「おぉ、此処がアミ―王国か……」
「わぁ、綺麗……」
「建物がカラフルやな! それに人通りも多いなぁ!」
スタフィー達はワープじぞうの力でアミ―王国に着いた。
アミ―王国は大きな発展を遂げていた。かつて訪れた際も様々な建物が建ち並んでいたが現在は更に大きな建物が建設されている。王国の住人達も以前よりも大勢歩いており、国がどれだけ豊かになっているかを如実に表している。
「何だか凄い賑わってる!」
「おぉ……! アミ―王国もここまで発展してたとはな……」
「いや~、流石コラルはんの王国やな!」
まぁ、あの二人なら誠実で心優しいから国民は二人を支持するだろう。以前冒険した時に訪れて、結婚式を挙げてた時は沢山の人が心の底から祝福していたからな。信頼出来て愛される人が王様なんだから国民は不満を抱かないだろうし、二人の性格の良さは分かっている。アミ―王国が此処まで豊かになるのは当然だろう。
「よぉし、それじゃあ王宮の方に向かうか」
「僕達、入れてくれるかな?」
「以前この国を救ったんやし、入れてくれるんやないか?」
三人は取り敢えず王国に行く事にした。お土産を二人に渡すために来たが、二人は何処にいるかが重要だ。先ず思いつくのは王宮。コラル王子は名前の通り国の頂点に立っているので王宮にいてもおかしくないだろう。そのため、先ずは王宮に向かう事にした。
「美味しい野菜が入ったよー!」
「どうかしら? このアクセサリー? とてもお似合いですよ!」
「今日のランチメニューは新鮮な貝のパスタですよ~」
大通りを進んでいるが、色んなお店から様々な声が響いてくる。全て活気の良い声で、聞く者がいれば自然と足を運んでみたくなるだろう。
「お、美味しそうな貝のパスタやな。食ってみたいわ」
「俺に共食いさせる気かよ…………」
「冗談や♪」
「王宮はもうそろそろかぁ…………」
大きくて豪華な王宮が近付いている。テンカイの王宮と同じ位豪華な見た目だ。鮮やかな色が多く塗られており、煌びやかな装飾も飾られていて、見る者を驚かせる。あの二人が好きそうな、カラフルな見た目かもしれない。俺様の現在の家も最近豪華でカラフルだが、テンカイやこのアミ―王国の王宮の方が豪華だろうなぁ……
「おっ、入り口や」
遂に王宮の入り口に来た。入り口付近にも多くの人が行き来しており、王宮の内装を興味津々で見ている。実際王宮の内部も豪華な装飾が飾られており、壁や床も豪華な石造りで構成されている。何やら高価そうな絵画や綺麗な鏡も飾られていて。正に王族が暮らすような建物だ。
「おっと、コラル王子を探さはんとな」
「マテル、いるかなぁ…………」
「兵隊に聞けば良いんじゃねぇか?」
取り敢えず王宮内にいる兵隊に聞く事にした。もしかしたら以前王国を救ってくれた事を覚えていて、快く案内してくれるかもしれない。近くで真剣そうな顔つきで見張りをしている兵隊に聞いてみる事にした。
「あっ…… もしかして…… アミ―王国を救ったスタフィーさんですか!?」
「うん、そうだけど……」
「おぉ! 王国を救った英雄の頼みを断る理由はありません! コラル王子とマテル様の所に案内します!」
兵隊はスタフィー達の事を知っているようだ。国を救ったのであれば知っていて当然だろう。兵隊は目をキラキラと輝かせながらスタフィー達を見ている。英雄を見て興奮している…… らしい。兵隊はスタフィー達をコラル王子とマテルがいる場所に案内を始める。その廊下も金や銀と言った飾りが沢山並べられている。
「何だかドキドキするなぁ…… もう直ぐマテルと再会出来るなんて…………」
「も~、王子なんやからシャキッとしぃ!」
「王子らしくないぜ? もっとドンッ! としないとな!」
スタフィーはかつての恋人であるマテルに再開出来ると思うと胸がドキドキして緊張してしまう。過去の恋人とはいえやはりスタフィーにとって見れば可愛く、美しい相手だから無理無いだろう。キョロスケとスタピーが活を入れながら兵隊に案内されていると、とある一室の入り口に着いた。その部屋の入り口も豪華な装飾が施されており、一般の方が入れないような雰囲気をこれでもかと曝け出している。
「うおぉ……! 凄い扉だ……!」
「テンカイのもんとは良い勝負やな……」
「重そうだな…… 開くのか?」
「はい! 勿論です! こう見えても軽いんです!」
重そうに見えて実は軽いという。誰でも開けられるように工夫してあるという事か。俺様でも開けられるな! いや、俺はそんなに非力じゃねぇ! とにかく入るか。キョロスケ達が部屋の前の扉に手をかけようとした。その時だった。
「ぼぼぼ、僕…… 緊張するぅ…………」
スタフィーの体が震えている。間違い無くマテルに会える事に緊張している。かつての恋人だから無理無いが、物凄い震えている。振動があまりにも凄過ぎて携帯電話のバイブルかと思ってしまう。お前は携帯電話か!
