ダンまち世界に転生するのは間違っているだろうか   作:厨二病の末路

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6話目です。

誤字報告ありがとうございます。

タグに独自設定、独自解釈を追加しときました。
厨二病の痛い妄想スキルが発動するかもしれないので
予めご注意ください。

それではどうぞ。




少年は恩恵を授かる

冗談のように眷属にしてくれと頼んでみたが、割と本気だ。

今、オラリオに向かって恩恵を刻んで貰う前に闇派閥(イヴィルス)に襲われて死ぬ…。充分に有り得る話だ。

いくら優れた眼があっても、一般人だ。冒険者に勝てるなど驕ってはならない。

 

「悪いが、眷属を増やすつもりは無い。」

 

「そのつもりなら最初から俺の話を聞くべきじゃ無かったんじゃねぇのか?」

 

「………」

 

ゼウス自身が神だと打ち明けるような事がなければ、俺はどうしようも無かっただろう。

自身に宿る記憶も完全とは言いきれないし、違うと言われれば確かめる手段を持ち合わせていない俺はどうすることも出来なかった。

「俺に自ら神だと明かす必要は無かったし、さっさと帰らせるべきだったろう。だがアンタはそれをしなかった。」

 

「………」

 

ゼウスは沈黙を続ける。

無理を言っているのは百も承知だ。酷な事を言っているのも理解している。この神は自分の眷属達(こどもたち)を『隻眼の黒龍』に殺されている。更には都市を追われ、こんな辺鄙(へんぴ)な山奥で孫と細々と暮らしている。新たに恩恵を刻むのに躊躇うのは当然だろう。

 

それでも引く訳には行かなかった。

 

「アンタ言ってくれたじゃねえか。剣も女も、人生さえも、思い立った時こそ至宝だって。」

 

「………!」

 

ゼウスはハッとしたような顔をする。

最後に一言改めてゼウスに頼む。

 

「男が奮い立って、これからの冒険に焦がれてるんだ。そんな男の背中を押してくれねえか?」

 

⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎

 

 

 

長い沈黙が続く。

俺は何も言わず、ただ待ち続ける。ここまで言って駄目ならばリスクは高くなるがこのままオラリオに向かうつもりだった。

 

するとゼウスが長い溜息をつき口を開く。

 

「3つ条件がある。これを守るというなら条件付きでお主に『神の恩恵(ファルナ)』を刻もう。」

 

俺は黙って頷く。続けてゼウスは言った。

 

「1つ、1年経ったら他のファミリアへ改宗(コンバージョン)すること。2つ、オラリオではワシの眷属である事を伏せること。3つ、前世の記憶とオラリオに関する記憶は新たな主神と決めたもの以外に口外しないこと。」

 

改宗(コンバージョン)とは?」

 

「他のファミリアに移籍するようなものじゃ。1年経つとそれが可能になる。ワシ自身もオラリオに戻るつもりはないからのう。」

 

「了解した。神ゼウスよ感謝します。」

 

「ええわい。そんなに畏まらんでも。」

 

そうして神の恩恵(ファルナ)を刻むことになった。

 

 

⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎

 

恩恵を刻んでいる時にふとした疑問をゼウスに問う。

 

「ベルに肉親はいないのか?アンタは神だがベルは人間だろう?」

 

「……居るには居るが、今は何処に居るか分からん。」

 

「?冒険者なのか?」

 

「まぁのう…。」

 

何だか歯切れが悪いが気にせずつっこむ事にした。

 

「名前は?」

 

「アルフィア。『静寂』のアルフィア。ヘラファミリアのレベル7の冒険者じゃった。ベルの叔母にあたる。」

 

レベル7でヘラファミリアの冒険者がベルの叔母…。

なんかとんでもねぇスペックだな。そりゃベルも強くなるわ。

口ぶりからして母親と父親はもう亡くなっているのだろう。

 

「この話はこれで終いじゃ。ステータスが……」

 

恩恵を刻み終えたのだろうか?振り返るとゼウスが驚いた表情をしている。何事かと思いステータスをみる。

 

 

ザック・カールス

 

Lv3

力 : I0

耐久 : I0

器用 : I0

敏捷 : I0

魔力 : I0

技巧I

剣士I

《魔法》

【テンポラル】

・時間魔法

・自身の時間を加速、対象の時間を範囲減速、遡行する。

・詠唱式 【迸れ(アクセラ)】【減衰せよ(レクシオ)】【回帰(インタラクト)

・加速、減速、遡行範囲はLvに依存する。

・遡行は相手の巻き戻った時間に起きた出来事の()()()()()()

 

【 】

 

 

 

【 】

《スキル》

【天眼】

・任意発動。

・発動時、目的に合わせその場の最適解を点と線で捉える。

・魔眼無効。

 

 

異界之旅人(サブ・ウィアートル)

・任意発動。

・ステータス自動更新。

 

邯鄲ノ夢(ファンタマゴリア)

・瀕死時に発動。

・瀕死戦闘時にステータスが大幅に早熟する。

・全ステータス超高域化。

・一時的に発展アビリティ【魔導】【精癒】【魔防】の発現

・自身を含めた世界の動きを緩慢化する。

 

⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎

 

えっ。何これチートやん。てか何でLv3?

