伝説のスタフィー 今の仲間達は……   作:青色好き

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スタフィーシリーズの音楽で好きなのは、

1:氷の海(1作目)
2:そらの海(1作目)
3:オーグラをたおせ(1作目)
4:じゃしんイーブル(3作目)
5:リュウリュウさばく(4作目)

ですね。
何故か1作目が多いなぁ……


第2話:サンゴショウ

 鮮やかな赤や黄色の美しい珊瑚が並ぶ珊瑚礁、その名は「サンゴショウ」。

 此処は俺様がよく知る場所だ。俺の愛しの…… ハデヒラリさんが住んでいる場所だから。以前よりも珊瑚の数が多くなって…… いない気がする。何か減ってる…… ような…… ウーオの数も何か減ってる気がするし……

 

 色々と頭の中で考え事をしていると何か見えて来た。何だ? と思っていると、その影には見覚えがあるぞ。ヒラヒラと優雅に舞う桃色のヒレ…… 間違い無い。見間違う筈が無い。キョロスケが昔から愛している、愛しの愛しの……

 

「あら、キョロスケ。久しぶりね」

 

「おぉ! ハデヒラリさん!」

 

 キョロスケの知り合いであり、初恋の相手でもあるハデヒラリだ。彼女の家は「はじまりの海」や「サンゴかいがん」にあるのだが、今は此処「サンゴショウ」にある。此処はゆったりと落ち着ける場所であるのでハデヒラリにぴったりな場所だろう。

 それにしてもハデヒラリさん、美しいなぁ…… 俺様の女神だぜ!

 

「以前と比べれば魚の数が少なくなったけど、此処はのんびりと過ごせる良い場所だわ」

 

「あ、少ないって俺も思ったんですが、何か原因があるんですか? は! もしやあのボンボーンがまた暴れているのでしょうか!?」

 

 ボンボーン。

 愛しのハデヒラリさんを嫁にしようとしていた悪い奴。何せ俺様というフィアンセがいるというのに、無理矢理ハデヒラリさんの恋人になろうとしたひでーヤローだ! その時は俺様の子分であるスタフィーがとっちめたがな。その後も俺達を邪魔したけどその度にやっつけてやったぜ!

 

「いえ、最近海の温度が上がってきているのよ」

 

「え? 海の温度、ですか?」

 

 海の温度? 海水温の事か? キョロスケは思い返す。そういえばスタフィーと会った頃と比べると少しだけ、ほんの少しだけ温かくなってる気が…… するような。

 

「海水が温かくなったせいでこの辺りに住みづらくなったみたいなの。少し冷えてる氷の海に近い辺りにウーオやガイン達が向かっているのよ」

 

「えぇ!? そうなんですか!?」

 

 水温が少し上がっただけで住む場所を変えるとは…… あ、でもそんな話、どっかで聞いた事ある気がする。地球温暖化…… だったか?

 

「あ、氷の海やツルツル氷山も氷が解けているって聞いた事あります!」

 

「えぇ、それでクリオレ達やワットビン達が困っているらしいわ」

 

「おぉ、何て事でしょう! 全く! 誰なんでしょうな! 海水を温かくしている奴は! 僕は許せませんよ!」

 

 ハデヒラリさんを困らせるような奴はこのキョロスケ様が許さん! 何時かで会ったら必ず説教してやるぜ! とキョロスケは意気込んでいる。まさかコンビー達か…… いや、有り得ない。流石に彼らでも海全体を煮沸かすのは無理だ。温泉と海全体では規模が違い過ぎる。ていうかあいつらも氷の海に住んでるから自分の住んでいる土地を困らせるような事は流石にしない筈だ。誰だか分からないが困ったものである。

 

 そう考えていると、近くで爆音が鳴り響いた。それと同時に多数の渦巻がキョロスケとハデヒラリさんの周辺を囲んだ。

 

「きゃあ! これって……!?」

 

「うぉ!? まさか……」

 

 キョロスケとハデヒラリの周辺に渦巻が発生した事で確信した。これは間違い無い! あいつの仕業だ! 自身の恋のライバルの……

 渦巻が滅茶苦茶な動きでキョロスケとハデヒラリの周辺を動いたかと思った瞬間、突然規則的な動きをするように動き始める。そして、カーテンを開けるような動きで渦巻が左右に移動する。そこから現れたのは……

 

「やっぱりお前、戻って来てたのかボーン!」

 

 ハデヒラリをつけ狙う邪魔者、ボンボーンだ!

