もし白上フブキが幼なじみだったら 作:魔王鎮守府のトレーナー
最後までお読みいただけたら幸いです!
「あ、あはは〜も、もう大和くんッたら〜冗談がすぎるよー?」
冗談、うちがそう思い込みたかっただけなのかもしれない。でなければフブキは…最愛の人に忘れ去られてしまったことになるのだから…
「…ごめん本当に分からないんだ」
「えっ、嘘…でしょ…?本当に記憶が無いの?」
「…分からないんだ、俺に大切な人、幸せな日々、大切な思いがあったことは分かる。」
「それじゃあ…」
「思い出せないんだ、その人の名前も姿も声も思い出もッ!何もかも、思い出せないんだよ…そこにあるのはただのぼんやりとしたそういうものがあったということだけなんだ…」ツー
「…」
その時、うちは何も言えなかった。なんて言えばいいか分からなかった。きっと思い出せるとでもいえばよかったのか、しかしそれは彼を苦しめることになるだろう。必ず記憶が戻るかは分からない、だから安易に根拠の無いことを言えないのだ。苦しい…心が締め付けられる…うちはどうしたら良いのだろうか、その時はただただ黙ることしか出来なかった
「すまん。ちょっと1人にさせてくれ」
「うん…わかった」
そうしてうちは病室を去るのだった
「…うちはどうしたらいいの…?」
「あれ?ミオ、どうしたの?」
先生を呼びに行って戻ってくる途中ミオが歩いてきた。でもなんだか少し俯いて暗い顔をしているような気がする
「あ、フブキ…実はちょっと大和くん起きたばっかで混乱してるみたいで1人にして欲しいんだって。お医者さん呼びに行ったんでしょ?じゃああとは任せてちょっとお昼でも食べに帰ろ?フブキ誘ったら来るかな〜って思って仕込んでから出てきてたんだ〜」
顔はニコニコしているが私にはそれが無理をしているように見えた、後で少し聞いてみよう
「…うんわかった、ミオのご飯美味しいから楽しみだな〜」
「うちもいつも美味しそうに食べてくれるから嬉しい」
「えへへ〜///照れますなぁ〜」
「…いつもありがとねフブキ」
「うん?どういたしまして〜」
そんなことを話してるととある女性が話しかけてきた
「あら〜?フブちゃんどうしたの?」
「あ、えっと私と大和君の友達の大神ミオっていう子で今日はお見舞いに来てくれたんだよ〜」
「あらそうなの、ありがとうね〜うちの息子のために…あ、申し遅れました〜。私、大和の母の谷川
「あぁ、大和くんのお母さんでしたか。えーと、うち…いや私は大神ミオと言います。大和くんにはいつもお世話になってます」
「あらあら〜気楽でいいのよ〜うちの子がお世話になってそうだけどね〜。こんなかわいい子と仲がいいなんてあの子も変わったわね〜」
へ〜大和君って前は違ったんだ初めて知ったかも
「それじゃあ私は大和に会ってくるからまたね〜」
「はーい、また今度〜」
そう言って和奏さんと別れ病院を出る
「ねぇ、フブキ」
「ん〜?なーに?」
「和奏さんめちゃくちゃ若くない?」
「そんなことないよ?わたしのお母さんの1つ上のピー歳だって言ってたし」
「ええっ!それにしても若かったよね?」
「ん〜あれで軽く化粧したぐらいじゃないかな?あんまり変わってないし」
「そうなんだ…」
そんなことを話色々してるうちに着いたのでミオしゃのご飯を食べた。やっぱり美味しいのよこの唐揚げ♡
「さて…ねぇミオ?」
「ん?どうしたのフブキ」
「大和君と何かあった?」
「…っ!あ、あはは〜もしかして表情に出てた?」
「ねぇ…何があったの?大和君がどうかしたの?」
「…わかった話すね。」
それから全て事を聞いた。大和君が私を忘れてしまったこと大切なものがいたということだけが頭に残っているということ…そして彼も泣いていたということ
「…ミオ、話してくれてありがとう。ごめんね…私のために1人辛い思いさせて」
「フブキ…」
「大丈夫だよ!きっと思い出す。そう…信じなきゃ…いけないのに…」ポロポロ
あれっ、おかしいな。泣かないって思ったのに…あれっ?
