ワープを終えて目に映った光景は、暗い空が広がる地だった。
空は夜のように暗く、宝石のような光を放つ星、そして星形のクレーターがハッキリと見える惑星が浮いている。この風景は間違い無い。ランパ星だ。
「うわぁ、凄く綺麗だ……」
「地球から見る星と、別の星から見る星は全然違うぜ」
「ほんまやなぁ。同じもんでも見る場所が違えば違う様に見えるなぁ」
以前訪れた時はダイールを倒す事に集中してたから星空を眺める余裕は少なかったが、改めてじっくり眺めるとテンカイやアミ―王国で見た夜空と結構違う。星の並びや見える惑星・衛星…… どれも地球では見られない。何だか不思議な光景に見えてくる。
「ランパ星のお城はあそこか…… ん?」
キョロスケが周辺を見渡すと、近くの場所から宇宙服を着たようなウサギが此方に近付いている。スタフィー達は彼らに見覚えがあった。この星の兵士であるランパヘイシだ。
「おぉ、あの時にランパ星を救って下さったスタフィー様! スタピー様! キョロスケ様ですね!」
「うん! ランパに会いたいんだけど、案内して欲しいんだ」
「ランパ様ですね! 分かりました! こちらにご案内します!」
ランパヘイシはかつて国を救ったスタフィー達を丁重に接して王宮に案内しようとしている。すると、上空からある“黒い影”がやって来た。
「げっ…… まさか……!?」
キョロスケ…… に限らずスタフィーもスタピーもその黒い影を見て大きく驚く。spの黒い影は今までの冒険で何度か見た事のある敵だ。
黒い球体に白い目と大きな口を持つ、不気味な姿の敵。トラッパー。
対象を捕まえるとステージの最初の部分に戻してしまう凶悪な敵だ。対象を何処までも追いかけていくだけでも厄介だが、水中でも自由に移動し地形をもすり抜けてしまうのがかなり厄介だ。トラッパーのせいで何度もステージをやり直された事か。此処ランパ星にもスタフィーが冒険していた時どういう訳かトラッパーがいた。もしかしたら色んな星に住んでる生物なのか?
「わわっ! まだいたの!?」
「やばっ! 早く逃げねぇと!」
「あっ、大丈夫ですよ。あいつは誰かを襲ったりする子じゃないですから」
えっ? 襲わない? どういう事だ?
何を言ってるのか分からない。そう考えているとランパヘイシはトラッパーに近付いて手を振った。端から見れば自滅行為同然…… だが、トラッパーは嬉しそうな表情をランパヘイシに向けていて、襲ってきそうな素振りは無い。
「え? どうゆう事なん?」
「以前現れたトラッパー達は僕達が保護しているんです。侵入者を捕まえたり出来るから城の警備に貢献しているんです!」
え、マジで?
昔トラッパー達によって苦労したスタフィー達から見れば俄かに信じ難いが、ランパヘイシとトラッパーの様子を見るとどうやら本当のようだ。トラッパーって飼い慣らせんのかよ。驚きしかない。
「それじゃあスタフィーさん達を王宮に連れて行って下さい!」
「連れてく? どうやって?」
「ん、まさか……」
連れてく? トラッパーが? どうやって?
もしかして馬車みたいにトラッパーが車を牽引するのか? そうは思えない。
もしかして…………
キョロスケ達が嫌な予感をしていると、トラッパーは大口を開けた。欠伸…… ではない。目に涙が流れていないので欠伸でない事が分かる。では何故大口を開けたのか。
それは勿論。
「それじゃあ王宮へ!」
「えっ? ちょっと待って!」
「あかんあかん!」
「まさかおめぇ……!」
トラッパーが大口を開けてスタフィー達を飲み込んだ。
黒一色の視界に光が差し込む。
目を開けてみると、光が収まっていきそこにはある建物が見えた。
かつて冒険した地、ランパ星の王宮。
「あっ! スタフィーさん! トラッパーを利用したんですね!」
「着きましたよ………… じゃなあああああい!」
「何処かに飛ばされると思ったで!」
「あ~…… びっくりした…………」
キョロスケとスタピーは怒り気味で、スタフィーはビビッて腰を抜かしている。何せ突然トラッパーに食われたのだ。無理も無い。トラッパーの恐怖を今まで何度も味わっている身からすれば肝が冷える。当のランパヘイシはあまり気にしていないようだ。
「あぁ、ごめんなさい…… でも直ぐに行けたでしょ? 目的地に行くためにあえてトラッパーに食べられて移動する人もいるんです!」
「マジか……」
トラッパーに敢えて食べられに行くなんて…… そう思うが、よく考えてい見ると食われたら特定の場所に一瞬で移動されるというのはワープじぞうみたいなものに近い。上手く扱えば便利かもしれないが…………
「この入り口を入ればランパ様に会えますよ! スタフィー様達であれば簡単に入れてくれると思います!」
確かに、以前星を救った相手であれば多分王宮内に入れてくれると思う。アミ―王国もそうだった。
「今度ワープする時は事前に言ってくれ……」
「それもそうでしたね…… 失礼しました。以後は気を付けます! それでは仕事があるので……」
ランパヘイシは仕事があるのか直ぐに離れて行った。トラッパーも彼の後をついて行くように移動していく。彼に懐いているのか?