 体の下側に付いてる貝を見ると、何か…… やたら刺々しい突起が沢山付いている。それに加えて物凄く硬そうな金属で構成されているようだ。それだけではない。棘の他に大砲の砲門まで付いている。以前の貝より凶悪さが増している。というか貝なのだろうか、それは?

 

「ふふふふ! お前達にリベンジするためにこれを造ったんだボーン!」

 

「何だと!?」

 

「その為に色んな資格や免許を取ったんだボーン! 火薬を取り扱う資格や機械を取り扱う資格とか、兎に角猛勉強して資格や免許を取ってこれを造ったんだボーン!」

 

「よく分からないけど、凄い努力をしてきたのね…………」

 

 何か分からんが物凄い努力をしてきたようだ…… あいつの目を見れば分かる。ありぁガチだ!

 

「今日こそお前を倒してハデヒラリさんを俺様の嫁にしてやるボーン!」

 

「うぉ! やべぇ! ハデヒラリさん! こちらへ!」

 

「え、えぇ……!」

 

 ハデヒラリを此処から退避させないとまずいことになりそうだ。ボンボーンの攻撃方法は大きな渦巻を発生させる事だけでは無い。あの巻き貝みたいな物を見ると鋭い棘に加えて砲撃までしてきそうな大砲まで付いている。これでは簡単に近づく事が出来ない!

 

 そもそもキョロスケだけだと戦う事が出来ない。

 この状況で“あいつ”がいてくれれば……!

 

「ふっふっふ! これでハデヒラリさんは俺の嫁だボーン! 食らえ! ネオ・ボンボーンタイフーン!!!」

 

 やばい!

 強力な回転攻撃がこっちに来ていやがる! こうなったら俺の貝の中にハデヒラリさんを避難させるか……? と思っているとあの回転で近くの岩が粉々に壊れてしまった。かなりの威力だ。自身の貝の中に避難させてもまずいんじゃあ……!?

 

「それ! ハマグリ! 吹き飛べーーーー!!!!」

 

 当たる!

 

 そう思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「キョロスケーーーー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 聞き慣れた親友の声が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この声は……!」

 

「ボン!? この声は!?」

 

 昔何度も聞いたあの声。

 

 とても懐かしい、あの声。

 

 何度も泣く事があったが、それでも勇敢に敵に立ち向かった王子の声。

 

 声のした方向に上を向けると、

 

 上から何かが回転するような動きをしながら垂直に向かっていく物体が、

 

 ボンボーンの頭に直撃した。

 

「ボンーーーーーー!? いたーーーー!?」

 

 突然乱入するかの如く落下してきた物体が頭に直撃したボンボーンは相当痛がっている。高い空から降ってきたもんがぶつかったんだから痛いなんてものじゃないだろう。回転しながら落ちて来たもんに直撃したボンボーンは痛みのあまり貝から飛び出して悶絶している。

 

 落っこちて来たもんは回転を収めていき、その正体を現した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 黄色いヒトデ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺様の子分であり、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最高の親友。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「キョロスケ! 久しぶり!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 伝説のスタフィーが、やって来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「スタフィーじゃねぇか!」

 

「あら! 久しぶりね!」

 

「うん! 最後に会ったのって何時だっけ?」

 

 キョロスケの子分、というより親友であるスタフィーが来るとは。そういえば最後に会ったのは何時だったろうか? 1年位前だったか? うぅむ、よく覚えていない…… 勇敢にボンボーンに突撃したところを見ると成長したように見える………… のだが少し気になるところがあるな。

 

「そういえば背が変わってねぇな…… あまり伸びてないんじゃねぇの?」

 

「ギクッ…………!」

 

 キョロスケが気になった点。

 それは身長だ。

 生き物は成長すれば体が大きくなっていく。だから時間が経てば以前より大きくなる筈なんだが…… スタフィーの奴、以前会った時とそんなに変わっていないように見える。

 

「せ、背は高くなってるよ! 今は38センチメートルだよ!」

 

「2センチメートルだけかぁ……」

 

「せ、これから成長するんだよ~!」

 

「まぁまぁ、随分大きくなったわね、スタフィー!」

 

 スタフィーの身長は36センチメートルだ。1年で2センチメートル程伸びている。う~ん…… 2センチメートルではあまり変わっていないような気が………… いや、これから成長期に入るかもしれないしな。そもそもスタフィー達の種族の成長期って何時頃なのだろうか?

