どうも学生服姿のフォーミダブルに脳を焼かれた89式小銃です。
War Thunderにのめり込むあまり、小説があまり進んでいないことに危機感を感じております……おのれ惑◯め…
ただでさえ投稿頻度が遅いのにアズールレーンの小説をもう一つ書こうかなと思っている自分が恐ろしいです…
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それではどうぞ
ある日の昼の天城の屋敷
庭に咲き誇る桜の木々を背景に天城の部屋で黙々と将棋を打つ天城と宮部二人の姿があった。
天城「そういえば、今日で宮部さんが来てから2週間になりますね。ここでの生活には慣れましたか?」
宮部「はい。初めは困惑していたこともありましたが、重桜の皆さんが支えたりしてくれたのですぐに慣れることができました」
パチンッ
風の音や鳥の鳴き声といった自然の音は聞こえず、辺りには駒を置く際の乾いた音だけが響く。
現在の盤上の戦況は宮部から"歩"の半分と"金"と"銀"を取った天城の優勢で進められていたが、対する宮部も多くはないが少なくもない数の駒を天城から取っている。
天城「それは良かったです。何か困ったことがあれば私達にいつでも相談してくれれば良いですからね」
宮部「お言葉、ありがとう御座います」
パチッ
天城「それにしても宮部さんは将棋がお上手ですね。昔に習い事をしていたのですか?」
とても初心者とは思えない動きに、昔に専門学習でもしていたのかと尋ねる。
宮部「いえ、特に習い事は。訓練生時代の頃、同級生からの誘いで数回ほど対局しただけです。それに私は囲碁が専門ですので将棋についてはそんなに強くありませんよ」
天城「ですが、僅か数回の対局でここまで出来るとは宮部さんは凄いですよ。それに囲碁ですか。たしか神通も囲碁が得意でしたから宮部さんとも気が合いそうですね」
宮部「そうだったのですか。ならいつか神通さんとも対局してみたいものです」
何気ない会話を挟みながら、黙々と駒を動かす。
天城「…ところで宮部さん。空を飛んでいる一式陸攻を見つめる宮部さんの姿を外で良く見かけますが、一式陸攻に何か思い入れが?」
天城の言葉に、駒を摘む宮部の手がピタッと止まる。
宮部「いえ…思い入れといいますか……因縁の関係ですかね…」
天城「因縁の関係…ですか…?」
宮部「はい」
小言のように呟く宮部の表情は薄暗いものになっていた。
宮部「前にお話した特攻作戦には陸海軍の様々な航空機が投入されました。戦闘機、爆撃機、水上機、果ては練習機など本来は戦闘用では無い機体も作戦に投入され、それは双発攻撃機である一式陸攻も例外では無く多数が特攻作戦に投入されました。まさに使える物は全て使うですね」
天城「なるほど…しかし運動性能の悪い大型の双発爆撃機では攻撃を成功させるのは難しいのではありませんか?」
宮部「天城さんの言う通りです。遥か手間から探知される敵の緻密な索敵網、米軍の高性能戦闘機の迎撃、そして敵艦隊の猛烈な防空網を潜り抜けての攻撃は不可能に近いものでした。しかしそれを突破するための特殊兵器、桜花が開発されてしまいました」
天城「桜花?」
宮部「全長6m全幅5.1m、固体ロケットエンジンを搭載し、最大速度980km/h以上、機首に1.2トンもの大型徹甲爆弾が搭載されていました。一見ロケット兵器の類かと思いますが、この兵器の恐ろしいところが誘導装置として人を乗せることでした。もちろん敵艦へ突入する際の誘導のためにです」
天城「ッ…!?人間を誘導装置として乗せていたのですか…?にわかに信じがたい話ですが…」
あまりの衝撃的な内容に天城本人は信じられないでいた。
桜花のような自爆攻撃専用の機体など聞いたこともない。ましてや貴重な搭乗員を大切にする重桜ではありえない兵器であった。
宮部「全く持って信じられない話ですよね…ですが、事実この機は量産され、実戦投入もなされました。乗り込んでロケットエンジンを点火させたら最後、二度と生きて帰ることのできない死の桜です」
天城「そんな人の命を無視した兵器が運用されていたのですか……宮部さんとその桜花とはどういった関係が…?」
宮部「マリアナとフィリピンの失陥、沖縄への敵軍上陸など戦況が刻々と悪化していく中、私は九州の筑波にある練習航空隊に異動し特攻隊員の教官に任命されました。そして桜花へ搭乗する搭乗員の訓練も担当しました。皆、10代後半や20代前半の若い人ばかりで、私はそんな彼らに死ぬための訓練を施しました。みんな家族や友人が居るだろうに、懸命に訓練に励む彼らの姿を見て心が苦しくなったのを今でも思い出します」
話をしていく内に駒を掴む手が下へ下へと下がっていく。
宮部「話が少し変わりますが、桜花は航続距離がおよそ30〜60kmと短く、自力で飛び立つこともできません。そこで長大な航続距離を有する一式陸攻に搭載することによってその問題を解決しようとしました。しかし、2トン以上の機体重量を有する桜花を抱えた一式陸攻の機動性は劣悪そのものだったので、簡単に敵機に捕捉され七面鳥の如く容易に撃ち落とされてしまいました」
