ダンまち世界に転生するのは間違っているだろうか 作:厨二病の末路
1章の名称変更しました!
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何故だか悪夢を見ることもなく深く眠りに落ちて、起床したら昼を過ぎていた。
体の痛みや疲れはまだあるが、気持ちよく眠れるだけで全然気分が違う。なんだか良い1日になりそうだと思いながら
なかなかハードな1日の始まりである。
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結局3時間ほどアストレア様からお説教を喰らった。どれだけ綺麗でもやはり神様で、怒っている凄みが伝わって来た。
しかし、怒りの原因も根底にあるのは俺自身を案じてのものなので、やっぱりどこまでも慈悲深い神様だと改めて思った。めちゃくちゃ怖かったけど。
改めて
「んー…どうしよう」
もう少し早ければロキファミリアの方に出向こうかとも思ったけれど、あまり遅くなるとみんなに心配をかけるだろう。
「適当に散歩兼パトロールでもするかな」
結局、この時間から立てられる予定は、何時でも切り上げ可能なぶらり散歩である。
ちなみに、アリーゼと輝夜からは「1日静養していろ」と言われたがお構い無しである。2人にバレる前に帰れば問題ないだろう。
ザックは足取り軽やかに散歩を始めるのであった。
散歩を始めること数十分。特に異変もなくザックは商店街の方へと歩みを進めていた。
「………」
しかし、本来であれば賑わっているだろう商店街も今では見る影もない。昨日の
「仕方ない事だけど、やっぱり寂しいな。……ん?」
少しナイーブになっていると、奥の方から少し騒がしい声が聞こえてきた。その方へ向かうと人だかりが出来ており、騒ぎの中心を見ると、アーディとリューが踊っていた。
アーディはとても楽しそうにステップを踏み、リューはとても恥ずかしそうに不器用な足取りだった。それを見る周りの住人達もまた楽しそうな表情を浮かべていた。
こんな状況で…いや、こんな状況だからこそか。アーディの天真爛漫な踊りは、見る人たちに笑顔を与えている。最近浮かない様子だったリューの心もきっと溶かしているのだろう。
そんな2人の踊りを楽しそうに眺めていると、ふとリューと目が合った。
「カ、カールスさん、見てないで助けてください!」
「えぇ〜。ここに居る人達みんな楽しそうなのにここで辞めちゃうの?」
「ならせめて変わってください!!」
「あ、ザック!君も一緒に踊らない?」
「お誘いは嬉しいけど、せっかく綺麗な少女と綺麗な妖精さんが踊ってるんだから、今日は観客でいいかな」
「それは残念。ならリオンと皆を笑顔にしちゃおう!」
「カールスさん〜〜~~~!!」
再びアーディは愉快にステップを踏み始め、恨みがましくザックを見ていたリューを振り回して踊り始めた。
楽器の奏でる音などは一つもなく、とても上手とは言えない踊りだけれど、住民たちが手拍子でリズムを取り、今ここでの空間は陰鬱とした商店街の空気を跳ね除ける程の陽気な世界だ。
「……本当に凄いなぁ。アーディは」
どういう経緯かは知らないけれど、今ここに居る人達はとても陽気な笑顔で楽しんでいる。
だが今そんな状況だと言う事を忘れさせてくれるくらいに、彼女は明るく楽しげに踊りを続ける。「降り続く雨もいつかは止むよ!」と言わんばかりに、彼女が持つ空気を周囲に伝播させていく。
アーディはさながら太陽そのもののように感じた。
「─────リオン!『正義』は巡るよ!」
ふと、アーディがリューに踊りながらそんな事を言った。
後ろに続く言葉は聞こえなかったけど、リューの羞恥に悶えていた表情も、次第に迷いが晴れたかのような表情になっていた。
名残惜しくはあるが、人混みから外れて帰路につく。あまり遅くなってアリーゼと輝夜より遅く帰ろうもんなら、説教をされること間違いなしだ。
