ダンまち世界に転生するのは間違っているだろうか   作:厨二病の末路

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8話目です。
今尚アストレアレコードを見ながら物語を考えています。
どうか暖かい目で見ていただけると幸いです。


少年は「今」のオラリオを見る。

無事、オラリオに着き街中を歩く。

ゼウスに聞いた通り7年後とは違いかなり廃れてしまっている。

活気はなく、人通りも少ない。人々の表情に笑顔が無くどこか暗いように見えた。

 

「まぁ、分かりきってた事なんだけどな…」

それでも少し寂しい気持ちが湧いてしまうのは物語とのギャップを肌でしっかり感じてしまっているからなんだろう。

 

「よし、宿も決まってないしもう少し歩くか。」

気持ちを改めて街を歩いていると、女性の声が聞こえる。

 

「危ない!避けてっ!!」

 

「えっ?」

振り向くと2人の女性が1人の男を追いかけている。

男はナイフを手に持ち全速力でこちらに走ってくる。

 

「どけええええええええええええ!」

 

距離にして10M(メドル)俺は素早く【天眼】を使い相手の無力化を図る。

相手の懐に潜り右手を掴みそのまま鳩尾に掌底をいれる。

 

「ぐぼああ!?」

 

少し焦っていたので強めに入れ過ぎたようで男は吐瀉物を撒き散らし蹲ってしまった。

すると後ろから赤髪の女性と金髪のエルフが少し驚いたようにこちらを見る。

正当防衛なので俺は悪くないと思うが一応謝っておく。

 

「あー…。悪い、やりすぎたか?」

 

赤髪の女性はハッとした表情をした後すぐに笑顔で言う。

 

「いえ、全然問題ないわ!あまりに動きが流麗だったから魅入ってしまっただけよ!…貴方強いのね!」

「ええ、咄嗟だったのによくあの一瞬で対応したものだと感心してしまいました。」

続けて金髪のエルフもそう言った。

 

そういえばこのエルフの女性に既視感があるような気がする…。

少し見つめていると訝しげに反応される。

 

「…何でしょうか。」

「リオンは私と同じくらい美人だものね!見とれてしまうのも仕方ないわ!」

 

少し見すぎてしまったようだ。謝罪をする。

 

「すまない。何処かで見たことあるような気がしただけだ。」

「口説き文句かしら!私達を口説くならもう少し気の利いたセリフだと嬉しいわね!」

 

この赤髪の女性…、とてもタイプの美人ではあるが少し話しただけで分かる残念美人というやつだ。取り敢えずスルーしよう。

 

「で、こいつは一体なんなんだ?」

変わらず呻き声を上げて蹲る男。

 

「私達が追っていた闇派閥(イヴィルス)の残党よ。ひっ捕らえてたんだけど私達の目を盗んで逃げ出してしまったの。」

「私達の不手際で貴方に迷惑をかけてしまった。申し訳ありません。」

「いや、大した事ないからいいよ。」

 

確かにこんな状況じゃ街の人達も街中を歩き回ることも出来ないな…。何とかならんものかね。

そんな事を考えていると赤髪の少女が自己紹介してきた。

 

「私の名前はアリーゼ・ローヴェル!貴方の名前、教えて貰えるかしら?」

「俺はザック・カールス。宜しくアリーゼ。」

「ザックね!よろしく!こっちの子はリュー・リオンっていうの。少し偏屈だけど根っこはとてもいい子だから仲良くしてあげてね!」

「ア、アリーゼ!私は偏屈などではない!」

 

リュー・リオン…。確か「豊穣の女主人」で働いてた緑髪のウェイトレスエルフだ。既視感があったのはその為か。

アリーゼ・ローヴェルに関しては7年後には出てきていない。

物語に()()関わっていなかっただけか。それとも…。

少し考え事をしていると2人で喋っている。話を遮るのは悪いがリューにも挨拶をしておく。

 

「よろしくリュー。リオンの方がいいか?」

「どちらでも構いません。こちらこそよろしくお願いします。カールスさん。」

 

自己紹介を終えると、青髪の女性と変な仮面を着けた男性が数人やってきた。

 

「すまないアリーゼ。目を離した隙に…。」

「いえ。構わないわ。周辺被害もなかったしね。いくら遠くに逃げおおせても、正義の剣から逃れる事なんてできないんだから!フフーン!」

「アリーゼ。捕まえたのはカールスさんです。」

「カールス…というのはそちらの君か?」

 

女性と目が合う。自己紹介をする。

「ザック・カールスです。たまたま逃げてた奴に刺されそうになったので対処しました。」

「そうか。礼を言う。ガネーシャファミリアのシャクティ・ヴァルマだ。」

「あら?ザックったらなんでシャクティには敬語なのかしら?」

「え?だって、年齢が…」

 

と言いかけた所でシャクティの目が鋭くなった気がするので慌てて取り繕う。

「いや、悪い。シャクティこれからよろしく。」

「ああ。よろしく。」

 

どうやらすんでのところで危機を回避出来たらしい。

 