天城「っ…それでは搭乗員の方々は…」
今まで散っていった仲間達の仇討ちのために、敵艦を沈める意気込みで出撃した者達が敵艦隊の遥か手間でさしたる抵抗もできずに、敵戦闘機に撃ち落とされる悔しさ。
その時の搭乗員達の気持ちを考えると、天城は胸が苦しくなる。
宮部「…ある日の護衛任務に桜花を搭載した一式陸攻6機の護衛を他の僚機と共に担当しました。そのうち護衛対象の1機には桜花搭乗員となった私の教え子が乗っており出撃する前、彼は自分に『宮部教官が援護して下さるなら安心です』と言いました。…ですが、自分の目の前で教え子を乗せた一式陸攻が火を吹きながら堕ちていき、堕ちる寸前に搭乗員達と教え子が自分へ向かって敬礼をしている姿を見ました…」
今でも脳裏に浮かぶ、その時の彼らの笑顔。
それは死に行く者達の表情では無かった。
宮部「体当たりしてまででも自分がもっと強く守っていれば…少なくとも彼らは犬死にはならなかったはずです…」
自身の命が大事なばかりに陸攻の搭乗員達を、教え子の守ることができず見殺しにしてしまったことに宮部は顔を俯かせる。
天城「…宮部さん。忘れなさいとまでは言いませんが、過去の事をあまり深く考えず、前に向かってまっすぐ道を歩み続けるのが命を落とした宮部さんの仲間や教え子の方々に対する弔いだと私は思いますよ」
見かねた天城は、過去の出来事によって自責と後悔の念に駆られている宮部へアドバイスを送る。
天城「過去の出来事を忘れず心に留めておくのも大切です。ですが、ずっと後悔や自責に駆られていると身と心が保ちませんよ?それにきっとその人達は最後の最後まで敵機から守ってくれた宮部さんに感謝していたんだと私は思います」
宮部「…助言ありがとう御座います天城さん。少し気持ちが楽になりました」
天城の言葉によって心の中にあった自責の念、後悔の念が少し晴れた気がするのを感じ取る。
天城「礼には及びませんわ。では勝負の続きをしましょうか」
宮部「はい」
気を取り直し、勝負の続きを始める。
______________________________
5分後
天城「王手です」
宮部の王を取ったことによって今回の勝負は天城の勝利に終わった。
盤上には天城の駒に囲まれた宮部の駒が僅かに残っているだけである。
宮部「…参りました。噂でお聞きした通り天城さんはお強いですね。後半はほぼ押されたままでした」
30分間ずっと正座を続けていたので、姿勢を崩してリラックスする。
天城「そうおっしゃる宮部さんもお強かったですよ。ほとんど初めてなのにも関わらず、私の駒を半分も取ってしまうなんて正直驚きました」
宮部「いえ、自分はまだまだです。…もしよければ今度、将棋を教えてくれませんか?そしてまた機会があれば対局をお願いします」
天城「ふふっ、良いですよ。ですが私の稽古は厳しいですよ?」
宮部「どんなに厳しくても、全力で挑む所存です」
天城「ふふ、良い心掛けです」
スーーッ
土佐「天城さん、桜餅が安かったのでついでに買ってきました。っと…将棋をしていたのですか」
部屋を買い物から帰ってきた土佐が訪れる。そして買い物袋から桜餅の入った箱を取り出し、盤の横へと置く。
天城「あら、ありがとう土佐。早速頂いても良いかしら?」
土佐「どうぞ。宮部も桜餅をどうだ?」
宮部「ありがとう御座います土佐さん。ではありがたく頂戴します」
箱から一つ桜餅を取り出すと口へと運ぶ。
餅を包んでいる葉から桜特有のほのかな香りが漂い、一口食べるとピンク色に着色された餅米のほんのりとした甘みが舌の上に転がり、中のこし餡を噛み切るとしっとりとした甘みが口内に広がって食べた人を無意識に笑顔にさせる上品な味。
これには思わず宮部も笑顔になり、桜餅と共に抹茶を頂きたくなる。
土佐「ふむ…天城さん相手にかなり善戦していたんだな」
盤上の配置を見て天城を相手に善戦していたことに感嘆する。
宮部「いえいえ、後半はほとんど敵わなかったですよ。ラバウルに居た時、プロの四段を持つ下士官の方と対局しましたが、その方より上手ですよ天城さんは」
土佐「だが天城さんの駒をここまで取ったやつを見たのはお前が初めてだ。赤城とは大違いだな」
この場には居ない、天城の腰巾着と蔑んで嫌っている赤城に向けて辛辣な言葉を吐き捨てる。
天城「あら?そう言う土佐こそ、私に0勝32敗で負けているじゃないかしら?」
土佐「あ、天城さん!?それを人前で言うのはっ…!」
宮部「自分の戦績を他所に他人を蔑むような発言はいけませんよ土佐さん?」
土佐「み、宮部までっ…!」
二人からの言葉による反撃に混乱し、アセアセする土佐であった。
to be Continue
将棋の駒を置く際、音を鳴らすのは強くない者が強く見せつける為で、強者は最初から最後まで音を鳴らさないそうです。ですので天城さんには将棋を置く音を書いておりません。
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それではグッバイ
尻尾をモフるとすれば?
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