「仕方無いなー! そんならウチが開けるでー!」
「わ、ちょ…………」
業を煮やしたスタピーは直ぐに扉を開ける為に取っ手に手を付けた。完全に開ける気だ。スタピーはコラル王子に会いたがっている為直ぐに開けようとしてもおかしくない。スタフィーは心の準備が整っていない事もあり止めようとするが、時既に遅し。
「失礼しますー!」
扉が開かれた。
「ぁ…………」
扉が開かれた先には、
「スタフィーさん?」
「君達は……」
あの時から好意を抱いていた彼女が、
あの時から好意を抱いていた彼氏が、
マテルとコラル王子が、スタフィー達と再会した。
「スタフィーさんですか!?」
「スタピーにキョロスケも! 久しいね!」
スタフィー達の姿を見たマテルとコラル王子は嬉しそうにスタフィー達を見ている。マテル達からすればかつてこの国を救った英雄なのだ。それに二人は、特にマテルはスタフィー達と一緒に冒険を共にしたのだから親友と言っても間違いではない。
「それではごゆっくり!」
兵士が案内を終えた事もあり部屋を出ていった。この場にいるのはスタフィー達とマテル・コラル王子だけとなった。
「本当に久しぶりですね! スタフィーさん! スタピーさん! キョロスケさん!」
マテルは笑顔をスタフィー達に向けた。あの時よりも美しく見える、悪意を一切持たない女神のような可憐さと美麗さを持っているように見えてしまう。スタフィーが惚れるのも無理無い。この笑顔に惚れない者はこの世にいるのだろうか?
「今日はどのようなご用件でいらしたんですか?」
その笑顔が眩しい……! ハデヒラリさんに匹敵しそうだ。でも俺様にはハデヒラリさんという愛しのお嫁さん(候補)がいるんだ! キョロスケから見ればマテルは十分可愛い子に見える。かつて冒険していた頃もそう思っていたが、今では更に美しくなっている。後ろに髪を留めていて、小ぶりであるが女王を示す王冠を被っている。王女らしさが溢れている。慈愛に満ちた聖母のような、笑顔だ。
「じ、じ、じ、じつは…………」
当のスタフィーは愛しのマテルを前にしている事もあって緊張が頂点に達している。顔はリンゴのように真っ赤で、頭からは湯気がシュウシュウと出ていて火山のように見えてしまう。目は完全に○○状になっていて、焦点が合ってるかどうかすら怪しい。
「あ~、最近遠くに行ってさ。土産を買ったんだよ。それを届けに行こうとしてスタフィー達と一緒に行く事になったのさ」
「そうなんですか! 態々届けに来てくれるなんて、嬉しいです!」
お土産と聞くとマテルは喜びの表情を浮かべている。何が入っているのか楽しみにしているようだ。キョロスケも昔土産を渡された時はどんな物が入っているかワクワクしていたから何となく分かる。
「こ、こ、こ、これをどうぞ! キョロスケが買ってきた土産……!」
「嬉しいわ! ありがとう、スタフィーさん!」
「まぁ、買って来たのは俺だけどな」
スタフィーとマテルは以前のように親しそうに話している。マテルの笑顔にスタフィーは少し嬉しそうな表情に変わる。暫くこのままにしといた方が良さそうだ。
一方、スタピーの方はどうなんだ? スタフィーはマテル相手に緊張しているが、スタピーも緊張しているのだろうか?
「コラルはん! 最近王政もちゃんとやっとるんやな?」
「あぁ、支持率も上がってきてるし、本格的に他国との貿易や視察も本格的に考え始めているよ」
「流石や~! テンカイでも活躍をお聞きしておったけど、コラルはんなら間違い無くアミ―王国を豊かな国に発展出来る筈や!」
問題無く会話している!