「んっ? よく見ると王宮の上にトラッパーが飛んでる……?」
「げっ! マジだ!」
「まるで警備員やな……」
ランパ星の王宮の上空を見ると、数体のトラッパーがフワフワと飛行している。どうやらこの王宮を警備しているようだ。
トラッパーが警備しているのであれば大体の泥棒はあっさりやられてしまうだろう。執拗に追跡して地形を無視して移動出来るという強みは泥棒の確保においてかなり有利だろう。隠れても地形をすり抜けて確保されるのだから。そう考えるとトラッパーに警備させるのは理に適っているのかもしれない。
「あっ、土産を渡さないとな…… ランパは中か」
「よぉし! それじゃあ入ろう!」
取り敢えず王宮に着いたので後は中に入るのみ。
スタフィー達はランパ星の王宮内に入って行った。
王宮内は石造りの西洋風。中には色んな石像が並んでいる。確かに豪華な造りだが、テンカイとアミ―王国と比べると少し質素のようにも見える。いや、テンカイとアミ―王国が豪華過ぎるのだろうが。
「何か改めてみると質素やな~」
「まぁ、テンカイとアミ―王国が豪華だったから少し素朴な感じがするよな」
「でも十分豪華だよ!」
王宮内をスタフィー達が歩いていくと、先程とは別のランパヘイシに出会う。スタフィー達を見ると彼は意気揚々とした表情でスタフィー達に近付いて来る。
「おぉ! スタフィーさん! 久しぶりです!」
「えぇと、ランパに会いたくて来たんだけど……」
「あぁ、王子ならあちらの部屋にいますよ!」
どうやらランパは奥の部屋にいるらしい。その部屋の扉は非常に豪勢で、重厚感を感じる。大きな扉でもあるので如何にも王様が入りそうな雰囲気がある。アミ―王国でもこういう扉は見ているのでそこまで驚きはしないが。
「よぉし、開けるぞ!」
「これは軽いんかな?」
「勿論! 重そうですけど凄く軽いです! じゃなきゃ王子が開けるのに一苦労しますから!」
「どんな素材を使ってるだ?」
色々と軽口を話しながらスタフィーは扉に手をかけて開けた。そこには豪華な家具が多数置いてある、立派な王室が広がっている。そこを見てみると、探しているランパはいないようだ。
「あれ? いない?」
「ホンマや。お出かけとちゃうん?」
「いいえ、王子が出かけているって聞いてませんし、出かけるなら必ず連絡をしている筈です」
「ま、まさか…………」
いる筈の部屋にいない。となると考えられる可能性は…… 誰かに連れ去られた。だとしたらマズイ。今直ぐに探さないと!
かつてランパはダイールという悪党に狙われた事があった。スタフィーがダイールを撃破したのだが、もしかしたら誰かに襲われた……?
急いで探さないと!