 

 

 

闇派閥(イヴィルス)はシャクティに任せて、アリーゼとリューは

このままパトロールを行うといい色々聞きたいこともあったので着いていく事にした。

 

「ところでザックはどこのファミリアの眷属なの?」

「俺は都市外のファミリアからオラリオに来たんだ。多分言っても分からないよ。アリーゼとリューは?酒場で働いてたりしてんのか?」

「??? なんで酒場?」

「私たちはアストレアファミリア所属の冒険者です。」

 

アストレアファミリア…。聞いた事がないな。「酒場」と言っても意味不明な顔をされたし、この7年の間アストレアファミリアに「何か」が起こるのは間違い無さそうだ。

 

「ねえ!Lvはいくつなの!?さっきの動き、間違いなく上級冒険者なのは間違いないわよね!?」

「ええい!近い近い!胸当が当たってんじゃねえか!」

「あらやだ。当ててるのよ!フッフーン!」

「アリーゼ!街中で何を言っているのですか!カールスさんも離れてください!」

 

リューが割って入るアリーゼは「ちぇっ」といい離れる。

俺は少し落ち着きを取り戻し告げる。

 

「Lvは3だよ」

「あら、私達とお揃いじゃない!」

「アリーゼ達もそうなのか?」

「ええ、そうです。しかし驚いた。都市外でLv3…。」

「それは私も思ったわ!」

「そんなに珍しい事なのか?」

「ええ、オラリオには迷宮(ダンジョン)があるが地上にはそれがない。明確な偉業を達成する事が難しいはずなのです。」

 

確かに言われてみると、村からオラリオまで強いモンスターとは一切遭遇しなかった。運が良かっただけだと思っていたが、そもそもそんなモンスターの存在が少ない…という事なのだろうか。

 

「まぁ、知らん間になってたからな。しょうがない。」

「そうね。知らないものはしょうがないわよね!」

「んなぁ!?そんな適当な話があるか!」

 

リューがプンスカしている。可愛いがそう言うと怒りそうなので放置しておく。

 

ふとアリーゼが今までと打って変わって真面目な表情で質問してきた。

「ねえザック。何で今オラリオにやって来ようと思ったの?この今の状況を知らない訳ではなかったでしょう?」

「確かに、話には聞いていた。ここまでだとは思わなかったけどな。」

と言って苦笑する。

 

「だけどなアリーゼ、俺はこのオラリオに『冒険』を求めてきた。この世の誰も見たことの無い景色や宝。それこそ怪物(モンスター)だってな。」

「なら今でなくても…」

「ああ、それは今でなくても出来ることだろう。だが、不謹慎ではあるが今の暗黒期のオラリオでさえ俺にとっては『冒険』なんだ。」

「………!」

「俺ここに来る時、主神に大見得切ってきたんだ。『俺はこの世界で最高の冒険者になる!』ってな。」

「それはまた壮大な話ね!」

「なら、やらねーとな。」

 

アリーゼはハッとした表情をした。

何故そこでそんな顔をしたのかは分からないが。

 

「オラリオが暗黒期だからそれが落ち着くまで見送る。そんなのは『冒険』じゃないし、主神に笑われちまう。何しろそんなんでは『最高の冒険者』にはなれないと思うんだ。」

 

これは紛れもなくザック自身の持った初めての『夢』と言えるだろう。

この世界に偶然生まれ落ちた。次の機会などきっと二度と来ない。

ならばこの世界に生きた証を。そして死ぬ時に精一杯生きたと言えるように。

ゼウスとやり取りする中で芽生えた『夢』だった。

 

「実際、ここに来たおかげでお前達みたいな美女と縁を持てたわけだ。平時であれば俺たちの道が交わる事も無かったかもしれねえしな。」

「美女だなんて…。フッフーン!分かってるわねザック!」

「カールスさん。女性にそう軽口を叩くものでは無い。捩じ切りますよ。」

「えっ」

 

当然ね!と言わんばかりに胸を張るアリーゼと何故かしかめっ面をするリュー。

 

「貴方がここへ来た理由は分かったわ。貴方にとっての『冒険』は私達にとっての『正義』と同じという事ね!」

「『正義』?」

「アリーゼ。まだ私達のファミリアについて何の説明もしていない。」

「あらそうだったかしら?アストレアファミリアは…」

 

そう言ってアストレアファミリアについて話をしてくれるのであった。




ここまで読んで頂きありがとうございます。
ザックは「世界最高の冒険者」を目指して物語を進めて行こうと思います。
ただその過程で「英雄」と評される事もあるでしょうが、やはりベクトルが違うと思うのでそちらはベル君に任せようと思います。

最後アストレアファミリアについての説明を端折って本当にすみません。
100%ボロを出すのが目に見えていたので。今回のお話の最期に無理やりねじ込みました。

丁寧に書くべきだと分かってはいたのですが、睡魔と早く話を投稿したい欲に駆られてしまいました。

次のお話以降、こういった雑な終わり方でねじ込まないように気をつけます。
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