スタピーは憧れの相手と会話できる喜びの方が上らしい。兄のスタフィーよりもペラペラと流暢に話している。スタフィーはおどおどしているのに妹はぺらぺらと流暢…… 兄妹なのにここまで大きく違うとは………… そういやママスタは「誰に似たんですかね……?」と言っていた事があるような気がする。
「そうだ、折角来たんだ。今日は此処で泊まって行かないかい?」
「「ええぇっ!?」」
此処に泊まると提案されるとスタフィーとスタピーはかなり驚いている。好意を抱いている相手の家に泊まれるのだから確かに驚くだろう。キョロスケだって好きなハデヒラリの家に泊まれると聞いたらかなり喜ぶだろう。
「えぇ!? 良いの!?」
「構いませんよ! 態々ここまで来たんですから是非とも泊まって下さい!」
(此処に泊まるって事は……! もしかしてマテルと……!)
スタフィーは頭の中である事を思い浮かべている。それは、マテルと一緒に食事をしたり風呂に入れるのでは…… という想像をしているようだ。スタフィーからすれば鼻血が大量に出てしまう程幸せな光景だ。もしかしたらそれが実現するかも…… そう考えている模様。
「いや~、人のご厚意を無下にできんなぁ…… それじゃあ今日は此処に泊まるで~!」
「何かあっさりと決めてるような…………」
二人は何考えてるんだろうなぁ…… と思いながらキョロスケはこのアミ―王国の宮殿に一泊する事にした。まぁ、王宮だから食事は豪華だろう。キョロスケからすれば悪い話ではない。テンカイの豪華な食事に続いてアミ―王国の豪華な食事が味わえるのだから。
「まぁ、俺様も別に構わないぜ。折角来たんだしな」
「嬉しいです! 泊まるだけでなく、是非この王国を観光していって下さい!」
アミ―王国の観光…… そういえば以前来た時は王国を襲っていたデジールを退治する事に集中してたから殆ど観光してないな…… 周辺を回るのも悪くは無いだろう。綺麗な王国だから見所も多い筈だ。
「はわわ……! マテルと…………! マテルと…………!」
「あぁ、コラルはんと一緒か~…………!」
「おめぇら、一体何考えてんだ……」
まぁ、大体想像つくがな。内心キョロスケは二人の考えている事を想像している。恋をしている相手と泊まるとしたら…… まぁ、嬉しくなるよな。そもそも喋り方や様子でほぼほぼ分かる。キョロスケ自身もハデヒラリ相手にこんな感じだからか、本当に分かってしまう。
こうして、キョロスケ達はアミ―王国に泊まる事になった。
その夜、アミ―王国の宮殿は何時もより賑わっていた。
かつて王国を救ったスタフィー達が来ている事もあり食事は豪華だった。テンカイに負けず劣らずの豪華な食事。しんじゅに換算すると一体いくらになるのか。想像もつかない。スタフィーはマテルの手料理を物凄く嬉しそうに食べ、スタピーはコラル王子と共に食事出来る事にかなり感激していた。やはり兄妹だな…… キョロスケはそう思った。
「ふぅ…… 此処の夜空の眺めも良いぜ」
「うわぁ…… まるでテンカイみたいに綺麗だ…………」
「ふふ、アミ―王国は空が綺麗ですから夜空も綺麗ですよ」
近くで座っているマテルの言うように、この王宮から見える夜空は星がはっきりと見える。星の輝きがアミ―王国を美しくするイルミネーションのようだ。そして、月も部屋を照らす灯りのように静かに鎮座している。まるで芸術だ。
「此処から見える夜景はとても心に残るよ……」
「よう分かるわ! うちもそう思うで!」
「結婚したその夜に此処でマテルと一緒に見る夜景は、今でもよく覚えているよ」
「コラル王子……! 私もよく覚えています…… 必ず私を幸せにしてくれるって、言ってましたよね」
「あぁ………… 今でもそれは変わらないよ」
「「……………………」」
マテルとコラル王子の会話がスタフィーとスタピーにも聞こえてくる。その時の二人の表情は何かに堪えているような、我慢しているような感じに見える。
「おぉ…… この二人、仲が良いな…… 寝ようとしてる時にもイチャイチャか……」
やっぱり二人共一度失恋した事を思い出しているようだ。もしも俺様がハデヒラリさんに失恋したら俺もあんな感じになるのかな…… そう思ってしまう。だがスタフィー・スタピー。例え失恋したとしても相手の幸せを願うってもんだぜ? それが男と女ってもんよ。そうキョロスケは心の中で二人を応援した。