そう思ったその時だった。
「あれ? もしかして…… スタフィー?」
と思ったら、家具の物陰から出てきた。
「びっくりしたぜ。てっきり誰かに攫われたのかと……」
「落ちたペンが家具の下に転がっちゃったから拾おうとしたんだ。それで見えなくなってたんだと思う」
「あ~、びっくりした…………」
「王子が無事で何よりです」
ランパが特に攫われたり失踪していなかった事を知ると、スタフィー達は一息吐いて安心していた。
ランパはかつてスタフィーと共に冒険した仲間で、ダイールという強敵に立ち向かった事がある。今ではランパ星の王子として職務に努めている。スタフィーやマテルのように、王政を行っているのだ。
「一瞬いなくなったとヒヤヒヤしましたよ~! 何か話があるみたいなのであとは皆さんでゆっくりお話しして下さい!」
そう言うとランパヘイシはお辞儀をして部屋から出て行った。この星の兵士達は皆真面目である事は以前の冒険の一件で知っている。ちょっと抜けたところのあるテンカイの兵士とは違う。
「皆、久しぶりだよ! 何時以来かな?」
「確かダイールを倒した時以来…… だったっけ?」
「そういやそうだな…… 何か懐かしいな…………」
ダイール。宇宙を支配するためにランパ星人の不思議な力を悪用しようとしてランパ星を襲った恐ろしい悪党。一度ランパを吸収して大幅な強化をしてしまったためスタフィー達は負けてしまいそうになったものの、“とある3人”の活躍のおかげでランパは無事に救出する事が出来た。その後スタフィーはダイールと対決し苦戦しながらも勝利した。今思えば中々の強敵だった。
「そういやあの3人は何やってんだ?」
「何処かに住んでるのかな?」
「あっ、それってあの3人かな?」
ランパが言うと後ろの方で何やら音がした。扉が開く音だ。どうやら誰かが入って来たらしい。あのヘイシがまた入って来たのかな? そう思ったが、入って来たのは3人組で、姿がランパヘイシと異なるため別人であった。
「おや、あんた達。来てたのかい?」
「お、お前達は……」
「スタフィー達だ!」
その声にスタフィー達は聞き覚えがあった。ランパと共に冒険していた時に何度も戦ったあの3人組の声。
一人はウサギの耳を被っている細身の女、一人は緑色の帽子を被っている大柄な男、そして最後の一人は青い帽子を着ている小柄な男。着ている帽子はじゃんけんの出す手のような形をしている。
「そういうお前達は……」
「ふふ、そう! 夜空を切り裂く赤鋏! ジャン!」
「全てを粉砕! グーパンチ! ケン!」
「小粒でもパーッと行くぜ! ポン!」
「三人揃って無敵のチーム! ジャン!」
「ケン!」
「ポン!」
「「「参上!」」」
やっぱり。
以前ダイールの部下として活動していた三人組。ジャン・ケン・ポンだ。
元々ランパを狙う敵だったが、今では考えを改めて悪い事を止めてランパ星で働いている。名乗りは相変わらずである。
「あ、煙幕を出さないでね? 部屋が煙っちゃうし…… 火災報知機が鳴っちゃうよ」
「だ、出さないよ!」
「流石に、それはまずいからな」
「火薬の量をよく間違えたからなぁ…… おかげで部屋が曇った事があったし」
「いや、部屋で火薬はあかんやろ!」
スタピーのツッコミの通り、ジャンケンポンの出現の時の煙幕はかなりの量だ。スタフィー達が冒険している時は開放的な場所で行っていたため煙は自然と晴れていったが、部屋は閉鎖的な空間だ。煙が晴れるのに時間がかかるだろう。火薬の量を間違えるような事態がよく起こるなら尚更である。
「今は護衛をやってるんだっけか?」
「今の時間は掃除の時間帯だぜ」
「まぁ、ランパも手伝ってるんだけどね」
「皆でやれば直ぐ終わるじゃないか! 掃除してたらペンを落としちゃったけど…………」
どうやら当初ランパがいないと思っていたら身を低くしていた経緯は掃除のようだ。王子という職でありながら自ら率先して掃除するとは、よく出来た子だ。
そういえばランパとジャン・ケン・ポンは今では随分と仲良くなっているようだ。当初は敵対関係だったのだが、ジャン・ケン・ポンがダイールに反旗を起こしたおかげでランパを助ける事が出来た事からランパ達と和解した。
「そういえばスタフィー達は何の用事で来たんだい?」