偉業を達成した覚えとか特にないんだけど…。

本当に異世界チート物語が始まるのかしら?

なんて事を考えているとゼウスが叫ぶ。

 

なんじゃこりゃぁぁぁぁぁ!?

 

「アホ!ベルがおきるだろうが!」

 

そう言って主神(仮)の頭をしばく。

 

「ぶべらっ!?」

 

「あっ…。」

 

強く叩いたつもりはないが、ゼウスが伸びてしまった。

これが恩恵の力ということだろう。全能感が滲み出る。

取り敢えずゼウスが気を取り戻すまで自身のステータスの考察に努めることにした。

 

 

 

 

「………ハッ!」

 

半刻程して、ゼウスが意識を取り戻した。

 

「すまん、力加減が分からなかった。」

 

「いや、構わん。ワシもこんな前例がなくての。取り乱してしまったわい。」

 

また狼狽えるかと思っていたがそこは神。

起きた現実に向き合って冷静になっている。

 

「それで色々聞きたいんだがいいか?」

 

「ああ。ワシのわかる範囲で教えよう。」

 

「まずLv3なのは…」

 

「ああ。ありえんのう。」

 

いきなり匙を投げられた。

 

「いや、考えてくれよ。」

 

「まだLv2ならありえる。前のお主の死因に起因しておると納得ができる。じゃがランクアップにはそれに伴う【偉業】を2度達成せねばなるまい。」

 

確かにその通りなのだ。()()()()()()()

本当の死因が嵐でなく、別のものでその際に【偉業】足り得る()()があったとするならばLv2なら納得できる。

だがLv3はないだろう…。

本編のベルもミノタウロスを倒してLv2。黒いゴライアスを倒した際にランクアップした描写もなかった。

一体どういう事なのか…。頭を抱えているとゼウスが言った。

 

「まぁ、考えても答えは出んじゃろう、恩恵に刻まれたステータスに嘘偽りは無い。取り敢えずここは考えずに次へゆくぞ。」

 

「わかった。」

 

ゼウスの言葉で頭を切り替え次の疑問へ行く。

 

「この発展アビリティの技巧と剣士ってのは何だ?」

 

「技巧は聞いたことが無いのう。剣士は「剣」の装備時にステータスに補正がかかる。」

 

「なんで剣?クワしか持ったことないぞ?」

 

「そんな事ワシが知るか!クワが剣認定でもされたんじゃろ!」

 

「無茶苦茶言ってる自覚ある?」

 

「無茶苦茶なのはお主のステータスじゃ!」

 

何か納得はいかないが、少しヒスってきたので次の質問へといく事にした。

 

「この【時間魔法】とかいうのは…」

 

「分からん。」

 

「ジジイ!分からん事だらけじゃねえか!アンタ本当に神か!?」

 

「分からんもんは分からんのじゃ!訳の分からん魔法にアビリティ引っはげて説明できそうな所がなんもないわい!」

 

2人して声を荒らげて言い合う。

 

「【時間魔法】については使いながら確かめていくか…。」

 

「うむ。精神枯渇(マインドダウン)には気をつけるのじゃぞ。」

 

ベルがミノタウロス戦で魔法使いまくって立ったまま気絶したあれか。

確かに何の確認もなしにいきなり行使して気絶してモンスターにやられてお陀仏なんて笑えないからな。軽く慣らし運転してみたほうがよさそうだ。

 

スキルについても話し合ったが常識外れとはいえ理解が出来ない範囲ではなかったので、特に問題はなかった。

ゼウスは何かやたらとうるさかったが。

 

 

⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎

 

 

レクチャーも終えまもなく日が昇り始める。

 

「改めて、ありがとう。主神様(仮)」

 

「構わんぞ。てか(仮)とかやめんか、イラッとするわい。」

 

ケタケタと俺は笑う。

 

「夜が明けて少し仮眠したらオラリオに向かうことにするよ。」

 

「ああ。期間限定ではあるがゼウスファミリア最後の眷属よ。お主が往く物語(みち)の行く末を楽しませてもらうぞ。」

 

「絶対に退屈させないから目を離すんじゃねえぞ。俺の冒険譚(生き様)を刮目して見てやがれ!」

 

最後に大見得を切って握手の手を出す。ゼウスは笑いながら手を出しガッシリ握手する。

 

「あっ、もうこのまま出ていきそうな雰囲気だしてるが、後でベルにも挨拶に来るからな。」

 

「お主は時折抜けた発言をしおるな。せっかくの別れが台無しじゃ。」

 

締める所で締まらないザックはそういう男だった。

 




ここまでお読み頂きありがとうございます。
投稿が遅くなりすみません。

邯鄲ノ夢はかんたんのゆめと読みます。所謂、走馬灯と言われるものです。設定的には前のザックが死に扮した時に得た経験がそのままスキルに反映されるようにしました。

中々厨二病スパイス効いてると思います。
能力の方向性はともかくイケてる気がします笑

また明日以降も厨頑張って投稿していきます!
よろしくお願い致します!
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