
聞こえてくる悲鳴は冒険者のものだった。18階層へ着くと
激情に駆られそうになるが、深呼吸をして心を落ち着かせる。…といってもこんな空間では気休め程度でしかないが、自身の心を手放さないように。
「(これだけ大規模な
「【
「おいイカレ野郎。久々の休暇だってのに人の気分を台無しにしやがって」
そう言って赤髪の糸目男に声をかける。男はこちらに気付いたが、驚いた様子もなく日常の会話をするようなテンションで反応した。
「おや…?【正義の派閥】の方ではないようですねえ?一体どなたですか?」
こちらに向き直り歩こうとする男。足下にはまだ息のある冒険者が居た。
ザックは音も無く距離を詰めて抜刀した。すると男は後ろへ、飛び退いた。
「─────!?」
「お前、そいつの首を踏み砕くつもりだったろ?目の前で悪党に人を殺されるのは寝覚めが悪くて嫌なんだ」
「ククククッ…。アハハハハハハッ!!いやはや恐ろしい!その剣筋、恐ろしい程に自然だ!私では相手が務まりそうにありませんねえ」
「俺の居合を避けておいてよく言うぜ。お前も相当の手練だろうよ」
「フフフッ。貴方に比べれば、私なぞそこらの有象無象と代わりないと思いますよ。分が悪そうなので引かせてもらいましょうか」
「逃がすとでも?」
「えぇ、タダで逃げれるとは思っていません。だから…こうするのですよ!!」
赤目の男が、足下の冒険者をザックに向かって蹴り飛ばす。既に致命傷を負っている上で今の蹴りだ。このまま放置して都合良くヒーラーが現れるとは思えない。
「ッッ!クソがッ!次会ったら五体満足で帰れると思うなよ!」
「ハハハハッ!まるで負け犬の遠吠えのようで滑稽だ!では、またお会いしましょう!」
そう言って男は森の中へ消えていった。それはもう仕方ないと割り切る。問題はこの男だ。ポーションで回復できる範疇を超えた傷…。だがザックにはこの傷を治す手段があった。
「(生きているのならば、
ザックは未だに使っていない…というか使うタイミングのない魔法があった。
【
「(巻き戻った時間の出来事の影響を受けるってのが曖昧な説明で分からねえ。)」
真っ先に考えられるのは時間内に味わった痛み…。怪我を負う原因となったダメージをザックは耐えねばならないかもしれない。
「………うぅ」
「…!あぁクソ!手をこまねいてる場合じゃねえ!目の前の救える命を見捨ててちゃ、『最高の冒険者』の名が廃る!」
そう言って不安になっている自身を鼓舞する。どの道ザックにこの男を見捨てるなんて判断はありえないのだから。
ザックは深呼吸を1度して対象に手をかざしその詠唱を唱えた。
「【
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男の
最後は虫けらのように蹴り飛ばされる。
「(痛い。苦しい。なんで俺が。嫌だ嫌だ嫌だ!痛いのは嫌だ!【正義の眷属】はなにしてる!いやだ。しにたくない。いやだいやだいやだいやだ!…………だれか、たすけて)」
「(こんなせかいほろんじまえ…)」
そこで
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「……ザック。…ねぇザックしっかりして!!」
「アリー…ゼか…?なんでここに…?…ッッッ!」
気がつくとアリーゼに抱えられていた。少しずつ意識を覚醒させていくと幻肢痛と鋭い頭痛がザックを襲う。心無しか男の怨嗟の声も残っているように感じた。
「ザック…。身体に傷はひとつも無いけど一体どうしたの?」
「俺の事は…いい。それより
「私たちが到着した頃には撤退してる途中だった。少しイカれた破綻者とやり合った程度。何にせよ思っていたより被害が小さかった。お前のお陰だザック」
「そうか…。全部とは…いかなかったが…守れたか…」
「すみませんカールスさん…!私達の到着が遅れなければ…!」
「つけ上がるな、間抜け。英雄でも気取っているのか?ザックが早期に駆けつけてもこれだ。未熟な今の私達が、全てを救えるわけないだろうに」
「っ…!訂正しろ、輝夜!たとえ至らない身であっても、最初から救えないと決めつけて実践する正義など、間違っている!」
リューと輝夜が言い争いをしているが、身体の不調が思った以上のようで止められそうにない。少し落ち着いた俺はアリーゼに問うた。
「アリーゼ。俺の周りに命を落としてた冒険者は居なかったか?」
「…?ええ、居なかったわよ?」
「あぁ、そういえば!」
思い出したかのようにネーゼが口にする。
「間違いなく致命傷を受けたのに何でか生きてるって、大はしゃぎしてる冒険者が居たな」
「…!そうか、良かった…」
「……貴方がこうなっているのと何か関係があるの?」
「……関係はある。だけど内容は言えねえ。すまん」
「言えないって貴方…!!」
「ごめんアリーゼ。だけど、いつか必ず話すから。それまで待っててくれ。頼む」
「そんな言い方されたら断れないじゃない…」
少し顔を落とすアリーゼの頭を撫でる。
魔法については流石に話せないとザックは判断した。【時間魔法】という特異性もそうだが、きっと知られたら彼女達は俺が前線に出る事を憂うことになる。
ならば教えない方がいい。とはいえ、流石に自分では分からないことが多すぎる。今後の事を考えて
そんなことを考えていると、ライラが言い争いを仲裁したようでリューと輝夜がムッスリした表情をしていた。どうやら事後処理を始めるようだが生憎と力になれそうにないのでリヴィラで休んでから帰ると皆に伝えた。
夢を見た。夢というにはリアルすぎるそれは、先程の映像をリピートし続けているような。
何度も激痛が身体に走る。何度も赤髪の男の狂った笑みを見る。
そして何度も…、男の負の感情が身体を渦巻いていく。この痛みはいつ止むのだろうか。この怨嗟の声はいつ終わるのだろうか。
そうしてザックは思う。きっとこれは罰なのだと。
【時間】を操る魔法。特定の人間が死に至るという因果を人の身でありながら捻じ曲げた。神の領域に踏み入ってしまった罪。
「(狂ってしまいそう…と考えられる時点で
そうしてザックはいつ終わるか分からない闇に身を傾けた。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
最近モチベが少しずつ落ちてきてます…。最低でも週1は上げるつもりですが、気が向いたらコメント等くれると嬉しいです。励みになります。
次回もよろしくお願いします。