「キョロスケのお土産を持って来たんだ! 皆に分けようと思って!」
「そうなんだ! 美味しそうなお土産だね!」
「そりゃあ俺様が選んだ極上のものだからな」
ランパは地球から持って来たお土産を見て目をキラキラと光らせている。どうやら地球の食べ物に興味があるようだ。かつて冒険していた時はランパ星に向かう宇宙船の修理を最優先にしていたのであまり地球の食べ物を食べる機会は少なかった。それ故に食べたがっている。
「皆で食べようよ! 皆で食べる方が美味しいよ!」
「そうだね! お母さんとお父さんもよく言ってるよ!」
「そんじゃあ食うか? 丁度腹空いてるし」
「よぉし! 早速食べよう! ジャンケンポンの皆も食べようよ!」
「アタイらも良いのかい?」
「あっ、でももうおやつの時間だぜ? アネキ?」
「それじゃあ食べよう!」
おやつの時間と言う事もあり皆で食事をする事にした。掃除を終えたばかりであるがキョロスケが買って来たお土産が美味しそうな事もあり、食べる事にした。やはりと言うか、皆で食べる食事は楽しい。場の雰囲気は明るく賑やかになった。
「あ~、食べた食べた~」
スタフィーやランパ達はキョロスケのお土産を食べ終わった。皿の上で食べた事もあり食べかすが床に飛び散る事は無かった。
「夕食はどうしよう? 食べられるかな?」
「まぁ、そんなに量は無かったし、大丈夫じゃなねぇの?」
「そうだね。大丈夫だよ!」
スタフィーは夕食を食べられるか少し心配していたが、キョロスケのお土産の食べ物は量が元々少ないためあまり腹は膨れていない。夕食も十分食べられるだろう。ランパも此処に住んでいる以上食事の事を知っているのか、問題は無いと確信しているようだ。
「それじゃあさ、折角だし泊まって行かない?」
泊まる、か。
テンカイとアミ―王国でも泊まったが、ランパ星でも泊まるべきか…… まぁ、今の所断る理由は無い。それに此処の食事も気になる。王宮なんだから此処も豪華で美味い食事かもしれねぇ。だとしたら泊まっていくか。
「そうだな、泊まっていくか」
「そうだね。此処のベッドは気持ち良いかも!」
ベッドか…… スタフィーの奴、ベッドのふかふかな感触が好きなのか?
「ハマグリ、もしかして美味しい夕食に期待しとるん?」
げっ! スタピーにはバレてるのかよ! 察しが良いな……
「よぉし! 今夜は豪華な夕食でもてなすよ!」
ランパは結構もてなすつもりのようだ。星を救った恩人でもあり友人だから当然だろう。ジャン・ケン・ポンの3人も同意しているように頷いている。彼らも賛成しているという事だ。今夜も豪華なお食事になりそうだ。
「いや~、美味しかった……」
「本当だな。テンカイやアミ―王国の料理とは大分違うな……」
「うちが作るタコ焼きと良い勝負やったな~!」
夕食時、ランパ星の王宮で出される料理がスタフィー達に振る舞われた。どれもこれも今まで食べた事の無い極上の味だ。味だけでなく、料理の盛り付けも逸品で、見た目も美味しさを具現化したような彩は食欲を大きくそそった。
「ふふん! アタイが作った料理は美味しかったろう?」
「えっ!? ジャン達も料理を作ってるの!?」
「アネキは料理も上手いんだぜ!」
「ダイールに従う前は、アネキが料理を作ってたんだよ!」
どうやらジャンは料理を作るのが得意のようだ。この王宮で働くようになってからはその腕を存分に振るっているらしい。ランパだけでなくランパヘイシ達も彼女の料理の味は気に入っているようだ。
「この後はお風呂に入って、就寝だね! 此処の寝室の眺めは凄く良いんだ! 是非見てよ!」
「へぇ、そうなんだ! 何だか気になるなぁ!」
ランパが言うには寝室から見える光景は絶景らしい。テンカイとアミ―王国も中々の絶景だったが、地球と異なる惑星のランパ星ではどのような光景なのか気になるものだ。地球から離れているので見え方は違っていそうだが、果たして。
「それじゃあ今夜は天体観測でもしようかな!」
「眠れなくなっても知らないで~」
「やるからにはパーッとやるぜ!」
皆星を見ようとワクワクしている。宇宙で見る天体観測って考えて見ればロマンチックだ。弟と妹達なら興奮しながら「絶対に見る!」って言うだろう。ハデヒラリさんと一緒なら…… お近づきになれる機会かもしれないな。今此処にはいないが。
