どうも、花粉症でムスカ状態になっている89式小銃です。
今回から戦闘中心の話になります。原作小説や空戦関連の本を読み漁って作成しますが描写が間違っていたり、イマイチな場合があるかもしれませんが目を瞑ってくださると幸いです。
それではどうぞ
小笠原諸島から北西に38kmの海上
母港を出発した救助部隊は大したトラブルもなく無事に小笠原諸島近海へ到達した。
1時間前までは南洋特有のエメラルドグリーンに輝く海面、何十羽もの海鳥が艦の周りを飛んでいる穏やかな海だったが、今や熱帯低気圧並みに波が荒れ狂い強風が吹き荒れ、満載排水量30000トン以上もある翔鶴型空母が上下左右に激しく揺れるほどの悪天候となっていた。
宮部「あれが鏡面海域か…」
救出本隊の後方を航行している支援部隊の旗艦である空母に乗艦している宮部は飛行甲板の横側にある25mm連装機銃が設置してあるスポンソンに立ち、暗い紫色をした濃い霧に覆われている小笠原諸島があるであろう場所を見つめていた。
宮部「なんとも非現実的な光景だな…」
初めて目にする現実離れした光景に素の声が出てしまう。
宮部「(敵機の性能、使用する戦術はあらかじめ確認したが…油断禁物だな…)」
前世界で戦果を交えた中国軍、英軍、そして米軍の航空機は人間が操縦しているため動きはある程度読むことができるが、セイレーンの航空機は無人であり機械が制御して飛行を行うため動きを読みづらく、更に噴式エンジンらしき物を搭載し大口径機銃を搭載しているため米軍のF6FヘルキャットやF4Uコルセア以上の強敵になることが予想でき、これまで戦ってきたものとは違う未知の敵相手に緊張が走る。
桑中「宮部少尉」
宮部「ん…桑中か」
名前を呼ばれ後ろに振り返ると桑中の姿があった。
今回、彼は宮部が指揮する小隊の2番機として参加する。
桑中「…緊張しているのですか?」
本人の内心を察した桑中が尋ねる。
宮部「していない…と言えば嘘になるな。未知の敵と戦うことに加えてあれを見たら緊張してしまってな」
鏡面海域へ指を指す。
桑中「鏡面海域…」
鏡面海域を鋭い目線で見る。
宮部「桑中も鏡面海域は初めて見るのか?」
桑中「はい、初めて見ます」
鏡面海域は100回出撃して1回遭遇するかしないかと言われるほど発生するのが稀であった。
そして鏡面海域内で空戦が起これば、飛行時間が1000時間を超える熟練搭乗員か、よほどの幸運が無ければ帰還するのが非常に困難であり今まで数千人以上もの搭乗員が鏡面海域で命を散らした。このことから重桜搭乗員の間では"死界"と呼ばれ恐れられていた。
桑中「鏡面海域は飛行教育の講習の際に資料で見ましたが…直で見ると禍々しいものを感じますね…」
桑中自身今回が初めての実戦であることに加えセイレーンの土壇場である鏡面海域での戦闘のため身震いする。
桑中「自分は生きて帰れるのでしょうか…」
数多もの搭乗員が命を落としたいわく付きの場所のため、少し弱気になる。
宮部「心配するな、必ず生きて帰れる」
桑中の肩を何度か叩き、励ます。
宮部「良いか桑中、とにかく俺の隊から離れるな。そして周りをよく観察しろ、特に側面と後ろの下部は要注意だ。敵機が奇襲を仕掛けてきても見つけにくい。それからー」
空戦で自身が実践している生き残るための技をアドバイスとして次々と語り掛ける。
宮部「俺が言ったことを戦闘中でも忘れるな。何かあれば無線ですぐ俺に助けを求めろ」
桑中「…面目ないです、何から何まで宮部少尉に頼ってばかりで…」
自分が未熟なせいで頼ってばかりなことに申し訳なさそうになる。
宮部「そう言うな。誰にだって頼ることはある。俺も航空兵に成り立てだった新人の頃は教官や先輩らに頼ってばかりだったからな」
自身も同じ境遇を経験していたことを話し桑中をフォローする。
宮部「だから遠慮せず俺を頼ってほしい。困った部下を助けるのが隊長の義務だからな」
桑中「宮部少尉…ありがとう御座います…」
「編隊長、艦橋下に集合!!」
航空隊を指揮する飛行隊長が飛行甲板上の編隊長らに集合を大声で呼び掛ける。それを聞いた編隊長らは艦橋下へと駆け寄り、宮部も急ぎ足で艦橋下へと向かう。
飛行隊長「これより作戦の打ち合わせを行う」
集まった皆が耳を傾け、飛行隊長の話を真剣に聞く。
飛行隊長「我々は、前方に展開している本隊の二航戦航空隊と合流し鏡面海域へと突入する。敵の規模は不明だが相当数が展開していると思われる。混戦が予想されるため、突入後は無線で連携しながら小隊ごとで戦闘を行ってもらう」