「食事が終わったらお風呂に行きましょうか。此処のお風呂は気持ち良いですよ」
「「ふふふふふふ、風呂!?」」
風呂と聞いてスタフィーとスタピーは思いっ切り顔を真っ赤にして顔から湯気を出してしまった。もしかしたら一緒に風呂に入る事になるのか!? そう思っているのだ。恐らく多くの読者も混浴を望む人が多いだろう。キョロスケだってハデヒラリと混浴出来るのであればしたいのだから。ハデヒラリが混浴を望むのかと言うと…… 分からない。
「ままま、まさか…… 一緒に……!?」
「いいえ、男女別です」
「あ…… はい……」
やはりというか、風呂は男女別である。それを知ったスタフィーとスタピーは少しだけがっかりしているようだ。元恋人と一緒に風呂に入ろうとしていたらしい。そりゃ恋人と一緒に風呂に入れるなら俺様だって嬉しいぜ。いや、嬉し過ぎて気を失うな。
「あ、お風呂からの眺めは気持ち良いですよ! アミ―王国を一望出来ますから凄く良い眺めなんです!」
「三人共気に入る筈だよ。是非とも入ってくれ」
「も、勿論!」
「コラルはんとマテルはんが言うんじゃあ当然入りますわ!」
スタフィーもスタピーも風呂に入るつもりだ。一緒に入れなくても元恋人から勧められているならそれを受け入れるだろう。余程の理由が無い限り断らない筈だ。
「それじゃあ俺も入るか。何せ絶景が見える風呂なら是非とも入りたいぜ」
「あぁ、是非とも入ってくれ。露天風呂もあるからね!」
露天風呂もあるとなると星空も美しい筈。それにもしかするとアミ―王国の全貌を見る事が出来るかもしれない。美しい星空に加えて王国の夜景…… ロマンチックな風景を見る事が出来るだろう。風呂はどのような内装なのか…… そこも気になるものだ。
「そんなら早く食べ終わさんとな~! 綺麗な風景のお風呂が待ってるで~!」
「お風呂は逃げないから大丈夫だよ…… 星空が見える綺麗な露天風呂かぁ…… 入ってみたいなぁ…………」
スタフィーもスタピーもお風呂に入りたがっている。少し前は混浴を一瞬楽しみにしていたが、今回は景色を楽しめるお風呂を楽しみにしている。テンカイでも空が良く見える風呂があるが、このアミ―王国の風呂もきっと素晴らしいだろう。
「よぉし! それじゃあ早めに食べんとな~」
「まぁまぁ、急がない急がない……」
「そうですよ!もう暫く食事をお楽しみ下さい!」
こうして、食事はまだまだ盛り上がりそうだ。この盛り上がりは風呂に入る時でも続きそうだ。
翌日、アミ―王国の近くの広場ではスタフィー達が集まっていた。
「へぇ、これが色んな所に行くワープじぞうか」
「あぁ、アミ―王国内だけじゃない、様々な所に行けるよう設置してあるんだ」
「昔スタフィーさん達が行ったランパ星にも行けるんですよ!」
「ランパ星かぁ…… 懐かしいなぁ……」
ランパ星。
かつてスタフィー達が向かった事のある惑星。
そこにはかつて冒険した“仲間”がいる。その“仲間”にもお土産を渡した方が良いだろう。きっと喜ぶ筈だ。スタフィーとスタピーも察しているのか、うんうんと頷いている。
「それじゃあ次はランパ星に行くんですね?」
「あぁ、そうだ。あいつも大事な仲間だしな」
「それならあそこのワープじぞうを使って下さい。あれがランパ星行きです」
コラル王子が指を指す方向には、手に星を持っているワープじぞうが鎮座している。星を持ってるだけあって宇宙に行く事が分かりやすい。
「それじゃあ行ってくるか。スタフィー、スタピー、行くぜー」
「う、うん! またね! マテル……!」
「コラルはんもたっしゃでなー!」
「えぇ、お元気で!」
「あぁ、また来てくれ!」
スタフィー達はマテルとコラル王子に手を振り、マテル達もスタフィーに笑顔で手を振っている。その笑顔はスタフィー達から見ればとても煌びやかで、見る者に元気を与える笑顔だ。それと同時に、互いの片手を握りながらもう片方の手を振っているからやはり二人共仲が良いという事が窺える。
この幸せが何時までも続きますように。二人の幸せを願うスタフィー達はそう心の中で願った。
こうしてスタフィー達はアミ―王国と別れて、ランパ星に向かった。
4で敵キャラが一新されたけど、皆可愛かったなぁ。
次回は2023年10月4日21時00分に投稿予定です。