「フブキッ!」ギュッ
「ミ…オ…?」ポロポロ
「いいんだよ!泣いても!辛い時は泣こう!フブキ!」
「ミオ…!せっかく!せっかくまた会えたのにっ!これからっ!もっと思い出を作ろうって!言ってたのにっ…!」ポロポロ
「うん…うんっ!」ギュッ
「うあ゙ぁあ あ゙ぁあぁ゙ああぁぁ…」ポロポロ
ずっと泣いた。大和君が目覚めて嬉しいのに…忘れられて悲しくて…心の中がぐちゃぐちゃで…気づいた時にはミオも静かに泣いていた…2人で、ずっと泣いた…
気づいた時には泣き疲れたらしく寝ていたようで起きた時には辺りは暗くなっていた
「ん〜」ノビー
「おはよう、フブキ」
「あはよ〜ふぁ〜」
「目元赤いよ?大丈夫?」
「ミオもでしょ〜」
「じゃあ2人ともだ」
「そうだね〜」
そんな話をしながらまったりしてるとミオが口をひらく
「ねぇ…フブキ?」
「ん〜?」
「今おやすみしてるけどさ、これからどうするの?」
「…やることは変わらないよ。今はもう少し時間を貰って、ただいつも通り配信して、生活して…それにね」
「うん」
「たとえ大和君の記憶がなくなっても私が覚えてる限り今まであったことは無くならない…だから、私は大和君がきっと思い出すことを信じてる」
「そっか…うちもいつでも力になるからね!」
「ありがと、ミオ」
「大和〜?」
ミオが出ていき数分後ガラガラッと音を立て開いた病室の扉から出てきたのは母さんだった
「久しぶり…母さん」
「うん、久しぶり〜怪我はどうなの?」
「まだ体の節々が痛いかな…」
「そう…まぁ昔から頑丈だったし大丈夫ね。それよりあんたフブちゃんと何処までいったの?」
「…母さん、実は」
俺はミオに話したことと同じことを話した。さっきよりは落ち着いて話せたと思う…だけど俺の中にはずっと霧のうなものがかかっている
「あら…そうなのね。まぁ大丈夫よ〜大和だし」
「なんでそんな楽観的なのかねぇ?さっきまでの暗い雰囲気ぶち壊しだよ!?」
本当に、この母親は…調子狂うんだよなぁ…
「そんなこと言われても…あなた絶対まぁいっか〜ってしか思ってないじゃない?」
「あれ?バレてた?」
「実の母親をなんだと思ってるのよ…あんたのことなんかお見通しよ〜。それにね、あなた私に言ってたじゃない『覚えてる限りまたいつか会える』って『たとえ忘れられても俺が覚えてる限りあいつとの思い出は消えないから』って」
「えっ…俺そんなこと言った記憶ないんだけど。怖っ…」
「あら〜覚えてないの〜?引っ越す時に本当にフブちゃんに直接お別れ告げなくていいのか、二度と会えないかもしれないよって聞いたじゃない?その時よって、あなた今フブちゃんに関する記憶まとめて抜けてるんだったわ〜」
「!!」
少し思い出した気がする…あれは10数年前の引越しの日…
『本当に最後のお別れ、〇〇ちゃん告げなくていいの?』
『うん、大丈夫』
『もう会えないかもしれないわよ〜?』
『大丈夫だよ。だって、もしあいつが忘れても、俺が覚えてる限りあいつとの思い出は消えないもん。ほんとにお別れになるのは俺があいつに忘れられて、俺もあいつを忘れた時だけ、どっちかが覚えてれば必ずまたいつか会えるし思い出だって思い出せるよ。俺が覚えてる限り繋がりは消えない…俺はそう信じてる』
『そうね。』
…思い出した。1部抜けてはいるが…思い出せた。
「だからね。大和が言ってることが正しいならたとえ忘れてもフブちゃんが覚えてる限りあんたも思い出せるよ。だってあんたとフブちゃんの繋がりは消えないもの」
「…ありがとう母さん。大事な事を思い出せたよ」
「そう、なら良かった。そうだ、この後お医者さんが来るから待ってなさい。私は帰るけど、なんかあったらいつでも会いに来なさいね。あ、帰る時はフブちゃんも連れてきてね〜」
「いろいろ思い出せたら…な」
「ぐっどらーく」( *˙ω˙*)و グッ!
「やまかしいわ!ったく…」
はぁ…っとため息を吐く…俺はこれからフブキという人とどう接すればいいのか考える…が何も思いつかない
「…ま、今考えても仕方がないか…とりあえず早く治さないと…」
そんなことを考えながら医者が来るのを待つのだった…
医者が着くの遅くない?って思うけど気にしなーい
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