「あ、天体望遠鏡ってあるの?」
「勿論! 部屋の押し入れの中にあるよ!」
「…………、埃被ってないよな?」
「…………多分」
何か不安だな。
まぁ兎に角今夜は天体観測をする事になった。家には無い物なのでどのように使うかは分からない(覗くと星が綺麗に見える事は知っているが)が、ランパが所持しているという事はランパはそれを扱えるという事の筈。
他の星から見る天体観測がどのようなものなのか、少しばかり気になるもんだ。キョロスケはそう思いながら今夜の天体観測を楽しみに待つ事にした。
「おぉ! 綺麗に見える!」
「うわぁ! あれがランパ星の近くを回ってる惑星かぁ……」
「凄い綺麗だ! ハッキリと見える!」
ランパの部屋で押し入れの中から取り出した天体望遠鏡を使って夜空を見ている。布を上に被せていたので幸い埃は被ってなかった。そんな事もあり買ったばかりの頃の新品同様の品質だった。それに説明書もそのまま取っておいたおかげで操作は難無く出来た。
天体望遠鏡を通してみる星々の世界は非常に美しい。肉眼で夜空を見るよりも鮮明に星や惑星が映っている。観測地点から物凄く離れているのにすぐ近くにあるように感じる感覚は不思議なように感じる。
「ランパの持つ宇宙船ならあの星まで行けるかな?」
「行ける筈だよ! 何せ地球からランパ星まで行けたんだから!」
ランパの言う通り彼の宇宙船は非常に高性能で、遠く離れたランパ星に直ぐに行けたのだ。天体望遠鏡に映っている星や惑星にも直ぐに行けるだろう。その星が自分達でも生存出来る環境であればの話だが。
「そういえばジャン達が来た星って何処なの?」
「えぇと、それはあっちの方の……」
ジャンケンポンの面々も天体望遠鏡による天体観測に参加している。そういえば彼女達の故郷は何処なのだろうか? ランパ星よりも遠く離れた星なのだろうか? 此処から見えるのか、それとも天体望遠鏡でも見えない程遠い星なのだろうか?
「お、あの星は確かふたご座だっけ?」
「う~ん、どうかな?」
「星の並びからして…… う~んと…………」
見た所星を見てもどの星座なのか分かりづらいようだ。無理も無い。昔の人は色んな星座を考えたのだが、あまり名前通りの並びには見えないものが多い。昔の人はよく考えたなぁと今でも思う。想像力の問題なのか……?
「あっ! キョロスケもおいでよ!」
親友の呼ぶ声がする。どうやらまだまだ続きそうだ。星座が分からなくても、星が見えるだけでも楽しいもんだ。スタピーもランパもジャンケンポンも楽しんでいるし、俺様も混じるとするか。
何時かはハデヒラリさんと一緒に星を見たいなぁ。
そう思いながら彼は天体観測をスタフィー達と共に続ける事にした。
「いやぁ、大分ゆっくりしちゃったね」
「でも夜更かししちゃったよ…… ファア…………」
翌日。
皆天体観測を続けていた事もあり全員夜更かしをしてしまい、寝ぼけてしまった。顔の表情は眠そうである事が如実に分かる程だらけているように、やる気がないような雰囲気を呈している。
今スタフィー達がいるのはワープじぞうの前だ。それはテンカイの方に向かうワープじぞうだ。つまり、今からテンカイの方に帰るのだ。
「このワープじぞうを使えば帰れるんだね?」
「うん! これを使えば一直線に行けるよ!」
「テンカイ行きもあったんだな」
ランパ星にテンカイ行きのワープじぞうがあったとは。だが、アミ―王国からランパ星に行けるワープじぞうがあるのだから、あってもおかしくは無いだろう。このワープじぞうは手に星を持っている。宇宙を表現しているのか?
「それじゃあ暫くお別れだね」
「うん、遊びたかったら何時でも来てね!」
「アタイ達も待ってるよ~」
「「何時でも来いよ!」」
ランパとジャンケンポンの4人はスタフィー達を見送ろうとしている。かつては敵対していた者同士であるが今ではすっかり仲良くなった事がよく分かる様子だ。
「それじゃあまたね~!」
「うん! またおいでよ!」
「「「じゃあな~!」」」
「元気でな~!」
「健康でいろよ~!」
こうしてスタフィー達はランパ達と別れてテンカイへと帰って行った。
トラッパーを見張りに出来たら万能じゃね? 壁をすり抜けるんだもの。
次回(最終回)は2023年10月11日21時00分に投稿予定です。