作戦開始時刻まで時間が差し迫っているため作戦順序を手短に説明していく。
飛行隊長「今回の作戦は相当数の犠牲者が出るだろう。昨日まで一緒の机で飯を食い、話し合った仲間が明日にはこの世にいないことだろう。…だが、重桜KAN-SEN最強戦力の一航戦や反攻拠点である小笠原基地が危機に瀕している!!そして重桜軍の未来は俺達に託されている!!」
士気を向上させるため、あえて話を多少過大に盛り込む。
飛行隊長「必ず遠征部隊と友軍、そして住民達を救うぞ!!」
「「「「おう!!!!」」」」
飛行隊長「各自、乗機へと搭乗し命令があるまで待機!解散!!」
解散した編隊長は部下に指示を送り、皆が己の持ち場へと向かう。
桑中「いよいよですね…」
宮部「ああ、お互いに健闘を祈ろう」
桑中「はい。宮部少尉もお気をつけて」
二人は分かれの挨拶をし、それぞれの乗機へと向かっていく。
宮部は主翼をよじ登り操縦席に乗り込み、胸ポケットから写真と天城から貰ったお守りを取り出す。
宮部「(松及、清子。必ず生きて帰るからな)」
そう念じると写真とお守りを胸ポケットに仕舞う。
それから5分後に発艦用意が下令され、いつもの飛行前準備を手順通りに行っていき発艦に備える。
そして艦橋横の張り出し部に居る飛行士官が発艦を意味する赤色の旗を掲げる。
ブロロロッ ブロロロッ
飛行甲板に並んでいた戦闘機の最前列が動き始め、次々と発艦していく。
宮部「(よし、行くぞ)」
ブレーキを緩め、徐々に速度を上げながら飛行甲板を滑走していき離艦する。
宮部に続き桑中が搭乗する2番機、桑中と同期である神田 京谷ニ飛曹が搭乗する3番機も離艦する。
宮部「(機に異常は…ないな。)桑中、神田。機に異常は無いか?」
自身の機体に異常が発生してないか確認し終えると無線機で二人に異常が無いか尋ねる。
桑中「桑中機、異常ありません」
神田「神田機、同じく異常ありません」
宮部「よし、これから鏡面海域へと突入する。それまでに何か異常があれば迷わずすぐ母艦に帰還しろ」
桑中「了解しました」
神田「了解です」
宮部「(さて…久しぶりの戦闘だが気を引き締めて行うとしよう)」
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その頃、前方15kmに位置している蒼龍を旗艦とした本隊と合流した先遣隊が航空隊発進の報を受けて動き始める。
榛名「蒼龍、後方部隊から制空隊が発進したわ」
蒼龍「分かりました。では私達も動きましょう」
飛龍「了解です」
蒼龍と飛龍の二人は花札を前方に展開させる。そして花札から艦載機を次々と召喚させ、艦載機が艦隊上空で隊形を組んでいく。
そしてしばらくすると後方部隊の制空達が合流し、零式艦上戦闘機、九九式艦上爆撃機、九七式艦上攻撃機で構成された130機以上の大編隊は鏡面海域へと向けて飛行する。
榛名「いつ見ても飛行機の大編隊が飛ぶ光景は壮観ね」
一糸乱れぬ大編隊を見ながら呟く。
高雄「…む?1機だけ頻繁に動いているものが居るな?」
綺麗な編隊を組んでいる航空隊の中に奇妙な行動をする機を高雄が見つける。
その機は、頻繁に機体の角度を変えたり何度も背面飛行を行っており、奇妙な動きに見えた。
摩耶「あんな飛行ばかりしていたら気が保たないだろう。よほど臆病なやつなんだろうな」
隣を航行していた摩耶が辛辣な言葉を吐き捨てる。
榛名「ドストレートに言うね…」
摩耶「事実だからだ」
摩耶の即答に思わず苦笑する。
そして蒼龍が咳払いして皆の注目を集める。
蒼龍「これより我々も鏡面海域へと突入します。敵戦力の規模は不明ですが皆さんの奮闘を期待します。そして一航戦の先輩方、基地と住民の方々を必ず救出しましょう」
「「「「はい!!」」」」
蒼龍の言葉に皆が意気込む。
飛龍「全員、最大船速!!一気に突っ込むぞ!!」
飛龍の掛け声と共にKAN-SEN達は鏡面海域へと最大船速で向かう。
ここに『遠征部隊・小笠原基地救出作戦』の火蓋が切って落とされた
to be Continue
紀伊8さんから☆9、GrauWolfさんから☆8を頂きました!!お二方ありがとう御座います!!多くの方に高評価を頂き、自分も驚くばかりです!!
次回は未定です。評価、感想をお待ちしております。感想を読めばモチベが上がって投稿ペースが上がるかも?チラチラ
それではグッバイ
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