 

「あ、そういえばボンボーンは……」

 

 忘れていた。ハデヒラリを攫おうとしたボンボーンはどうした?

 

「いたたーーーー!! 滅茶苦茶痛いボーン!!」

 

 今でも痛がっている。当たり前だろう。さっきの技はスタフィーの最強クラスの技である流星アタックだからだ。硬いブロックや岩を壊せる程の威力だ。それ程の威力の技を頭で受けたらなぁ…… そりゃ痛い筈だ。

 

「くっそー! またお前かー!」

 

「あっ! やっぱり! ボンボーン! また暴れてるの?」

 

「あったり前だボーン! ハデヒラリさんを嫁にするまで諦めないボーン! そこのハマグリの嫁がハデヒラリさんの嫁とか認めないボーン!」

 

「えぇ! キョロスケのお嫁さんって……」

 

「それも無いんじゃない?」

 

「ん? スタフィー? 今なんつった?」

 

「いや、別に…………」

 

 何かスタフィーが言った気がするが…… よく聞こえなかった。まぁ俺様を擁護しているんだろうな。そうに違い無い。

 

「くっそー! ならもう一回俺様の新兵器を使ってやるー! これを……」

 

 ボンボーンが何かしようとしている。どうやら転げ落ちた時に落としたあのおっかない貝殻っぽい兵器を使うつもりのようだ。まずい、あれが使われたらどれだけ恐ろしいか想像出来る。何せ全身に武器が生えているのだ。あれが使われたら一溜りも無い!

 

「あ、大丈夫だよ、キョロスケ! あれは使えないから」

 

「え? どういう事だ?」

 

「ほら、あれを見て」

 

「ん? あー…… 成程…………」

 

 もう直ぐボンボーンが兵器を使おうとしているにも関わらずスタフィーは冷静だ。一体どうしたのだろうかと思ってスタフィーが指差す方向を見てみるとその理由が分かった。隣にいるハデヒラリもその理由が分かったのか「あぁ……」って感じの表情をしてる。

 

「えぇい! その余裕を今此処で吹っ飛ばしてやるボーン! このボンボーンスペシャルアタック20020906号の餌食になるボーン!」

 

 やたら号数が多いな…… 心の中でキョロスケがそう呟くと同時にボンボーンは倒れていたその兵器を起こして乗り込み、それと同時にボンボーンは自信満々の表情に変わった。

 

「よぉし! これでそこの弱虫とハマグリをやっつけてやるボーン!!」

 

 ボンボーンは手元のスイッチを押しているのか、カチャカチャと音を立てて操作しようとしている。普通ならこれで動く筈だ。

 “普通”ならな。

 

「あれ? おかしいボーン…… 全然動かないボーン!?」

 

 手元のボタン? を押しているようだが全然動く気配が無い。ボンボーンは必死に操作しようとしてるがうんともすんとも動かない。

 

「おかしい!? 何でだボーン!?」

 

「ボンボーンが転がってた時に壊れちゃったみたいだね……」

 

「何だとー!? ハッ! よく見たら煙が出てるボーン!」

 

 その兵器を動かそうとしてたせいで見落としていたようだが、その兵器は転がってる時に地面にぶつかったせいで壊れてしまったようだ。その時は痛がってたのもあって尚更気付かなかったのだろう。というか地面に落としただけで壊れるって、脆くないか? 精密機械は少し破損があったらそれだけでも動作に支障が出る。そのため壊れないように機械の外側に付ける外装は強度を高くするのだが…… それをしてないのだろうか?

 

「そんなー!? 折角造ったのにーー!!」

 

「物凄く悔しがってるわね……」

 

「5000000しんじゅも集めて造ったのにーー!!」

 

「そんなに集めてたのかよ!?」

 

 あれを造るのに500万しんじゅも使ってたのか! 俺様の家の建築費より高いぞ! というかどうやってそれだけのしんじゅを集めたんだ? 俺様とスタフィーの場合だと冒険の時に結構集めていたが、こいつはどうやってそんなに集めたんだ? キョロスケの疑問が次々と湧き上がるが今はボンボーンだ。もう決着は付いているが。

 

「ちくしょー! 覚えてろボーン!!」

 