「まぁ、まだバレることもないだろ」
「何がバレることは無いのかしら?」
「そりゃ、静養してろって言われたのに外出してることだけ…ど」
独り言に返答が来たことになんの疑問も抱かずに、返事をしてる途中に異変に気付く。そして悟った。どうやら俺は詰んでいるらしい。
「や、やあ。アリーゼ。青筋なんか立てて、折角の可愛い顔が台無しだよ?」
「まぁ私は確かに神様すら羨む超絶美少女だけど、その超絶美少女の顔を歪ませる大罪人がいるのよね。あ!もういっそ鎖にでも繋いで監禁した方がいいかしら?」
軽口は叩いているけど、目が据わっている。言葉選びからしても相当にキレているのは間違いなさそうだ。しかもしれっと恐ろしい事も言っている。流石のザックも「あっ、終わったわ…」と覚悟を決めるレベルである。
「あの…お手柔らかにお願いします」
「…無理ね!」
腕をガッシリホールドされ、遠回りしながら
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「疲れた…」
1日に2度も、しかも長時間説教をされるとは思っていなかったので、身体はともかく精神的に疲れた。だが、身から出た錆なので仕方ないことではある。
「ザック、入るぞ」
ノックもせず、有無も言わせず部屋へ入ってきたのは輝夜だった。アリーゼと帰ってきた際には見当たらなかったので、きっと今帰ってきたのだろう。
「んー…なんか用事か?」
「ああ。3日後に
「!」
大した用事ではないだろうと思っていたが、緊急性の高い件で驚きつつも姿勢を正して輝夜に向き直った。
「3日後か…そりゃまた急な話だな」
「……本当はお前には伏せておきたかったんだがな。敵のアジトが割れた事にいつ気付かれるかも分からん。早急に手を打つべきだと会議で決まった」
「………」
俺を参加させたくない気持ちは分かる。なにせここ数日の素行が悪すぎる。
リヴィラで倒れてるわ、ぶっ倒れて帰ってくるわ、家出するわ、ぶっ倒れて帰ってくるわ…。考えてると恥ずかしくなってきた。
しかしそれ以上に、心配されてるのは精神的なものだろう。この作戦で茫然自失されては、今度こそ命はないかもしれない。
「お前は何処からか話を聞きつけて来るだろうしな。駄目だと言って、勝手に単独行動を起こされても敵わん」
「信用ないなあ」
「当たり前だろう。お前、今日も外をふらついてたらしいしな?」
あっ、輝夜の顔にも青筋が…。アリーゼにでもチクられたのだろうか。輝夜は軽く深呼吸をして再度話した。
「単独行動されるくらいなら、目の届く範囲に置いておいた方がマシだ」
「それもそうだな」
「だから、あと2日はゆっくりと身体を休めろ。少しでも体調を万全に整えろ。いいな?」
「ああ、分かった」
確かにゆっくり眠れたとはいえ、身体の不調は未だに残っている。大がかりな作戦前だし言いつけに従ってゆっくり身体を休めよう。
「じゃあ輝夜、おやすみ」
「おい、何眠りにつこうとしているんだお前は」
「は?」
休めと言った張本人が何をいってるんだと思い輝夜を見ると、ギョッとした。なにせ、能面を貼り付けたような笑顔でこちらを見ている。
「休めと言ったのは明日からだ。そもそもお前は、あれだけ言ったにも関わらず何故外出していたんだ?」
「あの…えっと…」
「ん?なんだ?いつものお前らしくもないな。さぁ私を納得させるだけの理由を言ってくれるんだよな?ん?」
もはや怒髪天を衝く勢いの怒りである。どうやらザックの天運もここまでのようだ。藁にも縋る思いで輝夜に乞う。
「あの…すみませんでした。許してください」
「…駄目だ!」
この日ザックは誓った。無断で約束を破ることはしないと。
そうして良い1日という幻想は淡くも打ち砕かれ、地獄のような説教を受けるのであった。
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