モブせか・カーラ if ルート   作:julas

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4、パルトナー乗船

「大丈夫? カ-ラさん?」

「ありがとうリビアさん。いよいよって思うと流石に緊張して来ちゃって」

 

 学園祭も終わり連休初日。リビアとカーラは空賊討伐に向け港で船を用意して待ってるリオンの元へ向かっていた。

 

「リオンさんに任せれば大丈夫ですから! 用意してくれる船も凄く立派で、文字通り大船に乗ったつもりで安心してください!」

 

 緊張で表情が硬いカーラに向かってリビアは笑顔で励ます。

 

「そうよね今更弱気になんかなっちゃダメよね。それにリビアさんに励まされると不安な気持ちも消えて元気が湧いてくるみたい」

 

 言いながらカーラは思った。そう言えばリビアの前向きな言葉はいつも自分の心に勇気を与えてくれる気がする。

 思えばリオンに全てを打ち明け頼ろうと思ったのも、リビアの語るリオンがあまりにも強く頼もしく正に神話の英雄勇者の様に聞こえたから。

 今またリビアと話すことでその想いは高まりそれは不安な気持ちをも振り払ってくれるように。

 そうして話ながら歩いてく二人は港に到着する。

 

 

「リオンさ~ん」

「男爵~」

 

 港につきリオンの姿を見つけた二人が手を振りながらやってくる。

 リオンはリビアとカーラを見つめながら、二人の距離は学園で見たときよりも更に近くなってる様に感じた。

 アンジェに続きカーラ、思えば二人ともゲームでは【主人公】リビアに敵対する悪役だったのにこうして友人に。

 そしてこの空賊イベント自体も本来なら2年に進級してからでこんなに早く発生するの自体予想外であった。

 兎に角色々実際のゲームとの乖離が目に付くなと思う。

 ただ、リビアがカーラと楽しそうに談笑する様子を見てると、それらの違いも些細なことに思えたのだった。

 

 

 

「とても立派で大きな船ですね~」

 

 港に停泊するリオンの船、パルトナーを見上げながらカーラが感嘆の声を漏らす。

 その大きさは700mに及び他の飛行船と比べ圧倒的な大きさであった。

 そんな様子にリオンは満足気な表情を見せる。

 

 

「そう言えばブラッドは?」

 

 思い出したようにリオンが口を開くと、言われてカーラは辺りを見回す。

 

「え~っと、あ、いましたアッチです」

 

 言ってカーラは視線の先を指さすとリオンも其方に視線を送る。

 カーラの視線の先に居たのは紫色の長い髪を束ねたいかにも女子にモテそうな甘いマスクの少年ブラッド・フォウ・フィールド。

 先にも述べたがリオンとは因縁のある相手。

 

 

「一緒にもう一人いらっしゃるみたいです。あの赤い髪は……グレッグ様みたいですね」

 

 ブラッドと共にいたのはグレッグ・フォウ・セバーグ。赤い髪を短く刈り込み野性味ある二枚目の筋肉質な体躯の少年。

 やはりリオンとは決闘の因縁のある相手。

 カーラが二人に向かって手を振ると向こうも気付いたようだ。そして直後カーラの隣に立つリオンに気づき嫌そうな表情を浮かべる。

 そしてリオンも折込済みとは言え同様に嫌そうな表情を見せる。

 そんな三人を見ながらリビアとカーラは二人顔を見合わせながら苦笑いを浮かべるのだった。

 

 

 

「カーラさん」

「ハイ」

「空賊退治って伝えたんだよね?」

「伝えたんですけどね~」

 

 そしてリオンとカーラは二人揃って盛大にため息を吐く。

 隣ではリビアも苦笑いを浮かべている。

 二人が呆れるのも無理はない。

 この先空賊と一戦交えようと言うのにグレッグは槍一本、ブラッドに至っては丸腰である。

 相手は空賊。飛行船は勿論強力な兵器や鎧を装備してる。

 この世界の"鎧"と言うのは飛翔能力を備えた人が搭乗し操る人型兵器である。

 そんな相手にこの程度の準備では呆れるなと言う方が無理である。

 

 

「やっぱあんなのじゃ頭数増やしても無駄だったかもしれませんね」

 

 カーラが頬をかき苦笑を漏らしながら言うとリオンも呆れ交じりに口を開く。

 

「あんなのじゃな~。まぁ元から俺だけでも十分勝てる算段だったし心配しなくていいよ」

「頼りにしてます男爵」

 

 そんな会話をしながらめいめい船に乗り込んでいくのであった。

 

 

 

 

 

 

 リオン達が乗り込んだ船パルトナーが出航して大分たった頃。

 船内の一室の娯楽室。

 

「これでどうだ!」「次こそは勝つ!」

 

 グレッグとブラッドがトランプの手札を開示する。

 成る程悪くない手である。だが――

 

「悪いな。また俺の勝ちだ」

 

 リオンの手札の方が更に上であった。

 負けた二人は頭を抱えながら叫びを上げる。リオンはそんな二人を見ながら意地の悪い笑みを浮かべるのだった。

 

 

「トランプもお強いですね~」

 

 度重なる勝利に上機嫌のリオンの傍らにやってきて口を開いたのはカーラだった。

 リオンはカ-ラの方を振り向きながら口を開く。

 

「ハハハッ、コイツらが世間知らずで弱すぎるのさ。どうだいカーラさんもひと勝負」

「やめときます。男爵の強さは存じてますから」

 

 そう言いながらカーラがリオンにカードの様なものを見せる。

 それは学園祭で行われたエアバイクレースのリオンに賭けた札であった。

 あのレース、リオンは周囲から激しい妨害とラフプレーに遭いながらも最後には見事な大逆転勝利を収めたのであった。

 

 

「空賊退治の勝利祈願も込めて買わせていただきました」

「ははっ、ちゃっかりしてんな~、ってこれ換金してないじゃん!? 学園祭終わっちゃったからもう換金できないよ?」

 

 だがリオンの指摘にカーラはにっこり微笑んで答える。

 

「あ、そうですね。でもいいんです。願掛けみたいな感じで買ったので。私にとってお守りみたいなものです」

 

 換金してないってコトは本当に純粋に応援の意味だけだったのであろう。

 そのコトがリオンはなんだか無性に嬉しかった。

 

 

「カーラさ~ん。次ぎはコレで遊びましょ~」

「うん、今行く~。あ、男爵も一緒にどうです?」

 

 リビアに呼ばれたカーラがリオンにも声をかける。

 

「そうだな野郎と遊ぶよりリビアやカーラさんたちと……いや悪い、もう少しコイツ等と話すことあるんで」

「そうですか。気が向いたら来てくださいね」

 

 そう言ってカーラはリオンに頭を下げるとリビアの元へ駆けて行った。

 そんな彼女に向かってリオンは手を振り見送るのだった。

 リオンが席に止まった理由、それはブラッドとグレッグが互いの婚約者について話始めたからだ。

 情報収集やゲーム知識とのすり合わせの為にも聞いといた方が良いだろうと判断した為であった。




すっかり仲良しですね

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