 ボンボーンは壊れた兵器を持ってすたこらさっさと逃げていった。しかし重そうなあれをせっせと引き摺るように逃げていく様子は何処か哀愁を感じさせる気がする…… ボンボーンが見えなくなったので、ハデヒラリを安心させようとする。

 

「もう大丈夫だよ! あいつは逃げていったから!」

 

「ありがとう、スタフィー! 助かったわ!」

 

「あ、それ俺の台詞……」

 

 ってスタフィー! 俺様の台詞を奪うんじゃない! 俺様がハデヒラリさんを安心させようと思ってたのに…… そうなったらハデヒラリさんの俺様に対する信頼感が上がる筈だったのに…… そうなったらハデヒラリさんと俺様が結婚出来るかもしれないし…… キョロスケは心の中でそうぼやくが、それは客観的に見ても難しい気がする。

 

「あれ? キョロスケ? どうしたの?」

 

「いや、何でも…… そういやスタフィー、どうして此処に来たんだ?」

 

 そういえばボンボーンの野郎が襲っていたから聞きそびれてたけど、スタフィーがこの場に来た理由って何なんだ?

 

「最近ロブじいさんの所に行ってないから久々に挨拶しに行こうと思ってね…… その途中でキョロスケがボンボーンに襲われていたから助けに行ったんだ!」

 

 あぁ、成程。

 ロブじいの所に行こうとしていたのか。この近くだから通りかかりに見かけても不思議ではない。今でも元気にしてるだろうか、ロブじい。もう結構年だし…… ヤドカリタがいるからまぁ大丈夫だろうが。

 

「あ、そろそろ私家に帰るんだけど、少しだけ一緒にお茶しないかしら?」

 

「えぇ!? 良いんですか!? それじゃあお言葉に甘え」

 

「気持ちは嬉しいんだけど、ロブじいさんの洞窟に早めに行きたいんだ。後日行くよ!」

 

「あらそう…… 仕方無いわね。今度来たら美味しいお菓子を用意しておくわね!」

 

「あの、ハデヒ」

 

「それじゃあ、今度また会いましょう!」

 

 ハデヒラリが家に向かって行ってしまった………………

 愛しのハデヒラリとお茶会出来なかった事により、キョロスケの心の中の叫びが口から放たれた。

 

「おおおおおぉぉぉぉぉぉい! スタフィー!」

 

「わっ!、キョロスケ!?」

 

「わっ、じゃなあああああいいいいぃぃぃぃ!!」

 

「え? 何々??」

 

「おめえええぇぇぇぇぇ!! 何でハデヒラリさんのお誘い断ったんだあああぁぁぁ!!」

 

「い、いや…… だってそこまでされたら悪いかな、て……」

 

「人の…… じゃなくて魚のご厚意はちゃんと受け取れやあああああぁぁぁぁぁ!!」

 

 スタフィーの奴! 折角ハデヒラリさんとお付き合い出来るチャンスだったのにー! 空気を読めよ! スタフィー!! あと、旅の土産を渡し損ねた!

 

「まぁまぁ、お菓子とかならロブじいさんの所に行っても食べられるだろうし……」

 

「まぁそうだけどよぉ! …………、仕方ねぇなぁ………… ロブじいさんの所に行くか。そういやスタフィー、どうしてロブじいさんの所に行くんだ?」

 

「テンカイで新しいお茶を作ったからそれを持って行こうと思って来たんだ」

 

 お茶かぁ……

 ロブじいさんの趣味は渋いからな。お茶なら喜んで飲みそうだな。

 

「それで此処に来たって訳か。土産も渡したいし、そんじゃあ行くか……」

 

「うん! 何だか久しいなぁ!」

 

 スタフィーの奴は目を輝かせてロブじいさんの所に行くのを楽しみにしていやがる。そこだけ見ると子供っぽいというか…… 初めて会ったばかりの頃を思い出すな。あの頃はへなちょこな感じだったのに今では正当なテンカイの王か…… 随分と成長したな。

 

「あれ? どうしたの?」

 

「いや、何でもねぇ。そろそろ行こうぜ」

 

 さて、目指すはロブのどうくつ。

 ロブじいさんもヤドカリタも元気にしてるかな?




ボンボーンスペシャルアタックの号数は「伝説のスタフィー」1作目の発売日(2002年9月6日)に因んでいます。分かった人はいるかな?

次回は2023年9月13日21時00分に投稿します。
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