ダンまち世界に転生するのは間違っているだろうか   作:厨二病の末路

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4話目になります。
進みが遅くて申し訳ないです。
よろしくお願い致します。


少年はザック・カールスを考える。

お風呂と夕食を終えベルが寝静まったので早速、神ゼウスに話を聞くことにした。

 

「よし、ベルも寝静まったようだし話を聞くとしようかの」

 

「その前に一つお聞きしたいのですが。」

 

「敬語は使わんでいい。ワシに答えられる範囲であればなんでも答えてやろう。」

 

「わかりまし…いや、分かった。まず最初の質問だが何故、俺の目的が分かったんだ?というか何故警戒してたんだ?」

 

聞きたい事が多すぎて矢継ぎ早に質問をする。

 

「慌てるでない。時間はたっぷりあるのじゃからな。」

 

神ゼウスは「ガハハ」と笑いながらそう返答する。

確かに興奮してたかもしれない。少し落ち着こう。

 

「最初の質問じゃが、ザックよ、ワシはお主の事を知っておったのじゃ。正しくは()()()()()じゃがな」

 

「なんでそれを…」

 

「お?カマをかけてみたが存外当たりじゃったかの?」

 

この狸ジジイ…いや、これに関しては俺が迂闊だったか。

カマをかけたとは言っているがこの神には確信に近い何かがあったのだろう。

 

「ワシの知っているお主はもっと無機質な人間だったのじゃよ。

毎日毎日、何か目標がある訳でもなしに同じ農作業を繰り返し

人との交流も必要最低限。おまけに…()()()()()()()()()。」

 

「………」

 

言われてみれば思い当たる節がある。何故、この村でベル・クラネルという人間を認識できて居なかったのか。

4年間もあればこの小さな村全員の顔と名前を一致させるのに充分だろう。

なのに、考えてみればパッと言われて思い当たる人間が居ないというのは異常な事といって差支えないだろう。

 

言われてみれば記憶があるはずの4年間、記憶に残っている出来事がほとんどない。確かに朽ち欠けている…。言い得て妙だな。

 

「そしてお主は今日ここにやって来た。見れば今までの魂の在り方と違いすぎて同一人物か疑う程じゃったが、決して悪いものではないようじゃったからの。」

 

「………じゃあ何で神威なんぞ飛ばしてきたんだよ。」

 

「そりゃお主、ワシから何の対価も得ずに知識を得ようなど大間違いじゃからの!」

 

またもこの神は「ガハハ」と豪快に笑う。

ふざけんな!本当にちょっとチビりかけたんだぞ!

そう思っていると神ゼウスは付け足すように

 

「魂の在り方が変わったと言ったじゃろう?そして、いきなりワシの所へ来た。ワシが人ではないと勘づいて来たのではないかと思っての。」

 

「流石、神様と言ったところ…なんだろうか。」

 

素直に感心する。化かしあいではどうにも分が悪そうだ。

 

「そこでワシの質問じゃが、一体何があった?いや、お主は一体何者じゃ?」

 

神の視線が鋭くなる。騙せそうにもないので素直に話すことにした。

 

 

⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎

 

「ふーむ、なるほどのう…。にわかに信じ難いがこれもまた下界の神秘なのかのう。」

 

ゼウスに全て話した。

4年前以前の記憶が無いこと。4年前から今に至るまでの記憶が曖昧なこと。

昨日、前世の記憶を得た事。そしていつからあるか分からないこの眼の事。

 

「その眼の力少し見せてはくれんか?」

 

そう言ってゼウスはリンゴを渡して来た。

 

「分かった。」

 

軽く返事を返して、目に意識を集中させる。

するとリンゴにあるはずの無い()が浮かび上がる。

これは()()()()()()()()()()()能力だと過程付けていた。

深く、更に深く集中するとこの1点だけでなく何ヶ所にもその点は浮かび上がる。

 

がリンゴ一つ割るのにそんな事をする必要も無いので浮かび上がった一点を軽く人差し指で突いた。

 

そしてリンゴは真っ二つに割れた。

 

 

「ふむ、便利な能力じゃの〜。弱点が見える眼と言ったがこれは何にでも作用するのか?」

 

「ああ。制御が難しかった頃は何でもかんでも壊れて大変だった。

勿論人に向けて使った事なんてないが、それでも人の弱い点を視る事は出来ていた。」

 

この眼の扱いに苦労していた記憶は何故かちゃんと残っている。

本当に都合のいい脳内だと思う。

 

「ふむ…。」

 

ゼウスは集中して考え込んでいる。邪魔するのも悪いので少し待つことにした。

 

 

 

10分ほど経っておもむろにゼウスは話し始めた。

 

「恐らくじゃが…。4年前の時点で『ザック・カールス』という人間は死んでいたのかもしれん。」

 

「………え?」

 

「正しくは、ザック・カールスの()()()()()。」

 

「………」

 

「そこに違う世界の魂が何らかの形でザック・カールスの肉体に収まったと考えるのが妥当じゃろう。」

 

「もし仮にそうなら、その時点で俺は前世の記憶を取り戻すはずではないか?」

 

「仮定に仮定を積み重ねるが、恐らくはその『眼』じゃ。」

 

「眼がなんだって言うんだ?」

 

「これは前世のお主に与えられた能力ではなく、ザック・カールス本人が死の淵で発現させた能力なのじゃろう。」

 

続けてゼウスが話す。

 

「こんな眼を発現させた状態でいきなりお主の前世の記憶が戻るとどうなると思う?」

 

「………」

恐らくだが、気が触れてしまうだろう。視る物全て自分が触ると壊れてしまう。想像するだけで恐ろしい。どこかのタイミングで命を落とす選択を選んでいたかもしれない。

 

そう言われると腑に落ちる部分がある。記憶が曖昧な中で眼の制御についての記憶はしっかり残っている。

 

「お主の心が壊れる事を予期して魂の自衛本能が働いたのではないか…

ワシはそう思う。」

 

「うん。俺も説明を聞いて腑に落ちた感じがする。」

 

そうか…。

魂は混じりあったのだと思っていたがそうではなかったらしい。

死んだ肉体に俺の魂が入りこんだって話で、この能力も転生した特典とかではなかったって事だな。

 

少し悪い気もするが、亡くなった『ザック・カールス』の魂に恥じぬよう素晴らしい生を謳歌してやろうと、心に再度決意するのであった。

 

 

 

 

 

 

 




ここまで読んで頂きありがとうございます。
設定のこじつけ感が凄まじいですが、先に進めて行くにつれて
主人公の過去の掘り下げはするつもりが無かったので無理やりにでもここで清算しておきたくて無理に話を入れました。

ゼウスとの会話が終わり次第オラリオに向かって行くので
拙いお話ではありますがお付き合いいただけると幸いです。
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